昨日は、発達した低気圧の影響で、北国は悪天候で綾里にも10cmほどの雪が積もりました。
明け方まで北風も強く、予定した卒業生を対象にしたイベントを中止せざるの得ないのではと心配しましたが、午前9時頃には、雪もすっかり止み、時々日差しが指すほどまでに回復しました。
思いがけない雪に、遠くから通学していた児童の欠席が目立ちましたが、それでもクラスの半数が参加してくれました。
まず、朝の挨拶やスケジュールの説明後、「炭と人々の暮らし」の歴史や「炭の効用」などについて学び合い、その後、用意してあった松ぼっくりやどんぐりなどの木の実をアルミホイルに包み、スチール缶に入れて花炭づくりの準備や、焼き芋の下準備をしました。(本来はシカ防護柵設置作業を終えたあとに、山から自分たちで拾ってきた材料で花炭を作る予定でした)
どんな花炭ができるのか?子どもたちは、材料となる木の実やイガグリや竹の根などを、丁寧にアルミホイルで包んでいます。
そして、田んぼで、あらかじめ火を燃やし、花炭づくりができる状態にしたなかに、スチール缶をいれ、山に向かいました。
山は、一面の雪でしたが、足場の悪い中、植樹地に向かってみんなで、シカよけチューブの材料を運んでいます。
一昨年植樹したコブシ苗がシカに食べらたところは、みんなで協力して新たにサクラ苗木を植えました。
「僕の木、私の木」を”ヘキサチューブ”で囲う作業にそれぞれが取り組みました。
さすが卒業生、一度の説明でやり方をすぐにマスターし、参加できなかったお友達の分までヘキサチューブを取り付けてくれました。
女の子達もペアーを組んで、支柱を打ち込んでいます。
取り付けの終わったヘキサチューブのケースには、それぞれの名前とメッセージを書き、山を降りました。
お昼には、地域の方々がおにぎりや豚汁を用意してくれていました。
作業をしたあとの豚汁はことのほか美味しく、みんなで和やかにおしやべりしながらいただきました。
昼食後は、お待ちかねの花炭を缶から取り出してみました。
慎重にアルミホイルを剥がし、「あっ崩れた!」「ワーきれいな色!」「すごい!そのまんま炭になっている!」など悲喜こもごもの歓声が聞こえていました。
出来上がったツバサくんの花炭。
みなさん、まあまあの出来栄えでしたが、とても満足した顔を見せてくれました。
そうこうしているうちに焼き芋も出来上がり、つむぎの家の中で、熱々の芋をほおばりながら、感想を述べ合いました。
「楽しかった!」「美味しかった!」「花炭作りは、もう一度やってみたい!」等々、小学生最後の思い出ができたようです。
最後は、校長先生のご挨拶。
校長先生は、休日返上で朝早くから来てくれました。子ども達と一緒になって花炭づくりやヘキサチューブの設置など、積極的にイベントに取り組んでくださいました。綾里小を巣立っていく皆さんは、幸せいっぱいです。
当初の予定では、里山を散策しながら花炭の材料集めや、焚き火を囲みながらの花炭づくりや焼き芋作りをと、子どもたちの体験を重視したイベントにしたいと願っていましたが、雪で里山が覆われてしまい、お天道様には勝てませんでした。
それでも、悪条件にもかかわらず、事故もなく無事に小学校最後の里山体験に取り組むことができ嬉しく思っています。中学生になると、部活や勉強と忙しくなり、つむぎの家とも疎遠になりがりですが、植樹した木の生長を見に、これからもつむぎの家に来てくれることを願っています。6年生の皆さん、卒業おめでとう!!
綾里っ子は、防護柵設置で、生き物探し、基地作り、弓矢作りで遊んだ里地・里山のシカ問題を実感し、またマツボックリやどんぐりなどの花炭作りで、里山の伐採木が燃料として再利用できることを自分の目で見たことでしょう。
この自然体験は、中学入学前の希望溢れる子供たちの心に深く残ったと思います。 綾里っ子の笑顔で分かります。
森林の大切さやふるさとへの愛着を感じてくれたことと思います。