今日(4月14日)は「タイタニック号の日」
1912(明治45)年4月10日、4万6328総トン・全長268メートル、幅28.2メートルのイギリスの超豪華客船タイタニック号が、英国サウサンプトンを出港。ニューヨークへ向かう処女航海中、北大西洋ニューファントランド沖で14日午後11時40分、氷山に激突、翌15日未明に沈没した。乗客乗員2,200を越える乗船者中約1,500人もの海難史上最大の儀牲者を出すという大惨事となった。
この20世紀最大の悲劇的事故を描いた映画「タイタニック」が、1997年12月日米同時公開された。何度か映画化されている中でこの映画は、監督のジェームズ・キャメロンが5年を費やし実態をリサーチ。今も海底3773メートルに眠る船体を撮影するなど、様々な視覚効果で、タイタニック号の最期を再現し、史上最高の2億ドル(240億円)をかけて製作された超大作にして史上最大のヒット作といわれている。
この1作でハリウッドスターの座を不動のものにしたレオナルド・ディカプリオ扮する主人公ジャックと、若手演技派として名高いイギリス人女優ケイト・ウインスレッド演じるローズとの胸迫る恋、沈没の極限状態に直面していく人々の姿、愛と別れ、サバイバルへの人間の強靭な意志が、感動を呼ぶヒューマン・ドラマとしても高い評価を得、第70回アカデミー賞では「ベン・ハー」とタイで並ぶ11部門を受賞している。
世界に大きな反響を巻き起こしたこの海難事故の原因や被害には、救命設備・流氷の監視・無線電信等さまざまな問題が関連しており、その後の船の安全確保について多くの教訓が得られた。
先ず、この海難事故を契機として、それまで各国がそれぞれの国内法により規定していた船舶の安全性確保について、条約の形で国際的に取り決める気運が高まり、1914(大正3)年に、国際的な海上安全条約「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」や電気通信条約などを締結し、遭難船がでた場合の救助に関する相互協力を規定、通信では遭難通信の方法を法律で決めた。
海上で無線によるモールス信号が広く使用されるようになったのは、この「タイタニック号」の事故があってからである。この事故では、乗客乗員約2,200人中、「タイタニック号」の遭難信号を受信した定期船「カルパシア号」により700名余が救助された。もし、さらに近くにいた「カルフォルニア号」も遭難信号を受信していたら、さらに多数の人が救助されていたであろうが、その時、「カルフォルニア号」の通信手は非番で受信機の前にいなかったという。そして、この年の国際会議で国際的に遭難信号として「SOS」が採択された。
このタイタニック号遭難の時、SOS信号発信のために船に装備されていた無線装置はマルコーニ社製のものであった。
しかし、英国では、この遭難事件の発生する10年前に現職閣僚が有望な未公開株で一儲けしたという疑惑「マルコーニ事件」が発生していて、この事件は日本の「リクルート事件」とよく似たものだという。
当時、英国の国際関係として、新興国ドイツとの間で一戦をまじえるのは、さけられないだろうという緊張した状況にあった(事実、両国は翌々年の1914年に第一次大戦に突入した)。世界中に拡がっていた大英帝国を維持するための通信手段として計画されたのが無線通信網でありその発注を受ける有力業者の一つにマルコーニ社があった。そして、折も折、タイタニックが事故を起こし、船から発信されたSOS信号によって多数の乗客が救助された。そして、このタイタニック号に装備されていた無線装置がマルコーニ社製であったことから、同社の株価は前年末の3ポンド弱から、タイタニック号事件の直後には9ポンドを超える最高値を記録した。この株価はその直後に暴落して激しく乱高下を繰り返すようになった。その過程で、マルコーニ社と英政府関係者の好ましくない関係の噂がエスカレートし、関係閣僚が未公開の子会社(米国マルコーニ社)の株式の譲渡を受けてマルコーニ社に有利な契約内容を受入れたとか、はては株価操作を行ったのではないかという疑惑まで出されて、遂に政治問題化してしまったという。この「マルコーニ事件」のことは、以下参考の多摩大学 || 多摩ブログ(デリバティブノート)より抜粋したので、興味のある方はそこで詳しご覧ください。
又、タイタニック号から発信された遭難信号を最初に受信したのはアメリカン・マルコーニ社の技師デイビッド.サーノフ。このとき使われたモールス信号「SOS」は救難信号として採用されたばかりで、タイタニック号が信号発信第一号であること。
