昨日と同じような記事になりますが、まずは田中秀征氏(元経済企画庁長官、福山大学客員教授)の次の文章を読んでみてください。
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鳩山由紀夫首相は、5月23日、沖縄を訪れ仲井真弘多知事と会談し、こう話した。「私自身の『できる限り県外』という言葉を守らなかったこと、その過程の中で、県民に大変混乱を招いたことを心からおわびする」
そして、「代替地は辺野古付近にお願いせざるを得ないとの結論に至った」と、政府案を知事・稲嶺進名護市長らに初めて表明した。この2度目の沖縄訪問の経緯や結果については多くの報道があるから言及しない。当然過ぎるほど当然な事態の展開だった。
私が気がかりだったのは、首相の公約が巧妙に後退していることだ。首相は、普天間基地の移設先として『最低でも県外』と言っていたのであり、『できる限り県外』と言っていたのではない。
例えば、一家の主人が家族旅行の行き先について、『最低でもハワイ』と言っていたとする。そうすると家族は、「ひょっとするとアメリカ、あるいはヨーロッパ」と夢をふくらませる。しかし、『最低でもハワイ』と思えば心がときめく。
ところが、『できる限りハワイ』と言われれば、ヨーロッパなどは想定外になる。ハワイが『最高』の目標になってしまうからだ。要するに、『できる限りハワイ』ということは『最高ならハワイ』と言っているに等しい。『最低でもハワイ』とは全く意味が違ってくる。
おそらく、『できる限り県外』という言葉は、首相が日夜考えぬいてひねり出した言葉だろう。
案の定、今のところマスコミの反応は鈍感である。こんな重大な変節を見過ごしているように見える。しかし、ここでこの変節を容認すれば、首相の公約はだんだん消えてしまうだろう。
『できる限り県外』を容認すれば、県外移設は単なる努力目標になってしまう。「一生懸命努力したがダメだった」という釈明を受け入れざるを得なくなるだろう。新聞もテレビも、もっと鋭くならなければ肝心なところを見落としかねない。
もっと端的に言えば、『最低でも県外』なら県内移設は含まれないが、『できる限り県外』なら当然県内移設が含まれてしまう。したがって、期待感は抱かせたが、必ずしも公約に違反するものではないということになる。
しかし、こうやって首相が巧妙に言い逃れようとしても決して成功しないだろう。むしろ首相への不信感が強まるだけだ。首相の発言は常識によって理解されるものだ。常識的理解ではない特異な理解が必要であれば、それは首相の変節と受け取るのが当然である。
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もはや、はらわたが煮えくり返ってしまっていて、コメントしてしまうと過激になってしまいそうなので憚りたいのですが、できるだけ冷静に行きたいと思います。
沖縄や徳之島の人たちが鳩山兄の言動に翻弄されている間に、このバカタレはこんなくだらない言葉のトリックを考えていたのです。こんな事はどうでもいいことです。要はどうすればベストでなくてもベターな解決ができるのかを早急に考えなくてはいけないのです。
橋本竜太郎元首相が1996年に「普天間基地返還」をアメリカに提起し、その後名護市がそれこそ断腸の思いで基地の受け入れを容認し、その後もいろいろな紆余曲折があり、14年もの長い歳月の間、多くの人が積み上げてきた苦渋の決断を「最低でも県外」という安直な言葉で踏みにじったのに、このバカタレはまだこんなくだらない事を考えているのです。何でまだ首相の座に座っていられるのでしょうか。
もはや国民の投票行動を変えていくしか日本を良くする手段はないように思います。現状では民主党に投票しても地獄、他に投票しても地獄の状況です。もはや二世議員やタレント議員に投票している場合ではありません。「地盤・かばん・看板」さえあれば当選するという従来の常識から有権者自体が脱却するしかありません。二世議員やタレントでいることが選挙に不利に働くような投票行動を有権者が地道にしていくしか、この国を変える手段はないように思います。
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