猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

幸福な瞬間

2007年06月05日 23時52分28秒 | 映画
我が家はとある駅から徒歩2分ほど、という、結構便利な場所にあるが。

実はこれがなかなかに便利ではない(笑)

いや。
『電車に乗ってお出かけ』だとか『第三京浜に乗ってドライブへ』なんてのには、かなり向いている場所ではあるのだが、なぜか最寄のコンビにまでは5分以上歩かなければならず(今どき珍しいよね)、また、ファーストフード店の類も一切ないという、浮世離れした土地柄だ。


     

.....で。
まあ、それに関しては乱開発に反対の立場をとる者として、この土地の愛すべき点だと、結構気に入っている私たちであるのだが。

ただひとつ。

わがままを言えば、レンタルビデオ店が近くに欲しいなぁ~、と。

いや。
正確にいえば『作品をたくさん取り揃えているレンタルビデオ店』が欲しい、なのだが、これがまた、見事に近所にはないのだ。

何しろ、我が家から歩いて行ける範囲の店(徒歩5分)では、本当に僅かなスペースに限られた数の作品しか置いておらず、営業時間もまた短いときている。
(システムも古い)
だいたいにおいて、TVのCMで大々的に売り出すスター先行の映画は別として、個人経営のレンタル店では、よほど経営者にこだわりがない限り、『これは!』と思う隠れた名作を並べてはくれないものだ。

まあ、だからといって大型店がすべて良いとは言わないが、抱える従業員が多ければ多いほど、彼らが持ち込む情報、知識も多くなり、品揃えが充実してゆく、または、その情報を客に提供出来るのだということは否めない。

だいいち、良い映画に巡り会おうにも、並べられた作品の数が少なくては選びようもないのだ。

つまり、私が最近ビデオ・DVDの類をあまり鑑賞しなくなった理由のひとつがコレ。
(なのだと言っても過言ではない)

で。


     


話はこの小汚いノート3冊へと及ぶのだが。

これには私が以前住んでいた家で、飽きることなく繰り返したビデオ屋通いの記憶がみっちりと詰め込まれている。

何かといえば、ちまちまと文章を書きたがる、私の陰湿な性癖(笑)が生み出した、名付けて『映画ノート』。

ここには、当時、私が見たビデオ(映画)の作品名からキャスト、スタッフ、その映画の製作年、ストーリー、それを見た感想などがみっちり書き込まれているが、今その本数を数えてみたら、240本あまりあったので、私はその間、相当な頻度でビデオを借り、返し、また借りることを繰り返していたのだと思う。
(なぜならこれは1年ぐらいの間に書かれたものだと思うから)

ここには、話題先行だけで実はつまらなかったらしい作品のこと、期待しないで見たのにすごく素晴らしくって、その発見に大喜びした作品のことなどが、びっちりと細かい字で書き込まれている。

しかし、哀しいかな、良い映画に出会ったときの幸せはとても素晴らしいものながら、人の記憶というのは次第に薄れてゆき、どんどんと曖昧になってゆくもの。

が、このノートをめくってみると、『ああ、あんな作品もあった』『あっ、あの時の感動はこうだった』なんて、様々なことを思い出すことが出来て、今さらながらに私はこのノートの存在を『書いておいてよかった』なんて思っている。

なにしろ、これがあれば『あなたのお勧め作品は?』と誰かに聞かれたときに、作品名をしっかり答えることが出来るし、その作品を勧めるにあたって、『この作品も合わせて見てみるといいよ』なんて、そのベースになってるものや、細かい情報を添えてあげることも出来る。
(ちなみにこの『お勧め作品は?』というのはよく聞かれることだが、
 とっさにそれを答えることというのは結構難しく、大概その質問をされてから
 数時間後などに『あっ、そういえばこの作品もあったのに』なんて思い出し、
 そのときはその質問をした相手とはすでに別れて帰宅していたりするものだ)

