民主党壊すにゃ刃物は要らぬ、メール一通見せりゃいい
それにしても小泉さんはつくづく運の強い人だと思います。
これまで支持率や人気が下がると秘策を繰り出して人気を回復させてきました。北朝鮮にいきなり訪問したのなんかはその良い例です。
ところが今回、ライブドア問題やマンションの耐震偽装問題など問題が一遍に山積みし、民主党は「3点セット」「4点セット」などと称して国会に乗り込んできました。小泉さん、これまでで最大のピンチでした。ところが、永田議員です。
民主党が自らこけてくれました。自民党に思い切り逆風が吹いていたのが、ピタッと止んでしまいました。こういうのも「神風」と呼ぶのでしょうか。「口は災いの元」と言いますが、永田議員は子供たちに身を持ってこの諺の意味を教えたかったに違いありません。
でも、ひょっとしたら永田議員にこのメールを見せるように指示したのは他ならぬ自民党かもしれません。指示していないにしても、メールの存在は事前に知っていたと思われます。だとしたら、自民党にとっては大成功だったわけですね。
まず、メールのことを予算委員会で永田議員が言い出してからも、自民党にはさほど慌てた様子はありませんでした。小泉さんもすぐさま「ガセネタ」と言い切りました。武部さんも落ち着いていましたし、事前に永田議員がこのメールを持ち出すことは知っていたふしがあります。
あるテレビ局はこのメールの送信時間に堀江社長がメールを打てる状況ではなかったと報じていましたが、自民党にはメールに関して本気で調べているような動きは見られませんでした。真偽が不確かであれば、もっと偽物であるということを本気で調べたり、アピールするはずです。この自民党の行動も最初から偽物とわかっていたと仮定すれば説明がつきます。
武部さんも武部さんの二男もあれほどメディアの前で攻撃されたのですから、こうなった以上、もっと怒って法的な手段に訴えたり、マスコミを利用して被害者の立場を強調してもいいと思うのですが、二男は姿すら現しませんし、武部さんもさほど強硬な姿勢をとっているようにも見えません。これは逆風を鎮めるという目的が達せられたと考えれば説明がつきます。
公明党あたりからは永田議員の除名が言われていますが、小泉さんは「そこまでしなくていい」のスタンスをとると思います。民主党に恩を着せるわけですね。こうすれば前原代表は腑抜けになってしまいます。
このように仕組まれたと考えたほうが説明がつけやすいのですが、本当にこれが仕組まれたストーリーだとしたら、素晴らしい脚本家がいたことになります。武部さんあたりがストーリーを作り自作自演していたとすれば素晴らしいですね。代償に小泉さんのあとの「首相の椅子と二男の政界進出」、ありえない話ではないように思います。さらに永田議員は「自民党のモグラ」(※注1)だとしたら・・・、これはちょっとドラマの見すぎですかね。
民主党は前原代表の求心力が低下してしまいましたから、次期代表選びが活発化するでしょう。ぼちぼち小沢さんの出番ですかね。小泉相手では分が悪いのでおとなしくしていましたが、一応小泉さんは9月までですし、前原代表の後任も適当な人物は見当たりません。小沢さんにしてみれば、自分からやりたいというよりは担ぎ出される形をとりたいでしょうから、お膳立ては整いつつあるように感じます。これまで「壊し屋」のイメージが強かったので代表に推す声は多くありませんでしたが、ここまで壊れてしまうと逆に「壊し屋」が必要という声が高まり、小沢さんを推す声が高まりそうな気がします。
自民党も次期総裁は安倍さんが人気ではかなりリードしていますが、かなりのタカ派ですから小泉さんとの間にワンクッション置きたいという声も根強いようです。そこで登場するのが武部さんです。今回悲劇のヒロインを演じ、永田議員を深く追及せずに懐の深いところも見せつけました。人気も少しアップしたでしょう。こちらもお膳立てが整いつつあるように感じます。
僕の予想では9月以降の政局は武部
小沢と予想しているのですが、いかがでしょうか(※注2)。
※注1・・・モグラとはスパイのことです。日曜日のドラマ「輪舞曲」で使われている隠語です。
※注2・・・この話はすべてフィクションです。登場人物は実在しますが、ストーリーはフィクションです。