大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

茎の甘い アマニュウ

2013年05月15日 | 山菜

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アマニュウ(せり科)

アマニュウは、茎に甘味があり食用になるというのが名前の由来だそうです。
大小迫山の森への入り口にあたる林縁に群生しています。

初夏には白色の小さな花をたくさんつけ、昆虫たちのレストランにもなるアマニュウは、どんな味がするのでしょうか?以前から興味がありましたので新芽を食して見ることにしました。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20110813


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シカの食害。

すでに先客がいました。


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株の中心部に生えた新芽。

つややかな葉と赤紫色の茎が食欲をそそります。


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新芽を折ると、山菜特有の臭いは感じられず、ほんのり甘い香りが漂ってきました。

見た目はアシタバによく似ています。茹でておひたしで食べてみました。

和名の由来にもなっているアマ(甘)を意識して口に含みましたが期待したほどの甘みはありませんでした。それでもほのかな甘味とほろ苦さが広がり、風味もよく、おいしい山菜の一つとして位置づけたい味でした。山の恵みに感謝!


山菜特有の香り ハンゴンソウ

2013年05月14日 | 山菜

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ハンゴンソウ(キク科)

ハンゴンソウ(反魂草)の和名は、深く切れ込んだ葉が幽霊の手のような姿とか、強い香りが死者を甦らせるためとか諸説あるようですが、いずれも魂を呼び戻すことに由来するようです。

大小迫山の川沿いの、やや湿った所に群生しています。大人の身長ほどの高さになり夏に黄色い花を咲かせます。

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高さ20㎝ほどの若芽を採取。

太さ1㎝ほどの赤紫色を帯びた太い茎、青々とした若葉、見るからに美味しそうです。茎を根元から折ると山菜特有の強い香りが漂ってきました。

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塩を入れた熱湯で茹で、水にさらしてお浸しにして食べてみました。茎は、香りが強く、苦みもありはじめて口にするせいもあるのか、なじめない味でした。酢味噌和えやてんぷらでは美味しく頂けそうですが・・・・。

ハンゴンソウは、食するより花を愛でる方が良いようです。

夏の終わりごろ小さな花をたくさんつけ、木漏れ日さす森の中で「おいでおいで!」と手招きしているような葉と黄金色の花の輝く姿を楽しみたいと思います。


毒草を食べる サラシナショウマ

2013年05月13日 | 山菜

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サラシナショウマ(キンポウゲ科)

サラシナショウマの和名は、若芽をゆで、水にさらして食べたことにあるようです。

和名の由来にもなり、キンポウゲ科の毒草でありながら食べられていたサラシナショウマの魅力は何処にあるのか、以前からの興味に、今回、初挑戦してみました。


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サラシナショウマを食べた鹿の食痕。

裏山の林縁に群生するサラシナショウマが、いたる所で新葉が鹿に食べられています。

*シカの食害は年々すざましく、山ではトリカブトやタケニグサ、テンナンショウやエンレイソウなど里ではスイセンやクサノオ、スズランなどの毒草以外は、ほとんどの植物が食べられています。


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サラシナショウマの若芽

葉が展開する前の、みずみずしい若葉、柔らかくしなやかそうな茎、とてもおいしそうです。


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若芽を2本採取し、熱湯でゆでてから二日間水にさらして食べてみました。

葉の方は、「なるほど」とうなずける独特の山野草の香りと旨味がありましたが、茎は丸2日間水にさらしても苦みが残り、この苦さを旨味と受け止めるかどうかは毒草だけに悩むところでした。お酒にはとても合うようです。

今年は例年より寒く、ようやく山菜の最盛期を迎えたようです。この時期ならではの新たな山菜に挑戦してみたいと思います。


山の恵み 山菜採り<パート2>

2013年05月11日 | 大小迫を支えている人

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昨日は、大小迫山の”奥の入り(どん詰まり)”ヘ、ケイコ叔母とチュウコさんと一緒に山菜取りに入りました。

若い時からこの山に分け入っていた二人は、どこの沢や尾根には何がある(何があった)と言うほど詳しく、一度は”奥入り山”に入らないと気が済まない性分で、三人で新緑を楽しみながら林道を歩き続けてどん詰まりにやってきました。

