昨日の鳩山首相の施政方針演説でマハトマ・ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用したことがずいぶん話題になっています。マハトマ・ガンジーの言う「七つの社会的大罪」とは以下の通りです。
・理念(原則)なき政治(Politics without Principles)
・労働なき富(Wealth without Work)
・良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
・人格なき教育(Knowledge without Character)
・道徳なき商業(Commerece without Morality)
・人間性なき科学(Science without Humanity)
・犠牲(献身)なき宗教(Worship without Sacrifice)
ガンジーさんって、すごく良いことを言っていたんですね。確かにこれらのことが世の中からなくなれば、とっても良い世の中になるような気がします。現在の病んでいる日本が抱えている問題を的確に言い当てているように感じます。これが50年前の言葉というのですから何という慧眼なのでしょう。
鳩山さんがこの言葉を引用したくなる気持ちはわかります。しかし、野党がヤジを飛ばしたように「労働なき富」はマズかったですね。「オマエのことだろ」とか「幹事長のことだろ」と突っ込まれても仕方のないところです。国民の多くもそう思ったに違いありません。いくら良い言葉でも、これだけ自分たちのことを棚に上げられたら腹が立ちますね。また、棚に上げることの出来る神経を疑います。
今、世の中には労働したくても出来ない人がいっぱいいるんです。確かに「労働なき富」は罪悪ですが、それよりもこんな理想論を述べる前にみんなが労働につけるような具体的な施策を打ち出すほうが先です。最近の首相はみんな自分の考えている理想論を押し付けすぎです。「美しい日本」「友愛精神」などお題目だけは立派ですが、「絵に書いた餅をいくら見せ付けられてもおなかは満たされないということにいい加減気付けよ」と言いたいです。
オバマさんは先の一般教書演説で雇用対策を最重要課題にあげて、具体的な人数まであげていました。鳩山さんの演説とは対照的ですよね。
一応、演説の前に閣僚から「労働なき富というのはマズイのではないか」という懸念を示されたようですが、「自分のことを言われるのはわかっているが、だからといってガンジーの言葉が間違っているんですか?」と鳩山さんは言った、と新聞に書いてありました。「はぁ~?」って感じでしょ。誰もガンジーが間違っているなんて言っておらず、お前のやっていることが間違っているんだと言っているのに、さっぱりわかっていないみたいです。本当に「労働なき富」が社会的な罪だということがわかっているんでしょうかね。言葉は理解できても、ご自分の生活の中では実感できないのではないでしょうか。「だったら言うなよ」って感じです。
ちなみにキリスト教の中には「七つの大罪」という言葉があるそうです。以下の通りです。
・傲慢 … ラテン語:superbia
・嫉妬 … ラテン語:invidia
・憤怒 … ラテン語:ira
・怠惰 … ラテン語:acedia
・強欲 … ラテン語:avaritia
・暴食 … ラテン語:gula
・色欲 … ラテン語:luxuria
「傲慢」は社会的に罪なだけではなく、生きていく上での大罪なんです。小沢さんや鳩山さんはわかっているのでしょうかねぇ。
さらに余談ですが、貝原益軒という江戸時代の学者さんが著した「養生訓」という本の中には「七情」という言葉があります。わかりやすく言うと病気の原因には「外因」と「内因」があって、その中の「内因」を「七情」という言葉で表しています。怒・喜・思・憂・悲・恐・驚のことで、具体的に言うと怒り・喜び・思い煩うこと・憂い・悲しみ・恐れ・驚きという感情の動きのことを言います。
東洋医学の五行説では2つ少なくて5つですが、怒・喜・思・憂・恐は過ぎれば体に悪影響を及ぼすということになっています。とくに「怒は肝を破る」とありますから、菅(肝)さんはあまり怒らないほうがいいです。
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