goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

オオセンチコガネ

2014年07月13日 | 昆虫

Photo

オオセンチコガネ(コガネムシ科)

「ブーン」と羽音を立て低空飛行をしていたオオセンチコガネが、翅を広げた姿をみせてくれました。

赤紫色の金属光沢をもつ美しいコガネムシです。


Photo_2

前ばねに隠れていた、透明な後ばねが顔をのぞかせています。


2

手のひらに乗せてみました。光のあたる角度によって虹色の色彩を放っています。

動物の糞や腐ったものを餌にしている糞虫ですが、何故にこのような鮮やかな体色をしているのでしょう。ひっくり返して、体の裏側をのぞいてみました。

Photo_4

表の体色以上のさまざまな色彩の輝きです。

4月には、ミドリセンチコガネをブログに載せましたが、これらの糞虫との出会いは、増えすぎたニホンジカの落とし物が多くなったせいでしょうか。http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20140428

肉眼では気づかなかったのですが、オオセンチコガネのお腹には、身震いするほどのダニのような小さな生き物がたくさんついていました。これらの生き物は、飛行するオオセンチコガネの体にすがって新天地で繁殖しようとする戦略なのか。動物を介してつながる小さな生き物たちの世界を垣間見たようです。


クルミハムシの天敵「カメノコテントウ」

2014年07月11日 | 昆虫

Photo

7月8日のブログで紹介しましたクルミハムシの天敵であるカメノコテントウの幼虫。

幼木のクルミの葉を食べつくすほど、大発生していたクルミハムシ、蛹が成虫になってたくさんの卵を産み、爆発的に増えていくことが想定されますが、クルミハムシを食べる天敵がいました。カメノコテントウです。

初見の、成虫、幼虫、蛹と大家族のクルミの木には見当たらなかったのですが、もう一本のクルミの木の幼木(クルミハムシに食べられ丸裸)にはカメノコテントウの幼虫がいました。


Photo_2

丸裸になったクルミの木。

クルミハムシの蛹が数個ぶら下がっているだけで幼虫、成虫は見当たらず、カメノコテントウの終齢幼虫が目立っていました。クルミハムシを食べつくしたのでしょうか?。


Photo_3

つむぎの家の裏庭には、クルミの木の大木があり、これまではクルミハムシについては気付かずにいましたが、よく観察するとレース状の葉があり、「いました! いました!」クルミハムシの蛹が葉裏にぶら下がり、刺激すると体をくねらせてピクピクと怒ります。その天敵のカメノコテントウの幼虫もいました。

クルミの幼木は丸裸でしたが、大木のクルミは部分的食害です。幼木の葉は柔らかくて食べやすいことや、里山では”食う食われる”食物連鎖がうまく働いているのでしょう。

カメノコテントウの成虫は、赤と黒の模様や光沢の美しいテントウ虫ですが、残念ながら幼虫だけで成虫は見当たりませんでした。一昨年の11月にアップした以下のブログにカメノコテントウの成虫が見られます。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20121108


防護ネットに絡まったオスジカ

2014年07月10日 | 動物

Photo

今、里山は増えすぎたニホンジカの食害に悩まされています。防衛手段は、鹿柵ネットを張り、食べられないようにしていますが、網を破られたり、飛び越えられたりと、攻防が続いています。

昨朝、犬の散歩を終え帰ろうとしたときのこと、いつもと違った気配を感じ見渡すと、畑の中に木製の置物のようなものが見えました。

目を凝らすと、なんと角をネットに絡ませたニホンジカのようです。全く身じろぎをしないので死んでいるのかと思い、まず、犬のヤマトを離れた木に括り付け、近づいていきました。

Photo_2

畑のサツマイモやジャガイモを食べに、柵を越えて入ったニホンジカのオスでした。美しい斑紋や古い角が落ちて新しく生え変わったこれまでの角とは違う形・色をしていました。

野菜を食い荒らした後に、網を潜って柵から逃げようとして角が絡まり、はずそうと暴れまわった様子で、ジャガイモ畑は地肌がむき出しになり、イモがゴロゴロところがっていました。近づいて行くとニホンジカは暴れだしましたが、ネットが角にガンジガラメになっていて、逃げだせない状況でした。

その様子を見ていたヤマトは興奮し始めました。以前、シカがネットに絡まった時は、果敢にシカの足首に喰らいついており、今回もシカに近づきたがるヤマトの力に抗しながら、まず家に戻り、市の害獣対策課に連絡を入れました。

