ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

森喜朗の〈なぜ〉

2022-11-11 07:02:54 | 日記
北朝鮮の〈なぜ〉に引き続き、今回の〈なぜ〉はすぐに発生した。きのう朝餉の食卓で、朝日新聞の紙面を開いたときのことである。こんな見出しが目に入った。

《元理事、賄賂計2億円 五輪汚職、捜査終結 4回目起訴》

記事はこう続いていた。

「東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で東京地検特捜部は9日、広告大手『ADKホールディングス』から約4700万円、大会マスコットのぬいぐるみを製造・販売した『サン・アロー』から約700万円の賄賂を受け取ったとして、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)を受託収賄罪で起訴し、発表した。」

え? これで「捜査終結」だって? あいつは一体どうしたのだ、あいつは?

私の頭に浮かんだ「あいつ」とは、元首相の森喜朗のことである。

2020年の東京五輪当時、組織委員会の委員長だったこの男は、(組織委員会の元理事で、すでに逮捕されている)高橋治之から200万円を受け取ったとされ、たしか東京地検特捜部の事情聴取を受けたのではなかったか。

それが、今回の汚職事件では、その名前すら出ないまま、幕引き(捜査終結)に至ったとは、一体どういうことなのか。過去のリクルート疑獄や、西松建設事件のときに取り沙汰されたように、「サメの脳みそ」の持ち主であるこの男は、今回も無類の政治力を発揮して雲隠れを企てたのか。

五輪祖式委員会を舞台に繰り広げられた汚職事件にもかかわらず、組織委員会会長の名前が全く出てこない、一時はたいへんな騒ぎだったのに、そのことがまるで無かったようなこの異様な有様は〈なぜ〉生じたのか。この不思議を問題にしたり、追及したりする動きがないのは、〈なぜ〉なのか。

政治の泥沼は限りなく深いということだろう。
コメント
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