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   猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

運命を握る者

2007年02月03日 03時27分28秒 | ルーツ
数日前のニュースで。
警察に捕まった男が、実は親の無届けで20年間、戸籍がないまま人生を送っていたことが大きく取り上げられていたが。

実は私も生まれてから2年あまり、戸籍を持っていなかった。

なぜかといえば、理由は簡単。

前述の男と同じ、両親が出生届を出していなかったから(笑)

まあ、我が家の場合は、いかに貧乏とはいえ、

『届けを出すと子供を学校に行かせなければならず、その金が出せなかった』

まではいかないのかもしれないが。
(たぶん、うちの場合は「届けを出すのが面倒臭かった」のだと思う・笑)

しかし.....
私は自分が生まれて2年あまりは戸籍を持たなかったことを知らないまま大きくなり、実際には、自分でパスポートの申請をするための必要書類を役所に取りに行って初めて、その事実を知ることとなる。

何の心構えもなく、目をやった書類に記されていた事実。

大抵のことにはショックなど受けない私も、なぜか、それを見たときは頭を殴られたような衝撃を受けたのをはっきりと覚えている。

.....いや。
何がそれほど『ショック』だったのかは今もわからないけれど。

とにかく、そのときの私は、ぐらりと揺れる自分の体を支えるのに必死だったように思う。

まあ、さすがにいい加減な私の両親も、我が子が成長するにつけ、このままではまずいと思ったのか、2年を経過してようやく無事に出生届を出してはくれたようだけど。

しかしもし、そのまま彼らがそれを怠っていたら、わたしもニュースの男性のように、戸籍がないまま、学校にも行けないまま、大人になっていたのかなぁと思う。

ああ、そういえば。
よく考えてみれば、母が赤ん坊の私を一度養子に出したのも(詳しくはこちらをクリック)、出生届が出されていない事実があってのことだったのかもしれない。
出生届の出されていない子供なら、私を貰った夫婦はまだ幼い赤ん坊の私を実子として届け出ることも出来たわけだから.....。
(今頃になってそのことに気づいた私)

そうだ。
母にその養子話を持ってきた人間も、それをわかっていて、話を進めていったのかもしれない。

でも.....
もしそうなっていたら。
その後、貰われて行った私を母が取り戻しに来なかったら。
私は、実は本当の両親がいることすら、知らずに生きていくことになったのかもしれない。

そして。
そうなったらきっと、今とはまったく違った人生を歩んでいたことだろう。

もちろんこうしてこのblogを書くこともなく。

しかし、実際は。
私はこの人生を歩み、これからも歩み続ける。

本当に波乱の人生ではあっても、この人生を。
(↑私の生い立ちの詳細はカテゴリの『ルーツ』を辿って頂けるとわかります)

まあ、幸い、生まれて2年以上が経過してからとはいえ、届けが出されたおかげで、私は義務教育も受けることが出来たし、ちゃんと結婚も出来たけど。

考えてみれば親が一枚の届けを出さなかっただけで、その国に存在すらしないことになる人間が出てくるっていうのは怖いことだと思う。

それに、そういえば。
私の出生届が出されていない(=戸籍がない)2年以上もの間、どうやって母が私の予防接種やら何やらを受けていたのか、粗捜しをしたら、案外国のシステムのいい加減さも出てくるのかもしれない(笑)

いや。
戸籍も持たない赤ん坊に、色んなケアをしてくれたことを考えれば、この国も結構親切だということかもしれないけれど。

でも、前述の『戸籍を持たない男性』の両親も、きちんと役所に行って、救済を求めればこんなことにはならなかったのかもしれないのになぁ。

義務教育をその子に受けさせなかったことは、本当に大きな犯罪行為だ。

それに.....
今回事件を起こして逮捕されなければ、その男性は戸籍を持たないまま、人生を終えていたかもしれないのだ。
そう考えると、なんだかとても怖くなる。

人の運命というのは。
説明の出来ない力や流れ、人との関わりあいで変わってゆくものだから、誰にも操れるものではないけれど。
一方では、一枚の紙で翻弄されるものでもある。

本当に.....
不思議で切ない。

だってねぇ。
私の出生届けだって、その、2歳の時点で届け出た際、『新生児』として出されていたら、私の今の年齢だって、あと2歳若くなっていたわけだから(笑)

んん~。
今からでも-2歳に改ざん出来んか?(爆)