僕は鳩山邦夫という政治家が大嫌いです。このことは以前にも書きました。政治家の資質があるとは思えませんし、法務大臣に任命した福田首相の見識も疑いたくなります。
しかし、今回の朝日新聞が彼のことを「死に神」と評したことは、また別問題です。僕は犯罪被害者の会の人間ではありませんが、それでも朝日新聞に抗議をしたい気持ちでいっぱいです。
「死刑」に関しては、いろいろな見解があって当然だと思っています。うがった見方をすれば、「合法的な殺人」なのですから、人道上問題のある制度だとは誰もが思っていると思います。しかし、宮崎勤に可愛い愛娘を無残に殺害された親の気持ちになってみれば死刑は当然だという気持ちにもなります。死刑に代わる刑罰が現在のところ存在しない日本では必要な制度ではないでしょうか。
その死刑を執行する判断を下すのが法務大臣なのですが、誰だってこんなことはしたくないと思いますよ。大臣になった人で好きで死刑執行をする人なんていないのではないでしょうか。以前、法務大臣になったとたんに「私は死刑の執行はしません」と言った政治家がいました。批判を浴びたので、すぐにその発言は取り消しましたが、死刑執行が嫌ならば最初から法務大臣を引き受けなければいいだけの話です。ついでに政治家も辞めてしまえばいいだけの話です。そんな中で粛々と死刑執行を行っている行為は批判を受ける筋合いのものではないと思うのです。
確かに鳩山さんが法務大臣になって死刑を執行した人数は、今までの人たちより多いかもしれません。ただこれだって今までの人が先延ばしにしていたせいかもしれないじゃないですか。それに宮崎勤被告の場合、死刑の決定から執行までの期間が通常よりも早かったと言われていますが、被害者家族の立場に立てば、これでも遅すぎるくらいだと思うのです。被害者家族の心情はたとえ犯人の死刑が確定しても、刑が執行されたとしても、決して癒されるものではないでしょうし、溜飲が下がるというものでもないはずです。事件が起きてからすでに20年以上が経過しているのですから、被害者の家族の皆さんにとっては長すぎるくらいの期間だったと思います。
朝日新聞は、失言が多くて国民にあまり人気のない鳩山法務大臣を「死に神」と書けば、国民が迎合してくれるとでも思ったのでしょうか。そういう記事を書く事が、三大新聞といわれるジャーナリズムの使命なのでしょうか。そういう事はスポーツ新聞の「東スポ」とか写真週刊誌に任せるべきものではないでしょうか。あまりにも見識と配慮に欠けた記述だと言わざるをえません。やらせ記事だとか問題の多い朝日新聞ですが、今回の記事に関しては失望を通り越して、あまりの意識の低さに絶望すら感じてしまいました。
天下の朝日新聞であれば何を書いても許されるという驕りのようなものが伺えます。丁度、国民の血税から配給されているタクシー券を、まるで我が物のようにタクシーの運転手にちらつかせて、金品を要求する官僚の驕りと同じです。特権階級だとでも勘違いしているのでしょう。
何だかイヤなニュースや腹の立つニュースばかりでうんざりしてしまいます。おまけに休みのたびに雨ばかりで山にも行けません。ストレスは溜まる一方です。
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