ヤマウルシの冬芽と葉痕
ヤマウルシの冬芽は、裸芽で茶色の毛を密生し、葉痕は大きなハート形で維管束痕がV字形に並んでいます。
ヤマウルシ(ウルシ科)
ヤマウルシは漆器などに塗る漆をとるウルシに似て、山に生えるのでこの名があり、樹皮は白っぽく縦に裂け、樹液はかぶれます。
クサギの冬芽と葉痕
クサギの冬芽は、裸芽で赤紫色の毛が密生し、側芽は球形で対生、葉痕の形はユニークで狐のお面のようにも見えますね。
クサギ(クマツヅラ科)
クサギは、枝や葉を傷つけると悪臭があるのでこの名がありますが、果実は染料、根は薬用、若葉は山菜として利用価値の高い木です。樹皮は灰白色で丸い皮目がよく目立ちます。花も実も美しく、折々に楽しめる樹木の一つですね。
ツタウルシの冬芽と葉痕
冬芽は褐色の毛におおわれた裸芽で、頂芽は長くてとがり、側芽は小さくて丸い形をしています。葉痕はハート形で維管束痕ははっきりしません。
ツル性で枝には毛が多く、気根を出して地面を這ったり、木に絡み付きよじ登っていきます。
ツタウルシ(ウルシ科)
ツタウルシは木質のつるがツタに似ているウルシという意味でこの名があります。写真はツルから気根を出して杉の木に絡み付いたツタウルシです。
肌の弱い人はそばを通っただけでもかぶれることがあるそうですが、秋にはハッとするほど見事な紅葉を見せてくれます。
四季折々に姿を変え、一年を通して私たちの目を楽しませてくれる木々達のスタートは、小さな冬芽から始まると思うと、どんな植物も愛おしく思えます。