マタタビの冬芽と葉痕
マタタビの冬芽は、枝の中に半分埋もれ、先だけが見えます。葉痕は円形でほぼ真ん中に維管束痕が弧状に残っています。
マタタビの盛り上がったふくらみを削ると、緑色の冬芽と維管束痕が出てきました。
マタタビ(マタタビ科)
マタタビの語源は、旅に病んだ人がこの実を食べて元気になり、また旅をつづけたからという薬効説があるようです。長い間放置された森で、長径5㎝ほどの蔓が地を這うようにしてたくさんの枝を広げていました。
サルナシの冬芽と葉痕
サルナシの冬芽は、葉痕の上のふくらみに冬芽が埋もれ見えません。葉痕は円形で凹面鏡のように凹んでいます。
サルナシを縦に切ってみると隠れていた冬芽と髄の隔壁が見えます。
サルナシ(マタタビ科)
サルナシは、猿が食べる梨という意味だそうですが、人間が食べてもおいしい実です。昨年は大豊作で、秋の自然からの恵みとして、その恩恵にあずかりました。
ツルウメモドキの冬芽と葉痕
ツルウメモドキの冬芽は、球形で枝からほぼ直角に出ています。葉痕は半円形で維管束痕は引き出しの取っ手のようですね。
ツルウメモドキの断面。冬芽が重なりあった芽鱗でしっかりと保護されています。
ツルウメモドキ(ニシキギ科)
ツルウメモドキは、ウメモドキに似てツル性なのでこの名がついています。直径4㎝ほどの太さに生長したツルウメモドキで昨年、見事な実をつけました。
ツル性の植物が、長年放置された森に縦横無尽にはびこり、ジャングルを作っていますが、葉が生い茂ると見通せない藪の中も、この時期ならではのツル植物の木肌や表情を見ることができます。雑木林の木々達も冬木立の中で、それぞれの個性を主張し、美しい樹形を見せてくれています。