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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

山菜を取りに来た綾里っ子

2012年06月18日 | 綾里っ子

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5年生のミノリちゃんとユウカちゃんが「山菜取りに来ましたー!」とつむぎの家にやってきました。「えー! 山菜って今、何があるの?」と聞き返すと「シドケとか~、 タケノコとか~」との返事。 はは~ん、グリーンウェィブの時、食後の散策で食べたタケノコの味を覚えていたようです。「シドケはもう遅いけどタケノコはこれからだから採れるよ、でも今、手が離せないのでその辺のミツバでも採っていて!」と言うと、早速ミツバを摘み始めました。

ミツバは、土手や川べりにたくさん自生しており、二人はミツバの芯を摘んでいるところです。

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フキも今、美味しい時期で、土手の草むらに生えています。二人が採取していると、川べりで遊んでいた2年生のケイスケ君もやってきました。

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ケイスケ君は、山菜よりも生き物に興味があり、草むらでカノコガを見つけ手のひらに乗せ、観察しています。

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カノコガ

カノコガは昼行性の蛾で、黒字に白い紋、鹿の子模様の可憐な蛾で、今の時期によく目にします。

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ケイスケ君が次のに見つけたのは四つ葉のクローバーでした。「5つ葉もあったよ!」とのケイスケ君の言葉に誘われ、ユウカちゃんはフキ採りから、四つ葉のクローバー探しに転じ、見つけたクローバーに見とれています。

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興味はクローバーに移り、3人で競争しながら、四つ葉のクローバー探しに夢中になっています。

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ケイスケ君は、両手いっぱいの四つ葉のクローバーを見つけ、摘みました。父の日のプレゼントができたとニコニコ顔。

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今度はタケノコ採りです。

ホテイ竹のタケノコは、グリーンウエーブで植林した場所の近くなので、場所が分かっているミノリちゃんは、先頭を切って走っていきました。

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タケノコ(ホテイチク)を探し回っている3人。

タケノコは、まだ出がけで、なかなか目に入らないようです。傍らの桧林まで地下茎を伸ばしているので、そこを重点的に、懸命になって探しています。

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ホテイチク

ホテイチクは、七福神の布袋様のお腹を連想させるように、節の間が狭く、根元近くが不規則に膨らむ竹で、釣竿や杖などに利用されたようです。タケノコ自体は小さいのですが、比較的あくが少なく、これからが旬の時期です。

タケノコ採りの後に、ミズ(ウワバミソウ)を採りに行くつもりでしたが途中から雨が降り出してきたので、ミズは次回に採りに行くことにしました。グリーンウエィブの植林体験を機に、自然の中の食べられる山野草に一段と興味を持ってくれた5年生、嬉しい限りです。


放課後の里山

2012年06月15日 | 綾里っ子

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1年生のヒマリちゃんが「オタマジャクシを捕りたいの!」と、おじいさんと一緒に放課後つむぎの家にやってきました。生活科の授業で生き物探しに来た日から2回目の来訪です。

しばらくしてから様子を見に行くと、飼育ケースに入ったオタマジャクシを覗きながら「たのしかった!」と満足顔。親御さん同伴で1年生がぼちぼちつむぎの家に来るようになりました。お友達を誘い合ってくるには少し時間がかかるようです。

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生きもの大好き組の2年生は、ため池の底にいる生き物が気になるらしく、虫取り網を持ってきて、一網打尽を考えていたようですが、何せ軟弱な虫取り網、柔らかすぎてなかなか思うようにいかないようです。

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それでも、泥ごとすくい取って、泥の中を手探りで生き物を探しているケイスケ君。ケイスケ君の前にマナト君が泥ごとすくった網の中に、たまたまドジョウがかかり、ケイスケ君もドジョウ欲しさに挑戦していたようです。

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仕事の合間に子どもたちの遊ぶ様子を見に行くと、マナト君が山の方にムササビのようなものが飛んでいたと話してくれ「えー ムササビ?どんなふうに飛んでいた?」聞くと「こんな風に!」と飛ぶしぐさを見せてくれました。その後「山に見に行きたい!」と言われたが、「今日は、時間が遅いのでこの次にしよう」と言うとあきらめてくれました。

