自民党総裁選 朝日スクープの裏を覗く

けさの起きがけに「朝日新聞紙面ビューアー」を開いたら、第1面にでかでかとこんな見出しが打たれていた。

「安倍氏、旧統一教会会長と面談か　１３年参院選直前、総裁応接室　萩生田氏・岸氏も同席」

安倍元首相が取り巻き連と一堂に会した証拠写真も大きく掲げられている。

これはスクープだ！　私はそう思った。

でも、朝日は一体どんな意図からこんなスクープを打つのだろう。自民党の総裁選が間近に迫ったこの時期に、こんな記事をのせるのには、何か大きな理由があるはずだ。

では、総裁選の候補者のうち、この記事によって得をするのはだれなのか、損をするのはだれなのかーー。

旧統一教会といえば、自民党支持団体の中でもいわば保守派の総本山、「選択的夫婦別姓」問題については、一貫して反対の姿勢を貫いている。

「選択的夫婦別姓」問題といえば、小泉進次郎候補が保守派の反対を物ともせず、明確に「賛成」の立場を打ち出している。強硬な反対派の旧統一教会が朝日のスクープによって世間の糾弾を受け、勢いを削がれることになれば、進次郎候補にとっては御の字だろう。この情報は、もしかしたら進次郎候補の支援者筋がリークしたのではないか･･･。

そういえば、朝日新聞にはこんなことが書いてあった。

「複数の写真が今年初め、朝日新聞の情報提供窓口に寄せられた。」

な〜るほど。進次郎候補のバックには菅義偉元首相や森喜朗元首相がいるというから、この情報は多分そのあたりから流れたのだろう。

いやはや。自民党内では、岩盤保守層と急進派の進次郎支持派の間で、日々熾烈なバトルが繰り広げられているのかもしれない。総裁選の裏で繰り広げられるこのバトルが表沙汰になり、「自民党守旧派と果敢に戦う若大将」という父親譲りのイメージが定着すれば、それも、このところ落ち目の彼の人気を盛り返す一助になるに違いない。

いやいや、それだけではないぞ。このスクープはまた安倍派にとっても大きな痛手になるはずだ。裏金問題でいったんは打ちのめされた安倍派だが、最近はコバホーク（小林鷹之氏）やタカイチ姉さんを総裁選候補者に立てて、復権の機会をうかがっている。その安倍派がこのスクープによって大きな痛手を負うことになれば、コバホークやタカイチ姉さんにも影響が及び、彼らの選挙活動も勢いを大きく削がれるはずだ。
この意味でも、このスクープは進次郎候補を大きく利するのである。


う〜む。（敵を蹴落とすのが常態の）こんな政界の泥沼から、起死回生のホープが生まれるとは思えないのだが･･･。