エンディングを見ながら、じわっと涙が浮いてしまいました。
夢中になってわくわくしながら大河を見ていた遠い時代を思い出したのかもしれません。
いや、本当はNHKにツンデレされたおかげで、感情が大きく揺さぶられたんでしょうね(笑)。11ヶ月もの間、NHKはつれないお方だったから。
まあとにかく今回はわくわくどきどきしながら、90分楽しんでしまいましたねぇ。新しい時代に対する高揚感がしっかりと伝わってきました。
まあ自分としてもこの坂雲に高揚しているので、そういうものがないまぜになって胸にジーンときたのかもしれません。
しかし、これが毎週楽しめるのか。それを考えるだけでもとても楽しいことですねぇ。
まず、製作者が言いたかったのは日本はいかに小さな国だったか、ということなんですね。幕末維新で体制を改めたものの、
まだ生まれたての赤ん坊状態。輸出品も少ない、読書階級だったサムライは西南戦争で消え、生き残ったサムライも平民となり、
ガラガラポンされてしまった。すべてはこれから、の時代だったんですね。それが未来に対するわくわくやどきどきといった高揚感につながってるんですね。
ナレーション:渡辺謙
もう、これだけで見震いします。大河ファンの男性としては、鼻血が出そうなくらい(笑)。今や世界のケンワタナベ。
いやあ、あの独眼竜がいまや、ねぇ。たんたんとしたモノローグがまたいい!(よろこびすぎか(笑)ちょっと天地人の薬が効きすぎてるな(苦笑))。
そうか、明治の時代は、日本はまだまだ少年だったんだねぇ。そして坂の上の雲という題名の理由が明かされ、ドラマスタート。
伊藤四郎さんがいい父親役をやってますねぇ。このひとの父親役というと、「おしん」を思い出しますが、あのときも貧乏で厳しいけれど愛情のある父親役
を好演していましたが、味のある父親役がうまいですねぇ。さてその父親、秋山久敬さんは、5人目の子供が生まれるととても食わしていけないってんで、
生まれた子を寺にいれようと言うわけです。それを、若き信三郎好古が「豆腐ほどのお金をこしらえるけん」とやめさせるんですね。まあ、実際そういうお金
をこしらえるのは後年のことになるわけですが、その気持ちをくんでお寺話はなしになるんですね。しかし、この子役の信三郎くんも鼻垂らしてたり、
髪の毛ばさばさだったり、芸が細かい。こういうこだわりがいいですねぇ。さて、お母さんは竹下景子さん。いやぁ、先日「黄金の日日」で結婚式の前日に
花嫁姿で自害されておりましたが、ここに転生されておったとは。なかなかいいですねぇ。このひとの母親役は安定していて信頼できます。
さて赤ちゃん淳五朗真之は、家族全員での雑魚寝団欒のシーンで早速「おなら」。いやあ、これは真之のお約束になっていくんですね。
しかし貧乏であるという現実を、しっかりと映像やセリフで見せているのはいいですね。「豆腐、お腹一杯食いてー」「それを言うな。言ったら余計ひもじくなる」
なんて貧乏を強調するセリフはほんと久しぶりなんじゃなかろうか。クレームから逃げていて表現の自由さを失った昨今のドラマに比べたらなんぼもいいですな。
さて信三郎好古は、風呂屋のお手伝い。なんか婦女子にきゃあきゃあ言われてますが、この好古もなかなかの好男子。しかも、阿部ちゃんと似てる感じもある。
NHKは子役選びがほんとうまいですな。まあ、子供店長みたいにはならないでしょうけど。
さて好古は元サムライでありながら、風呂屋のアルバイトということで、町中からいやみを言われるんですね。
こういう話はいろいろ伝わってますが、そりゃ「サムライじゃ!」ってえばってたのが、同じ平民となり、しかも風呂屋のアルバイトじゃあ、
意趣返しをしたくなる気持ちもわかります。それでも好古にいさんは、そんなものは構わず福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んで
感動しているわけです。それも「一身独立して一国独立す」という言葉に。この明治の世の中ってのは、いかに他国との不平等な条約を破棄し、平等条約を結び、
近代国家として独立するかがメインテーマでしたから、そのテーマを実現していくための、心意気として、この言葉があったのでしょうねぇ。
この若さでこの言葉に魅かれる好古にいさんもなかなか眼が肥えていたということですかね。
さて、淳五郎真之はガキ大将に育っていて、そんな好古にいさんを守ったり、幼な友達の正岡升(子規)を助けたりしている。まあ、このノボさんも
(「日露戦争物語」読んでたんで、この言い方になってますが)弱虫で妹の律に守ってもらってるくらいでなかなかかわいかったりするんですが、
この子役もちゃんと香川照之に似てるもんだから、いやぁNHKさん、あんたは偉い。徹底してますな。律の方も菅野さんのイメージあるしね。
さて好古にいさん、バイト先で、「ただの学校がある」と聞いて一目散に帰ってくる。県庁の学務科に勤めている父親が何故自分にそれを教えなかったのか、
確かめるためにですな。すると父親は仕事上の情報は、家には漏らせん、と言って、なんもしゃべらんわけです。ここで、この父親の武士の規律というか、
仕事への覚悟みたいなものが垣間見えるわけですね。案外口だけのおっさんに見えて、実はサムライな感じの描写がいい意味での人物造形になっています。
んで、そういうことならってんで翌日県庁に出向いて、正式に「ただの学校」への入学についてお伺いをたてると、父親が出てきて、県庁職員として
対処するわけですね。いやあ、「その方、何歳になる」なんて、さも他人のようにふるまうあたりに絶妙な味が出ていて、思わず苦笑してしまいました。
