今日はどこにも出かけなかったので、我が家の愛娘、ちゃあことの出会いを書いてみようと思う。
あれは、私がまだうら若き頃の夏...。
当時、私は母親と暮らしていた。
その日は朝から撮影のため出かけていたのだが、その撮影も午後には終わり、帰宅。
すると...そこには「得体の知れない小さな物体」が待っていた。
本当に小さなその物体は、どうも形は猫らしいのだが、目は目ヤニでつぶれて両方とも開いておらず、鼻は緑色の鼻水で塞がれて、辛うじて口で呼吸をしている有様だった。
驚いた私が母に事情を尋ねると、その当時の母の彼氏が車を運転していたところ、フラフラと横切るその「物体」が、彼の車のまん前で「...パタリ」と倒れたので、驚いて飛び出し、よく見れば猫っぽかったので、とりあえず母のもとに連れてきたのだ、ということだった。
その時の「物体」の悲惨な状況を、母は今でも繰り返し語るが、「目はつぶれているし、鼻は詰まってハァハァ口で呼吸しているのがやっとだし、何より、ノミの卵が体中に、それこそ本当にシシャモの卵みたいにボコボコくっついていて、思わず <何よ、これ!?> と叫んでしまったとのだという。
かといって、私は留守だし、とりあえず病院へ連れていかねばと、病院へ連れて行ったはいいが、「こんなに汚れていては診れないので、お風呂に入れてから来て下さい」と言われて帰されてしまった。
そこで、瀕死の体から力を振り絞って暴れる「物体」を、母の彼氏が大汗をかいて洗ってやり、乾かしたところで、私の帰宅となったのだった。
そして、再び、私が病院へと連れて行ったのだが、「生きられる確立は半分」と言われたほど、物体は衰弱していた。
しかし、関わった以上、やるだけのことは、しなければなるまい。
その物体は「とりあえず」と注射を打たれ、薬をもらって我が家に帰ったのだが、そこからは母、私、そして助っ人である妹、弟とで必死の看病が始まった...
ただし、たったの3日間。
薬を飲ませ、日に何回もホウ酸水で目を拭いてやり、細く作ったコヨリで鼻を拭く。
詳しくは覚えていないが、鼻水を口で吸いだしてやったこともあると思う。
とにかく、3日後にはその物体は、哺乳瓶の先を喰いちぎるほどに回復していた。
鼻も目もつぶれたままだったが、生きようとする姿勢には並々ならぬものがあった。
そして、その人懐っこさもまた、異様だった。
拾われてきて数日後。
仕事に出かけねばならなかった私は、妹に「物体」を見ていてくれるよう頼んだのだが、私が帰宅すると妹は昼寝をしており、そして、その胸元には「物体」が「ペッタリ」と乗っかって、妹と同じように寝息をたてている...。
その時湧き上がった愛しい気持。
...そしてその光景を、私は一生忘れないだろう。
みるみるうちに回復をとげた「物体」は、その暴れっぷりから、当初は「大将」名づけられたが、すぐに「大将」は女の子であることが判り、仕草や遊び方で生後2ヶ月半ほどであることも判った。
「女の子なのに大将ではあんまりだ」という母の思いから、物体は「茶々姫」(命名・母)という名を与えられたが、あまりの暴れん坊ぶりから、その後も彼女はフルネームで呼ばれたことがない。
最初は「ちゃちゃ」そして「ちゃあちゃん」もしくは「ちゃあこ」に変化。
ひどいときには「ちゃびぞう」や「ごんのすけ」となることもある(笑)
ただ、やはり病気をしたせいか、体だけは大人になっても小さいままだが。
とってもバカで、そして猿ほどに賢い彼女を、私は本当に天からの授かり物だと思っている。
きっと神様が「あそこに寂しがっている、孤独な女の子がいるから、お前行って愛を教えてあげなさい」と、神様が彼女を道端に降り立たせたのだ、と...。
心から、そう、信じている。
不思議なことに、ちゃあこに会ったことのある人はみんな、ちゃあこの名前を出すだけで笑い出す。
たぶん、やることなすこと、動き自体が印象に残り面白いのだとは思うが、そんな猫は滅多にいない。
そして14歳になった彼女は今も、私の妹や弟から「赤ちゃんの時に飲んだショッキングピンクの、強いイチゴ味のお薬の摂取過多でおかしくなった」とか、「フラフラと倒れたのは名演技だった」とか、限りない愛情を込めて言われ続けている(笑)
そして今、5年前から一緒に暮らすようになったゴンザもちゃあこに首ったけ。
...そりゃそうだ!