で、まあ、いったい何が言いたいのかというと、それが自分でもわからないのだが(爆)

映画ノートを発見して、そういえば最近ビデオを借りてないなぁと。
んで、それはなぜかなぁと考えるにあたって『こうだった』と。

ただそれだけ、なんですがね(笑)

しかし、この映画ノートを見返してみると、意外な作品で今をときめくスターが端役で出演してるのを見つけたことが書き込んであったり、話題作を酷評してたり、いち早くスターの素質持つ役者を発見していたり、なかなかに自分で読んでいても面白い。

で、今さらながら、映画は見るだけでなく、こんな楽しみ方をしてもいいかもね~、なんて、自分でも思ってみたりしている次第。

ちなみに私が一番好きなのは、見終わった時に幸せな気分になれる映画。
なのだが.....

たとえ小品であっても、良い映画に巡り会えたときの歓びというのは、人生に素晴らしい幸福をもたらしてくれるものだ。

ああ、近くにビデオ屋出来ないかなぁ。


     

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6 コメント

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おんなじだぁ~ (いなひこ)
2007-06-06 01:42:26
うちの近所のビデオ屋さんもそうなんです。私は、そこしか行った事がなかったから、好きな韓国ドラマも1~15巻あるのに、1~5巻しか置いてないの。でもあぁーまだ出てないんだなってず~~~と思っていたら、ある時、たまたま行った大型レンタル店を見てみたら、なんと全巻揃ってるじゃない。ホントにビックリした。

それからは、会員になってせっせこ電車に乗って、通っています。

 240本の記録は、すごいし、素晴らしいね。宝物だ。
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Unknown (る~)
2007-06-06 18:02:10

ウチの近所っていうかお向かいは某有名レンタル店があるんですが、
品揃えが悪いんです~~~
本屋・CDショップ・CDレンタルといろんなのが一緒になってるのもあるんですけどね。
ダンナと私はどちらかというと有名な映画より
マニアックな方。
で遠出して違うレンタルショップへ行ってます。
そっちは24時間営業なんで。
そこは映画の品揃えもすごいし、お笑い・ドラマさらには格闘技・プロレスまで
こういうレンタルショップが増えて欲しいですね

映画ノートすごいですね
私は文章ヘタクソでこういうのかける人尊敬します
返信する
すごい!! (ふみ)
2007-06-06 20:55:25
erimaさんの映画好きはハンパじゃなかったのですね!
映画ノート・・・おどろきました。
好きじゃなければノート3冊分も継続できないですよたぶん。いやはや感心いたしました。

もしも家が近所でしたら是非ともそのノートをコピーさせていただきたい勢いですが(笑)。

なにせボクも最近映画に興味を持ち始めた人間なのですが、わがままな心理としては、
「できるだけ“うんこ映画”は避けて通りたい!」
「2時間もかけて観るんだからどうせなら有意義な時間にしたい!」
という貪欲な感情が働いてしまうわけです(笑)。

しかしながら、友人に「おすすめだよ」と言われて観た映画にさほど心を動かされなかったり、逆に何気なく借りて観た映画が強烈な感動作だったりと、一筋縄ではいかない映画の奥の深さを感じることがあるのも事実。
だからこそ映画ファンは話題作、単館物にかかわらず貪欲にたくさんの作品を観たいと思うのでしょうね。

>『たとえ小品であっても、良い映画に巡り会えたときの歓びというのは、人生に素晴らしい幸福をもたらしてくれるもの』
おっしゃるとおりです。なにかこう、自分だけの宝物を発見したような、気分の高揚感を覚えますね。
返信する
リクエストBOX (erima)
2007-06-08 01:33:56
いなひこ様

15巻まであるのに、5巻までとは、びっくりですね~。

個人経営のレンタルビデオ店にも、リクエストBOXみたいなのがあったら、もう少しお客のニーズに答えられると思うんですけど...
やはり次から次へと新作が出る業界だけに、なかなか難しいのでしょうね。

