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ハイカーホリックの介護日記~機能訓練指導員の一日~
体の衰えは筋肉の衰えです。筋肉を復活させる事に全力を尽くします。
打倒サルコペニア。まずはウェブで!
 



10日前くらいから逆子治療に来られていたYさんより、

「病院の検診で、逆子が治っていました」

と連絡をいただきました。Yさんはこのあと四国の実家に戻られて出産に備えられるそうです。


その前に来られていたYさんは、治療開始3日後に

「今日検診に行ったら、逆子が治っていました」

と連絡をいただきました。院内での治療はわずか1回で、これまでの最短記録でした。


逆子の治療に来られる女性を見ていつも思うのは、女性の持つ母性の素晴らしさです。無事に生まれてきて欲しいと願う、思いの強さに頭が下がる思いです。

先日、NHKで「いま若い女性の間でお灸が流行っている」という話題が提供されたそうです。当院にも数件問い合わせがありました。冷えている女性が多い表れでしょう。

僕はこの番組を見ていないので、調べてみたところ、「お灸女子急増中」という見出しがありました。「○○ガール」とか「○○女子」というのが流行りみたいですが、「お灸女子」とはビックリです。

ただ、ここで放送されたお灸は「温灸」と呼ばれるタイプの物で、本来のお灸と違いヤケドの跡の残らないお灸の事でした。若い女性にはこういうタイプのお灸が理想だと思うのですが、逆子治療には使えません。逆子治療のお灸は、ほんのわずかですが、お灸の跡がつきます。でも、大切なのはこの跡をつけることなので、温灸に変更するわけにはいかないのです。詳しくはホームページの「逆子治療」のところを見て下さい。このページの下部にリンクがあります。

(関連記事)
「逆子が治った、その4」
「逆子が治った、その3」
「逆子が治った、その2」
「逆子が治った」
「赤ちゃんは寒いんだって!、その1」
「赤ちゃんは寒いんだって!、その2」

※当院のホームページに「逆子(骨盤位)の治療」のページを開設いたしました。こちらからどうぞ。


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年明け早々「逆子」の治療に来られていたYさんより、本日、

「今日病院に行って診てもらったら、ひっくり返っていました。頭が下を向いていました!」

とご報告をいただきました。良かったです。元気な赤ちゃんを産んでくださいね。

Yさんは、20代前半のとても可愛らしい女性で、高校生でも通用しそうな感じの方でした。来られた時にはすでに32週に突入しており、今日からすぐに始めて、徹底的に体を温めるように指示しました。

「子供が4人欲しいので、今ここで帝王切開はしたくないんです」とおっしゃったYさんは、こちらの指示に「頑張ります」と言われ、真面目に毎日通院されました。きっとその母の思いが胎児に通じたに違いありません。赤ちゃんはちゃんと外に出る準備をしたのです。母性って本当に素晴らしいです。

少子高齢化が叫ばれ、出産の数は減少しているはずなのに、逆子で苦しむ方は増えているように感じます。病院ももっと逆子に対して真摯に対応すべきだと思うのですが、体操を指導する程度で、「治らなかったら切ればいいや」という感じです。そのおかげで当院にも出番があると言えばそうなのですが、もっとこの異常事態を真剣に考えるべきなのではと思います。

成功したことばかり書くのもアンフェアですので、暮れに治らなかったケースの事も書いておきます。

33週で来られた妊婦さんだったのですが、33週というのはどういうわけか今まで経験がなかったので「(治るかどうかは)微妙です」とお伝えして治療を始めました。非常に真面目に治療に取り組んでくださったのですが、残念ながら暮れに帝王切開の手術を受けられました。

やはりこの治療は32週までに始めるべきだとあらためて痛感しました。おそらく個人差があるので、33週でも成功する可能性はあると思うのですが、早いに越したことはなさそうです。

