猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

ノ、イバラの道

2011年05月19日 08時30分33秒 | つぶやき

 

お客様より、北海道は豊浦のイチゴをいただきました♪
大粒の、それはそれはみごとな甘い、芳しい。
「おいしい!」
イチゴはその花も可憐で美しい、バラ科の植物。

 

畑に自転車で通っていた頃は、
毎年、初夏に花を咲かせるノイバラの姿を楽しみにしていた。

年々大きく葉を広げ、
それはみごとな芳香を漂わせる、
その小さく清楚な花が、私は大好きで。

 

我が畑でも、小さいながら、今年もイチゴが.....。
鳥や虫たちも、きっと毎年楽しみにしているはずの(笑)

 

「河原のあそこにはね、それは素晴らしいノイバラの繁みがあるんだよ♪」

そう、ゴンザに報告することも、
楽しみであったのだ。

「またひとつ、繁みを見つけたから、今度の花の季節には、一緒に見に行こうね」と。

ノイバラは、古くより『うまら』(『うばら』)と呼ばれ、
万葉集に詠まれるほど、日本になじんでいた花のようだが.....

そりゃあ、あれほどの芳香であれば、
たとえば、その姿が目立たぬものだとしても、人は惹きつけられ、
自然と、その存在を意識もしただろう。

ことさら、花を愛してきたこの国では。

 

ほらね(笑)

 

バラを育てたことのある人なら、知っているかもしれないが、
園芸種として扱われているバラの接ぎ木の台木には、このノイバラが使われ、
同じく、園芸種に房咲きの性質をもたらしたのも、
このノイバラだということだ。

世界中で二万種あるというバラの中の、
基本の八種に含まれていると。

この世界で、日ごとに、土や、自然に囲まれた川が失われてゆく中で。

『その繁茂力の強さゆえに嫌がられる』という、このノイバラの生命力は、
何か、心強く、頼もしくも思えるものだ。

あの芳香や可憐な姿が、私たちの暮らしから失われるのは、
あまりに惜しいから.....

今年、車窓から見たノイバラは、さらに数を増やし、
株もそれぞれ大きくなっているような気がしたものだが、
その姿にたまらず、声をあげれば、
ゴンザはわざわざ車を停めてくれ、
そのおかげで私は、十分に立派な株のそばに歩み寄り、
思い切り、芳しい香りを吸いこむことが出来る。

「.....素晴らしい香りだね、本当に!」

 

こちらもバラ科、畑のフェンスに絡まった、ブラックベリーの花。
今年もたくさん獲れるんだろうなぁ.....どうしよう!?(笑)

 

今や、園芸種も数限りなく手に入るようになり、
優雅なものも、大輪なものも、
香りも多くある、バラではあるが。

それでも私には、このノイバラほど清々しいものは、
他にないように思える。

次回、畑に行く頃には、
もう花は散っているかもしれないが.....

それでもまた来年。

また来年、あの香りが嗅げると思えば、
たとえばその一瞬のためにだけでも、
足を運びたいと思うのだ。

人生は長いようで短すぎ、
あの香りをあと何度、楽しめるのかと思うと。

ノイバラの、その存在の永遠を思えば。

 

夢のような香りを漂わせるノイバラの繁み。
たくましく、可憐に、毎年大きくなってゆく。

 

 

コメント (2)
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考えてみれば

2011年05月19日 02時38分38秒 | 携帯から
夜中の中華街に来るなんて何年ぶり!?
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