今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

図書館記念日

2005-04-30 | 記念日
今日(4月30日)「図書館記念日」
国際図書館年の前年、1971(昭和46)年の日本図書館協会 で決定され、日本図書館協会が翌1972(昭和47)年から実施。図書館法が公布された 1950(昭和25)年4月30日にちなんでのものである。そして、これに続く、 5月1日~5月31日を「図書館振興の月」と定めた。
しかし、記念日を調べてみると、この4月30日の他に、「図書記念日」 (4月2日)があり、1872(明治5)年、東京・湯島に日本初の官立公共図書館・東京書籍館が開設されたとされている。
暦に記載されているすべての事項について解説を加えた画期的事典といわれる「現代こよみ読み解き事典」では、”4月30日を図書館記念日にするのは「東京書籍館」がこの日に設立されたからである」と書いてあるといい、 いずれも1872(明治5)年4月に、湯島の昌平こう講堂跡に「書籍館(しょじゃくかん)」 という日本初の近代図書館が設立されたのを記念するものである。 この書籍館は その後1885(明治18)年に上野に移転し、のち帝国図書館と改称、更に戦後は旧憲法下 の貴族院・衆議院の図書館と合併して「国立国会図書館」という名前に変わっている。どうして、2説あるのかわからないが、設立日と開館日の違いなどのよるものかも知れない。
なお、図書館の歴史を遡ると、奈良時代末期の有名な文人の、大納言 石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)が、781(天応元)年に、自宅を改造して阿寺(あしゅくじ)とし、寺の南東の隅に書庫を設けて、「芸亭(うんてい)」と名付けたと言う。余談だが、石上宅嗣は物部氏の子孫でもあるそうな。
聖徳太子が書いた 「法華義疏」の巻物は日本最古の本としても有名であるが、聖徳太子は仏教を広め、写経を奨励するために製紙術を改良したともい われており、701年に大宝律令が制定され、その中に「図書寮」を置いて 政府文書の保管と国史の編集を行うことが定められ、紙を作る ところ(造紙所)も置かれたという。これが、文献上残っている最初のものだそうである。
しかし、一般開放をした図書館としては、1899(明治32)年11月、日本初の図書館単独法規である「図書館令」が公布され、これにより公共図書館に法的な根拠を与えられ、文部省が1872(明治5年)に開設した東京の 「書籍館」が最初のものであり、京都府が三条高倉西に開設した「集書院」がそれに次ぐものであると言う。又、この「集書院」は、公立の公開図書閲覧施設としては日本最初のものだそうだ。以降、図書館令の効果により全国の主要都市に公共図書館が次々に設置されるようになった。
1933(昭和8)年「図書館令」が全面的に改正された。改正の中心は、中央図書館制度の導入で、道府県中央図書館が県内の図書館を指導する権限を付与した。そして、戦後の1950(昭和25)年4月「社会教育法」の制定に続き、「図書館法」が制定され、有料制などの戦前からの制度を見直し、戦争により失われた図書館や蔵書の再生、国・地方自治体による図書館建設の責任の明確化、司書の職務規定と資格について明らかにしたのである。
私は、学生時代は、勉強が嫌いで、図書館など利用しなかったが、現役も退き、自由な時間が出来たこの頃は、よく利用するようになった。今、書いている、こういったBlogの作成においても、ネタ切れになると、近くの区の図書館に行くが、区の図書館は、品揃えが悪いね~。なかなか思うようなものが見つからない。そういったときには、市立の図書館へ行くようにしている。ここだと、概ね、満足できるものが揃っている。
今「生涯学習社会」の時代だと言われており、図書館での図書の充実が非常に望まれるのであるが、この図書館での本の貸し出しに関して、著作権の問題が浮上しているのである。それは、「図書館で大量の本を無量で貸し出しするので、著者や出版社、書店が不利益を被っている」という「著作権・公貸権」に係わる著作権者側の声が出始めているのである。このようなことは、新聞やテレビでも報じられ皆さんもご存知のことと思う。もし、図書館がなかったら、年間5億冊の本が売れると言うのである。それは、どうか知らないが、全く影響がないとは言えないだろうが、図書館が出来たことによって、今まで本など無縁であった人たちが本を読むようになるといったメリットもあるだろう。聞くところによると、ポストの数ほど図書館のあると言われる先進諸国においては、「図書館で購入するような本を出版すれば採算がとれる」ともいわれているそうである。日本の図書館が、先進諸国に比べてどれだけ普及し、又、利用している人が多いだろうか?先にも述べたように、私も図書館を利用し始めたのは最近であり、しかも、家の近くにある区の図書館の本の整備状況など全く満足できるものではない。市立や県立の図書館に出向こうと思うと交通費と時間がかかる。まだまだ、整備不足といわざるを得ない。
著作権者側が、図書館の本の充実を問題にしているが、本当は、売れるような魅力のある本がこの頃は出版されていないこと自体が問題なのではないだろうか。私なんか、若い独身時代は、給与の3分の1くらいは本代に使っていたよ。私も、本屋ではないが本を扱っている業界にも関係していたが、売れる本は気晴らしに読む程度の雑誌や漫画ばかりである。だから、品揃えする本もそんなものばかりとなって行き、良質の本は置いていない。図書館に本があると言っても同じ本が何冊もあるわけではない。多くの人が借りたいと思ってもいい本は順番待ちである。そんな図書館で人気のある本なら本屋さんでもよく売れているだろう。良いものは誰でも早く読みたいものね~。図書館に対して下らぬ言いがかりをつける前に、自分達の努力不足を反省すきと思うよ。
(画像は、全国図書館大会ポスター)
参考:
図書館記念日
http://www.commakagi.ne.jp/karasuda117/tosyokan/160430%20tosyokan-nohi.htm
20世紀の図書館(沼図市立図書館)
http://www.tosyokan.city.numazu.shizuoka.jp/html/01win/03.htm
奈良の昔話:第69回(2001年01月号掲載)佐保路 その3―不退寺と在原業平―
http://www.mynara.co.jp/1DPic/d1-69.html
紙の講座:第10回 和紙の歴史
http://www.papermuseum.jp/kouza10.html
全国図書館大会:平成17年度(第91回)茨城大会ホームページ
開催期間  2005年10月26日(水)~28日(金)
http://www.lib.pref.ibaraki.jp/home/ila/jla/jla_index.htm