猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

東西擬音対決。

2017年11月15日 06時58分36秒 | ぷらっとプラハ。

 

石畳とトラムに躓いた話。

 

プラハ滞在も、残すところあと二日、という日。

ゴンザが盛大に転んだ。

道路を横断しようとして、トラムの線路に躓き、
肘に大きな擦り傷を負ってしまったのだ。

背負っていたお土産を庇おうとして、
充分な受け身が取れなかったことも一因となって。

言葉の通じない国で、まさかの流血騒ぎ。

骨折などしなかったのは不幸中の幸いとはいえ、
「ばい菌など入っては大変」と、
まずは薬局を探すことにする。

そして、ほどなく一軒の薬局を見つけ、
どうにか消毒薬を手に入れようと試みるが...

えーと、えーと、『消毒薬』って英語で何て言うんだろう!?

「どぅゆーはぶさむ...」

いいあぐねて思わず、スプレーを押す仕草で
「シュッシュッ」と擬音を口にする(笑)

今思えば、傷を見せているのだから、
そこは「さむ めでぃすん」でよかったのかもしれないが、
焦っていることもあり、ジェスチャーで押し通す。

と、あちらはあちらで、「おお!」と、傷を見て驚き、
奥に引っ込んでは、消毒薬らしきスプレーと、ガーゼ、包帯を持ってきて、
これで「シュッシュッ!」として、
ガーゼを貼って、
包帯を「シューッ」っと巻きなさいと、
擬音で説明してくれる(笑)

同じ人間同士、そんな時には通じ合うものなのか。

「そこの椅子で応急処置をしていいか?」
と、身振り手振りで尋ねると、
その若い女子店員さんは、
「どうぞどうぞ、使って行きなさい」と、
快くそれを許可してくれる。

「デクイー!デクイー!」

僅かに知っているチェコ語で「ありがとう!」を述べると、
私たちは薬代を支払って、
薬局を後にした。

あの、親切な店員さんのおかげで、
ゴンザの擦り傷はもう半分ほどの大きさになったが。


『チェコで転んだ話と東西擬音対決』は、未だ、
お客様への格好の『お土産話』となっている。


とにかく、無事に帰って来られてよかった。


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案ずるより旅は易し。

2017年11月12日 16時57分22秒 | ぷらっとプラハ。

 

街角を曲がれば、美、美、美の渦。

 

 

プラハ滞在中にも書いたが、
今回チェコへ行ったことで、
ミュシャの絵が、どうしてああなったのか、
理解出来たような気がする。

ミュシャ以前の、
様々な教会やシナゴーグの内部装飾、
立ち並ぶ建物、
美しい少女たち。

訪れなければわからなかったことが、
『訪れてわかった』ということは、
これ以上ない収穫で、喜びである。

 

【シナゴーグ】に見られる、異なる文化の美の交錯。

 



淡い空、かすかに銀を吹き付けたような丘の緑、
ピンクのマーブル、カラフルな壁たち。

教会群に輝く、金色のラテン文字に、
少し翳った石畳。

オスマントルコとの、
戦に勝った城主が飾った生首を、
烏が啄ばむ意匠とか。

または、
狂ったように美しい、フルボカー城の内部。

 

人が畏れるもの、憧れるもの。



聳え立つ教会と、
白く、美しく、
どこかユーモラスな骨の世界は、
あちらの様子も、そうそう悪くはないような、
そんな気持ちにもさせてくれる。

「ああ、こりゃミュシャの絵もああなるわ」

歩き回って見とれて腑抜けて、
過ぎ行く車窓にため息をつけば。

「来てよかったねぇ」
「ありがとう」

...まさか本当に来られるとは思っていなかったから。

 

長い長い時を経て。



仮に、子供の頃の私に、今、何か伝えることが出来たとしても、
やはり、私は何も伝えないだろう。

旅は未来で未来は旅だ。

人生は驚きに満ちている。

ただ、「心配しないで」と。

チェコはミュシャの生まれた国。

 

小さくて大きい、またはその逆の、この世界。






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本物だ!

2017年11月11日 03時21分19秒 | ぷらっとプラハ。

 

今回の『貼り紙』

何かチェコっぽい絵を描こうと、ゴンザがネットで見つけた、

人形使いの写真を参考にしたら...

(チェコは人形劇で有名)

 

現地でまさかのご本人発見!

言葉の出来ない二人の、体当たりチェコ旅のひとコマでした♪

 

コメント (2)
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内に秘めた狂気。

2017年11月09日 19時58分38秒 | ぷらっとプラハ。

 

一見可愛らしく、さっぱりとした瀟洒なお城。

けれど、その内部は...

狂ったように美しい。

何かに取り憑かれていたとしか思えない。

各部屋で美と美がぶつかり渦巻く。

フルボカー城は、チェコで一番美しいといわれているお城。

 

 

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扉の向こう。

2017年11月07日 16時00分02秒 | ぷらっとプラハ。

 

角を曲がれば、美しい、扉、扉、扉の数々。

 

 

プラハの街は、溢れる観光客のためか、
飲食店が本当に多い。

石造りの建物の、美しいドアの中には、
チェコの伝統的レストラン、居酒屋から、
アメリカ式のカフェ、中華、ケバブ屋まで。

本当に様々な飲食店が軒を連ねている。

しかし、同時に目立つのが空き店舗で、
これはおそらく過当競争のためであろうが、
それらはほとんどの場合、落書きで埋め尽くされていて、
非常に残念な気持ちにさせられる。

古都の美しさの裏には、
その『変わらぬ顔』故の『退屈』もあるのだろうか。

はたまた若者たちは、いつの時代もそうであるように、
何かに抗っているのか。

店舗に限っていえば、
弱肉強食の現実が雪崩れ込みつつある中で、
良い店は残り、そうでなければ、
消えてゆくのが運命だろう。

同時に、立ち並ぶマクドナルドやケンタッキー、
近年出来たというスターバックス。

得たものと同時に、失いつつあるものの大きさに気づかないのは、
どこの国も一緒ということか。

荒れ果てた、いくつもの空き店舗と、
客で賑わう、暖かな光に満ちた店舗を見比べながら、
私たちは、また、プラハとは遠く離れた島国の、
我が店のことを思う。

世界は広いけれど、
あの、小さな横浜の店が、
お客様に可愛がって頂けていること、
旅に出ることを快く許して頂けていること、
「早く帰ってきてね!」と言って頂けていること。

これを『世界で一番の幸せ』と呼ばずに、
何と呼べばいいのだろう、と。

私たちは世界で一番の幸せ者。

プラハの街中で思う。

みなさんいつもありがとう。


 

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