ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ドロボー稼業の北朝鮮

2022-11-16 06:20:32 | 日記
北朝鮮の〈なぜ〉。その闇がさらに深くなった。隣の大国・中国との関係についてである。先日、本ブログで私は次のように書いた。

「中国からすれば、北朝鮮はいわば跳ねっ返りのチンピラ子分のようなもの。核の搭載が可能なミサイルをばんばんぶっ放してくれたほうが、アメリカを牽制する意味で望ましい。だから中国は、ミサイルを打ち上げるための費用をほとんど全額、北朝鮮に援助しているのではないか。」
(11月10日《北朝鮮はなぜロシアとの武器取引を否定するのか》)

北朝鮮は中国の子分であり、親分(中国)からの給金によって生計を立てている、ーーそう私は思い込んでいた。
ところが、この子分(北朝鮮)はドロボー稼業にいそしみ、経済的に自立して(中国から独立して)やっていけているというのである。こんな記事を読んだ。

連日のようにミサイルを発射する北朝鮮。各国から厳しい経済制裁を受ける中、その費用はどこから捻出しているのか。
北朝鮮の『外貨獲得』の手段の一つとされるのが、サイバー攻撃だ。『ラザルス』と呼ばれるハッカー集団が、日本を含む世界中の暗号資産を盗み続けているという。

(NHK11月14日配信《日本政府が名指し 北朝鮮ハッカー「ラザルス」とは何者か?》)

この記事のタイトルにあるように、これは日本政府が名指しして明らかにしたことだから、決してガセネタではない。記事は次のように書いている。

先月、国家公安委員長が記者会見で行った『ある発言』、関係者の間に衝撃が走った。
『北朝鮮当局の下部組織とされるラザルスが(日本の)暗号資産関連の事業者などを標的としたサイバー攻撃を行ったと判断するにいたった』
政府がサイバー攻撃の実行者とその背後の国家機関を特定して公表することを『パブリック・アトリビューション』と呼ぶが、これまで日本政府は、ほとんど行っておらず、極めて異例のことだった。
警察庁と金融庁、それに内閣サイバーセキュリティセンターは、この日、連名で、暗号資産の事業者などに向けて注意喚起の文書を出した。


ここでまた北朝鮮の〈なぜ〉の、その暗雲が広がる。北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」は世界中の暗号試算を盗み続けているというが、それほど高度な暗号技術を持つ「ラザルス」が、日本政府にしっぽを掴まれるような失態をおかすだろうか。

日本政府が今回の発表を行った意図ははっきりしている。北朝鮮による拉致事件の被害者家族が、事件発生45年を機に、「北朝鮮をなんとかしろ!」と声高に政府に迫っている。
日本政府としては「我々も北朝鮮の悪行をあばくべく、日夜頑張っているのです。何もしていないわけではありません」と、アリバイ(この場合は不在証明ならぬ、存在証明)を示す必要があったのだろう。

では、日本政府に「しっぽ」を握らせた北朝鮮側の、その意図はどういうものなのか。
〈なぜ〉をこよなく愛する天邪鬼爺も、このところいささか食傷気味である。
コメント
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