ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

朝ドラ「虎に翼」のたくらみ

2024-08-02 13:51:40 | 日記
きょうは珍しく書きたいと思えるブログ・ネタを思いついたのだが、それを放り投げて、けさ見た朝ドラ「虎に翼」について書きたくなった。思い切り笑いとばしたくなるというか、思い切り腹が立つというか、そういうトンデモな話の展開だったからである。

けさの朝ドラは、(後にヒロインの寅子と再婚することになる)航一が、戦時中に体験した自分の「ある秘密」を語り出すという設定だった。その告白の内容があまりに馬鹿馬鹿しく、笑いとばすしかないのである。

どういうことか。航一は戦時中、内閣直轄の「総力戦研究所」で働いていた。机上でいろいろシミュレーションを行っても、結果はことごとく「日本の敗戦」。航一はその机上演習の結果を携え、軍部に「戦争をやめるべきだ」と訴えたが、軍の上層部から「机上演習の結果と実戦は全く違う!」とはねつけられ、戦争を阻止することができなかった。

その結果もたらされたのが、広島、長崎への原爆投下であり、妻の病死であり、敗戦後の飢餓と混乱である。何とまあ、それらの悲惨な結果をもたらしたのは、すべて(戦争を阻止できなかった)自分の責任だというのである。航一を演じる岡田将生の悲嘆にくれる大げさな演技と、告白内容の荒唐無稽さが相まって、いやが上にもNHKの企みを浮かび上がらせる。

つまり、広島、長崎への原爆投下はすべて(戦争を阻止できなかった)ボク(航一)の責任だ、というでっち上げの作り話に矮小化することによって、NHKは、「広島、長崎への原爆投下は、アメリカが犯した大罪だ」という真実を無きものにしようとしているのである。

寅子のモデル、三淵嘉子が裁判官として原爆裁判に携わり、アメリカの大罪を裁いた、という紛れもない事実がある。ところがこの朝ドラはその事実には触れずに、(当り障りなく)終わるのだろう。私はそう予測している。けさはその(見え透いた)予防線の一端を見たと思ったのである。
いや〜、事なかれ主義の権化・NHK様ここにあり、といったところか。

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