岩手の気仙地方は、お茶の北限といわれていました。つむぎの家の里山にも樹齢100年以上のお茶の木があります。
田んぼの除草や子どもたちの植樹体験、自然の生き物探しなど、忙しさにかまけており、また、雨などのため天候にも恵まれず、茶摘みの適時を逸してしまいましたが、昨日、朝から晴れあがり、初夏の香りを楽しむだけでもと急遽、茶摘みをしました。
摘んできた茶葉を広げ、ごみや古葉を取り除き,蒸し上げ、うちわで扇ぎながら水分を蒸発させます。
蒸した茶葉を、60度ぐらいの鉄板(じょたん・助譚)の上で風を入れもみながら乾燥させます。
約1時間半ぐらいで、葉の形がなくなり縮れて小さくなってきました。
次に、ホイロ(茶葉を乾燥させるための囲炉裏)に移し、和紙で作られた助譚の上で1時間半ほど揉みながら乾燥すると手もみ茶の出来上がりです。
お茶づくりをしていると、担任と一緒に3年生が大豆の観察につむぎの家にがやってきました。お茶づくりを始めてみた子どもたちに、「これがお茶になるんだよ。ちょっと口に含んでごらん」といって差し出すと、興味津々。口に含んだソウキ君、「苦い!」と顔をしかめたので、「じっくり味わってごらん」というと、ミオちゃんとキョウセイ君は「おいしい!」との声が返ってきました。
ちょうど良いチャンスなので、蒸した茶葉を乾燥する体験をしてもらいました。
助譚の上で茶葉をもみながら振るい落とすしぐさを、担任の先生が優しく見守っています。担任も子どもたちも、昔ながらの道具での、茶づくり初体験に目を輝かせていました。
ちょっと時期を逸した茶づくりでしたが、小さな来訪者の手に揉まれた新茶の出来具合は、どんな味がするか楽しみです。昨年は、助譚での揉みと乾燥が足りず、茶葉が細くならず色も黒ずんでしまいましたが、今回は、まずまずの出来上がりかなと思っています。でも、お茶づくりは、なかなか思うようには出来上がらないのが現状です。先人からお茶づくりのノウハウを学んでおけばと、悔やんでいますが、これからもチャレンジしながら、次世代に伝えていければ良いのかなと思っています。