ドクチョルの妻からの電話で、水族館で居なくなってしまった彼を探すチェロク。
「迷子の子を追いかけていたら・・・」と言うドクチョルだが、やっぱり明らかに様子がおかしい。ただ、次の日も「昨日練習しなかったから・・・」と言いながら、何か焦っているかのように、いつもよりも念入りに練習に励むドクチョル。
一生懸命さは見ている私にも伝わってくる。バーを使わずセンターで練習できる事を子どものように喜び、真剣に練習を進める彼。
更にチェロクが元気のない事に気づいたドクチョルは、コンクールの本選参加を見送った彼に、配達の仕事中に雪道でスリップし、再び郵便配達のバイクに乗れるまで1年かかった自分の若い頃の挫折を話して聞かせるのだ。
(押しつけがましくない、そして経験に基づいたドクチョルの話・・・人生の先輩の話は胸にしみる・・・)
チェロク達と一緒に別のバレエ教室に見学に行った際、「自分の踊りを踊ってください」という言葉に背中を押され、皆の前で練習の成果を見せるドクチョル。
心を込めて踊る姿に皆から送られる熱い拍手に、更なる目標が見つかったドクチョル。そんな様子を自分の事のように喜ぶチェロクだが、ドクチョルが毎日のように熱心にメモする手帳を見てしまい、彼がアルツハイマー病を患っている事を知ってしまうのだ。
レッスンに熱心に取り組んでいたのは、自分に残された時間が少ないことを理解しての行動だったことを知り、ショックを受け、末っ子の息子の誕生日で盛り上がるドクチョルの家に思わず駆け付けるチェロク。
動揺を隠しつつ「明日から30分レッスンを増やしましょう」と言うのが精いっぱいの彼。(悩むチェロクに「お前はおじいさんを後ろから見守るだけでいいんだ。おじいさんを応援するだけでいいんだ」という友人の言葉が泣かせる・・・)
更に熱心にレッスンに励むドクチョルだが、ふとした瞬間に時間や空間の概念がどこかに行ってしまう事が多くなってしまう。
医師から「メモを取ることを習慣にすれば、進行を遅らせることが出来るかもしれないが、メモしたことを思い出せないようになる日が来る。」と告げられていたドクチョル。車を孫娘の就職祝いでプレゼントしたのもそんな理由からだったのだ。
チェロクのバレエを見た事で、忘れかけていた昔の事を思い出せるようになったと、メモ帳に書いていたドクチョル。その言葉を思い出し、公園で立ちすくむ彼の前でバレエを踊り続けるチェロク。
やっぱりザ・人生ドラマだ。。。。