そして、1912年のタイタニック号の乗船予定者名簿には、マルコーニ夫婦の名前があった。無線電信の発明者でノーベル賞受賞者の名士として、イギリスが誇る豪華客船の処女航海に招待されていたにもかかわらず、そのマルコーニ氏は、アメリカの無線会社買収のため、タイタニック号よりも3日前に出港したシルタニア号に乗船。又、婦人は息子が病気になったためとの理由で、イギリスに残ったことで災難を免れることができたと言うのである。そして、きしくも、タイタニック号が氷山に衝突して沈没した位置は、1901年7月20日、マルコーニがはじめて大西洋横断の通信実験に成功したときの受信局が設置されたカナダのニュー・ファンドランド沖ででもあった。タイタニックの信号を徹夜で受信したマルコーニ無線会社の少年技師デイビッド・サーノフは,後にNBCを創設,ラジオ・テレビの父となったということだ。
偶然と言えばそれまでだが、余り出来すぎだと、なんとなく腑に落ちない気はするね~。
この「タイタニック」の沈没事件に関しては、映画の評判とは裏腹に、他にも「タイタニック号は沈められた」、姉妹船のオリンピック号とのすり替えによる、保険金目当ての大量無差別殺人疑惑などいろんな疑惑があるようだね~。
(画像は、マイコレクションより、映画のチラシ「タイタニック」)
参考:
RADIO WAVE MUSEUM* 電波博物館(電波学習館)
ここでは、「タイタニック号の発信したCQDモールス遭難信号の復元」が聞けますよ。
http://www.cleandenpa.net/museum/study/cap3/cap3_1.htm
IMO(国際海事機関)国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/kaiji/imo/imo_.html
海上安全・海洋汚染防止について(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/imo/
多摩大学 || 多摩ブログ(デリバティブノート)
「マルコーニ事件」のことを詳しく知りたい方はこちらで・・・。
http://www.tama.ac.jp/blog/note/187.html
電 気 通 信 の 歴 史
http://www.jomon.ne.jp/~ja7bal/rekishi.htm
ラボ・パーティNOW!! ことばの宇宙
http://www.labo-party.jp/page02_01a_4_07.html
雑学大作戦:知泉[タイタニック号]
http://www.elrosa.com/tisen/70/70267.html
1912(明治45)年4月10日、4万6328総トン・全長268メートル、幅28.2メートルのイギリスの超豪華客船タイタニック号が、英国サウサンプトンを出港。ニューヨークへ向かう処女航海中、北大西洋ニューファントランド沖で14日午後11時40分、氷山に激突、翌15日未明に沈没した。乗客乗員2,200を越える乗船者中約1,500人もの海難史上最大の儀牲者を出すという大惨事となった。
この20世紀最大の悲劇的事故を描いた映画「タイタニック」が、1997年12月日米同時公開された。何度か映画化されている中でこの映画は、監督のジェームズ・キャメロンが5年を費やし実態をリサーチ。今も海底3773メートルに眠る船体を撮影するなど、様々な視覚効果で、タイタニック号の最期を再現し、史上最高の2億ドル(240億円)をかけて製作された超大作にして史上最大のヒット作といわれている。
この1作でハリウッドスターの座を不動のものにしたレオナルド・ディカプリオ扮する主人公ジャックと、若手演技派として名高いイギリス人女優ケイト・ウインスレッド演じるローズとの胸迫る恋、沈没の極限状態に直面していく人々の姿、愛と別れ、サバイバルへの人間の強靭な意志が、感動を呼ぶヒューマン・ドラマとしても高い評価を得、第70回アカデミー賞では「ベン・ハー」とタイで並ぶ11部門を受賞している。
世界に大きな反響を巻き起こしたこの海難事故の原因や被害には、救命設備・流氷の監視・無線電信等さまざまな問題が関連しており、その後の船の安全確保について多くの教訓が得られた。
先ず、この海難事故を契機として、それまで各国がそれぞれの国内法により規定していた船舶の安全性確保について、条約の形で国際的に取り決める気運が高まり、1914(大正3)年に、国際的な海上安全条約「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」や電気通信条約などを締結し、遭難船がでた場合の救助に関する相互協力を規定、通信では遭難通信の方法を法律で決めた。
海上で無線によるモールス信号が広く使用されるようになったのは、この「タイタニック号」の事故があってからである。この事故では、乗客乗員約2,200人中、「タイタニック号」の遭難信号を受信した定期船「カルパシア号」により700名余が救助された。もし、さらに近くにいた「カルフォルニア号」も遭難信号を受信していたら、さらに多数の人が救助されていたであろうが、その時、「カルフォルニア号」の通信手は非番で受信機の前にいなかったという。そして、この年の国際会議で国際的に遭難信号として「SOS」が採択された。