仕事に出かけようとすれば、歩くゴンザの足の上に乗って「行っちゃダメ」をする。
私に抱っこされてゴンザを送りだす時には、後ろからゴンザの肩に手をかけ「ちゅう」とほっぺにちゅうをする。
鼻をグイグイ、ゴンザの口に押し付ける。
そして、甘えが高じてヨダレをボタボタ垂らす(笑)
そういえば、14年前、ちゃあこを我が家に連れてきた張本人、母の<元彼>は「少しの間預かってくれ」と言って、彼女を置いて行ったのだけど...。
あの...14年も経っちゃいましたけど、いつ迎えに来るんですか...?(笑)
あれは、私がまだうら若き頃の夏...。
当時、私は母親と暮らしていた。
その日は朝から撮影のため出かけていたのだが、その撮影も午後には終わり、帰宅。
すると...そこには「得体の知れない小さな物体」が待っていた。
本当に小さなその物体は、どうも形は猫らしいのだが、目は目ヤニでつぶれて両方とも開いておらず、鼻は緑色の鼻水で塞がれて、辛うじて口で呼吸をしている有様だった。
驚いた私が母に事情を尋ねると、その当時の母の彼氏が車を運転していたところ、フラフラと横切るその「物体」が、彼の車のまん前で「...パタリ」と倒れたので、驚いて飛び出し、よく見れば猫っぽかったので、とりあえず母のもとに連れてきたのだ、ということだった。
その時の「物体」の悲惨な状況を、母は今でも繰り返し語るが、「目はつぶれているし、鼻は詰まってハァハァ口で呼吸しているのがやっとだし、何より、ノミの卵が体中に、それこそ本当にシシャモの卵みたいにボコボコくっついていて、思わず <何よ、これ!?> と叫んでしまったとのだという。
かといって、私は留守だし、とりあえず病院へ連れていかねばと、病院へ連れて行ったはいいが、「こんなに汚れていては診れないので、お風呂に入れてから来て下さい」と言われて帰されてしまった。
そこで、瀕死の体から力を振り絞って暴れる「物体」を、母の彼氏が大汗をかいて洗ってやり、乾かしたところで、私の帰宅となったのだった。
そして、再び、私が病院へと連れて行ったのだが、「生きられる確立は半分」と言われたほど、物体は衰弱していた。
しかし、関わった以上、やるだけのことは、しなければなるまい。
その物体は「とりあえず」と注射を打たれ、薬をもらって我が家に帰ったのだが、そこからは母、私、そして助っ人である妹、弟とで必死の看病が始まった...
ただし、たったの3日間。
薬を飲ませ、日に何回もホウ酸水で目を拭いてやり、細く作ったコヨリで鼻を拭く。
詳しくは覚えていないが、鼻水を口で吸いだしてやったこともあると思う。
とにかく、3日後にはその物体は、哺乳瓶の先を喰いちぎるほどに回復していた。
鼻も目もつぶれたままだったが、生きようとする姿勢には並々ならぬものがあった。
そして、その人懐っこさもまた、異様だった。
拾われてきて数日後。
仕事に出かけねばならなかった私は、妹に「物体」を見ていてくれるよう頼んだのだが、私が帰宅すると妹は昼寝をしており、そして、その胸元には「物体」が「ペッタリ」と乗っかって、妹と同じように寝息をたてている...。
その時湧き上がった愛しい気持。
...そしてその光景を、私は一生忘れないだろう。
みるみるうちに回復をとげた「物体」は、その暴れっぷりから、当初は「大将」名づけられたが、すぐに「大将」は女の子であることが判り、仕草や遊び方で生後2ヶ月半ほどであることも判った。
「女の子なのに大将ではあんまりだ」という母の思いから、物体は「茶々姫」(命名・母)という名を与えられたが、あまりの暴れん坊ぶりから、その後も彼女はフルネームで呼ばれたことがない。
最初は「ちゃちゃ」そして「ちゃあちゃん」もしくは「ちゃあこ」に変化。
ひどいときには「ちゃびぞう」や「ごんのすけ」となることもある(笑)
ただ、やはり病気をしたせいか、体だけは大人になっても小さいままだが。
とってもバカで、そして猿ほどに賢い彼女を、私は本当に天からの授かり物だと思っている。
きっと神様が「あそこに寂しがっている、孤独な女の子がいるから、お前行って愛を教えてあげなさい」と、神様が彼女を道端に降り立たせたのだ、と...。
心から、そう、信じている。
不思議なことに、ちゃあこに会ったことのある人はみんな、ちゃあこの名前を出すだけで笑い出す。
たぶん、やることなすこと、動き自体が印象に残り面白いのだとは思うが、そんな猫は滅多にいない。
そして14歳になった彼女は今も、私の妹や弟から「赤ちゃんの時に飲んだショッキングピンクの、強いイチゴ味のお薬の摂取過多でおかしくなった」とか、「フラフラと倒れたのは名演技だった」とか、限りない愛情を込めて言われ続けている(笑)
そして今、5年前から一緒に暮らすようになったゴンザもちゃあこに首ったけ。
...そりゃそうだ!
仕事に出かけようとすれば、歩くゴンザの足の上に乗って「行っちゃダメ」をする。
私に抱っこされてゴンザを送りだす時には、後ろからゴンザの肩に手をかけ「ちゅう」とほっぺにちゅうをする。
鼻をグイグイ、ゴンザの口に押し付ける。
そして、甘えが高じてヨダレをボタボタ垂らす(笑)
そういえば、14年前、ちゃあこを我が家に連れてきた張本人、母の<元彼>は「少しの間預かってくれ」と言って、彼女を置いて行ったのだけど...。
あの...14年も経っちゃいましたけど、いつ迎えに来るんですか...?(笑)