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ハイカーホリックの介護日記~機能訓練指導員の一日~
体の衰えは筋肉の衰えです。筋肉を復活させる事に全力を尽くします。
打倒サルコペニア。まずはウェブで!
 



一般的な常識として使われている事柄の中には結構間違っているものが多く見受けられます。最近ネット上で多く見かけるのが「確立」。「当たる確立」などと使われています。これはいくらなんでも「確率」でしょうと思うのですが、この間違いは非常に多いです。

それから以前「続柄(つづきがら)は?」と人に尋ねたときに「それは”ぞくがら”でしょ」と訂正されました。目上の人だったので「はい」と返事をしておきましたが、これも明らかに間違いです。でも「ぞくがら」の方がどうも市民権を得ているようなのです。

このように間違っているんだけれども、すでに間違っているほうが市民権を得ているという事は結構多くあるように思います。医療の中でも多く見受けられます。そんなものをぼちぼちと紹介していきたいと思い立ちました。新しいカテゴリーを作ろうかとも思いましたが、面倒くさいので「体・健康」カテゴリーでいきます。

患者さんに既往歴を尋ねていると、「昔、複雑骨折を起こして骨がバラバラになったことがある」とおっしゃられる方が結構いらっしゃいます。詳しく話を聞いてみると、どうも普通の骨折のようなのですが、昔の病歴は大げさに語られることが多いようです。そのときの口ぶりは不思議なことに自慢気です。別に誉められたことでもないと思うのですが、ここで「そんなものは大したことではありません」などと言うと気分を害されるので、こちらも大げさに「そんなすごいことになったのですか、それは大変でしたねぇ」といかにも感心したように答えます。それがサービス業というものです。

ところで「複雑骨折とは骨がバラバラになることだ」と思っていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。イメージ的には普通の骨折とはグリコのポッキーを「ポキッ」と折った状態、複雑骨折は森永のマリーというビスケットを床に落として3、4個の破片に割れてしまった状態、こんな感じではないかと思います。ところがこれが全然違うのです。

骨折は折れ方や折れた状態などによっていろいろな分類のされ方があります。その中で骨折したときに折れた骨片が皮下に留まっているものを「単純骨折」あるいは「皮下骨折」といいます。このとき単に1ヶ所で折れていようが、骨がバラバラになっていようがそれはまた別の分類ですので、このようにいいます。これに対して折れた骨片が皮膚を突き破って外界と交通した場合を「複雑骨折」あるいは「開放性骨折」と呼ぶのです。ですから単に1ケ所だけ折れた場合でも、その骨片が皮膚を突き破っていれば複雑骨折ですし、どんなにややこしく折れていていても、治療が難しくても、骨が皮膚の外に出ていなければ複雑骨折とは呼びません。

これはおそらくほとんどの方が間違って認識されています。テレビを見ていても、芸能人やニュースのアナウンサーなどは正確に言っているのを聞いたことがありませんし、医療関係者と思われる人でも間違った使い方をしている場合があります。もはやこうなってしまうと、人との会話の中で正しい意味で「複雑骨折」と使うほうが混乱することになります。

それでは1つの骨が2ヶ所以上で骨折した場合は何と呼ぶかと言うと「二重骨折」とか「重複骨折」などと呼びます。2本の骨が同時に骨折することを「多発骨折」と言いますが、どれも聞き慣れない言葉ばかりです。また強い外力が骨に加わってそれこそ骨がバラバラになった場合には「粉砕骨折」と呼びます。これら全て非常に治療は難しく厄介な骨折です。でもどんなに大変な骨折でも骨が皮膚から飛び出していない限り複雑骨折と呼ぶことはありません。でもほとんどの人がこういった場合には複雑骨折と呼んでいるという、とても複雑な話でした。

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「やはり出たか」といった感じです。先日、「怖くて飲めない!」という本の紹介記事を書きました。薬は化学物質ですからただでさえ口に入れるのは怖いものなのに、その怖いものを私利私欲のために製薬会社、官僚、医療関係者がタッグを組んであたかも絶対必要なもののように仕立てて患者に飲ませているという本でした。その本はアメリカでの出来事を書いたものでしたが、絶対に日本の方が巧妙で悪質に違いないとも書きました。そしてこの記事です。タイトルは3月13日の読売新聞の見出しです。以下は記事からの引用です。

>インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した後に異常行動死が相次いでいる問題で、因果関係を調べている厚生労働省研究班主任研究者の教授が主宰する大学の講座(研究部門)が、タミフルの輸入販売元「中外製薬」(東京都中央区)から、4年間に約800万円の寄付金を受けていたことがわかった。

大体こういうものは表面化するのは氷山の一角でしょうから、もっと大きな金が動き、厚生労働省の官僚も絡んでいるに違いないのです。タミフルに対しては昨年から服用後に異常行動を起こして死亡する事件が相次いでいるにもかかわらず、厚生労働省の対応は非常に鈍いものでした。おそらく裏事情があるのだろうとは思っていましたが、やはりこういうことでした。

シナリオはこうだと思います。新型インフルエンザや鳥インフルエンザの流行を受けて、あたかもそれらが人類をも滅ぼしてしまうような怖ろしい感染症のように煽ります。そして現在においてはその特効薬はタミフルだけであり、タミフルを服用することがインフルエンザの蔓延から人類を救う唯一の手段のような印象を与えます。しかしそれがウソであることは、先の記事で書いたとおり全世界のタミフルの大部分を日本人が使用していることからもわかります。そしてそのシナリオ通りに従順な国民はタミフルを服用し、その一部の人が、しかもまだ未成年者が、尊い命を落としました。厚生労働省は未だに異常行動とタミフルとの因果関係を認めていません。そりゃそうです、癒着している企業の首を絞めるような行動はできないのです。

新型インフルエンザにしろ、鳥インフルエンザにしろ、喧伝しているほど怖いものではないと思うのです。一般に流通している役に立たない薬の副作用の方がよっぽど怖いと思うのですが、そんなことは一切話題になりません。感染症ですから免疫力さえしっかりしていれば、自分の体がちゃんと対処してくれるはずです。発熱などのつらい症状が出るというのは体がウイルスと戦っている証拠なのです。またタミフルはインフルエンザの治療薬ですが、特効薬ではないはずです。タミフルにはインフルエンザウイルスを死滅させる作用があるわけではなく、インフルエンザウイルスの体内での増殖を抑える作用しかありません。ですから結局ウイルスと戦うのは自分の免疫機能です。

それにしても厚生労働省は同じ過ちを何度繰り返せば気が済むのでしょう。散々薬害で多くの人たちが犠牲になっているのに、その根本原因である製薬会社・官僚・医療関係者との癒着構造は改善しようとはしません。官僚の天下りを悪いといいつつも一向に改善しない構図と一緒です。今回のタミフルの問題は薬害エイズよりもさらに因果関係の証明が難しそうなので厄介なことになりそうです。というか因果関係の証明が難しいところを探して悪さをしているのですからこれほどの悪はありません。建設業界の談合に関しては厳しい措置を取るくせに、官僚は自分たちに不利益になることには一切手をつけようとしません。

おそらくタミフルに限らず多くの薬がその副作用を隠して使われているはずです。説明書に書かれている副作用は一部のはずで、残りは意図的に隠しているか、因果関係の証明が難しいかのどちらかだと思います。死亡者が出ないと話題にならないので他の薬については取り上げられませんが、効果があると信じて服用している薬が知らず知らずのうちに体を蝕んでいる可能性があるとしたらとても怖いことです。しかもこれがごく一部の人間の利益のために行われているとしたら非常に腹が立ちます。

ペニシリンを服用して起こるアナフィラキシーショックは死に至ることもある副作用ですが、この場合は薬にも効果が認められていますし、副作用が起こることを予測するのが難しいので、ある程度仕方のない副作用といえます。ところが現在のほとんどの副作用は効果を誇大広告して服用させたうえに巧妙に副作用は隠されています。テレビの健康番組やCMもアメリカにおいては製薬会社に操られていると先の本には書いてあります。こうなると自分の体は自分で守るしかありません。「痛みがあるから鎮痛剤」、「くしゃみが出たらカゼ薬」、「熱が出たら解熱剤」と安易に薬を使いますが、こういう姿勢はそろそろ改める必要があると考えます。もっと余裕を持って、できれば薬に頼らずに症状に臨むべきだと思います。

