ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

生涯独身という選択

2016-10-23 17:10:51 | 日記
このところずっと、テレビのワイドショーでは、豊洲市場と東京
オリンピックの会場変更を、大きな問題として取り上げている。
昼間テレビのスイッチを入れると、どのチャンネルでもこの問題
について、ああだこうだと議論していて、退屈きわまりない。
「そんなこと、どうでも良いのになぁ」と思う私は、すぐにテレ
ビのスイッチを切ってしまうが、最近ではさすがにマスコミもこ
の二つのネタには飽きたのか、これに費やす時間は減り、替わり
に芸能ネタを取り上げることが多くなっている。市場問題にしろ、
オリンピックの会場問題にしろ、タレントの浮気問題にしろ、そ
んなことが話題の中心を占める国の国民は、たぶん幸せなのだろ
う。

私もこのブログでは、なるべく多くの人が関心を寄せるような、
そういう話題を選ぶようにしている。しかしそれも、「私自身が
面白いと思う」限りでのことである。ブログを書く当人が面白い
と思わなかったら、面白いものが書けるはずがない。

そんなことを思い、「さて、きょうのブログでは、何について書
こうかな」と考えながらネット・サーフィンをしていたら、「生
涯独身でも、不幸とは限らない」というタイトルの記事が目につ
いた。AllAboutの「ひかりの恋愛コラム」がリンク元である。読
んでみると、とても面白い。教えられることも多かった。そして
私は思ったのである。なるほどなあ、生涯独身という選択か。こ
ういうテーマなら、老若男女、独身か既婚者かを問わず、多くの
人が関心を寄せるに違いない。きょうのブログはこれで行こう
か。

でも、と私はすぐに思い直した。このテーマをブログで取り上げ
るのは、私にはちょっと荷が重いと思ったのだ。私は既婚者で、
糟糠の妻との同居生活は35年以上に及ぶが、そんな私が「生涯独
身」のコラムに関心を寄せたのは、いったいなぜだったのか。そ
れは私が、こう考えたからである「なるほどなあ、生涯独身か。
そういう人生もアリなのかな・・・」 そんなふうに考えたとき、
私は、独身のまま暮らす、もう一人の自分の姿を夢想し、あるい
は夢見ていたのかも知れない。なぜもう一人の自分の姿を夢見た
のかと言えば、それは今の暮らしが・・・おっと、ここから先を
書く勇気が、私には出ないのである。やれやれ。

でもこの元記事、とても面白いから、お薦めですよ。そのままコ
ピペしようかとも思ったが、それでは芸がない上に、長くなる。
ならば要約でも、と考えないでもなかったが、やはり元記事を読
んでいただくのが一番だろうと考えた。ここまでの文字数でも、
ブログの文章としては充分に長いということもある。

そういうわけで、きょうはここまで。お時間がよろしいようで。
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フクシマの英断に拍手

2016-10-22 16:25:05 | 日記
瞠目すべきニュースである。このニュースに接して、「これは大
変なことだ!」、「とんでもないことだ!」と感じる人は、たく
さんいるだろうと思う。6日前に行われた新潟知事選の、その投
票結果を知った今では、なおさらそう思えるのだ。この「大変な
」、「とんでもない」ニュース、――それは以下のとおりであ
る。

「東京電力福島第1原発事故後に福島県が設置した県民健康調査
検討委員会の委員で、子供の甲状腺検査を評価する部会の清水一
雄部会長(日本甲状腺外科学会前理事長)が、検討委に辞表を提
出していたことが分かった。清水氏は検討委が3月にまとめた「
放射線の影響とは考えにくい」との中間報告に疑問を感じ、「部
会長の立場では自分の意見が言えない」と辞任を決めたという。
 清水氏は医師で、甲状腺の内視鏡手術の第一人者。原発事故当
時に18歳以下だった福島県の子供たち約38万人を対象にした
検討委の甲状腺検査では、これまでに174人が甲状腺がんまた
はその疑いと診断されている。」
(北海道新聞10月22日配信)

検討委の部会長を辞任した清水医師は、「甲状腺の内視鏡手術の
第一人者」だということだから、専門家として、「フクシマの子
供たちに甲状腺がんが多いのは、原発事故による放射線の影響が
あるからだ」とする「自分の意見」に、医学的見地から、強い確
信を持っていたに違いない。その確信が(自分が部会長を務める)
検討委の中間報告に反映できなかったので、辞任を決めたという
のである。
これは見逃せない、重大かつ深刻なことだと言わなければならな
い。部会長が、部会長の立場のままでは自分の見解を曲げざるを
得ない、ということは、外部から検討委に対して、相当大きな政
治的圧力が加わったことを意味している。

