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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

卒業式を終え、遊びに来た綾里っ子

2013年03月20日 | 綾里っ子

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昨日は綾里小学校の卒業式・終業式でした。子どもたちは休みに入り、里山は野草が芽吹き始めました。

カタクリ山でも、山野草が芽吹き始め、シュンランがシカに食べられる被害も生じています。(草木が芽吹く前のこの時期は、鹿も食糧難と見えて、一足早く咲くシュンランが食べられ、絶滅の危機にあります)

そのため、食害防止ネットをシュンランにかける作業をしていると、下の方から「千田さ~ん」と呼ぶ声が聞こえてきました。山に登ってきたのは5年生のサヤカちゃんとミイカちゃん、ミサキちゃんたちでした。


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息せき切って山に一気に登ってきたミサキちゃんとミイカちゃんは、階段の丸太に腰掛け一休みしています。

「卒業式はどうだった?、今度は最高学年だね!」と声をかけると「頼れる先輩がいなくなってさびしい!」とサヤカちゃん。
サヤカちゃんは、新年度の児童会の会長で、運営に責任を感じているようです。

この後しばらく、グリーンウエーブで植林した木の冬芽観察やベンチに座っておしゃべりをしていましたが、「下で遊んできま~す」と言って下りていきました。


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作業を一段落して山を下りて行くと、こんどは男の子二人が畦道を走ってこちらに向かってきました。

久しぶりに来た3年生のユウトくんとキョウセイ君のコンビです。「君たち誰だっけ?、ずうっと来なかったので名前忘れてしまったなぁ・・・??」と言うと苦笑いしていました。

*昨年は、つむぎの家に頻繁に通った二人でしたが、昨秋に起こした火遊び事件を担任から諭され、両親からもきつく言われ、それからつむぎの家には遠のいていて、少々さびしく思っていたところでした。

卒業式・終業式を終えて、学習塾に行く途中、二人そろって寄り道し、つむぎの家にやってきたようです。「塾はどうしたの?」と聞くと、「午後三時から九時までの時間内に行けば大丈夫!」と言って、駆け出していきました。


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この二人は、遊びの天才。早速クリの木の老木に上って遊び始めました。


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このクリの老木は格好の遊び場。木小屋から端板を運び、何やら始めたようです。

どうやら「基地作り」のようです。昨年は、川の上流に石で秘密基地を創った二人です。こんどはどんなものができるのか?

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一方、5年生たちは林道の斜面を利用して自転車を乗り回して遊んでいます。

私たちが小学生の頃は、この林道やカタクリ山の斜面が、ソリすべりの格好の場でしたが、今は雪もほとんど積もらなくなり、シカなどの動物が通る道になっていますが、子どもたちの声が聞こえれば、シカも里には下りてこなくなればいいなー、と思っています。


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その後、卒業した6年生もやってきて、遊び仲間も増え、こんどは田んぼで野球を始めたようです。

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キョウセイ君とユウト君が遊んでいたクリの木にも、6年生のユキちゃんとマホちゃん、5年生のユカちゃんたちが加わり、ブランコをつくったり、木にはしごを掛けたり、創意工夫しながらみんなで仲良く遊んでいました。

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庭で草取りをしていた私のそばで、今度は竹馬を始めました。上手に乗れるユキちゃんにユカちゃんが手ほどきを受けているところで、キョウセイ君とユウト君もユキちゃんの教えに耳を傾けています。

綾里っ子たちは庭でボール遊びをしたり、犬のヤマトをかまったりと5時のチャイムが鳴るまで目いっぱい遊んで帰っていきました。

明日から春休み、またつむぎの家の里山に、子どもたちの歓声が響き渡る賑やかな日々がやってくるでしょう。


綾里っ子の自然探索-カタクリ山での春の息吹を発見!- 

2013年03月18日 | 綾里っ子

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昨日、カタクリ山の西側斜面の笹刈りをしていると、綾里っ子たちの姿が見えました。

「こんにちはー いらっしゃい!」と山から叫ぶと、始めは何処から声がするのか分からず戸惑っていたようですが、姿を見つけたようで急斜面を登ってきました。6年生のユウカちゃんとマホちやん、リファちゃんの3人です。


