大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~ その5

2012年02月03日 | 樹木

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ナシの冬芽(新枝)

ウールの帽子をかぶっているような毛でおおわれ暖かそうですね。皮目が白く目立ち、全体では幼子を抱く子育て観音の姿に見えますね。

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ナシの冬芽と葉痕(古枝)

冬芽は円錐形で光沢があり、先端はとがっています。葉痕は目立ちませんが全体では年輪を重ねたごつごつした表情です。

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ナシの木

直径5㎝ほどの小さななしの実ですが、昨年はたくさん実をつけました。

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ナシの樹皮

縦に粗く裂け、ところどころ剥げ落ちています。小木ですが、樹齢は60~70年経っているようです。

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ミズキの冬芽と葉痕

冬芽は赤くて艶があり、5~6枚の芽鱗で覆われています。葉痕は、小さな半円形で維管束痕はわかりにくいです。

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ミズキの冬芽の中身(芽鱗をはがした状態)

ミズキは混芽と言って、芽鱗の中に葉があり、葉の中につぼみの集まった花序があります。冬芽は寒さや乾燥から大切に保護されていますね。

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ミズキ

この木は、水を吸い上げる力が大きく、昔、旅人が水に困ってこの木の切り口から滴り落ちる水で、渇きを潤したというのが名前の由来だそうです。

ミズキは、小正月行事に使うために、何度も切られたようで無残な姿ですが、それでも切り株から新枝を伸ばしています。

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ミズキの樹皮

全体に白っぽく、老木で縦に浅い裂け目が入っています。

Photo

クワの冬芽と葉痕

冬芽は、襟を重ねたような芽鱗に包まれた水滴形です。葉痕は半円形で、維管束痕は輪状に並んでいます。

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クワの木

明治・大正・昭和と、かつて盛んに行われた養蚕がすたれてから、クワの木はほとんどなくなりました。この木は山際に自然に生え、何度も 切られたようで、株立ちしています。

冬は生き物にとって大変な季節です。植物も冬を乗り切るいろんな工夫をして、暖かな春を待っています。