私が重大かつ深刻だと感じる問題、それは、子供たちの健康に対
して放射線の影響があったとか、なかったとか、そういうことで
はない。むろんこれも重大な問題には違いないが、それ以上に重
大かつ深刻だと思うのは、「専門家が真だと確信する見解」が政
治の都合によって、いとも簡単にねじ曲げられ、闇に葬り去られ
てしまう社会の現状である。真相を葬ろうとする圧力の震源は現
政権だと(私だけでなく)だれもが思うだろう。真相を覆い隠そ
うとしても、姑息な隠蔽策はすぐに見破られる。こうして現政権
への信頼が揺らぎ、政治そのものへの信頼が揺らぎ、やがてこの
国が国家としての体をなさなくなることを、私は憂えるのである。

日本という国家を崩壊の危機から救うために、身を挺したとも言
える清水医師の英断に、拍手を送ろうではないか。
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出前の歯医者を知らないか

2016-10-21 17:25:36 | 日記
きのう、我が家に歯科医がやってきた。老年のドクター1名と、
若い女性の歯科衛生士2名の、計3名である。入れ歯を作るため
の作業ということで、私の欠けた歯の根元をグラインダーで平ら
に削り、歯型を取って帰っていった。口腔ケアの指導も含めて、
所要時間は2時間ほどである。

「え、今はそんなことを訪問でしてもらえるの?」と驚く人もい
ると思うが、たしかに、通院治療の予約さえままならなかった一
昔前を思い返せば、これは考えられない夢のような話である。お
そらく高齢化に伴う需要の高まりを受けて、厚労省も福祉制度を
見直したのだろう。身体が不自由で通院が困難な高齢者ほど、虫
歯や歯の欠損などのトラブルをかかえるものだ。私事を話せば、
ここ1年ぐらいの間に、私の歯はぼろぼろと欠けだし、煎餅など
の固いものが食べられなくなってしまった。しかし片麻痺の後遺
症をかかえる私には、歯科医院へ通院するのは敷居が高い。そう
いう事情から、私はずっと食事の時の不如意をかこってきた。

事の発端は、ケアマネさんが訪ねてきたとき、このことを口に出
してみたことである。心の温かなこのケアマネさんは、私の訴え
を受けて、「訪問歯科医」の存在を教えてくれただけでなく、(何
事にも不精な私の性分を察してか)電話で診療の予約までしてくれ
た。

実をいうと、我が家への訪問診療は、きのうが2度目である。1度
目はドクター1名と2名の歯科衛生士が訪れ、私の歯の状態を確認
するとともに、口腔ケアの指導をして帰っていった。

最近では歯科医院も乱立気味で、経営は決して楽ではないという
から、こういう「出前」の営業も快くしてくれるようになったの
だろう。需要と供給のバランスが成り立った形だが、まだまだ需
要の側がこういう供給の形を知らず、「需要」として顕在化しな
いケースも多いのではないかと思い、ここに記す次第である。

私の情報提供が少しでも皆さまのお役に立てばうれしいのだが。
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新潟 その声が聞こえない耳は

2016-10-19 15:05:26 | 日記
新潟県知事選の投票結果が出た。原発の再稼働に慎重な姿勢を示
す米山氏が当選した。再稼働を進めたい与党にとっては、これは
痛手となる選挙結果だろう。この選挙結果を受けて社説を書くと
なれば、よほどの与党びいきでない限り、次のような論旨になる
はずだ。

この結果は、「東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対する県民の反
対の強さ」を示すものである。「安倍政権は選挙で示された民意
を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。再稼働を既成事実化して
はならない」云々。

これは東京新聞の社説《「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示
す》(10月17日付)の一節であるが、朝日新聞や毎日新聞のよ
うに政府に批判的、もしくは中立的な新聞の、その社説の論旨も
これと似たり寄ったりである。くどくなるので、これらについて
は特に取り上げない。ごく当たり前の、自然なレスポンスだとい
うこともある。

それに比べて見ものというか、特筆に値するのは、政府べったり
の、あるいは政府寄りの新聞が、この選挙結果を受けてどういう
論旨を示すかである。

たとえば読売新聞《新潟県知事選 柏崎再稼働は冷静に議論せよ
》(10月17日付)は、次のように書いている。
「再稼働問題が知事選の最大の争点となり、人口減対策や地域活
性化などの政策論争が乏しかったのは残念だ。」
つまり読売は、人口減対策や地域活性化などが知事選の争点にな
れば良かった。そうなれば、自公が推薦した候補者が当選したは
ずだ、と言いたいのである。ここには「人口減対策や地域活性化
のためには、原発再稼働が必要だ」という、この新聞なりの主張
が顔をのぞかせている。