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作業の手を休めて、一緒にカタクリ山の頂に上り、綾里の街を一望。

綾里小学校を始め南リアス線の線路や綾里の駅舎、綾姫ホールなどが見え、眺めの良さに綾里っ子たちから笑みがこぼれていました。

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それから綾里っ子たちは、整備されたカタクリ山を散策、芽の出かけたコナラのどんぐりやツバキの実を見つけ「これなんですか?」と種の説明をし「植えると芽を出すかもしれないよ!」と言うと種を土の中に埋め込んでいました。その他松ぼっくりやカバノキの雄花などいろんなものを見つけては観察していました。


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鹿に樹皮をはがされたモミの木から白っぽい脂(ヤニ)が出ていました。「これなんですか?」と「これは木が傷を負ったときに、傷を直そうとして出したヤニだよ」と言うと手で触り「べとべとして糸が出る」「いい匂いがする」「味がない」と五感を使って確かめていました。


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今度はユウカちゃんがホオノキの冬芽を拾いました。「これなんですか?」と丁度手の届くところにホオノキがあり「この木の芽が落ちていたのね。まだ厚いコートを着ているけど、そのコートを剥いでごらん」と言うと皆でむきはじめました。


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「緑の葉っぱが出てきた!」「白っぽい柔らかい葉っぱもある!」「ウワーなんか柔らかくて気持ちがいい!」などの声が飛び交い「暖かくなるまでホオノキの芽は、たくさんの洋服を着て寒さから身をまもっているのよ」と言うとうなづいていました。コナラの堅い冬芽の中ものぞいていました。

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木の切り株に出たキノコにも興味を示し、年輪模様のフリルのような美しさに見入っていました。


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ユウカちゃんが「これなんですか?」と見つけてくれたのはカタクリの芽、「ここを整備していたのは、このカタクリの花が咲くのを楽しみに笹刈りしていたのよ。よく見つけてくれたね。ありがとう。」と言うと「ここにもある! ここにもある!」とみんなでたくさんのカタクリの芽を探し当てました。


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赤っぽい新芽や緑色の葉も顔をのぞかせていましたが、葉の先端は草刈り機で刈ってしまったようです。

私は毎日のようにここを通ってもカタクリの芽に気づきませんでしたが、綾里っ子たちの観察眼に感心させられました。なんと!春は、もうやってきていたようです。あと二週間もすると、この斜面にカタクリの花が咲き乱れると思うと、子どもたちだけではなく、私たちもワクワクしてきました。

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一足早く里に下りた綾里っ子たちは、今度は柿の木の根を手に、夫と何やら話こんでいました。

周りは泥がついて黒いのですが芯はオレンジがかった色に独特の匂い、形といい色といい不思議に思ったようです。


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最後は、田んぼの中でボール遊びをして楽しんでいました。

明日は卒業式「卒業するって寂しいでしょ!」と言うと「いや! 変わらない!」とマホちゃん。「そんな強がり言っている子に限って泣くんだよね・・」と言うと「泣きません!」と返ってきました。小規模校で中学は持ち上がり、クラス替えもなく引き続き同じメンバーで学べる安心感があるのでしょうか。

現6年生は、つむぎの家の田んぼで米作りをした最初の子どもたちですが、これまで山の中で触れ合う機会はほとんどありませんでした。森の中での綾里っ子たちの ”気づきの感性” に感心するとともに、自然への興味・関心を大切に育んであげたいなあと感じた一日でした。


森に親しんだ綾里っ子

2013年03月10日 | 綾里っ子

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昨日の三陸地方は、強風が吹き荒れ外に出るのもままならない悪天候でしたが、午後からは風も収まりカタクリ山の整備作業に入りました。作業中に下の方から子どもたちの声が聞こえ、ミノリちゃんとミイカちゃんの姿が見え,合図をすると上ってきました。


