私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ミナリ

2021-04-28 21:57:03 | 映画鑑賞

ミナリの感想は、先月末に一度書いているのだが、ユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞したこともあり、映画を見ながら考えた事をもう少し書き足したいなと思う。

直接映画とは関係ないかもしれないが、気になっていた事が、映画を見て合点がいったこともあり、書き残しておきたい・・・

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韓国人の同僚が以前「日本人の人はあんまりアメリカを意識していないね」という話をしていたことがある。突然何を言い出すのかと思ったのだが、彼女曰く「アメリカに留学していた人でもあまりアメリカの話をしないし、知り合った日本人の大学生も『アメリカに留学したい』という人がいない」というのだ。更に「韓国だったら、やっぱり勉強が出来る人は『アメリカの大学を目指したい』という人が多いし、海外展開している会社に勤務出来たら、アメリカに駐在したいという夢を持っている人は沢山いる」というのだ。

彼女自身も大学はアメリカに行きたいと、外国語を専門に学ぶ高校へ進学を考えていた際に英語を専攻すること希望していたのだが、同じような事を考える学生は多く、競争率も高かった事から日本語を専攻にすることにしたとの事だった。別の韓国人の知り合いも「大学で英語を専攻したかったのですが、やっぱり競争率が高くて・・・でも外国語を専攻したくて、結局日本語学科に進学を決めたんです」と同じような話をしていた。二人とも英語を諦め、ある意味消去法で日本語を学ぶ事を選択していた。

韓国人の同僚はそれでも私に対してはちょっとトーンを落として話をしていたが、韓国人の知人には「韓国の会社を日本で紹介する際に『この企業はアメリカにも進出していて〇〇で売り上げは〇〇、シェアも〇〇獲得しています』と説明してもちっとも乗ってこない。なんの関心も持たない。どういうことなの?」と、こぼしていた。彼女は「アメリカで〇〇」という話は、それだけ成功した会社、これからも伸びる余力のある会社という説明のために欠かせないポイントなのに、日本の企業はその話に何の興味を示さない。その温度差が理解できないと嘆いていた。

(彼女の話も分かるし、日本の企業がその話に必要以上に興味を示さない気持ちも分かるような気がした。)

同僚は、更に今はアメリカだけでなくカナダやオーストラリアに留学する学生や、子どもの進学を考えて家族で移住する人も多いという話を教えてくれた。「あまり小さい頃から家族で移住してしまうと、結局英語が話せるだけで、韓国語が話せないから韓国に戻る場所が無くなってしまうんだよね。」という本末転倒な話もあると言っていってはいたが、日本人には考えられない程、外向き志向の話を熱っぽく教えてくれた。

映画を見ながら、ニュアンスは少し違うが「母国から飛び出し、新天地での成功を夢見る」という点では通じる所があるなと思い、同僚から聞いた話を思い出した。

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映画の中では、妻が同僚が韓国人だと分かると「韓国人が通う教会を作らないか?」と誘うが、いい返事が返ってこないといういうエピソードが出てくる。

日本よりもキリスト教徒の数が多い韓国。移住した先で韓国系の教会があるのは珍しい事ではないらしい。(新大久保にもそういう教会があると聞いた)しかしいい事ばかりではないようだ。

以前韓国語を教えてくれた人から「日本に来て、知り合いもなく寂しいから教会に通うようになって、家族と連絡を絶つ人が結構います」という話を聞いた事がある。教会があっせんしてくれたアパートに住み、教会から紹介されたアルバイトをし、アルバイト代は全部教会に寄付するようになり、段々日本語学校からも遠ざかり、そして韓国の家族と連絡を絶つ。

「残念だけれど、よくある話なんです。」との事だった。

多分アメリカでも同じような話があるのだろう。。。