それからあの人相の悪い松岡農水相はしぶといですね。ナントカ還元水に年間500万円を使っているそうですが、ウソをつくのならばもっとマシなウソをつけばいいのにと思います。本当だとしても松岡さんは一日あたり14000円弱の水を税金で飲んでいることになります。そしてこれは家庭ではなく事務所ですから土日を除けば約20000円の水を税金で飲んでいるのです。1ヶ月あたりでも相当な金額なのに一日あたりですからね、とんでもない奴です。国民の常識からはかなり外れています。それを平気な顔して言うあたり、すでに国会議員としての資質に欠けると思うのですが、毎度おなじみ安倍さんは思いっきりかばっています。しかも詳細を公表するといったくせに法律で公表する必要がないので公表しないと発言を翻しました。言っときますけど、こいつらが法律を作っているのですから、その人間が言うセリフではありませんよね。普通の感覚ならば法律を作っている人間だからこそ詳細を明らかにしなくてはいけないのです。そういう言い訳が通用するのならば二度とこいつには法律立案に関わって欲しくありません。熊本県民の皆さん、お願いですから次回の選挙ではこいつを当選させないでください。それしかこいつを罰する方法はないのが現実です。

どうも安倍さんの考える「美しい国」と国民の望む「美しい国」との間には大きな隔たりがあるようです。そしてだんだんその隔たりが大きくなっているように感じるのは僕だけでしょうか。

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前回の記事、「膝の悪い患者さん」に反響をいただきありがとうございました。今回はその続編です。患者さんの名誉のために言っておきますが、これらは全て違う患者さんの話です。1人のバアチャンが大ボケをかましているわけではありませんので、ご了承願います。

当院では腰とか肩の治療はカーテンで仕切られたベッドで行います。ですから患者さんは寝ているか、あまりしゃべったりはしません。ところが膝を治療する患者さんは椅子に座り、オープンな状態で治療します。若い人だと待っている間に雑誌を読んだり、携帯電話を見たりしていますが、何せ、膝の悪い患者さんはご年配の女性が多いですから、老眼でそんなもの見ていられません。だからよくしゃべります。そしてこれがまた面白いのです。以前、あまりの面白さに、他の患者さんをマッサージしていて力が入らなくなり、「お願いだから面白いことを言わないで」と頼んだことがありました。普通にしゃべっていることが無茶苦茶面白いのですね。

ただしゃべっているのを聞いて面白いのと、このように文章にして面白いのとはちょっと違います。しゃべって面白いほうが圧倒的に面白いのですが、それを文章にするのはちょっと難しいのです。ですから文章にして面白いものをご紹介します。

今回もまた、文中の「○○○・・・」は患者さん、「○○○・・・」は僕、そして(○○○・・・)は僕の独白です。

それではいきます。

「安倍さんは総理大臣になったはいいけど、まあ次から次へと問題が出てきて大丈夫じゃろうか?」

「そうですね、総理大臣になったとたんに北朝鮮は核実験をするし、履修漏れだのイジメで自殺だの、大変ですね。」

「安倍さんはお坊っちゃんじゃから、何かちょっと弱々しい感じがするんよね。何かヘマでもやらかして視聴率が下がらんにゃええんじゃけどね・・・。」

(紅白歌合戦のアナウンサーじゃないんだから、ヘマをやらかしても視聴率は下がんないよなぁ。)

「そうですね、小泉さんに比べると優しい感じですが、ちょっと押し出しが弱いというか、強さみたいなものを感じませんね。」

「小泉さんはすごかったねぇ。視聴率が下がらんかったもんねぇ~。」

(だから視聴率じゃなくて支持率だって。小泉さんも安倍さんもお笑い芸人じゃないんだから・・・。)

そういえば陣内智則と藤原紀香が結婚するそうですね。お笑い芸人って最近モテますねぇ~。悔しいけど。

それでは次にいきます。



「昨日はカミナリがすごかったですが、大丈夫でしたか?、うちの近所にどうも落ちたようで、ド~ンとすごい音がしたんですよ。」

「そうかね、そりぁ~大変じゃったね。この辺はそうでもなかったよ。それでね、うちはカミナリが来ても、隣が高いマンションじゃから大丈夫。マンションは羅針盤が付いちょるから大丈夫なの。」

(えっと、お隣のマンションにはコロンブスかマゼランでも住んでいらっしゃるのでしょうか。普通マンションには羅針盤は付いてないでしょ。)

