クロツグミ(ツグミ科)
早朝、「ピピチョ ピピチョ ピオ ピオ」と里山に響き渡る野鳥のさえずりを追うと、桂の木の上の方で、クロツグミがつややかな声を張り上げていました。
クロツグミは、白い腹にまだら模様があり、黄色いくちばしとアイリングの可愛い夏鳥。
さえずりは、さまざまな鳥の声を自分の歌に取り入れ、魅力的なさえずりを聞かせてくれる歌の名手のようです。
<クロツグミ>
クロツグミなにしゃべる。
畑の向うの森でいちにちなにしゃべる。
ちょびちょびちょびちょび、
ぴいひょう、ぴいひょう
こっちおいで、こっちおいで、こっちおいで、
こひしいよう、こひしいよう、
ぴい。
おや、さうなんか、クロツグミ
詩 高村 光太郎
この日は、谷を挟んだ山の上でもさえずりが聞こえ、右に左にと向きを変えながら、メスを呼び込むための必死のアピールをしているようでした。
夏鳥として渡来したクロツグミの、明るくほがらかな歌声に、私も酔いしれました。
野鳥たちの恋の季節を迎えたようです。