しかも!なんでも、最近の大型店は、家にDVDを届けてくれるサービスなんかもあるといいますから、ますますお店によってサービスの進んでいるところとそうでないところにわかれていくのかもしれませんね。
実際自分で足を運び、商品を見て選ぶのも、大型店通いの楽しみでありますが♪

で。このノートに書き留められている鑑賞本数。
実は見たものの半分くらいではないかと思います。
おそらく書き留めていないものも含めたら相当な数になるのではないかと...
しかし、そこまで映画を見る時間があったとは、私ってどこまで暇なヤツなんだろうと、自分でも驚きです(笑)
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やはり店員さんがミソ、ですね (erima)
2007-06-08 01:41:53
る~様

個人経営の小さなお店でも、中にはかなりマニアックな作品や、隠れた名作ばかりそろえているところもあり、これはやはり経営者やそこで働く人の映画を見る目と、こだわりがものをいうのでしょうね。
24時間営業というのも、映画好きには重要なポイントだと思います。
(見たい気持ちが盛り上がったときに借りたいですもんね)

しかも、お笑いや格闘技、またドキュメンタリーなども品揃えがあると、何度でも通いたくなるのが絶対ですよね。
最近のお客さんは目が肥えていますから、商売をされるほうも勉強が必要になる時代でしょうね。

映画ノート。実は自分でも判読不可能なほど、びっちり書き込まれ、しかも書きなぐられているので、ある意味文章が成り立っていない部分もあります(笑)
とても人様に見せられるものではありませんが、読み返してみると面白いので、覚書だけでもしておくと、映画はまた違う楽しみ方も出来るかもしれませんね。
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どれだけ時間があったんだ...!? (erima)
2007-06-08 02:04:31
ふみ様

今ノートをめくりながら思い起こしてみますと、ここに書きとめられていない映画もたくさん記憶にはあり、おそらくこのノートをつけようと思い始める以前にも、かなりの本数を見ていると思われ...
その頃の私ってどれだけ暇だったんだ!?と、自分に問いたくなってきます(爆)
しかし、それだけ熱心に見ていただけあって、当時は様々な角度から映画を見れていたようで、この乱筆乱文、本人さえ解読不能な実態さえなければ、本当にお見せしたい気分(笑)
でも、その判読不能な部分を一生懸命読んでみると、やはり多く見る中にはウ○コ映画も多々あるようで(笑)こればっかりはパッケージにあるあらすじなんかを読んだだけでは選びきれないものなんですねぇ。
しかし、中にはウ○コ映画であるがゆえに、別の楽しみ方が出来るものなどもあり(爆)
それもまた映画のひとつの楽しみ方だなぁ、なんて今になって思います。

そういえば当時、今ではカルト作として有名になったマイク水野(水野晴男)の『シベリア超特急』が出たばかりの頃で、みうらじゅんさんや山田五郎さんなんかが『幻のシベ超』なんてひそかに騒ぎ始めていた頃だったんですが、それがどこのビデオ屋にも置いていなくて、私も懸命に探し回った記憶があります。
ビデオ屋のカウンターで「あ、あ、あの...『シベリア超特急』はありますか?」と、顔を真っ赤にしながら(笑)
あの頃は店員さんも「はあ?そういう作品はないですけど」なんて言ってたのが、今は『カルト大作』ですからねぇ。
時代ってのはわからないものです(爆)

そして、映画や本や、絵画なんかもそうですが、先日もお話に出た、文化的宗教的背景も含めての、その人個々の感性に関わってきますから、こればっかりはAさんにとっては『お勧め』でもBさんにとってはそうでもなかったり...難しいですね。
まさに、ふみ様がおっしゃる『一筋縄ではいかない映画の奥の深さ』

でも、誰が見ても名作というのも、映画には必ずあり、そんな映画に出会えたときは、生まれたことと、その巡り会いに感謝しますね。

映画談義も楽しいし~♪
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