(関連記事)
「逆子が治った、その3」
「逆子が治った、その2」
「逆子が治った」
「赤ちゃんは寒いんだって!、その1」
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※当院のホームページに「逆子(骨盤位)の治療」のページを開設いたしました。こちらからどうぞ。



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先週より逆子の治療に来られていたMさんが来院され、

「今日、病院の検査で逆子が治っていました」

と、嬉しい報告をいただきました。良かったです。

Mさんは当院からはちょっと遠いところにお住まいでしたので、先週から週2回の予定で治療を開始し、2回の治療、1週間で治りました。

来られた時が30週でしたので、治る可能性大でしたが、初産でしたので不安を抱えていらっしゃいました。この治療も32週を過ぎてしまうと結果が出にくくなってしまうのですが、逆に考えれば32週を過ぎれば逆子に戻る可能性も低くなるわけですから、もう1週間ほど治療を継続することにしました。

ブログでは治った話ばかり載せていますが、前回里帰り出産で来られた方は34週で来院され、逆子が結局治らずに帝王切開での出産となりました。

何度も書きますが、この治療は妊婦さんにとってマイナスになることがないので、素晴らしい治療だと思っています。できれば妊娠が判明した時点で東洋医学的な治療も並行して行うと良いと思うのですが、まだまだ認知度が低いので難しいのです。

(関連記事)
「逆子が治った、その2」
「逆子が治った」
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※当院のホームページに「逆子(骨盤位)の治療」のページを開設いたしました。こちらからどうぞ。


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先々週から逆子の治療に来られていたAさんより、

「今日、病院の検査で逆子が治っていました」

と、嬉しいお知らせをいただきました。おめでとうございました。元気な赤ちゃんを産んでくださいね。お仕事をされていて年末で忙しいのと、自宅も遠かったために当院では2回の治療しか出来ませんでしたが、自宅での治療を指導したとおりにやられたのでしょう、良い結果が出て何よりでした。

これでここ3ヶ月で逆子治療3連勝です。自然の摂理に従って、体を自然な状態に戻すことに重点を置く東洋医学の素晴らしさを実感できる事例です。痛みがあったら鎮痛剤、熱があったら解熱剤と、攻撃的な治療の多い西洋医学も必要だとは思いますが、もっと「体にやさしい東洋医学」が見直されてもいいように思います。

今回のAさんは、いつもの病院の看護婦さんたちからの紹介ではなくて、前回の「逆子が治った」の記事を見て来られた方でした。前回の記事を見て、「赤ちゃんが寒くてつらい思いをしていると思うと申し訳ない」と言っておられました。母性とは素晴らしいですね。男の僕としては味わえない心境です。

ここ3ヶ月で来られた方たちはみんな「32週と数日」で来院され治療を開始しています。その前に来られて治らなかった方は「34週」で来院されていましたから、「32~33週」あたりが治療開始のリミットなのかもしれません。また妊婦さんの側の焦りが出てくるのも「32週」あたりなのだと思われます。

ただ、今回のAさんは9ヶ月に入るまでは逆子でなかったのに、9ヶ月に入ったころの検診で逆子になっていたという今までにないケースでした。ですから、そのことがちょっと引っかかって心配だったのですが、良かったです。

いずれにしてもこの治療は妊婦さんにとってマイナスになることがないので、素晴らしい治療だと思っています。できれば妊娠が判明した時点で東洋医学的な治療も並行して行うと良いと思うのですが、まだまだ認知度が低いので難しいのです。

(関連記事)
「逆子が治った」
「赤ちゃんは寒いんだって!、その1」
「赤ちゃんは寒いんだって!、その2」

※当院のホームページに「逆子(骨盤位)の治療」のページを開設いたしました。こちらからどうぞ。

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先週から逆子の治療に来られていたMさんより、

「今日、病院に行って検査してもらったら逆子が治っていました」

と報告がありました。良かったです。以前にもちょっと記事にしたことがありますが、逆子の治療のためにお灸の治療をします。お灸といっても「せんねん灸」のような間接灸ではなくて、もぐさを皮膚の上で燃やす直接灸ですから、熱いですし、わずかですがやけどもします(このやけどを作るためにお灸をすえるのです)。患者さんは妊婦さんですから若い女性です。若い女性にやけどをさせるというのは治療する側も少し抵抗があります。ですから赤ちゃんに「早くひっくり返ってくれ」と祈るような気持ちで治療をするのです。