このひとには、若い頃からさんざん笑わされてきましたからね。「見ごろ食べごろ笑いごろ」なんてのあったなぁー(苦笑)。電線マンだったんですよ、
このひと。ヤクルトタフマンのCMでも笑ったし、白子のりなんてのもありました。いやーでもこの茶番劇おもしろかったですね。
「旅費をどうするつもりじゃ」「父がなんとかしてくれましょう」ってその父に言ってるんだからね(笑)。「その方、よい父をもったのう」なんて
あまりのちゃっかりさに笑っちゃう父とお金の用意が必要になっちゃった父の複雑な笑いの表情を伊藤さんが絶妙に演じていてよかったですねぇ。
さて、その好古おにいさんも大阪に旅立っていくわけです。父親の静かに見つめる表情。おかあさんの手の振り方、なんかジーンとしてしまいましたねぇ。
子供達のために親がしてやれることって、結局見送ることだけなのかもしれない。新しい世代を後押ししてあげることだけなのかもしれない。
なーんて、親の世代側の人間としては、そんな気持ちになりましたね。送り出される側としては、なーんも考えず期待だけだった記憶もあるんだけどね(苦笑)。
さて、真之はおじいちゃんを無くしたノボさんのためにお城で花火を挙げるわけです。そりゃふつうに怒られるよねー。そしてもちろん警察登場。
この警察官が「引越しのサカイ」徳井優。このひと、こういう演技大得意だよねぇ。このアホ演技。最高です。
んで、結局見つかって、自宅で竹下さんと共に、警官に怒られるんだけど、当の真之はケロリとしてるわけ。そいで怒った竹下お母さん、
短刀だしてきて「私も死ぬ。お前も胸を突いてお死に!」ってぐいって短刀を真之の目の前にかざす。このときの竹下さんは迫力でしたねぇ。
真之はやっとことの重大さを理解して、姿勢を正してお辞儀をするわけです。このあたり、お母さんもサムライの嫁として生きている凄みみたいなものが
伝わってきましたねぇ。
好古にいさんは、師範学校も卒業し、士官学校に入学し、実家に帰ってきます。家でも精一杯のおもてなし(おいしそうなごはんでしたね)ですが、
好古にいさんも手回しよく酒とごちそうを用意しておりました。このとき、真之とのぼさんとお律がそのごはんを食べて「うまいのう」を連発するわけですが、
これが、貧乏シーンを最初にやってあったので無理なく聞こえるんですね。ノボさんの「じゅんさんのうちで、はじめてごちそうになった」父「あいた」
も自然で、役者のちからって大きいですね(親父が飄々としていて、いいよね。ま、息子と酒酌み交わすのもうれしいだろうし)。
好古にいさんが軍隊を目指したのはまず食うことを考えたそうです。「ひとは一家を養い得てはじめて、一郷と国家のために尽くす」とか。伊藤さん
こんなこと教えてたの?まあ、最初に出てた福沢さんの言葉にも被りますしね。それにちょっとすっとぼけてみたりして、なかなかいい感じの父親造形です。
しかも、好古にいさん、真之のために、進学のお金まで払ってくれるという。いやぁよく出来た息子です。ノボさんじゃないけど、こんな弟思いの兄
がいたらうらやましい。それに真之だって勉強がんばっちゃうでしょうね。しかし、それだけこの時代、勉強できる環境ってのは、なかなか得がたいものだった
んでしょうねぇ。
そして時は過ぎ去り、香川ノボさん登場!。松山は政治ブームになってるんですね。いわゆる自由民権運動。土佐で板垣退助がやってるやつですけど、
それが松山あたりにも響いているということなんですね。しかし、香川さんちょっと若い感じが出てていいですねえ。もう40過ぎてんですよ。
利まつじゃあ、性格の悪い秀吉までやってるんですよ。いやあ、俳優の力はすごいねぇ。
ま、そんなわけで、香川ノボさんが演説していると、お約束のように警察官が規制にくる。その警察官はもちろん徳井さんです。
責任者は誰だ!と突っ込むとそれもお約束、上から炒り豆が落ちてきて、画面がパンアップするとドン!とメイン主役、本木雅弘さん登場。
上からドン!と飛び降りてくるのは、子供の頃高台から飛び降りていじめられていたノボさんを助けた時と同じ行動。お約束で倒れる徳井さんもいいですねぇ。
そして皆で歌って(徳井さんも踊ってるし)もう高揚感バリバリで、このあたり、ほんと楽しくって体が震えましたよ。そしてもちろん、菅野美穂お律も登場。
これも本木さんに続き徳井ダイブ。いやぁおもしろい。笑っちゃいますねぇ。
このあたり、若者の熱さみたいなものが伝わってきて、ほんとおもしろかったですね。
大学時代、新宿コマの前の噴水で、酔った勢いで百人ぐらいの知らない大学生達同士で、
わいわい騒いでいたのを思い出します。なんかこう、アホの強さというか。
何も知らないからこそ持つ希望みたいなものだけで、あの頃は生きていたしねぇ。
そんな若さの爆発みたいなシーンでとても楽しかったですねぇ。
結局、お律の持ってきた手紙で、のぼさんの東京行きが決定。真之ブルー。
親友に先をいかれりゃ、複雑になりますわな。そんなときでも、竹下母さんは炒り豆を作ってくれる。
とにかく炒り豆とおならが真之のお約束なんですねー。まあ、いろいろなメディアで真之は炒り豆とおならって書いてありますからねえ。それをしっかり、
映像化するNHKも、いい感じです。
真之は、ブルーになりながら、ノボさんちの男仕事を手伝ったりしています。これがまあ、いい体してるんですけど、さすが俳優さんだね。いやぁ、昔は
嫌いだったんですけどねぇ彼。まあ、あまりにいい男だったんで、嫉妬してたんですね、きっと。徳川慶喜あたりから見方が変わったような気がします。
まあ、作品はあれでしたが、役としては好演でしたからね。それに聖徳太子も良かったし。まあ、いい俳優になりました。ほんと、所作がきれいなんですよね。
日本のトムクルーズですかねぇ。そんな真之もちょっとふてくされてるんですね。そこを律に指摘されて怒ってみたり。
なんてやってるうちに親父から東京に行かんかと言われるんですね。好古にいさんが約束どおりめんどうを見てくれるんですね。
いやあ、いい兄さんだ。そして上京の日。
まだ、サムライ時代の名残が残っているんですね。お徒目付のおえらいさんが出てきて「伊予松山藩の名をあげよ」と言い渡すんですね。
んで、ここにも引越しのサカイ。いやあ、心得てますな。両親と友人達とのわかれ。このとき、お父さんは、好古にいさんのときとは、ちょっと違う風景なんですね。
眼を細めて懸命に自分を抑えようとしているような。
そりゃ、末っ子の旅立ちですからね。相当、心に来るモノがあったんでしょうねぇ。
お律もちょっとむくれながら、お見送りに来ている。
ちょっとすねた感じがいいですね。でも最後には、「のぼさんをよろしく」。弟思い、親思い、兄思い。いい子がたくさん出てますなあ。
友人達もガンガンに手を振っちゃって、お律さんも泣きながら海にまで入って。なんか熱いよねぇ。これが明治の熱さなんだろうか。
本木真之さんも泣いたりしております。引越しのサカイも手を振ってくれます。
こういうのを見ると、自分が何回も経験してきた別れのシーンを思い出して、同じような感情が湧いてきますねぇ。
ちょっとジーンとしちゃって(笑)。
年をとると涙もろくなるのは、それだけたくさんそういう経験をしてきたからなんですかねぇ(苦笑)。
さて、もっくん東京につくわけですが、この新橋駅を再現したシーンには驚きました。まああの、いきなり人力車のせ詐欺みたいなのも、
おもしろかったですけど、鉄道馬車の再現もすごい。もう、金かかってるーって感じで。メイキングみたら、あらかじめ絵コンテを
簡単なCGアニメにして、動画イメージの共有化を図ってるみたいですねぇ。新橋駅もVFXですねぇ。あんなの一瞬ですよ写るの。
いやぁ、それにこれだけ力かけてるんですからねぇ。ありがてぇって感じちゃいますよ(笑)。
それにロケも多いし最高ですなぁ。NHKさんやりますなあ(笑)(先週までむちゃくちゃこきおろしていたのは、誰?(笑))。
さて、にいさんの屋敷に来てみると出てきたのはなんと菊本佐々木すみえ。いやいやいや、役柄が似ているせいで、菊本にしか見えない。
今にも屋敷の向こうから「あっちゃん」が出てきそうで困る(笑)。まあ、このひとは、「ふぞろいの林檎たち」で初めて認識してからだから、
長いよなあ。トーク番組でみたことあるけど、本人はさばさばした感じのひとでしたね。
まあ、とにかく佐々木さんに案内されて入ってみると、お屋敷はお兄さんのモノではなく、なんか物置みたいな建物に住んでました。
いゃあ、家具もないんだけど、士官学校の制服とかどこに置いてるんだろ。と、待つほどに馬のひずめ音が響いてきて謙信公いやいやいや
伊集院少尉いやいや好古さん登場。さすがに伊集院少尉の頃とは風格が違いますな。
しかし、好古真之兄弟の晩酌の図というのは、「日露戦争物語」で映像化されてはいましたが、あっちの好古さんは化け物みたいなところが
あったから、こっちは割と普通にみえますね。しかし、阿部ちゃん風格ありすぎて、好古にいさんの頃のさわやかくんはどこいったって感じです。
「男子は生涯たった一事をなせばよい」この言葉のために身辺を単純明快にしておく。明治のひとたちが、いかにサムライの気持ちを
持っていたかわかるセリフですねぇ。ガイよのう。
この「ガイよのう」というのもいいですね。そういえば、おなじ司馬モノの「翔ぶが如く」では「チェストいけチェストー」と騒ぎまくってましたけど、
そういうの好きなん?。まあ、こういうご当地言葉は、その雰囲気がダイレクト伝わってくるので、非常にいいですねぇ。
しかし、こういう熱い兄貴に日々鍛えられたら、すげえ人間ができあがるような気がして、ある意味こわいんですが(苦笑)(これ、BLな視点で見る人も多いだろうなあ(笑))。
共立学校に入った真之はノボさんと再会。そこで英語を教えるのは高橋是清なんですねぇ。しかし西田是清の「奴隷になりかけた発言」の破壊力説得力は
すごいですねぇ。その一事で日本人のおかれた立場がわかってしまう。非常にいいシナリオです(プロだから)。
さて民役の松さん登場。民さんはお姫さんですからね。それをこの好古さんは狆と呼び、馬から下ろしちゃう。なんですか、あの軍人は?、となっている
ところへ、真之登場して、例のおならぶーですからね。評判がいいはずがありません。もう「獣だわ、キャー」みたいな眼で見てますな(笑)。
しかし、好古、真之兄弟がマキを割ってる図が風呂屋でバイトしてたときと同じという、ニクい演出。それを見つめる民さん。いやあ、なかなかいい感じです。
さて、真之とノボさんは、横浜の居留地にやってきます。といきなり不良外人が日本人の店主に乱暴を働き商品を盗品呼ばわりし、持って帰ろうと
しているわけですね。怒った真之は西田さんに習った
「英国紳士は博愛精神に富み、弱気を助け強気を挫く、常に法を拠り所として、犯罪や不正を憎み、正義を貫く」という
例文を皮肉として、しゃべりながら、けんかをしかけちゃうわけですね。勝てるケンカをしろ、といわれてる割には勝てる精算もないわけですが、やばい!
というところで、白馬の騎士いや、白いイギリス海軍さんが都合よく登場。「暴力はよくない」と言った上で、真之の言った文章をなぞり、
「法廷で争え、そして店主とあの若者に謝罪しろ」と言い放つわけです。不良外人はてってけてーと逃げ出し、めでたしめでたし。
しかし西田先生の言葉から、あんな不良外国人でも日本では裁けないという治外法権状態であることも、わからせてくれるんですね。
ひとつのエピソードでいろいろなことが表現されています。非常にいいシナリオだと思いますね(だってプロだもん。じゃ、「天・・」は?(苦笑)。)
そして巡洋艦「筑紫」の引渡し式。どうもこう男性としては、こういうのを見ると燃えますね。イギリス海軍が回航してきたものを
日本側に渡す儀式ですね。とにかく、このシーンはVFX使いまくりですからねぇ。なんか明治な雰囲気も出てるし、
なにもかもこれから始まるんだという雰囲気を醸しだしています。西田先生が、さっきの例文を主語を日本人にして、言いなおしてごらんと
真之に言うんですね。「日本紳士は博愛精神に富み、弱気を助け強気を挫く、常に法を拠り所として、犯罪や不正を憎み、正義を貫く」と言いながら、
真之は自分の役割というものに気づいていくんですね。横で聞いていたノボさんも同じく。そしてノボさんは、今の日本人が紳士でないことを
後ろにいる観客の日本人達を見ながら理解している。紳士である日本人をこれからつくっていくのが、自分達の役割なんだと、わかっていくんですね。
西田是清は、主人公達に自分達の役割を理解させる役だったんですねぇ。
「この国の法律憲法を作り国会を開く。国としての正義を世界に示すんです。日本が紳士の国だと。世界に認めさせることができれば、
治外法権はなくなるでしょう」
日本はまだ国際的には、紳士だとは思われていない。日本人も紳士ではない。世界からは、あの不良外人と同じだと思われているんです。
少年の国である日本が、今やっと紳士になろうと動き始めている。それを引っ張っていくのが、真之であり、のぼさんなんですね。
今動きだそうとしている「筑紫」と同じように日本も動き出している。そしてその一番真っ先にいるのが、真之でありノボさんだ、という表現なんですね。
ま、見ている時は、なかなか勇壮なシーンで、ただ単に「かっくいー」ってぼうっと見てただけですけどね(笑)。
しかし、好古さんの教育はすごいですね。新聞は読むな、ぜいたくするな、朝はてきぱきせい、はだしでいけ。
もう気持ちのいいくらい、もーれつ。真之のこれからの変化ぶりが楽しみですよ。
エンディングもいいですねぇ。サラブライトマン。それに音楽は久石譲。
そうか、脚本は野沢尚さんだったのか。どうりで素晴らしいはずだ。
それに関川夏央を始めとする脚本諮問委員会があるんだよ。
そりゃすげーのできるよ。どこぞの大河との比較なぞ、おこがましくてできやしないよ(笑)。
もうね、これ見ないとNHKにあげてるお金もったいないよね。
ほんとうによかったです。少年の国から新しい時代に旅立とうとする熱気。少年から大人になるときの、わくわくどきどき感。
遠い雲をみつめながら、坂を疾走するドライブ感。いろいろな思いが詰まった時間でした。とにかく満足の1時間半。
それにねぇ、途中実際の写真を挿入して、しっかり歴史を説明したりね、なんというか、昔のあの大河へかける情熱みたいなものが
このスペシャル大河には感じられますね。とにかく、「全力でぶつかってこい、全力でおもしろいモノみせてやる」という感じの意気込みが。
視聴率どうですかねぇ。堂々の漢大河だからなぁ。
ま、視聴率は天地人で無理してとったから、いいだろ。
とにかく次週が楽しみです。
わくわくどきどきの日曜日が日本に帰ってきたんですねぇ(笑)。ちょっと、じーん(苦笑)。
夢中になってわくわくしながら大河を見ていた遠い時代を思い出したのかもしれません。
いや、本当はNHKにツンデレされたおかげで、感情が大きく揺さぶられたんでしょうね(笑)。11ヶ月もの間、NHKはつれないお方だったから。
まあとにかく今回はわくわくどきどきしながら、90分楽しんでしまいましたねぇ。新しい時代に対する高揚感がしっかりと伝わってきました。
まあ自分としてもこの坂雲に高揚しているので、そういうものがないまぜになって胸にジーンときたのかもしれません。
しかし、これが毎週楽しめるのか。それを考えるだけでもとても楽しいことですねぇ。
まず、製作者が言いたかったのは日本はいかに小さな国だったか、ということなんですね。幕末維新で体制を改めたものの、
まだ生まれたての赤ん坊状態。輸出品も少ない、読書階級だったサムライは西南戦争で消え、生き残ったサムライも平民となり、
ガラガラポンされてしまった。すべてはこれから、の時代だったんですね。それが未来に対するわくわくやどきどきといった高揚感につながってるんですね。
ナレーション:渡辺謙
もう、これだけで見震いします。大河ファンの男性としては、鼻血が出そうなくらい(笑)。今や世界のケンワタナベ。