読売は、反対の選挙結果が出たあとになって、「人口減対策や地
域活性化が選挙の争点になり、県民の目がこれらの問題のほうを
向けば、選挙結果はおのずと原発再稼働を支持するものになった
はずだ」と、負け惜しみのようなことを言おうとしている。たし
かに人口減対策や地域活性化は、なおざりにできない地方の問題
ではあるだろう。しかし県民からすれば、そのようなことはあく
までも二の次の問題であって、何よりもまず大事なのは、原発が
再稼働された場合の、近隣地域の安全性を確保することなのであ
る。読売には肝心のそこのところが見えていないのだ。
読売はこうも書いている。
「専門的知見を踏まえ、再稼働の是非を判断する権限は原子力規
制委にある。(新潟県知事に当選した)米山氏は、その見解を尊
重すべきだろう。」
こう書くとき、読売は選挙結果に示された民意を(意図的にか)
読み違えている。「原子力規制委の(原発再稼働をめぐる)判断
は信用できない」というのが、あくまでも今回の選挙結果に示さ
れた民意なのだから。

産経新聞《新潟新知事は「脱原発」脱却を》(10月17日付)も、
選挙結果に示された民意を読み違えている、――いや、踏みにじっ
ている。産経はこう書いている。
「県民の選択を尊重するのは当然だが、米山氏には国家や国際レ
ベルの視野に照らしても齟齬(そご)を来すことのない賢明な県
政のかじ取りを期待する。」

これではまるで、「選挙結果など(表向きには尊重するふりをし
つつも、実際には)無視して、原発を再稼働すべし」と言ってい
るようなものではないか。それなら訊くが、この選挙はいったい
何だったのか。何を問う選挙だったのか。産経は自らの言説が民
主主義を踏みにじっていることに、気づいていないのだろうか。
選挙結果を無視し、民意を無視し、民主主義を否定する産経が、
次のように述べるのは、笑止千万だと言わなければならない。
「投票の相当数が対立候補の森氏に投じられたことも忘れないで
ほしい。
地球環境や国の将来、県の財政基盤の強化に、原子力発電が必要
だと考える多くの人がいる。」

いやいや、産経はむしろこう書くべきなのだ。
「投票の相当数が森氏以上に、対立候補の米山氏に投じられたこ
とも忘れないでほしい。
地球環境や将来世代のために、原子力発電が不要だと考える多く
の人がいる。」


それにしても、自社の社説がこんないい加減な論説をかかげるこ
とに、「これではマズい」と危機感をいだく読売や産経の記者は
いないのだろうか。「王様の耳はロバの耳だ」と気づき、このこ
とに心を痛める(床屋のような)記者はいないのだろうか。そう
いう記者がいたとすれば、彼は地面に穴を掘って「王様の耳はロ
バの耳だ」と叫びたくなるだろう。しがないサラリーマンの彼は、
地面に穴を掘る代わりに、どこか場末の居酒屋で飲んだくれ、悪
態をつきながら、酔いつぶれていることだろう。
「このロバの耳め!なんで聞こえないんだ!」
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ドゥテルテ劇場のゆくえ

2016-10-17 10:26:48 | 日記
久々に比のドゥテルテ大統領の話題である。

ドゥテルテ氏が私の予想を裏切って、かなり意外な言動を示した
というから、驚きである。きょう、次のような報道があった。

「フィリピンのドゥテルテ大統領は16日、18日からの中国訪問
などを前に南部ダバオの空港で記者会見し、習近平国家主席との
首脳会談で南シナ海問題に触れる考えを示した。これまでは議題
としない考えを示していたが、ドゥテルテ氏は一転して「我々の
主張を押し通す。取引はしない」と強調した。」
(毎日新聞10月17日)

私の勘ぐりでは、南シナ海問題、すなわち領有権問題は、比と中
国の間ですでに取引が済んでいる。だからドゥテルテ大統領は、
訪中してもこの問題は取り上げず、もっぱら友好の姿勢を強調す
るに違いない、――そう私は見ていたのだ。

ところがなんと、さにあらずである。

まあ、このしたたかな曲者のこと、今回の発言にも何か裏がある
のだろう。アメリカを意識して、今後この役者はどんな変転を見
せるのか。ドゥテルテ劇場から目が離せない。
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