紹介してくださる病院の看護婦さんに「もうちょっと早い段階で紹介してくださいよ」とお願いしているのですが、今回の方も今にも生まれそうなくらい大きなおなかをかかえて来られました。でも3回の治療、10日程度で戻りましたから、本当に良かったです。前回の方も2回の治療で戻ったのでなかなか好調です。

ただ、そこで疑問が生まれます。どうしてお灸をすえると逆子が治るのかということです。どの妊婦さんもうちに来られるまでお灸なんてすえたこともなかったし、もぐさを見るのも初めてという方ばかりです。そして皆さん「半信半疑」、というか「一信九疑」くらいで来られます。ですから最初にしっかりと説明をしてから治療に入ります。Mさんとの会話を再現しながら説明したいと思います。いつものように僕が青字で、患者さんが赤字です。

「どうしてお灸をすえると、逆子が治ると思います?」

「さあ?」

「お灸をすえると、その刺激が赤ちゃんにビッビッビッと伝わって、赤ちゃんがひっくり返ると思っているでしょ?」

「はい(笑)」

「実はそうではないんです。この治療は逆子を治す治療ではないんですよ」

「えっ!、そうなんですか?」

「そうなんです。この治療は赤ちゃんの居場所、つまり子宮の環境を良くしてあげることが目的なんです。赤ちゃんだって、きっと好きでひっくり返っているわけではなくて、できれば正常な位置になりたいと思っていると思うのです。ところが居心地が悪いものだから、ひっくり返っているんです。『まだこっちのほうがマシだ』なんて思っているはずです」

「そんなに悪いことをしているとは思いませんが・・・」

「具体的に言うと、おなかが冷えているんです。つまり赤ちゃんは寒いんです。きっと逆子でいるほうがまだ寒さをしのげるから逆子でいるのだと思います」

このあたりの話は以前記事にしましたので、こちらから見てみてください。

「そうなんですか」

「はい、ですからおなかの中が温かくなって赤ちゃんが健やかに過ごせるようになれば自然と赤ちゃんは本来の位置に戻るはずです」

「へぇ~」

「でもね、これは完全に東洋医学の考え方であって、西洋医学には全くこのような考え方はありません。ですからにわかにはなかなか信じられないと思います。ですが生まれてくる赤ちゃんのためです、僕を信じて治療に専念してください。人間、寒いと機嫌が悪くなります。赤ちゃんだって寒いとストレスを感じているはずなんです。そのストレスが生まれてからにも影響する可能性はあると思うのです。ですから赤ちゃんのためにしばらく頑張ってみてください」

「わかりました」

西洋医学では症状の出ている場所に直接アプローチして治療をするケースがほとんどですが、東洋医学ではそうではありません。実際、この逆子のケースでもおなかには全くさわりません。手を触れるのは足だけ、しかも膝から下だけです。「嘘でしょ?」と思われると思いますが本当の話です。このあたりの考え方がなかなか普通の人には理解してもらえませんが、人の体は症状のあるところに直接アプローチしなくてもちゃんと良くなるのです。

これは魔法でもなんでもなくて、東洋医学の理屈に基づいたちゃんとした治療です。もっと世の中の人たちが東洋医学的な考え方にも耳を傾けてくれたらなと思っています。

※当院のホームページに「逆子(骨盤位)の治療」のページを開設いたしました。こちらからどうぞ。

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その1より続きます。

「37.2℃の法則」というのがあります。人間の深部体温は37.2℃であり、あらゆる実験は「人間の深部体温は37.2℃である」ということを前提に行われているのです(普通、体温計で計るのは腋下温(えきかおん)といって、これよりも約1℃低いのです)。ところが現代ではこの法則は崩れてしまっています。現代人の深部体温は下がっています。しかし薬剤の効果を検証する実験などは以前のまま37.2℃であることを前提にしています。ですから例えば薬の効果でも実験どおりに発揮されるかどうかは疑問なのです。