いやあ、あの独眼竜がいまや、ねぇ。たんたんとしたモノローグがまたいい!(よろこびすぎか(笑)ちょっと天地人の薬が効きすぎてるな(苦笑))。
そうか、明治の時代は、日本はまだまだ少年だったんだねぇ。そして坂の上の雲という題名の理由が明かされ、ドラマスタート。
伊藤四郎さんがいい父親役をやってますねぇ。このひとの父親役というと、「おしん」を思い出しますが、あのときも貧乏で厳しいけれど愛情のある父親役
を好演していましたが、味のある父親役がうまいですねぇ。さてその父親、秋山久敬さんは、5人目の子供が生まれるととても食わしていけないってんで、
生まれた子を寺にいれようと言うわけです。それを、若き信三郎好古が「豆腐ほどのお金をこしらえるけん」とやめさせるんですね。まあ、実際そういうお金
をこしらえるのは後年のことになるわけですが、その気持ちをくんでお寺話はなしになるんですね。しかし、この子役の信三郎くんも鼻垂らしてたり、
髪の毛ばさばさだったり、芸が細かい。こういうこだわりがいいですねぇ。さて、お母さんは竹下景子さん。いやぁ、先日「黄金の日日」で結婚式の前日に
花嫁姿で自害されておりましたが、ここに転生されておったとは。なかなかいいですねぇ。このひとの母親役は安定していて信頼できます。
さて赤ちゃん淳五朗真之は、家族全員での雑魚寝団欒のシーンで早速「おなら」。いやあ、これは真之のお約束になっていくんですね。
しかし貧乏であるという現実を、しっかりと映像やセリフで見せているのはいいですね。「豆腐、お腹一杯食いてー」「それを言うな。言ったら余計ひもじくなる」
なんて貧乏を強調するセリフはほんと久しぶりなんじゃなかろうか。クレームから逃げていて表現の自由さを失った昨今のドラマに比べたらなんぼもいいですな。
さて信三郎好古は、風呂屋のお手伝い。なんか婦女子にきゃあきゃあ言われてますが、この好古もなかなかの好男子。しかも、阿部ちゃんと似てる感じもある。
NHKは子役選びがほんとうまいですな。まあ、子供店長みたいにはならないでしょうけど。
さて好古は元サムライでありながら、風呂屋のアルバイトということで、町中からいやみを言われるんですね。
こういう話はいろいろ伝わってますが、そりゃ「サムライじゃ!」ってえばってたのが、同じ平民となり、しかも風呂屋のアルバイトじゃあ、
意趣返しをしたくなる気持ちもわかります。それでも好古にいさんは、そんなものは構わず福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んで
感動しているわけです。それも「一身独立して一国独立す」という言葉に。この明治の世の中ってのは、いかに他国との不平等な条約を破棄し、平等条約を結び、
近代国家として独立するかがメインテーマでしたから、そのテーマを実現していくための、心意気として、この言葉があったのでしょうねぇ。
この若さでこの言葉に魅かれる好古にいさんもなかなか眼が肥えていたということですかね。
さて、淳五郎真之はガキ大将に育っていて、そんな好古にいさんを守ったり、幼な友達の正岡升(子規)を助けたりしている。まあ、このノボさんも
(「日露戦争物語」読んでたんで、この言い方になってますが)弱虫で妹の律に守ってもらってるくらいでなかなかかわいかったりするんですが、
この子役もちゃんと香川照之に似てるもんだから、いやぁNHKさん、あんたは偉い。徹底してますな。律の方も菅野さんのイメージあるしね。
さて好古にいさん、バイト先で、「ただの学校がある」と聞いて一目散に帰ってくる。県庁の学務科に勤めている父親が何故自分にそれを教えなかったのか、
確かめるためにですな。すると父親は仕事上の情報は、家には漏らせん、と言って、なんもしゃべらんわけです。ここで、この父親の武士の規律というか、
仕事への覚悟みたいなものが垣間見えるわけですね。案外口だけのおっさんに見えて、実はサムライな感じの描写がいい意味での人物造形になっています。
んで、そういうことならってんで翌日県庁に出向いて、正式に「ただの学校」への入学についてお伺いをたてると、父親が出てきて、県庁職員として
対処するわけですね。いやあ、「その方、何歳になる」なんて、さも他人のようにふるまうあたりに絶妙な味が出ていて、思わず苦笑してしまいました。
このひとには、若い頃からさんざん笑わされてきましたからね。「見ごろ食べごろ笑いごろ」なんてのあったなぁー(苦笑)。電線マンだったんですよ、
このひと。ヤクルトタフマンのCMでも笑ったし、白子のりなんてのもありました。いやーでもこの茶番劇おもしろかったですね。
「旅費をどうするつもりじゃ」「父がなんとかしてくれましょう」ってその父に言ってるんだからね(笑)。「その方、よい父をもったのう」なんて
あまりのちゃっかりさに笑っちゃう父とお金の用意が必要になっちゃった父の複雑な笑いの表情を伊藤さんが絶妙に演じていてよかったですねぇ。
さて、その好古おにいさんも大阪に旅立っていくわけです。父親の静かに見つめる表情。おかあさんの手の振り方、なんかジーンとしてしまいましたねぇ。