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ミノリちゃんは右腕にギブスをしています。「どうしたの?」と聞くと「学校でバスケの授業中に転倒し、骨折をした」とのこと「右手が使えなくて不便ね!」と言うと「はい」とミノリちゃん。隣でミイカちゃんがつかさず「でもミノリちゃんは左手で書いても字はうまいし、給食も上手に食べるの」と、ミノリちゃんは少々テレ顔です。

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「カタクリ山を整備中だけど見ていく?」と言うと二人は山を駆け上っていきました。綾里の街を見おろし、「いい眺め!」と綾里小学校や二人の自宅の方向を確認していました。


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カタクリ山の尾根に、間伐材のコナラで作った出来立ての椅子に腰を下ろし、里山を見下ろしながら「暖かくなったらお弁当を持ってきて森の中で食べるといいね」と話していました。


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その後、昨年グリーンウェイブでミイカちゃんが植林したシダレザクラを目指して走っていき、生長の様子を観察。


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次はミノリちゃんが植えた木を見て、葉が出ていないので枯れているのではと心配そうにのぞきこんでいます。

植林してから10か月、目に見えた生長はありませんが自分たちが植えた木に愛着を持ち、観察している姿を見て嬉しくなりました。彼女たちが綾里を離れることがあっても、自ら植えた木の生長に思いをはせ、いつかこの森に帰ってくることと信じています。


真冬日の中、やって来た綾里っ子

2013年02月22日 | 綾里っ子

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昨日の午後3時を回ったころ、つむぎの家の周りをうろうろする子どもたちの姿が見え、笹刈りをしていた山の上から声をかけると、最初は私を見つけられず、不安そうな様子でしたが、「今、山を下りていくからね。」と言うと安心した様子で待っていました。

6年生のショウ君、マホちゃんと5年生のユカちゃんの3人が遊びに来たようです。「どうしたの?、こんな時間に!」と聞くと「今日は職員会議で早く帰れたんです」とユカちゃん。

昨日は寒気団が居座って、最高気温が0度以下と言う真冬日。真っ青な青空ですが、身体を動かさなければ、凍えそうに冷たい冬空でした。

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綾里っ子たちは、まず、土手の柿の木にやって来て、冒険遊びを始めていました。

これは、柿の木にロープを吊るしてぶら下がって遊ぶもので、以前に彼らが作っておいたものです。この冒険遊びは子どもたちが大好きなようで、小さな子どもたちもロープにぶら下がって飛び降りたりしていました。

高学年の彼らは、それから木登りできそうな木を片っ端から上っては下り、木から木へと移動しながら楽しんでいました。


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柿の木の小枝は折れやすいのですが、100年以上の老木は根元がしっかりしており、曲がりくねった幹が、木登りの楽しさになっているようです。

3人は、老木の柿の木に登ってVサイン、空は晴天ですが厳しい寒さで指先がしびれるほどです。


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綾里っ子たちは、今回整備した山を見て、歓声をあげて駆け巡って遊んでいる間、私は双眼鏡を片手にバードウオッチングをしていると、「見せてください」とショウ君。

草の実をついばんでいるカシラダカやツグミ、シジュウカラの肉眼では見られない姿に興味を示し、しばし双眼鏡を離しませんでした。ユカちゃんも野鳥を見つけたようです。

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里山を駆け巡りながら氏神様の前に来ると、ショウ君が「拝んで来よう!」と2人に声を掛けました。即座に、3人は氏神様を目指し駆け上がっていきました。2礼2拍、1礼をして頭を垂れ真摯に神と向き合っている姿に「何をお願いしたのかな?」と聞くと「ないしょ!教えたら願いが叶えられないから・・」とユカちゃん。

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里山散策コースをほぼ一周してきたところで、ショウ君は5mほどの長さのワダケを見つけ、手のひらに乗せて曲芸を始めました。一方、ユカちゃんは双眼鏡で月を見ながらロマンの世界に浸っています


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つむぎの家に戻ってきた3人は、こんどは庭先でボール当てゲームを始めたようです。

真冬日の寒さにもめげず、庭で元気に走り回って遊んでいる様子に、昔、近所の子どもたちが、この庭で「缶けり遊び」やドロナワ遊びに興じていた姿を思いだし、寒さにもめげず身体を動かす子どもたちの熱い息吹を感じました。