まだ芽吹きの浅い木々と林床はマルバダケブキの緑のじゅうたんです。

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源流域に来ると、落ち葉の下を流れる沢の清水を必ず飲むという叔母さん。水はこんこんと湧き出ていました。

この後、川筋に寝そべって「あー! うめー、うめー!」と水を飲んでいました。

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山に入ると心がうきうきし、歌って踊りたくなるという二人は、大きな声で歌を歌いながら山の急斜面で山菜採りを始めました。


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尾根筋に出ていたワラビや日当たりのよい斜面のシドケを摘んでいます。

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二人は、山野草も大好きでヒトリシズカの群生に出会い、「ヒトリシズカって言いながら、いっぱいだべっちゃー!」と叔母さん。

チュウコさんはその奥に群生していた牡丹の葉に似た野草をさして、「これなんだっけ?」と、「ルイヨウボタン」と答えると「アーやっぱり」と緑少ない斜面を彩るルイヨウボタン(類葉牡丹)に見入っていました。

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なかなか奥入り山まで入ることが少ないので、先月に確認していたヒキガエルとトウホクサンショウウオの卵が産み付けられていた場所をのぞくと、卵から順調に孵化し、幼生がいっぱい泳いでいる姿にホッとしました。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20130422

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新緑や山の景色を楽しみ、山野草を観察しながらの山菜摘みでしたが結構収穫があったようです。

ここ(大カツラの木の傍)で一休みしてから、沢に沿って山を下りました。

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杉山の沢際に自生し、芽吹いたばかりのカツラの大木。大小迫山の長老です。

見放された造林杉や長年放置されてきた山々をどんな思いで見つめてきたのでしょうか?

行きつ戻りつの不安定な季節から、駆け足でやってきた春。

春風に乗って、新緑に酔いしれ、旬の短い山菜の山の恵みを楽しみました。


春の芽吹き林で 山菜採り

2013年05月10日 | 大小迫を支えている人

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東北にも芽吹きの季節がやってきました。木々が芽吹いて「山笑う」里山にも、山菜が顔を出し始めた昨日は、地域の方々が山菜採りに来ました。

シドケ(モミジガサ)がメインですがこのほかウド、ワラビ、ゼンマイ、アイコ(ミヤマイラクサ)などが最盛期に入りました。

写真は、森林整備した裏山の日当たりのよい場所に出たシドケを採取しているところです。


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今年初めて山菜採りに挑戦したというミロクさん。急な斜面もなんのその、シドケの群生を見つけては愛おしそうに摘み取り、収穫の喜びを味わったようです。

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ハルリンドウ(リンドウ科)

夢中で山菜採りをしていると、足元に青紫色の小さな花が咲いていました。ハルリンドウとの嬉しい出会いです。

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ひとしきり山菜を採って山から下りて来る途中で、草花を鑑賞している皆さん。

里地に白く咲き誇るニリンソウやコンロンソウの群落を目にして、その可憐な姿に見とれながらゆっくりと下りてきました。

ニリンソウを手に取り「あら!これ一輪しかないよ」とミロクさん。「あっ!これは花が三輪あるよ!」と、春の野草を楽しんでいました。

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山菜摘みの後は、みんなでお茶を飲みながら一休み。

牛の世話をしに来た植木さんも入って、昔話しに盛りあがりました。

かつて、少女期に大小迫に手伝いに来ていた孝子さんは、森の入り口に付き屋(水車小屋)があったことや、野外の弓道場(今の牛小屋あたり)で弓の練習をしたことなど、また、ムツ子さんやミロクさんは、子どもの頃、、カタッケ(カタクリ)の葉を膨らませて遊んだことなど、話は尽きません。

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平均年齢82歳の皆さん、3時間ほど山菜取りをし、この元気いっぱいの笑顔です。里山を整備したことで、すぐ近くで山菜採りができ、春の恵みを味わえることが皆さんのパワーの秘訣のようでした。

暦の上では、立夏を過ぎたとはいえ、このところ若葉冷えの日々でしたが、昨日はようやく木の芽晴れのさわやかな気候に恵まれ、地域の皆さんと山菜取りを楽しみました。

春一番に出てくる山菜、コゴミは早々に鹿に食べられ、木の芽のコシアブラ、ハリギリ、タラノメ、などはもう葉が開いており、寒暖の気温変化の大きさが山菜にも影響を及ぼしている今年の気候です。