子供達のために親がしてやれることって、結局見送ることだけなのかもしれない。新しい世代を後押ししてあげることだけなのかもしれない。
なーんて、親の世代側の人間としては、そんな気持ちになりましたね。送り出される側としては、なーんも考えず期待だけだった記憶もあるんだけどね(苦笑)。
さて、真之はおじいちゃんを無くしたノボさんのためにお城で花火を挙げるわけです。そりゃふつうに怒られるよねー。そしてもちろん警察登場。
この警察官が「引越しのサカイ」徳井優。このひと、こういう演技大得意だよねぇ。このアホ演技。最高です。
んで、結局見つかって、自宅で竹下さんと共に、警官に怒られるんだけど、当の真之はケロリとしてるわけ。そいで怒った竹下お母さん、
短刀だしてきて「私も死ぬ。お前も胸を突いてお死に!」ってぐいって短刀を真之の目の前にかざす。このときの竹下さんは迫力でしたねぇ。
真之はやっとことの重大さを理解して、姿勢を正してお辞儀をするわけです。このあたり、お母さんもサムライの嫁として生きている凄みみたいなものが
伝わってきましたねぇ。
好古にいさんは、師範学校も卒業し、士官学校に入学し、実家に帰ってきます。家でも精一杯のおもてなし(おいしそうなごはんでしたね)ですが、
好古にいさんも手回しよく酒とごちそうを用意しておりました。このとき、真之とのぼさんとお律がそのごはんを食べて「うまいのう」を連発するわけですが、
これが、貧乏シーンを最初にやってあったので無理なく聞こえるんですね。ノボさんの「じゅんさんのうちで、はじめてごちそうになった」父「あいた」
も自然で、役者のちからって大きいですね(親父が飄々としていて、いいよね。ま、息子と酒酌み交わすのもうれしいだろうし)。
好古にいさんが軍隊を目指したのはまず食うことを考えたそうです。「ひとは一家を養い得てはじめて、一郷と国家のために尽くす」とか。伊藤さん
こんなこと教えてたの?まあ、最初に出てた福沢さんの言葉にも被りますしね。それにちょっとすっとぼけてみたりして、なかなかいい感じの父親造形です。
しかも、好古にいさん、真之のために、進学のお金まで払ってくれるという。いやぁよく出来た息子です。ノボさんじゃないけど、こんな弟思いの兄
がいたらうらやましい。それに真之だって勉強がんばっちゃうでしょうね。しかし、それだけこの時代、勉強できる環境ってのは、なかなか得がたいものだった
んでしょうねぇ。
そして時は過ぎ去り、香川ノボさん登場!。松山は政治ブームになってるんですね。いわゆる自由民権運動。土佐で板垣退助がやってるやつですけど、
それが松山あたりにも響いているということなんですね。しかし、香川さんちょっと若い感じが出てていいですねえ。もう40過ぎてんですよ。
利まつじゃあ、性格の悪い秀吉までやってるんですよ。いやあ、俳優の力はすごいねぇ。
ま、そんなわけで、香川ノボさんが演説していると、お約束のように警察官が規制にくる。その警察官はもちろん徳井さんです。
責任者は誰だ!と突っ込むとそれもお約束、上から炒り豆が落ちてきて、画面がパンアップするとドン!とメイン主役、本木雅弘さん登場。
上からドン!と飛び降りてくるのは、子供の頃高台から飛び降りていじめられていたノボさんを助けた時と同じ行動。お約束で倒れる徳井さんもいいですねぇ。
そして皆で歌って(徳井さんも踊ってるし)もう高揚感バリバリで、このあたり、ほんと楽しくって体が震えましたよ。そしてもちろん、菅野美穂お律も登場。
これも本木さんに続き徳井ダイブ。いやぁおもしろい。笑っちゃいますねぇ。
このあたり、若者の熱さみたいなものが伝わってきて、ほんとおもしろかったですね。
大学時代、新宿コマの前の噴水で、酔った勢いで百人ぐらいの知らない大学生達同士で、
わいわい騒いでいたのを思い出します。なんかこう、アホの強さというか。
何も知らないからこそ持つ希望みたいなものだけで、あの頃は生きていたしねぇ。
そんな若さの爆発みたいなシーンでとても楽しかったですねぇ。
結局、お律の持ってきた手紙で、のぼさんの東京行きが決定。真之ブルー。
親友に先をいかれりゃ、複雑になりますわな。そんなときでも、竹下母さんは炒り豆を作ってくれる。
とにかく炒り豆とおならが真之のお約束なんですねー。まあ、いろいろなメディアで真之は炒り豆とおならって書いてありますからねえ。それをしっかり、
映像化するNHKも、いい感じです。
真之は、ブルーになりながら、ノボさんちの男仕事を手伝ったりしています。これがまあ、いい体してるんですけど、さすが俳優さんだね。いやぁ、昔は
嫌いだったんですけどねぇ彼。まあ、あまりにいい男だったんで、嫉妬してたんですね、きっと。徳川慶喜あたりから見方が変わったような気がします。
まあ、作品はあれでしたが、役としては好演でしたからね。それに聖徳太子も良かったし。まあ、いい俳優になりました。ほんと、所作がきれいなんですよね。
日本のトムクルーズですかねぇ。そんな真之もちょっとふてくされてるんですね。そこを律に指摘されて怒ってみたり。
なんてやってるうちに親父から東京に行かんかと言われるんですね。好古にいさんが約束どおりめんどうを見てくれるんですね。
