ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

再掲 核抑止論について考える(その1)

2024-07-30 08:59:55 | 日記
核抑止論について以前論じたブログ文を再掲する。読んでいただければ幸いである。
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8月6日は広島原爆の日。8月9日は長崎原爆の日。この時節になると、今更のように「核廃絶」の課題が浮かび上がる。「核のない世界」はどうすれば実現するのかーー。

ある程度の道筋は見えている。「核のない世界」の実現を阻んでいる最大のガンは「核には核で」の考え方、すなわち「核抑止論」なのだから、この「核抑止論」をどうにかすればよい。

ここまでは判る。だが、ここから先がわからない。この「核抑止論」を根絶するには、では、どうすればよいのかーー。それがさっぱりわからないのである。

それは何も私だけではなく、我が国の政治的リーダー、岸田首相にしても同じだろう。違うのは、この難問を解こうとしてあれこれ思いをめぐらすのか、それとも、これを難問として放り投げたまま、ペンディングの宙吊り状態にするかである。

この問題に対する岸田首相の態度は、次の記事が端的に語っている。

「広島市で6日午前8時に始まった平和記念式典。岸田首相は『唯一の戦争被爆国として、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力をたゆまず続ける』と力を込め、『道のりは一層厳しいものになっている』と指摘した。
そのうえで、自身が議長を務めた5月のG7広島サミットの成果を強調した。(中略)サミットでは『核兵器のない世界』が主要議題の一つで、(中略)G7初の核軍縮に焦点を当てた文書『広島ビジョン』を発表。(中略)広島ビジョンではロシアや中国への対抗を念頭に、核戦力で相手の攻撃を思いとどまらせる『核抑止』の必要性に言及した。(中略)米国の『核の傘』の下にある日本は、核兵器の開発・使用・威嚇などを禁じる核兵器禁止条約(2021年発効)には署名・批准をしていない。核保有国が一カ国も参加していないことを理由に挙げる。

(朝日新聞2023年8月7日)

「核兵器のない世界」の理念を語りながら、G7広島サミットの成果を強調する。この自分の態度に何の疑問も感じない岸田首相は、何と能天気なことか。G7広島サミットが打ち出した「広島ビジョン」には、「核兵器のない世界」の実現を阻む「核抑止論」の思想が中心の要石(かなめいし)として据えられていることを、この御仁は忘れているらしい。

岸田首相は、あるいはこの矛盾に気づきながらも、気づかないふりをして、いけしゃあしゃあと振る舞っているのかもしれない。そうだとしたらこの御仁、相当なタヌキ親父だと言わなければならない。その位のタフさがないと、政治の世界では生き残れないのだろう。
なんだかなあ・・・。
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(2023/8/7《岸田首相と核抑止論》より)

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