ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

舞いあがれない「舞いあがれ!」に助っ人が

2023-02-18 10:12:00 | 日記
NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』を、毎朝、食事をとりながら見ている。一時は「町工場残酷物語」のような趣きになってげんなりしたが、一種の惰性で見ていた。そりゃまあ、ヒロイン「舞」の成長のためには、リーマン・ショックの苦労話も欠かせないのだろうけれど・・・。

しかしこの朝ドラも、最近になってやっと面白くなってきた。舞と貴司の恋愛模様に話が移っていったからだ。貴司は新進気鋭、売り出し中の歌人という設定であり、幼馴染の舞を思う彼の心の動きが、短歌をとおして表現される。おもしろい趣向と見るべきなのだろう。

ところが、これが「本歌取り」とか何とかで、えらく難しい。短歌の素養のない私には、この部分はちんぷんかんぷん、ほとんどがスルーを余儀なくされる。

どうでも良いけど、何とかならないものか、と思っていたら、思わぬ助っ人が現れた。「サラダ記念日」の俵万智さんである。こんな記事を見つけた。

《俵万智さん「貴司くんの本歌取り、わかりにくっ!」 NHK朝ドラ「舞いあがれ!」貴司(赤楚衛二)の短歌に私見》

本文は以下の通りである。
この日放送された第95回では、貴司が舞(福原遥)に贈った短歌『君が行く 新たな道を照らすよう 千億の星に 頼んでおいた』は、狭野茅上娘子(さののちがみのおとめ)の短歌『君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも』の本歌取り(オマージュ)であることが史子(八木莉可子)の指摘で明らかになった。本歌は夫を思う歌であり、貴司の歌も恋の歌と解釈ができるという。
俵万智さんは投稿に『貴司くんの本歌取り、わかりにくっ!(わざとという気もする)』とつづり、『秋月さんに敗北感を抱きつつ、わかりやすい本歌取りを置いておきます』と新聞紙上で自身が選んだ本歌取りの短歌の例も添えた。

(サンケイスポーツ2月16日配信)

ちなみに、この朝ドラの作者・桑原亮子氏は、2008年に短歌結社「塔」に入り、2011年1月に皇居で開かれた「歌会始の儀」には30歳の若さながら10人の入選者の1人として参加も果たすなど、歌人としても活躍しているという。

俵万智さんに関しては、こんな興味深い記事もある。

歌人、俵万智さんが17日、自身のツイッターを更新。福原遥が空を飛ぶ夢に向かうヒロイン・舞を演じるNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(月〜土曜前8・0)の貴司(赤楚衛二)に捧げる短歌を2首、投稿。ツイッターでは一時『俵万智さん』がトレンド入りした。
俵さんは『貴司くん(とリュー北條)に捧ぐ… 千億の星の一つになりたくて心が空を舞いあがる夜 一瞬の君の微笑み永遠にするため僕は歌い続ける』と投稿。タイトルの『舞いあがれ!』も意識したものとなっており、ファンからは『素晴らしい』『とても素敵です』などの言葉が寄せられた。

(サンケイスポーツ2月17日配信)

俵万智さんといえば、「サラダ記念日」以来、久々に聞く名前だが、彼女は彼女なりに時流に乗ろうと、いろいろ努力しているようだ。
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