いやあ、いい兄さんだ。そして上京の日。
まだ、サムライ時代の名残が残っているんですね。お徒目付のおえらいさんが出てきて「伊予松山藩の名をあげよ」と言い渡すんですね。
んで、ここにも引越しのサカイ。いやあ、心得てますな。両親と友人達とのわかれ。このとき、お父さんは、好古にいさんのときとは、ちょっと違う風景なんですね。
眼を細めて懸命に自分を抑えようとしているような。
そりゃ、末っ子の旅立ちですからね。相当、心に来るモノがあったんでしょうねぇ。
お律もちょっとむくれながら、お見送りに来ている。
ちょっとすねた感じがいいですね。でも最後には、「のぼさんをよろしく」。弟思い、親思い、兄思い。いい子がたくさん出てますなあ。
友人達もガンガンに手を振っちゃって、お律さんも泣きながら海にまで入って。なんか熱いよねぇ。これが明治の熱さなんだろうか。
本木真之さんも泣いたりしております。引越しのサカイも手を振ってくれます。
こういうのを見ると、自分が何回も経験してきた別れのシーンを思い出して、同じような感情が湧いてきますねぇ。
ちょっとジーンとしちゃって(笑)。
年をとると涙もろくなるのは、それだけたくさんそういう経験をしてきたからなんですかねぇ(苦笑)。
さて、もっくん東京につくわけですが、この新橋駅を再現したシーンには驚きました。まああの、いきなり人力車のせ詐欺みたいなのも、
おもしろかったですけど、鉄道馬車の再現もすごい。もう、金かかってるーって感じで。メイキングみたら、あらかじめ絵コンテを
簡単なCGアニメにして、動画イメージの共有化を図ってるみたいですねぇ。新橋駅もVFXですねぇ。あんなの一瞬ですよ写るの。
いやぁ、それにこれだけ力かけてるんですからねぇ。ありがてぇって感じちゃいますよ(笑)。
それにロケも多いし最高ですなぁ。NHKさんやりますなあ(笑)(先週までむちゃくちゃこきおろしていたのは、誰?(笑))。
さて、にいさんの屋敷に来てみると出てきたのはなんと菊本佐々木すみえ。いやいやいや、役柄が似ているせいで、菊本にしか見えない。
今にも屋敷の向こうから「あっちゃん」が出てきそうで困る(笑)。まあ、このひとは、「ふぞろいの林檎たち」で初めて認識してからだから、
長いよなあ。トーク番組でみたことあるけど、本人はさばさばした感じのひとでしたね。
まあ、とにかく佐々木さんに案内されて入ってみると、お屋敷はお兄さんのモノではなく、なんか物置みたいな建物に住んでました。
いゃあ、家具もないんだけど、士官学校の制服とかどこに置いてるんだろ。と、待つほどに馬のひずめ音が響いてきて謙信公いやいやいや
伊集院少尉いやいや好古さん登場。さすがに伊集院少尉の頃とは風格が違いますな。
しかし、好古真之兄弟の晩酌の図というのは、「日露戦争物語」で映像化されてはいましたが、あっちの好古さんは化け物みたいなところが
あったから、こっちは割と普通にみえますね。しかし、阿部ちゃん風格ありすぎて、好古にいさんの頃のさわやかくんはどこいったって感じです。
「男子は生涯たった一事をなせばよい」この言葉のために身辺を単純明快にしておく。明治のひとたちが、いかにサムライの気持ちを
持っていたかわかるセリフですねぇ。ガイよのう。
この「ガイよのう」というのもいいですね。そういえば、おなじ司馬モノの「翔ぶが如く」では「チェストいけチェストー」と騒ぎまくってましたけど、
そういうの好きなん?。まあ、こういうご当地言葉は、その雰囲気がダイレクト伝わってくるので、非常にいいですねぇ。
しかし、こういう熱い兄貴に日々鍛えられたら、すげえ人間ができあがるような気がして、ある意味こわいんですが(苦笑)(これ、BLな視点で見る人も多いだろうなあ(笑))。
共立学校に入った真之はノボさんと再会。そこで英語を教えるのは高橋是清なんですねぇ。しかし西田是清の「奴隷になりかけた発言」の破壊力説得力は
すごいですねぇ。その一事で日本人のおかれた立場がわかってしまう。非常にいいシナリオです(プロだから)。
さて民役の松さん登場。民さんはお姫さんですからね。それをこの好古さんは狆と呼び、馬から下ろしちゃう。なんですか、あの軍人は?、となっている
ところへ、真之登場して、例のおならぶーですからね。評判がいいはずがありません。もう「獣だわ、キャー」みたいな眼で見てますな(笑)。
しかし、好古、真之兄弟がマキを割ってる図が風呂屋でバイトしてたときと同じという、ニクい演出。それを見つめる民さん。いやあ、なかなかいい感じです。
さて、真之とノボさんは、横浜の居留地にやってきます。といきなり不良外人が日本人の店主に乱暴を働き商品を盗品呼ばわりし、持って帰ろうと
しているわけですね。怒った真之は西田さんに習った
「英国紳士は博愛精神に富み、弱気を助け強気を挫く、常に法を拠り所として、犯罪や不正を憎み、正義を貫く」という
例文を皮肉として、しゃべりながら、けんかをしかけちゃうわけですね。勝てるケンカをしろ、といわれてる割には勝てる精算もないわけですが、やばい!