今年、ネットに絡んで動けなくなったシカは、これで3頭目ですが、角が生え始めたばかりのシカは初めてです。すぐに担当のFさんが来てくれ、手際よくシカを処分してくれました(岩手県は、今年からシカに対する捕獲期間と制限を解除しています)。立派なオスの成獣で、袋角の段階でしたが、角は三段に成ろうとしていて、車に運ぶにもずっしりと重く、二人では持ち上げられませんでした。

たまたま牛の世話に来ていた植木さんが居合わせましたので、三人で何とか車に積むことができました。Fさんは、植木さんに「この時期の袋角は、貴重な漢方薬で、焼酎に付けて飲むと、マムシの焼酎漬けのように精がつくから」と言って、暴れて途中から折れ曲がった角を切り取り植木さんにあげました(袋角=鹿茸(ろくじょう)と言い、鹿茸は全身強壮薬、ノイローゼ、低血圧症の医薬品材料に利用されているそうです)。

その後、植木さんは大事に持ち帰ろうと、沢水できれいに洗って干しておいたそうですが、牛の世話を終えて帰ろうとしたところ、何と!角がありません。どうやらカラスが持ち去ったようです。植木さん曰く、「Fさんがあんまり大きい声で話すもんだからカラスの野郎がFさんの話を聞いて『そんなら、オレも強くなりたい』と思って、盗んでいったようだ。まぁ、カラスが強くなってシカを追っ払ってくれれば、安いもんだ!」と、笑って後日談を話してくれました。

自然豊かな里山ですが、何か少しずつ生態系が崩れてきています。原因の根幹は、人間の身勝手さにあり、それに対する動植物のしっぺ返しの一コマを垣間見たようでした。


愛の交信 ヘイケボタル

2014年07月09日 | 昆虫

Photo

ヘイケボタル(ホタル科)

ヘイケボタルが舞う季節を迎えました。

初見は、昨年(雨が多く低温)よりも一週間早く6月の30に約50匹と、数の多さの驚きました。

Photo_2

田んぼの中のヘイケボタル。


Photo_3

夜露いっぱいのスギナに止まるヘイケボタル。

Photo_4

草刈り後の原っぱで、愛をささやき合うヘイケボタル。


Photo_5

めでたく交尾したヘイケボタル。


Photo_6

メスを求めて重なり合う三角関係のヘイケボタル。

2014_0708_203312p7080008

コガネグモの網にかかったヘイケボタル。

Photo_7

ヘイケボタルの幼虫。幼虫も発光器を持っていて、弱い光ですが「ポワー ポワー」と暗闇で点滅しています。

無農薬有機農法の取り組みと共に、年々増えてきたヘイケボタルですが、昨晩は、川を挟んで上下の田んぼ合わせて約400匹を数えることができました。夜の気温が20℃前後とまだ低めですので、飛び交うホタルは少ないのですが、草むらで愛の交信を交わしていました。

水稲栽培で「カメムシ対策のために畦道の除草」を農協から進められていますが、雑草があればこそ、ホタルの良好な生息環境が保たれます。クモ糸にかかったホタルもいますが、クモが生息する水田では、おのずとカメムシの防除作用が働き、農薬なしでも害虫を防除できるのです。農薬によって循環の輪を人間の手で断ち切るのではなく、さまざまな生き物が生息できる自然環境を守っていきたいものです。


クルミハムシ

2014年07月08日 | 昆虫

2014_0707_080904p7070055

クルミハムシ(ハムシ科)

クルミの木の幼木に、ホタルとその幼虫に似た生き物がひたすら葉をむさぼっていました。

ホタルがクルミの葉を食べる???。ホタルではなくクルミハムシでした。

Photo_2

クルミハムシが、網目状に、葉脈を残して食べ尽くしたクルミの葉。

Photo_3

食べつくした葉の主脈にぶら下がって、蛹になったクルミハムシと蛹になろうとしている幼虫。


Photo_4

こちらは、行列をつくって葉の主脈に一斉にぶら下がった蛹。

コールタールを塗ったように黒光りし、同じ向きで等間隔に群がっていた蛹は、とても不気味で目を覆いたくなる光景でした。

成虫に幼虫、そして蛹と大家族で同居していたクルミハムシ、集団で蛹になる習性があるようですが、何故にかたまってぶら下がるのでしょうか。初めて目にした奇妙な光景に不思議を感じました。