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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

歌の名手 クロツグミ

2013年05月01日 | 野鳥

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クロツグミ(ツグミ科)

早朝、「ピピチョ ピピチョ ピオ ピオ」と里山に響き渡る野鳥のさえずりを追うと、桂の木の上の方で、クロツグミがつややかな声を張り上げていました。

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クロツグミは、白い腹にまだら模様があり、黄色いくちばしとアイリングの可愛い夏鳥。

さえずりは、さまざまな鳥の声を自分の歌に取り入れ、魅力的なさえずりを聞かせてくれる歌の名手のようです。

     <クロツグミ>

 クロツグミなにしゃべる。 

 畑の向うの森でいちにちなにしゃべる。

 ちょびちょびちょびちょび、 

 ぴいひょう、ぴいひょう 

 こっちおいで、こっちおいで、こっちおいで、 

 こひしいよう、こひしいよう、 

 ぴい。

 おや、さうなんか、クロツグミ

                 詩 高村 光太郎 


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この日は、谷を挟んだ山の上でもさえずりが聞こえ、右に左にと向きを変えながら、メスを呼び込むための必死のアピールをしているようでした。

夏鳥として渡来したクロツグミの、明るくほがらかな歌声に、私も酔いしれました。

野鳥たちの恋の季節を迎えたようです。


土を掘るアカゲラ

2013年04月24日 | 野鳥

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早朝、ビニールハウスの戸を開けに行くと、土手の斜面にオスのアカゲラがいました。何と土を掘っているではありませんか。

これまでに、アカゲラが草むらで採餌している姿、柿の実をついばんでいる姿、枯れ木で餌をとっている姿と、さまざまな姿を目にしてきましたが、土を掘るアカゲラは初めてです。

5~6mほどの至近距離ですが、人の気配を気にする様子もなく、懸命に土手を掘り起こしていました。


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アカゲラが土を掘った穴。

頭を突っ込んで無心に掘った土中に、どんな餌があったのでしょうか?

黒い背中の逆八の字模様の羽や頭の赤は、よく目立ちますが、天敵からの恐怖は無いのでしょうか?

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食餌を終え、近くの柿の木に止まったアカゲラ。

大小迫の里山の「一住人としての仲間入りをした」とでもいうように、警戒心が薄く、心を解きほぐして自然を謳歌しているアカゲラです。


アカゲラの毛づくろい

2013年04月09日 | 野鳥

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アカゲラ(キツツキ科)

季節の歩みが足踏み状態の肌寒い日、毛づくろいをしているアカゲラのオスが目に止まりました。カメラを気にせず懸命に首を動かし毛づくろいをしています。

恋の季節を迎え、身だしなみを整えているのでしょうか?

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アカゲラは、体長20数㎝と大きく目立ちますが、最近つむぎの家の庭木にやってくるほど 、身近な野鳥として頻繁に目につくようになりました。

一方、夜には森の方からフクロウの鳴き声が聞こえていたのに、ここ数年、耳にすることがありません。不思議に思っていたところ自然保護協会の冊子、シリーズ「生命の輪」が目に留まりました。

「シカの増加で変わる森の生態系」と ”地球上のあらゆる生物は、他種の生物とかかわりを持ちながら生きています。このかかわりを通して地域特有の生態系が成り立っていますが一つの種の個体数が著しく増加した場合に生態系全体に影響が表れてくる”と言う。

大小迫山では、シカが目に余るほど増え続け、かつては食べないと言われていたアサツキやエシャロットなど癖のある植物まで食べ尽くされています。また植樹したばかりの木や幼木も樹皮剥ぎによるシカの食害で立ち枯れが多くなってきて、植生に変化をもたらしています。そのためフクロウの餌となるネズミなどの小動物が減り、逆に樹木が枯死すると、キツツキ類の営巣や採餌場所が増え、キツツキ類は増加する傾向にあるということです。

シカが増えたことで森の生態系が崩れ、アカゲラが身近な野鳥として見られるようになったと一概には喜べない現実です。生命の輪を維持していくことの難しさを実感しています。


まるまると愛らしい鳥 ウソ

2013年04月03日 | 野鳥

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ウソ(アトリ科)

カタクリ山から下りる途中、まるまるとした愛らしい鳥が目に入りました。頬に淡い紅をさしたようなウソのオスです。

ウソの名の由来は、鳴き声が「ヒーフー」と口笛(うそ吹く)に似た音を発することから名づけられたようです。


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人の気配を察したのか、他の枝に移って体の向きを変えました。黒い頭に頬と喉は紅色、灰白色の背中に尾羽は黒となかなかなおしゃれな鳥です。


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枝から枝へと移り、飛び立とうとはせずに愛らしい仕草を見せてくれました。短いくちばしのかわいいおちょぼ口です。


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このウソの側には、もう一羽のウソがいました。つがいかと思いましたが、どちらもオスのようです。

今回出会ったウソは2羽だけですが、十数年前に「ウソが大群でやってきて、梅のつぼみをついばみ、今年は実がならない。」とぼやいていた知人の言葉を思い出しました。害鳥として嫌われている鳥のようですが、群れを成すウソはさぞかし圧巻だったでしょう。

ウソの、細く、悲しげな調子を帯びた鳴き声は、古くから愛されてきたようで切手(130円)のモデルになったり、天満宮の「ウソ(嘘)取り(鳥)替え神事」にたとえられたりと人の暮らしにかかわりの多い野鳥のようです。


歌の名手 モズ

2013年03月11日 | 野鳥

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外仕事での私の友は携帯ラジオ、音量を上げラジオを 聞きながら作業をしています。するとさわやかな鳥の鳴き声が耳に入りました、「ツーピーツピー」「チューベー チューベー」「チィーチィー ジュルリ」「ツツニーニー」「キョ キョ キョ」と多彩な歌声です。頭の中はシジュウカラ? メジロ? エナガ? ヤマガラ? アカゲラ???と思いを巡らし半ば混乱、急いでラジオを消して歌声の主を探ると、一羽のモズでした。

モズ(百舌)は、さまざまな鳥の鳴き声を真似し、複雑なさえづりを行うことが和名の由来ですが、このような歌声を聞いたのは初めてです。見通しの良い枝に止まり、尻尾を振りのどを膨らませ、左右に目配りしながら長い時間さえずっていました。恋の季節がやってきたのでしょうか。「キーキーキー」と甲高い声で縄張りを主張し、耳うるさいほどの高鳴きとは打って変わっての美しいさえずり、野鳥が混群でやってきたのではと思うほどでした。

モズは、まるで恋人を呼んでいるかのように優しいさえずりで、身を振りながらのどを震わせ、森いっぱいに歌声を響かせていました。繁殖期の春を迎えたようです。