というところで、白馬の騎士いや、白いイギリス海軍さんが都合よく登場。「暴力はよくない」と言った上で、真之の言った文章をなぞり、
「法廷で争え、そして店主とあの若者に謝罪しろ」と言い放つわけです。不良外人はてってけてーと逃げ出し、めでたしめでたし。
しかし西田先生の言葉から、あんな不良外国人でも日本では裁けないという治外法権状態であることも、わからせてくれるんですね。
ひとつのエピソードでいろいろなことが表現されています。非常にいいシナリオだと思いますね(だってプロだもん。じゃ、「天・・」は?(苦笑)。)
そして巡洋艦「筑紫」の引渡し式。どうもこう男性としては、こういうのを見ると燃えますね。イギリス海軍が回航してきたものを
日本側に渡す儀式ですね。とにかく、このシーンはVFX使いまくりですからねぇ。なんか明治な雰囲気も出てるし、
なにもかもこれから始まるんだという雰囲気を醸しだしています。西田先生が、さっきの例文を主語を日本人にして、言いなおしてごらんと
真之に言うんですね。「日本紳士は博愛精神に富み、弱気を助け強気を挫く、常に法を拠り所として、犯罪や不正を憎み、正義を貫く」と言いながら、
真之は自分の役割というものに気づいていくんですね。横で聞いていたノボさんも同じく。そしてノボさんは、今の日本人が紳士でないことを
後ろにいる観客の日本人達を見ながら理解している。紳士である日本人をこれからつくっていくのが、自分達の役割なんだと、わかっていくんですね。
西田是清は、主人公達に自分達の役割を理解させる役だったんですねぇ。
「この国の法律憲法を作り国会を開く。国としての正義を世界に示すんです。日本が紳士の国だと。世界に認めさせることができれば、
治外法権はなくなるでしょう」
日本はまだ国際的には、紳士だとは思われていない。日本人も紳士ではない。世界からは、あの不良外人と同じだと思われているんです。
少年の国である日本が、今やっと紳士になろうと動き始めている。それを引っ張っていくのが、真之であり、のぼさんなんですね。
今動きだそうとしている「筑紫」と同じように日本も動き出している。そしてその一番真っ先にいるのが、真之でありノボさんだ、という表現なんですね。
ま、見ている時は、なかなか勇壮なシーンで、ただ単に「かっくいー」ってぼうっと見てただけですけどね(笑)。
しかし、好古さんの教育はすごいですね。新聞は読むな、ぜいたくするな、朝はてきぱきせい、はだしでいけ。
もう気持ちのいいくらい、もーれつ。真之のこれからの変化ぶりが楽しみですよ。
エンディングもいいですねぇ。サラブライトマン。それに音楽は久石譲。
そうか、脚本は野沢尚さんだったのか。どうりで素晴らしいはずだ。
それに関川夏央を始めとする脚本諮問委員会があるんだよ。
そりゃすげーのできるよ。どこぞの大河との比較なぞ、おこがましくてできやしないよ(笑)。
もうね、これ見ないとNHKにあげてるお金もったいないよね。
ほんとうによかったです。少年の国から新しい時代に旅立とうとする熱気。少年から大人になるときの、わくわくどきどき感。
遠い雲をみつめながら、坂を疾走するドライブ感。いろいろな思いが詰まった時間でした。とにかく満足の1時間半。
それにねぇ、途中実際の写真を挿入して、しっかり歴史を説明したりね、なんというか、昔のあの大河へかける情熱みたいなものが
このスペシャル大河には感じられますね。とにかく、「全力でぶつかってこい、全力でおもしろいモノみせてやる」という感じの意気込みが。
視聴率どうですかねぇ。堂々の漢大河だからなぁ。
ま、視聴率は天地人で無理してとったから、いいだろ。
とにかく次週が楽しみです。
わくわくどきどきの日曜日が日本に帰ってきたんですねぇ(笑)。ちょっと、じーん(苦笑)。
ブログ開設、誠におめでとうございます。
大河好きのショスタキストと申します。
>「全力でぶつかってこい、全力でおもしろいモノみせてやる」
昔の正統大河のように誠実な作品で、涙が出ますね。
大河暗黒時代の後に、まさかこんな神ドラマが待っていたとは。
N○Kの深謀遠慮には恐れ入りました。
初コメントありがとうございました。
誠実な作品ですよね。自分も涙を流しました。
こんな時代に、こんな神ドラマ。
なかなか皮肉なNHKに、ちょっと笑ってしまいました(苦笑)。
庵主様のところから参りましたkagayoです。よろしくお願いいたします。
天地人と全然違う出来のドラマにノックアウトされています。良かったですよね。こんな自負に満ちた若者達が存在できたその時代にこそ、感動いたしました。
もちろん底辺の人たちはたくさんいたのでしょうから、秋山兄弟のような武士出身者はやはり恵まれていたともいえるのでしょうか。
日本が弱小国で、文化的にも、政治的にも、ほんの百数十年まえまで、鎖国していたなんて、いまや考えられません。そうおもうと、激動の近代史だったんですね。
今夜は、2話青春。日清戦争でしょうか。楽しみです。ハイビジョン録画準備して正座で鑑賞です・・。
では、また。
コメントありがとうございました。
「天地人」の時代から、庵主殿のところで、何度もコメントを拝見させて頂いておりました(笑)。
>こんな自負に満ちた若者達が存在できたその時代にこそ、感動いたしました。
ほんとですよね。「この国の未来を自分たちで変えていくんだ」という強い気持ちが
素直に表現されていて、ほんとうに気持ちよく見ることができましたね。
この熱い時代の雰囲気。
なんかよくわからないですが、男性としては、うれしくなってしまいましたね(笑)。
>ほんの百数十年まえまで、鎖国していたなんて、いまや考えられません。そうおもうと、激動の近代史だったんですね。
明治なんて遠い時代だと考えていたんですが、自分の祖母は明治40年代のうまれでしたし、人を通して
まだまだ継っている時代ですよね。その間にどれだけのことがあったか・・・。
それをこれから、疑似体験できるんですからね(笑)。今から楽しみです(笑)。
>今夜は、2話青春。日清戦争でしょうか。楽しみです。ハイビジョン録画準備して正座で鑑賞です・・。
もう録画は必須になりました。さあ、何処まで描いてくれるのかなぁ(笑)。
毎週日曜日の夜が楽しみだってことが、改めてうれしいですね(笑)。