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翼を広げて飛んでいた生きものの姿が忘れられないのか、マナト君は両手を広げ、目撃した生きものの飛ぶしぐさを何度もしていました。

ため池はすっかり濁ってしまいましたが、ドジョウ欲しさにか今度はヒビキ君が網で探っています。5歳のトモキ君もお父さんと一緒に生きもの探しをしています。

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今度は、「アカガエルを捕まえた!」とケイスケ君、「どこどこ!」とのぞきこむマナト君。ケイスケ君は「千田さーん、ここにタガメはいないの?」と「タガメは今のとこ見てないね!」と言うと「タイコウチは~?」と「残念ながらいないね」「ミズカマキリは?」とリツト君「ミズカマキリはこれから出てくるよ!」

図鑑を見て覚えてくるのか、子どもたちからいろんな水生昆虫の名前が飛び交います。

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稲を植えたので田んぼの中には入らないことを約束してますが、取水口には生き物が多いようで、子どもたちは夢中になると生きものに誘われて入ってしまいます。田んぼに入ってもよいコーナーも必要かなと感じていますが・・・

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「千田さーん! これなんですか?」と手を握りしめ走ってきた5歳のトモキ君「トンボの幼虫のヤゴだよ!」と答えると嬉しそうに「やごだってー」とお父さんに駆け寄っていきました。

子どもたちの目は鋭く、私には見えにくい「この小さな虫は何ですか?」と聞かれ「どこにいるの?」と聞き返してしまう始末。目を凝らすと無数にいましたいました、ミジンコでした。小さくて素早く動き回るタマカイエビもたくさん泳いでいました。

子どもたちの鋭い眼で見つけてくれる生き物との出会いに、私もわくわくしています。


ギンリョウソウ

2012年06月14日 | 草花

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ギンリョウソウ(銀竜草)  イチヤクソウ科

山地の湿り気のある所に生える、葉緑体を持たない腐生植物。別名ユウレイタケとも言われ、和名は下向きにつく花とうろこ状の鱗片葉に包まれた姿を竜に見立てたもの。

5月26日、ヒノキの間伐をした林床にギンリョウソウの群生を見つけました。これまでは、散策や山歩きの時の出会いでしたので、今回はじっくり観察しようと折を見て生長の様子を見に行くことにしました。

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5月29日、3日後に行くと、茎が12㎝ほどに伸び、鱗片葉が多数出ていました。

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5月30日、大きな変化はありませんが夕日に照らされほんのりと茜色を呈しています。

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5月31日、鱗片葉が開き切って、一層華やかに感じました。

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5月31日、アリの目になって下から写してみました。

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1輪、手にとってギンリョウソウの花を上向きにし、横から見ると森の精のような美しさです。

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雄しべをちょっと寄せると、上部が青紫色のトックリ型の、雌しべの柱頭が顔をのぞかせました。

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6月6日、茎が少し伸び薄暗い中で、凛とした姿で銀色に輝いていました。

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6月6日、下から見上げると透けた白色の中に、オレンジがかった雄しべの縁取りと青紫色の柱頭が、周りを照らし神秘的な美しさを呈していました。

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6月14日、今朝は、無残にも姿を消していました。鹿の仕業と思われます。

ギンリョウソウの匂いをかぐと、ほのかに甘く香り、マルハナバチなどを誘い受粉するようですが、あいにく種子をつくることはできませんでした。

鹿の食害との戦いが続きます。


ビニールハウスの中の生き物たち

2012年06月13日 | 生き物

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我が家のハウスの中には、いろいろな生き物が暮らしています。黒マルチの穴から顔を出しているのはアマガエル、これは給水用穴で、水を入れると驚いて顔を出しますがすぐにもぐってしまいます。

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こちらではオタマジャクシから孵って間もなくのアマガエルでしょうか。まだ下界が怖いようで足音におびえ、ハウスの片隅に集まって右往左往していました。

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ハウスの草取りをしていると土の中から飛び出してきたのは、シュレーゲルアオガエル。寝ぼけ眼でキュウリの葉に飛び乗りました。

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日課にしているハウスの給水が終わり、帰ろうとしたら足元の何も無かった穴から見慣れぬものがヌーッと生えているのに気づき、よく見るとヤマカガシ、首だけ出してジーッとしていました。30㎝ほど近づいてカメラを向けても微動だにせず、ここは借家と心得て、ご挨拶している様子でした。

