ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

少子化の原因を考える(その2)

2023-02-14 10:02:30 | 日記
日本財団のアンケート結果を振り返ってみよう。17〜19歳の若者1000人のうち、「将来子どもを持ちたい」と回答した人は、全体の59%(=590人)、そのうちで「実際に将来子どもを持つと思う」と回答した人は46%(全体の27%=270人)だった。
この「持つと思う」と答えた人に、子どもを持つ上での「障壁」を複数回答で聞いたところ、
▽「金銭的な負担」と回答した人が69%(全体で19%=190人)、
▽「仕事との両立」と回答した人が54%(全体で15%=150人)だった。

こうした事実を必要な部分に限ってざっくりまとめれば、「将来子どもを持ちたい」と思い、「実際に将来子どもを持つ」と思いながらも、子どもを持つ上での障害は「金銭的な負担」だと考える人は、全体の19%(1000人のうち190人)もいることになる。

残念ながら、「経済的負担」や「仕事との両立」が障害になって実際に子作りを断念した若者がどれくらいいるかは、このニュース文を読んでも判らない。そもそも日本財団は、「将来子どもを持ちたい」と回答しなかった若者に対しては、子どもを持つ上での障害をどう考えるかについて、回答を求めていないようなのである。アンケートとしては片手落ちだと言うしかない。

それはともかく、留意すべきは、ここで回答されている(障害としての)「金銭的負担」が、具体的には「奨学金の返済」を意味していることである。「奨学金の返済が壁となり、将来子どもは絶対に持てないと考えている人」が少なからずいることは、NHKのニュースが強調するところである。ただ、そのことがこのアンケートからは読み取れないのである。

日本財団の調査では、「実施してほしい少子化対策」を「教育無償化」だと答えた人が39%(1000人のうちの390人)と最多になっているが、この要望は、具体的には「奨学金を借りたり、返したりしなくても、大学に行けるようにしてほしい」という要望だと解釈することができる。これは「高等教育の無償化」への要求だと解することもできる。

このことの意味・重みを、為政者はよく噛みしめるべきだろう。
「異次元の少子化対策」を実施しようとしているのならば、キシダくん、なおさらですぜ。
コメント
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