goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

自然が造るアート(森の美術館)

2012年03月15日 | 樹木

Photo_10 

里山の南尾根コースのあちこちに、古い切り株が顔をのぞかせています。

何年経っているのでしょうか? 苔むしてしわだらけの株、森の歴史を感じます。

Photo_2

風雪にさらされ、間もなく自然に帰っていくでしょうか。

Photo_3

こちらは、「わしは、子や孫たちの生長をを見つめているのだ!」とでも言いたげな表情です。

Photo_4

さまざまな表情の切り株のアートをお楽しみください。

Photo_5

Photo_6

Photo_7

大きな口をあけ、何かを訴えているのでしょうか?

Photo_8

どうぞ、ここに花を活けてください!とでもいっているのでしょうか。

2012_0311_140256p3110048

2012_0311_141020p3110063

Photo_11

長年手入れを怠り、風倒木や立ち枯れの多い森ですが、広葉樹の切り株が、風雪に耐え、土にかえる前の美しさを見せています。

かつてはこの森を彩った木々たちに思いをはせ、自然が造りだした切り株の造形美に心惹かれました。


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~その21

2012年03月14日 | 樹木

2012_0313_070945p3130001

ヤマボウシの冬芽と葉痕

ヤマボウシの冬芽は2枚の芽鱗が向き合い、毛が多く一見、裸芽に見えます。葉痕は三日月形で全体では筆ペンのようですね。

3

ヤマボウシ(ミズキ科)

ヤマボウシは白い花弁のように見える苞を頭巾に、つぼみを坊主頭に見立てて法師を連想した名前であるとか。樹皮は成木になるにつれはがれ落ち、褐色や灰色の斑模様になります。9月頃赤く熟した実は食べられます。

2012_0303_153916p3030066

ヤマウコギの冬芽と葉痕

ヤマウコギの頂芽は、卵形で4~5枚の芽鱗に覆われ無毛、葉痕は三日月形で葉痕下から鋭いトゲがほぼ直角に出ています。

2012_0303_120540p3030002

ヤマウコギ(ウコギ科)

ヤマウコギの樹皮は、円形や割れ目形の皮目が多くごつごつしています。杉林の林内のあちこちに生え、鋭いトゲが行く手を阻み厄介者ですが、春の山菜の一つ「ウコギ飯」の楽しみに残しておきました。

2012_0302_143651p3020023

ムラサキシキブの冬芽と葉痕

ムラサキシキブの冬芽は裸芽で、2枚の葉が向き合い粉のような毛でおおわれています。葉痕は小さな円形で維管束痕が真ん中に一つ突き出し「春が来たらこのボタンを押して教えてね!」と言っているようです。

2012_0306_170942p3060029 

ムラサキシキブ(クマツヅラ科)

ムラサキシキブは、紫色の果実を紫式部に例えた名前とか。樹皮は、小さな皮目が多く、枝には細かい毛が生え全体が白っぽく見えます。果実は紫色に色づき花よりもはるかに目立ちます。

裏山ではマンサクの花が、庭ではフクジュソウが咲きました。ここ数日、温かな日が続きましたが今朝は霜が降り、冷え込みました。暑さ寒さを繰り返しながら訪れる季節がやってきたようです。


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕  その20

2012年03月10日 | 樹木

2012_0307_165240p3070138

ミヤマガマズミの冬芽(花芽)

ミヤマガマズミの花芽は赤い芽鱗で覆われ、内側の芽鱗には毛が生えていて暖かそうです。今にも中から花の妖精が出てきそうですね。

2012_0307_165400p3070143

ミヤマガマズミの葉芽と葉痕

葉痕は、三角形で目がつりあがった顔に見えますね。上目づかいで葉芽の生長を温かく見守っているようです。

Photo

ミヤマガマズミ(スイカズラ科)

ミヤマガマズミは、高さ3m位の落葉低木、果実は秋に赤く熟し、食べられます。

Photo_2

コハウチワカエデの冬芽と葉痕

コハウチワカエデの冬芽は、膜質鱗片に半分ほど覆われ、暗紫色の美しい冬芽が互いに向き合い、ヒソヒソとささやき合っているようです。葉痕は三日月形で細く目立ちません。

2

コハウチワカエデ(カエデ科)

コハウチワカエデは、葉の形を鳥の羽で作った小型のうちわに見立ててこの名があります。樹皮は白っぽい褐色で縦にすじ状の浅い裂け目が入っています。

2012_0307_163357p3070131

ヤマザクラの冬芽と葉痕

ヤマザクラの冬芽は、水滴形で芽鱗の先が少し開いています。葉痕は半円形で維管束痕は上側に寄り、丸い目のキョロちやんです。

Photo_5

ヤマザクラ(バラ科)

ヤマザクラの樹皮は赤紫色を帯びた褐色で横長の皮目が目立ちます。この樹形は風雪に耐えてきた歴史を感じます。見上げるような高木のヤマザクラの花を愛でるのは難儀ですが、ヤマザクラで覆われた山容の景色は、幽玄ですね。

輝く命を秘めながら、今は沈黙の存在である冬芽、来たるべく春にはどんなすてきな命の輝きを見せてくれるのでしょうか?