このタイタニック号遭難の時、SOS信号発信のために船に装備されていた無線装置はマルコーニ社製のものであった。
しかし、英国では、この遭難事件の発生する10年前に現職閣僚が有望な未公開株で一儲けしたという疑惑「マルコーニ事件」が発生していて、この事件は日本の「リクルート事件」とよく似たものだという。
当時、英国の国際関係として、新興国ドイツとの間で一戦をまじえるのは、さけられないだろうという緊張した状況にあった(事実、両国は翌々年の1914年に第一次大戦に突入した)。世界中に拡がっていた大英帝国を維持するための通信手段として計画されたのが無線通信網でありその発注を受ける有力業者の一つにマルコーニ社があった。そして、折も折、タイタニックが事故を起こし、船から発信されたSOS信号によって多数の乗客が救助された。そして、このタイタニック号に装備されていた無線装置がマルコーニ社製であったことから、同社の株価は前年末の3ポンド弱から、タイタニック号事件の直後には9ポンドを超える最高値を記録した。この株価はその直後に暴落して激しく乱高下を繰り返すようになった。その過程で、マルコーニ社と英政府関係者の好ましくない関係の噂がエスカレートし、関係閣僚が未公開の子会社(米国マルコーニ社)の株式の譲渡を受けてマルコーニ社に有利な契約内容を受入れたとか、はては株価操作を行ったのではないかという疑惑まで出されて、遂に政治問題化してしまったという。この「マルコーニ事件」のことは、以下参考の多摩大学 || 多摩ブログ(デリバティブノート)より抜粋したので、興味のある方はそこで詳しご覧ください。
又、タイタニック号から発信された遭難信号を最初に受信したのはアメリカン・マルコーニ社の技師デイビッド.サーノフ。このとき使われたモールス信号「SOS」は救難信号として採用されたばかりで、タイタニック号が信号発信第一号であること。
そして、1912年のタイタニック号の乗船予定者名簿には、マルコーニ夫婦の名前があった。無線電信の発明者でノーベル賞受賞者の名士として、イギリスが誇る豪華客船の処女航海に招待されていたにもかかわらず、そのマルコーニ氏は、アメリカの無線会社買収のため、タイタニック号よりも3日前に出港したシルタニア号に乗船。又、婦人は息子が病気になったためとの理由で、イギリスに残ったことで災難を免れることができたと言うのである。そして、きしくも、タイタニック号が氷山に衝突して沈没した位置は、1901年7月20日、マルコーニがはじめて大西洋横断の通信実験に成功したときの受信局が設置されたカナダのニュー・ファンドランド沖ででもあった。タイタニックの信号を徹夜で受信したマルコーニ無線会社の少年技師デイビッド・サーノフは,後にNBCを創設,ラジオ・テレビの父となったということだ。
偶然と言えばそれまでだが、余り出来すぎだと、なんとなく腑に落ちない気はするね~。
この「タイタニック」の沈没事件に関しては、映画の評判とは裏腹に、他にも「タイタニック号は沈められた」、姉妹船のオリンピック号とのすり替えによる、保険金目当ての大量無差別殺人疑惑などいろんな疑惑があるようだね~。
(画像は、マイコレクションより、映画のチラシ「タイタニック」)
参考:
RADIO WAVE MUSEUM* 電波博物館(電波学習館)
ここでは、「タイタニック号の発信したCQDモールス遭難信号の復元」が聞けますよ。
http://www.cleandenpa.net/museum/study/cap3/cap3_1.htm
IMO(国際海事機関)国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/kaiji/imo/imo_.html
海上安全・海洋汚染防止について(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/imo/
多摩大学 || 多摩ブログ(デリバティブノート)
「マルコーニ事件」のことを詳しく知りたい方はこちらで・・・。
http://www.tama.ac.jp/blog/note/187.html
電 気 通 信 の 歴 史
http://www.jomon.ne.jp/~ja7bal/rekishi.htm
ラボ・パーティNOW!! ことばの宇宙
http://www.labo-party.jp/page02_01a_4_07.html
雑学大作戦:知泉[タイタニック号]
http://www.elrosa.com/tisen/70/70267.html