ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

国家の論理 そのゆくえ

2016-12-06 15:17:18 | 日記
国家は自己の論理に従って、国益の増大をめざす。その結果、国家同士の衝突が
避けられないが、それが端的に具体的な形をとるのが、領土をめぐる紛争である。
日本の場合、まだ紛争と呼ぶまでには至らないものの、北方四島(「国後島・択捉
島・色丹島・歯舞群島)をめぐるソビエト連邦(現・ロシア)との間の争いや、
尖閣諸島をめぐる中国との間の争いなどがそれに当たる。

ロシアとの関係といえば、ロシアのプーチン大統領が近々来日し、12月15日に、
安倍首相の故郷である山口県で会談することになっている。安倍首相は北方領土問題
の解決に向けて、長年にわたりプーチン氏との個人的な信頼関係を築き上げてきた。
今回の首脳会談はその総決算となる。安倍首相からすれば、ロシア大統領との個人的な
信頼関係を深めれば、北方領土問題の解決は日本側の思惑通りに進むはずだ、との思い
だろう。

ロシアとの間では、首脳同士のこうした信頼関係だけでなく、相互の経済協力の機運も
高まっている。グローバル化の波に押されて、企業の経済活動は容易に国境の壁を超え
るようになっている。両国間の経済活動の活発化が両国間の壁を低いものにすれば、両
国間にある領土問題の深刻度もそれだけ小さいものになり、問題の解決を阻む障害は
(つまり障壁は)減るに違いない、という期待混じりの見通しが、(特に日本側に)あ
ることは否定できない。

国境の壁を築く国家の論理と、その壁を無意味化する経済の論理。これら二つの論理の
葛藤は、それぞれの国家首脳の心の内部にもあるはずだ。来たるべき日露首脳会談では、
この葛藤がどういう展開をもたらすかが見どころになる。

アメリカのトランプ次期大統領は、経済の論理を国家の論理の内部へと取り込むことに
成功した(ように今のところは見える)が、さてさてロシアのプーチン大統領はどう出
るのか。まずはお手並み拝見である。
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