おそらく人間のあらゆる働きも37.2℃が理想のはずです。ですからこれより下がってしまうといろんな支障が生じると考えています。それでは何故37.2℃なのか、その答えは免疫学者の安保徹先生の本に書かれていました。

地球上のあらゆる生物は地球の重力に抗(あらが)って生きています。そして重力に抗う力が少なくて済む生き物の体温は低く、重力に抗う力を多く必要とする生き物の体温は高く設定されているそうです。しかし体温も高ければいいというものではありません。高い体温を維持するためにはかなりのエネルギーが必要ですから、その観点から言えばできれば低いほうが疲れなくて済みます。それらの条件をすりあわせてできたのが個々の生き物の体温なのです。具体的には同じ哺乳類でも水中で暮らすイルカは重力に抗うことがあまりないので深部体温は35℃だそうです。逆に空を飛ぶという行為は重力にかなり逆らった行為ですから、鳥類の体温は一般的に高いそうです。鳥類の中でもニワトリは空を飛びませんから40℃、白鳥のように外敵に襲われることの少ない鳥はゆっくりと飛び立てばいいので42℃、スズメのように外敵に襲われやすい鳥はさっと飛び立たなくてはいけないので43℃だそうです。ですからスズメの深部体温が1℃下がってしまったら、すぐにタカなどの大きな鳥に襲われてしまうので死活問題なのです。

ということは人間も体温が1℃下がってしまったら大変なことになるのではないでしょうか。しかし人間界では実際に下がっている人が増えているのです。椅子に座らせると足を前に投げ出し真っ直ぐに座れない人がいます。電車の中やコンビニの前で床や地面に直接しゃがみこんでいる人たちを沢山見かけます。最初は単にお行儀が悪いのだと思っていたのですが、体温の話を読んでから重力に抗うことが困難になるほど体温が下がっているのではないかと思うようになりました。実際そういう人に限って寒いのにへそを出すような服装をしていたりします。ただしこの場合の低体温はストレス過剰による低体温ではなく、生活にメリハリがなく、ストレスのないことによって起こる低体温のようです。

いずれにせよ、衣食住という生活の基本の乱れによって体温は下がっていると考えられます。ということは生活習慣を改めれば下がっている体温は上がるということです。それでは具体的にはどうすればいいのか、衣・食・住に分けて考えてみましょう。

まず「衣」ですが、ここで述べるまでもなく、寒そうな格好をしている人が増えています。女子高生のスカートは短いですし、ジーパンのウエスト部分はへその下です。これで冷えなければウソだという格好をしています。またミュール、パンプス、ロングブーツといった足の動きが悪くなるようなものを履いています。これらはすべて冷える原因となりますが、ファッションですからなかなか止めるのは難しいので、それならば温めるものを身につけるしかありません。もっとも良いのははらまきや毛糸のパンツです。若い頃から服装には気をつけるべきですが、妊婦さんは服装には細心の注意を払うべきです。おなかから下は絶対に冷やしてはいけません。

つぎに「食」ですが、これは書き出したらキリがないので、ずばり「室温より冷たいものは口にいれない」、まずこれは実行すべきです。それから昔「秋茄子は嫁に食わすな」という諺がありました。これは意地悪な姑が「秋茄子は美味しいので嫁なんぞに食べさせてなるものか」という意味ではありません。「茄子のような夏野菜は体を冷やす作用があるので、これから跡取りを産まなくてはいけない嫁には体にさわる可能性があるので食べさせないほうがよい」という意味です。昔の人はここまで食材にこだわっていたのですが、今は無茶苦茶になっています。野菜にしても根菜類は体を温める作用があるのでオススメですが、夏野菜やレタスなどは体を冷やすので調理方法を工夫する必要があります。それから甘いものやコーヒーなどの嗜好品も避けたほうが良い食べ物です。アイスクリームなんて最悪です。アイスクリーム1個で深部体温が3℃下がると言われています。

最後に「住」ですが、これも書き出したらキリがありません。とりあえずはシャワーだけの入浴はやめて湯船に長めにつかるということを実行すると良いと思います。温めればよいのならば電気毛布に包まって寝たり、コタツに足を突っ込んで寝たら良いのではと言われます。温かいのはいいのですが、電磁波の問題があります。電磁波の問題はまだ詳しくは解明されていませんが、何らかの障害を起こす可能性があるので、特に妊婦さんは避けたほうが賢明だと考えます。ですから妊婦さんは携帯電話もポケットなどに入れずにかばんに入れて持ち歩いたほうが良いと思います。

せっかく生まれてくる新しい命ならば健やかに誕生して欲しいと思うのは親ならば当然です。ただし現代では親も少しは努力が必要なようです。胎教と言ってモーツァルトを聞かせるのもいいですが、それ以前に体を冷やさないように細心の注意を払うべきです。

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「キャッ!、動いた!」
「どうしたの?」
「今、この子が私のおなかをボコッボコッって蹴飛ばしたの」
「まあ、元気のいい証拠ね」
A子は現在妊娠8ヶ月、結婚して2年、初めての出産である。検診では母子共に順調、特に体調面でも気になるところはなかった。
新興住宅地の小春日和の昼下がり、お隣のB子と庭の塀越しにかれこれ30分ほど世間話をしていたのであった。
「最近、よくおなかを蹴飛ばすの。結構ビックリするのよねぇ」
「きっとJ男さんに似て元気一杯、きっと男の子ね」
まだ男の子が生まれてくるのか、女の子が生まれてくるのかはわからなかったが、もうすぐ生まれてくる我が子に早く会いたいと思うA子だった。

とまあ、テレビなどでもよく見かける光景です。赤ちゃんがおなかの中で動いただけでこれだけ盛り上がってしまうのがこの時期です。
ところで、「赤ちゃんがおなかを蹴飛ばす=J男さんに似て元気一杯」とお隣のB子は言いましたが、果たしてそうでしょうか。あっと、ここで問題にしているのは「J男さんに似て」という部分ではありません。生まれてくる子供(仮にQ太郎君ということにしておきましょう)はA子とJ男の愛の結晶ということは間違いないという設定です。問題はQ太郎が元気一杯だからおなかを蹴飛ばしたのかということです。
赤ちゃんはお母さんのおなかの中では羊水という液体の中で過ごしています。8ヶ月にもなれば人間の形が出来上がっていて、羊水の中で動くというのは正常なことです。ところが激しく蹴ったり、あるいはシャックリを頻繁に起こすというのは、赤ちゃんの出しているサインだと言われています。それでは何のサインかというと、

「寒い!」

というサインだったのです。つまりQ太郎に代わって代弁すると、

「母ちゃん、いつまで隣のオバさんと外で話してるんだよ。こっちは寒くて眠れないだろ、早く家の中に入って温まってくれよ」

と言っているのです。その証拠にお母さんがお風呂で湯船につかっているときの赤ちゃんの胎動というのは非常に穏やかだそうです。ということはお母さんはおなかを冷やしてはいけないのです。

自分が眠るときのことを考えてみてください。寒いと眠れないものです。そして寒いと非常に不機嫌になります。それが一日だけならば「昨夜は眠れなくて今日は寝不足」で済ませることもできますが、一週間も続けばおそらくノイローゼのような状態になるはずです。衣食住が充実している日本においては寒ければ暖かくすることは簡単ですから、そのようなノイローゼになることはないはずです。ところが胎児はそうはいきません。自分で押入れから毛布を引っ張り出してきて包まるということはできませんから、すべてはお母さん次第なのです。

先日、数人の助産師さんや看護師さんの談話が新聞に載っていました。そこでは最近、切迫早産や切迫流産で病院に担ぎ込まれる数が急増していると書かれていました。そしてその原因は「冷え」ではなかろうかとも書かれていました。この方たちの目にする妊婦の中には妊娠前と同じように肌を露出したような服装の妊婦だとか、食生活の乱れている妊婦が多いそうです。お母さんの体が冷えていれば、当然赤ちゃんのいるおなかの中も冷えているはずです。

ここからは僕の仮説ですが、切迫早産だとか流産というのは全てではないにせよ、赤ちゃんがあまりの寒さに耐えかねて、外に出たがったために起こっているのではないかと思うのです。つまり、

「こんな寒いところにいつまでもいられるものか、とっとと外に出てやる」

ということではないかと思うのです。西洋医学的な見地から言えば、噴飯ものの話かもしれません。西洋医学には「冷え」という概念はありませんから、いろいろな理由がつけられていますが、僕はこの「寒さに耐えかねて」という説が最も説得力があるように思うのです。

でもいくら西洋医学に「冷え」という概念がないとはいえ、日本人の生活の中には「冷え」という概念はしっかりと根付いています。科学的で明確な定義や基準が曖昧なために西洋医学の考え方に合わないだけなのです。だからといって無視してよい問題ではありません。実際に患者に接している助産師さんや看護師さんは「冷え」の存在を認識しているのです。患者を診ないで検査結果やレントゲン写真ばかり見ている医者に「冷え」というものがわからないだけなのです。

現在、日本の少子化問題は危機的な状況にあるといえます。妊娠する人自体も減っているのに、せっかく妊娠しても流産してしまってはますます少子化になってしまいます。何度か流産して出産を諦めざる得なくなる人もいるでしょうし、早産でつらい思いをして2人目を諦める場合もあるかもしれません。ですからせめて妊娠したのならば無事に出産までこぎつけるようにしなくてはいけないのです。そのためにはおなかを冷やしてはいけないのです。残念なことに医師にそういう指導を徹底している人は少ないように思います。

また現在の医療では不妊治療とか体外受精とか、そういう理科の実験みたいなことは一生懸命やります。残念なことに患者の側も妊娠しないと安易にそういう治療に走る人も少なくないようです。ところが妊娠できないのは生活習慣に問題がある場合も少なくないと思うのです。体が冷えるような悪しき生活習慣を全く改めずに、そういう不妊治療を受けてもダメだと思うのです。現代は普通に暮らしていても体が冷えてしまう世の中です。ですから妊娠しよう、あるいは妊娠した人はとくに「冷え」というものに対して敏感にならなくてはいけないのです。

以前出会った患者さんに不妊治療を何年も受けて妊娠できない人がいました。その人の手足はとても冷たく、食事の内容を聞いてみると、これが無茶苦茶でした。夕飯はチョコレート3枚とか、アイスクリームだけとか、とても食事とはいえない内容でした。そんな状態で不妊治療を受けてもダメだと言ったのですが、不妊治療にお金をかけることは平気でも、食生活を変えることはできないようでした。不思議な人でした。でもきっとこの人は極端な例ではないはずです。

現代では妊娠しようと思ったら妊娠できる体作りから必要のようです。赤ちゃんはお母さんのおなかの中で約290日を過ごすわけですから、赤ちゃんのベッドであるおなかは常に温かい状態でないといけないのです。先に述べたように寒いと人間は不機嫌になります。胎児とて同じはずです。胎児にとっても「寒い」ということはストレスです。ストレスにさらされ続けたらどうなるでしょう。寒い状態がずっと続けば極端な話、人格形成にも影響が出てくると思うのです。今、子供の中に低体温の子供が非常に増えています。しかし実は胎児のときからすでに低体温なのかもしれないと思うのです。

話が長くなりますので続きはまた明日にいたします。

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