8月になり、広島、長崎の原爆の日が近づくと、新聞紙面には「核廃絶」の文字が散見されるようになる。きょうの朝日新聞には、次の見出しが打たれていた。
「(核といのちを考える)核廃絶、かなう日まで 国際平和シンポ『核兵器廃絶への道』」
国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道~核の脅威、多様性でのりこえる」が開かれたのは、さる7月27日のことだった。開催地は長崎市、今回で30回目となる。この記事はその記録である。
登壇者全員の発言を紹介することは、朝日の記事のほうに任せることにしよう。本ブログでは、イヴァナ・ヒューズさん(米NGO「核時代平和財団」代表)による基調講演に焦点を当てて紹介したい。が、その全体を委細にわたり紹介することはしない。この講演でメインテーマの「核廃絶はいかにして可能か」について言及があるのは、何ともはや以下の部分だけだからである。
「核兵器の廃絶は可能だ。その答えは核兵器禁止条約だ。来年3月に核禁条約の締約国会議がある。日本政府がオブザーバー参加するよう、みなさんに促して頂きたい。日米は同条約の加盟にとどまらず、完全な条約履行と核廃絶に向けた取り組みを導いていく責任がある。」
(朝日新聞8月5日)
え? たったこれだけ?
ヒューズさんは「核兵器の廃絶は可能だ。その答えは核兵器禁止条約だ」と述べて、のほほんの超楽天家ぶりを発揮するが、この核禁条約には肝心の核保有国が参加していないという致命的な欠陥がある。
この条約は Wikipedia によると、「2017年9月20日より各国で批准が行われ、2020年10月24日に発効に必要な50か国に達した」というが、実効性を伴うかどうか、大いに疑問がある。日本は「核保有国が参加していない禁止条約は現実的な核軍縮にはつながらない」として、条約に反対の立場をとっているが、この見解にもそれなりに聞くべき点はあると言うべきだろう。
こんな問題など、とんと意に介しないこの楽天家のおばさんは、
「(核といのちを考える)核廃絶、かなう日まで 国際平和シンポ『核兵器廃絶への道』」
国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道~核の脅威、多様性でのりこえる」が開かれたのは、さる7月27日のことだった。開催地は長崎市、今回で30回目となる。この記事はその記録である。
登壇者全員の発言を紹介することは、朝日の記事のほうに任せることにしよう。本ブログでは、イヴァナ・ヒューズさん(米NGO「核時代平和財団」代表)による基調講演に焦点を当てて紹介したい。が、その全体を委細にわたり紹介することはしない。この講演でメインテーマの「核廃絶はいかにして可能か」について言及があるのは、何ともはや以下の部分だけだからである。
「核兵器の廃絶は可能だ。その答えは核兵器禁止条約だ。来年3月に核禁条約の締約国会議がある。日本政府がオブザーバー参加するよう、みなさんに促して頂きたい。日米は同条約の加盟にとどまらず、完全な条約履行と核廃絶に向けた取り組みを導いていく責任がある。」
(朝日新聞8月5日)
え? たったこれだけ?
ヒューズさんは「核兵器の廃絶は可能だ。その答えは核兵器禁止条約だ」と述べて、のほほんの超楽天家ぶりを発揮するが、この核禁条約には肝心の核保有国が参加していないという致命的な欠陥がある。
この条約は Wikipedia によると、「2017年9月20日より各国で批准が行われ、2020年10月24日に発効に必要な50か国に達した」というが、実効性を伴うかどうか、大いに疑問がある。日本は「核保有国が参加していない禁止条約は現実的な核軍縮にはつながらない」として、条約に反対の立場をとっているが、この見解にもそれなりに聞くべき点はあると言うべきだろう。
こんな問題など、とんと意に介しないこの楽天家のおばさんは、
「日米は同条約の加盟にとどまらず、完全な条約履行と核廃絶に向けた取り組みを導いていく責任がある」
と屈託なく述べるが、日米がこの責任を果たさない/果たせない、重たい現実がある。少しでもこの現実に向き合う気があるなら、彼女はこう問いかけるべきなのだ。
「核廃絶が実現しないのは、なぜなのか。核廃絶を実現するには、どうすればよいのか?」
管見によれば、核廃絶が実現しないのは、米国をはじめとする核保有国が「核抑止論」にとらわれているからである。したがって核廃絶を実現するには、まずもってこの「核抑止論」を克服する必要がある。
私は先日、3日にわたり「核抑止論を考える」というテーマで過去ログの再掲を行った。私のこの企てはまさに「核廃絶を実現するには、どうすればよいのか?」という問題意識から発している。
この私の企てをどう思うか、私はイヴァナ・ヒューズさんに聞いてみたい気がする。解ってもらえるだろうか。
「核廃絶が実現しないのは、なぜなのか。核廃絶を実現するには、どうすればよいのか?」
管見によれば、核廃絶が実現しないのは、米国をはじめとする核保有国が「核抑止論」にとらわれているからである。したがって核廃絶を実現するには、まずもってこの「核抑止論」を克服する必要がある。
私は先日、3日にわたり「核抑止論を考える」というテーマで過去ログの再掲を行った。私のこの企てはまさに「核廃絶を実現するには、どうすればよいのか?」という問題意識から発している。
この私の企てをどう思うか、私はイヴァナ・ヒューズさんに聞いてみたい気がする。解ってもらえるだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます