正社員になりたくて、店長からの仕事外の依頼も笑顔でこなしたドクチョルの孫娘。
本採用の面接も手応えを感じる彼女だが、店長からの評価は低く、正社員登用試験に落ちてしまう彼女。「あなたがやると言ってくれたから仕事外の翻訳の仕事も頼んだのよ。面接の準備の時間がないなら断ればいいだけ。」労働搾取をし、自分は楽をしたにも関わらず、おそらくそんな彼女を正社員に残すことに逆に不安を感じ、彼女によくない点数を与えたのかもしれない。店長に食ってかかる孫娘の姿を見て、胸を痛めるドクチョル。
そしてそんな彼女に「本当に自分の好きな事をやればいい。」と伝えるチェロク。
孫娘を見守り、自分はバレエのレッスンに専念しようとするドクチョルだが、コンクールの本選に向けて準備をするチェロクは、ドクチョルにレッスンをする余裕がない。思わず強い言葉を発する彼を諭すキ・スンジュ。はじめはチェロクのやる気のためにドクチョルのレッスンを許した彼だが、ドクチョルが熱心にレッスンを行う姿を見て、何か思うところがあったのだろう。
イライラするチェロクに「自分を信じればいい」と優しい声をかけ、彼を家に招待し妻の手料理を振る舞い、「両親の事を思い出したなら、連絡すればいい。理由があるのだろうけれど、両親がいてこそ今があるのだから・・・」と静かにアドバイスするドクチョル。
チェロクが本選に進んだということを聞き、サッカーへの道が閉ざされ、何もしなかった数年間、チェロクとの差がついてしまったことへの苛立ちをどんな風にコントロールしていいか分からない元同級生。
階段で言い争った事で足首をねん挫してしまうチェロクを甲斐甲斐しく看病するドクチョル。
ビリヤード場ですさんでいる元同級生を必要以上に刺激してしまった自分に責任があると、反省するドクチョル。そして怪我を押してもコンクールに出ようとするチェロクの姿に自分の昔の姿を思い出すキ・スンジュ。
妻と一緒にチェロクの食事を準備し、レッスンが出来ない彼をおもんばかり、自分のレッスンも休もうとするドクチョルにキ・スンジュがレッスンをしようとすると「先生は僕だ」と歩けない姿ながらドクチョルのレッスンを行うとするチェロク。
孫娘にチェロクの送り迎えを頼むなど、家族ぐるみの温かい付き合いに、観ている私も思わず心和むが、ドクチョルがなぜ「時間がない」と言いながら、急いでレッスンを行おうとしていたのかがだんだんと分かってくる。
自分の携帯を下駄箱に置き忘れ、今まで一度も忘れた事のない結婚記念日も忘れ、妻と一緒に行った水族館で妻を置き去りしてしまうドクチョル。
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ドクチョルの3人の子供たちも、チェロクにレッスンをするキ・スンジュ元夫婦にも、皆何かしら悩みを抱えているのだ。
お互いを思いやりながらもすれ違う思い。ザ・人生ドラマだ。