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~  その19

2012年03月06日 | 樹木

2012_0303_160124p3030086

クマノミズキの冬芽と葉痕

クマノミズキの冬芽は、ミズキとは違って裸芽で黒っぽい短毛が密生し、頂芽はペン先のようにとがっています。葉痕は三日月形で上向きに突出し、冬芽を囲んでいます。

Photo

クマノミズキ(ミズキ科) 対生

クマノミズキの由来は三重県の熊野に産するミズキという意味だそうですが広く分布しています。樹皮はミズキに似て縦に筋が入り、春に幹を切ると大量の樹液を出します。葉のない枝先が、陽の光を受けて赤く華やいでいました。

2012_0118_165432p1180039

マユミの冬芽と葉痕

マユミの冬芽は、紫褐色の水滴形で頂芽の脇に側芽があり枝先が賑やかです。葉痕は、半円形で真白く目立ち、大口を開けて笑っているようにも見えますね。枝は緑色で4稜です。

Photo_3

マユミ(ニシキギ科)

マユミは昔この木で弓を作ったのでこの名がついたそうです。

樹皮は灰白色で老木になると深い裂け目が入り、遠くからでも同定しやすい木肌になりますがこの木はまだ若木です。

Photo_4

アオハダの冬芽と葉痕

アオハダの冬芽は、短い円錐形で淡い褐色、葉痕は、半円形で維管束痕は弧状です。全体では冠をかぶった王妃に見えますね。

2

アオハダ(モチノキ科)

アオハダの名は、表皮をはがすと緑色の内皮が現れることによります。樹皮は灰色で皮目が点在しています。

昨日は24節気の啓蟄、一日中雨が降り、野山に積もった雪もほとんど融けました。まさに暦のごとく、冬の厳しさに耐えていた動物も植物も寒さから解き放され、目覚めのスイッチに切り替わったようです。


冬越しの木々 ~冬芽と葉痕~  その18

2012年03月05日 | 樹木

2012_0303_153515p3030057

マタタビの冬芽と葉痕

マタタビの冬芽は、枝の中に半分埋もれ、先だけが見えます。葉痕は円形でほぼ真ん中に維管束痕が弧状に残っています。

2012_0305_061605p3050006

マタタビの盛り上がったふくらみを削ると、緑色の冬芽と維管束痕が出てきました。

2

マタタビ(マタタビ科)

マタタビの語源は、旅に病んだ人がこの実を食べて元気になり、また旅をつづけたからという薬効説があるようです。長い間放置された森で、長径5㎝ほどの蔓が地を這うようにしてたくさんの枝を広げていました。

Photo

サルナシの冬芽と葉痕

サルナシの冬芽は、葉痕の上のふくらみに冬芽が埋もれ見えません。葉痕は円形で凹面鏡のように凹んでいます。

2012_0305_060815p3050001

サルナシを縦に切ってみると隠れていた冬芽と髄の隔壁が見えます。

3

サルナシ(マタタビ科)

サルナシは、猿が食べる梨という意味だそうですが、人間が食べてもおいしい実です。昨年は大豊作で、秋の自然からの恵みとして、その恩恵にあずかりました。

2012_0305_070644p3050007

ツルウメモドキの冬芽と葉痕

ツルウメモドキの冬芽は、球形で枝からほぼ直角に出ています。葉痕は半円形で維管束痕は引き出しの取っ手のようですね。

2012_0305_072805p3050002

ツルウメモドキの断面。冬芽が重なりあった芽鱗でしっかりと保護されています。

2012_0304_143839p3040022

ツルウメモドキ(ニシキギ科)

ツルウメモドキは、ウメモドキに似てツル性なのでこの名がついています。直径4㎝ほどの太さに生長したツルウメモドキで昨年、見事な実をつけました。

ツル性の植物が、長年放置された森に縦横無尽にはびこり、ジャングルを作っていますが、葉が生い茂ると見通せない藪の中も、この時期ならではのツル植物の木肌や表情を見ることができます。雑木林の木々達も冬木立の中で、それぞれの個性を主張し、美しい樹形を見せてくれています。