余りにも長時間ジッとしているので、ホースで水をかけてあげるとスーッと顔をひっこめました。ハウスの中は暖かく、餌もあって居心地がよいようです。ハウスで何度か姿を見せていますが、おとなしいヘビのようで私がハウスに入っていくと足音に反応しスーツと姿を隠します。

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ハウスのスチールには、昨年同様、今年もアシナガバチがせっせこと巣を作り始めました。現在は、女王バチが一匹で懸命に巣作り、まだ自分の体よりも小さな巣ですが、わずかずつながら大きくなってきています。雨の日や夜はハウスを締め切るのですがアシナガバチにとっては居心地がよいのでしょうか。他に2箇所、女王バチがコツコツと巣作りをしています。刺激をしなければ攻撃をしないアシナガバチは、アオムシなどを食べ、ハウスの中の益虫として活躍してくれます。

アシナガバチの生態

 4月下旬頃から、土中や腐った木の中で越冬した女王バチが巣作りを始めます。最初は女王バチ一匹で巣作り、産卵、エサ集めをしています。
 7月から8月には働きバチが羽化して巣作りを始めるため、巣はどんどん大きくなります。働きバチには巣を守る習性があるため、巣を叩くなど刺激すると攻撃されます。
 10月頃、次の世代の雄バチと女王バチが羽化します。新女王バチは他の巣の雄バチと交尾し、貯精のうに精子を蓄えた後に土中や朽木(枯れて腐った木)の中で越冬します。越冬できるのは新女王バチだけです。
 巣は1年限りで捨てられ、次の年は使われません。

ハウスの中の小さな空間でも食う食われる食物連鎖の関係の中で、バランスを保ち生き物たちが仲良く暮らしています。


北限の手もみ茶づくり

2012年06月12日 | 里山再生

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岩手の気仙地方は、お茶の北限といわれていました。つむぎの家の里山にも樹齢100年以上のお茶の木があります。

田んぼの除草や子どもたちの植樹体験、自然の生き物探しなど、忙しさにかまけており、また、雨などのため天候にも恵まれず、茶摘みの適時を逸してしまいましたが、昨日、朝から晴れあがり、初夏の香りを楽しむだけでもと急遽、茶摘みをしました。

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摘んできた茶葉を広げ、ごみや古葉を取り除き,蒸し上げ、うちわで扇ぎながら水分を蒸発させます。

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蒸した茶葉を、60度ぐらいの鉄板(じょたん・助譚)の上で風を入れもみながら乾燥させます。

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約1時間半ぐらいで、葉の形がなくなり縮れて小さくなってきました。

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次に、ホイロ(茶葉を乾燥させるための囲炉裏)に移し、和紙で作られた助譚の上で1時間半ほど揉みながら乾燥すると手もみ茶の出来上がりです。

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お茶づくりをしていると、担任と一緒に3年生が大豆の観察につむぎの家にがやってきました。お茶づくりを始めてみた子どもたちに、「これがお茶になるんだよ。ちょっと口に含んでごらん」といって差し出すと、興味津々。口に含んだソウキ君、「苦い!」と顔をしかめたので、「じっくり味わってごらん」というと、ミオちゃんとキョウセイ君は「おいしい!」との声が返ってきました。

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ちょうど良いチャンスなので、蒸した茶葉を乾燥する体験をしてもらいました。

助譚の上で茶葉をもみながら振るい落とすしぐさを、担任の先生が優しく見守っています。担任も子どもたちも、昔ながらの道具での、茶づくり初体験に目を輝かせていました。

ちょっと時期を逸した茶づくりでしたが、小さな来訪者の手に揉まれた新茶の出来具合は、どんな味がするか楽しみです。昨年は、助譚での揉みと乾燥が足りず、茶葉が細くならず色も黒ずんでしまいましたが、今回は、まずまずの出来上がりかなと思っています。でも、お茶づくりは、なかなか思うようには出来上がらないのが現状です。先人からお茶づくりのノウハウを学んでおけばと、悔やんでいますが、これからもチャレンジしながら、次世代に伝えていければ良いのかなと思っています。