「飛梅」 作詞/作曲 さだまさし
心字池にかかる 三つの赤い橋は
一つ目が過去で 二つ目が現在
三つ目の橋で君が 転びそうになった時
初めて君の手に触れた 僕の指
手を合わせた後で 君は御籤を引いて
大吉が出るまでと もいちど引き直したね
登り詰めたらあとは 下るしかないと
下るしかないと気付かなかった 天神様の細道
裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って
君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた
来年も二人で 来れるといいのにねと
僕の声に君は 答えられなかった
時間という木の思い出という落葉を
拾い集めるのに夢中だったね君
あなたがもしも 遠くへ行ってしまったら
私も一夜で飛んでゆくと言った 忘れたのかい 飛梅
あの日と同じ様に 今 鳩が舞う
東風(ひがしかぜ)吹けば 東風(こち)吹かば君は
どこかで想いおこしてくれるだろうか
大宰府は春 いずれにしても春
心字池

この「飛梅」という曲はさだまさしさんの曲の中で一番好きな曲です。
初めて聞いたのが高校3年生くらいでしたから、もうかれこれ25年前、
ギターを鳴らして歌っては、「うるさい!」と怒られていました。
一つ目の橋(太鼓橋)-
過去
二つ目の橋(平橋)-
現在
初めて君の手に触れた 僕の指」
純愛ですねぇ~、プラトニックですねぇ~、いいですねぇ~、
でも未来を表す三つ目の橋で転びそうになったというのは、
何となく、このカップルの未来を暗示しているかのようです。
大体、僕が学生時代には太宰府天満宮は「縁切り神社」と
いうことで恋人同士が行くと別れてしまうから、行かないほうが良い
なんて言っていたと思うのですが、今はどうなのでしょう?
御籤
長男が引いた御神籤です。見事に大吉でした。
下の小学校三年生の次男は小吉か何かで、この歌のように
「もう一回引く」と駄々をこねていました。
梅ヶ枝餅
「裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って
君がひとつ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた」
この「お石の茶屋」というのがよくわかりませんでしたが、
我が家の場合には妻がふたつ、僕がひとつでした。
それにしても彼が食べなかったもう半分のお餅はどうしたのでしょうか。
デートのときにゴミ箱に捨てるなんてバチ当たりなことをしたとは
思えませんから、ラップにくるんでポケットにしまったのでしょうか。
でもそんなことをしたら何かの拍子にラップから出てしまって、
おまけに中のあんこが人とぶつかったりしてポケットの中で
飛び出してあんこまみれになりはしないか、そっちのほうが心配です。
「あなたがもしも 遠くへ行ってしまったら
私も一夜で飛んでゆくと言った 忘れたのかい 飛梅」
この曲は菅原道真の「飛梅伝説」をモチーフにして作られています。
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
主(あるじ)なしとて 春な忘れそ」
(梅の花よ、東風が吹いたときには、私のところまで
その香りを風に乗せて届けておくれ、私が京に
いないからといって、春に花を咲かせるのを忘れないように)
この歌は菅原道真が陰謀によって大宰府に左遷されるときに
詠んだとされるものです。大宰府に左遷されてからの道真の
生活は苦しかったそうですが、その道真を慰めるかのように、
一年後のある日、家の庭先に京に残してきた梅が一晩でやってきて
花を咲かせ、香りを漂わせていたというのが、飛梅伝説です。
その梅は今でも天満宮本殿右横にあるとされています。
不思議なことに、この飛梅がたくさんある梅の中で最も早く
咲くのだそうです。実際、今回行ったときも他の梅は満開で
見頃だったのに、飛梅の花だけは終わりかけでした。
飛梅
「あの日と同じ様に 今 鳩が舞う
東風(ひがしかぜ)吹けば 東風(こち)吹かば君は
どこかで想いおこしてくれるだろうか」
彼女は忘れてはいないでしょう。しかし、思い出すこともないと思います。
「一夜で飛んでいく」と言った気持ちに嘘偽りはなかったはずです。
でも女性は終わった恋をいつまでも引きずったりはしません。
ですからどこかで梅の花をみても、東風が吹き荒れたとしても、
過去を思い起こすことはないはずです。
思い起こしてほしいと思うのは男だけで、逆の立場でも
女性は思い起こしてほしいとは思わないと思います。
大宰府は春、いずれにしても春でした。
太宰府天満宮のホームページは
こちらからどうぞ。
とても丁寧な作りのホームページです。