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午後5時のチャイムが鳴って、ようやく帰り支度を始めた綾里っ子たち。

ショウ君の自転車の後ろには「爆音小僧」の赤いステッカーがぶら下がり、サドルをこぐと音の出る仕掛けがしてありました。小柄でヤンチャなショウ君が、颯爽と自転車に乗る姿から、プチ暴走族を思い起こしました。仮設住宅住まいのショウ君は、この4月からは中学生になります。

「中学生になってからもつむぎの家に遊びに来てね」というと「俺、中学になっても来るよ」と嬉しい言葉を残して、それぞれの家に帰っていきました。


春を待ちわびて、久しぶりに綾里っ子たちがやってきた

2013年02月18日 | 綾里っ子

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明日は二十四節季の雨水という日曜日、休日でしたが、やがて芽を出すカタクリのために、尾根道の笹刈りをしていると、下の方から子どもの声が聞こえました。

5年生のユウカちゃんが山に駆け上がってきました。「おー 久しぶりだねー」と言うと「ミノリちゃんとツバサ君と一緒に遊びに来ました」とユウカちゃん。休日の午後、つむぎの家で待ち合わせの約束をし、グリーンウェーブで植樹した山を見に来たとのことでした。


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その後、遅れて山に上がってきた二人がユウカちゃんと合流。

ミノリちゃんは両腕を高らかにあげ喜びのガッツポーズ。一方、ツバサ君は登ってくるのがきつかったようで、丸太で一休み。長距離型のミノリちゃんと短距離型のツバサ君を、一足先に来てやさしく迎えるユウカちゃん。

去年の五月に植樹した苗木が、鹿に食べられていなかったので一安心の様子。

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笹刈りできれいになった尾根と、見晴らしがよくなったヒノキ林に着いた綾里っ子たちは、しばし山の中を散策し、間もなく訪れる春の息吹を楽しんでいたようでした。尾根から見下ろす里山は、午後の日差しを浴びて暖かそうに感じられたようです。

その後、ユウカちゃんが「里に下りて木登りしたい。千田さんも一緒に行こうよ!」と私を誘いましたが、「もう少し仕事をしてから行くね」と答えると、3人は元気に里地に下りていきました。

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草刈りを一段落し、山を下りみると、柿畑に子どもたちの姿はなく、帰ったのかと思い、家に着くとなんと、3人は玄関先に座り込んで夢中でゲームをしていました。

自然と戯れたと思うと、ゲームでの仮想世界の中に入り込む、今の子どもたちの遊び方にびっくりしながら、「あら、木登りしてきたの?」というと「ハイ遊んできました」とミノリちゃん。

「そんなところに座り込んで遊んでいないで、春を見つけに行こうよ」といって誘いだし、一緒に散策することにしました。ツバサ君は約束があると帰っていきました。


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ユウカちゃんとミノリちゃんを誘い、2月の里山で春を探して歩きましたが、日差しはあるものの日中でも2度くらいの気温。

木々の芽もまだ硬く、ところどころ霜柱が残り、東北の春はまだ遠いようです。


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その後、犬のヤマトを連れて一緒に散歩。自分たちで手綱を持ちたいと言うので、「一人ではヤマトに振り回され、かなわないので二人で持って散歩してね」といって手綱を手渡すと、ヤマトに振り回されながらも、必死の様子で戻ってきました。


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午後4時を回り、ユウカちゃんのおじいちゃんが車で迎えに来たようです。一緒に乗ってきた、弟のショウゴ君が走ってきて、ヤマトにご挨拶。ヤマトも久しぶりに子どもたちと遊んでご満悦の様子。

今年になって初めてつむぎの家に遊びに来た綾里っ子たち。朝は、まだ氷点下の気温が続き、日陰は雪が融けず、春はまだ先のようです。でも、梅の芽も少しずつふくらみ、刈った笹の下から雑草の芽が僅かですか顔を出してきました。自然の芽吹きと共に、綾里っ子たちの声が里山にこだまする日もまもなくやってくるでしょう。