「そうですか、それなら安心ですね。うちは野中の一軒家みたいなものですから、怖いですよ。」

「でもね、前に一回、その羅針盤に落ちたときにはすごい音がしたんよ。」

(だから羅針盤じゃなくて避雷針だって。でも何となく似ているような気がするから不思議です。)

「雨が降るだけだったらいいですけど、カミナリは要りませんね。」

次は膝の悪い患者さんのことではありません。





最近、五本指靴下をはく方が増えてきました。患者さんの中にも結構履いていらっしゃる方がいます。ようやく五本指靴下も市民権を得てきたように思います。当院でも冷え症に効果があるのでオススメしています。ホームページのこちらのページを見てみてください。



ところで五本指靴下を履いている患者さんで、たま~に写真のようになっている方を見かけます。きっと、朝、時間がなくて急いでいたのですね。小指の部屋が空き家になっています。でも、足の横っちょにピョコッと出ている姿は何となくユーモラスで、可愛らしいのです。



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このブログは当院の患者さんも読まれているので、あまり患者さんに関することは書かないのですが、古い話ということと、面白いということと、多少でもためになるということで書くことにしました。

文中の「○○○・・・」は患者さん、「○○○・・・」は僕、そして(○○○・・・)は僕の独白です。

まずは膝を患っておられた患者さんの話です。

「先生、膝がだいぶ良くはなってきたけど、正座をすると痛いんで、正座ができんのじゃけど、できるようになるじゃろうか?」

「Aさんの膝は膝のお皿が普通に動くから、正座はできると思いますよ。ただ練習をせんにゃあいけません。まずはお風呂の湯船の中で正座ができるようにならないと、畳の上では絶対にできませんから、まずはお風呂の湯船の中で正座の練習をしてください」

「わかりました、今日から早速やってみます」

そしてAさんは翌日も治療におみえになりました。そしていきなりこのように尋ねられたのです。

「先生、湯船の中で正座をするというのは、お湯の入った湯船の中でやるんじゃろうか?」

(やべぇ、お湯の入っていない湯船の中でやっちゃったのかよ・・・(汗)!)

「そうですよ、お湯の中でやれば体が少しでも浮きますし、温まっていますから膝も曲げやすいのですよ」

「そうですか・・・。そうですよね。普通はお湯の入った湯船でやりますよね・・・」

(あ~あ、落ち込んじゃったよ。もうちょっと明るく言ってくれればいいのに・・・)

「いや、私が空の湯船の中で座っていたら、息子がやってきて、何をしよるかと言うんで、ワケを話したら、そりゃあ、お湯が入った状態でやるんじゃろうがって言うんですよ。それで私が薄暗い風呂場で空の湯船に入っちょるものじゃから、とうとうボケがきたと思うたそうです」

(そりゃそうだよな、俺が息子でもボケたと思うよなぁ、でも普通、お湯が入った状態でやるよなぁ)

「すみませんねぇ、僕の説明が悪かったですね。今日からお湯の中でやってくださいね」

「そのあと、息子が大笑いして、私のことをバカにするものだから、悔しくて、悔しくて・・・」

(そりゃあ、笑うよなぁ)

「でも、ボケていないことを息子さんがわかったんだから良かったじゃないですか・・・」

(全然、慰めになっていないなぁ)

「大体、うちの息子は物の言い方がキツいんよ。もっと言い方ってものがあると思うんじゃけど・・・」

(どうしよう、愚痴になっちゃったよ)

こんなこともあるのです。さすがに笑いたくても笑えませんでしたが、笑える話ですよね。



続きまして、おばあちゃんが数人治療室の中で並んで座っていました。その中のおばあちゃんの一人が話し始めました。

「先生、Bさんていう人が肩が痛くてやれんから、治療に来たいと言いよるんじゃけど、電気をかけるんじゃろうか?」

「そうですね、普通はかけますがお嫌いでしたら無理にやったりはしませんよ」

「本当?、Bさんは心臓にヘルスメーターが入っちょるんよ」

(「そんな大きなものが心臓の中に入るわけねぇだろ」、っていう突っ込みをしたら話が余計にややこしくなるから放っておこう)

「心臓にヘルスメーターが入っちょる人は電気はかけられんのよね?」

(誰か、「それを言うならペースメーカーでしょ」って突っ込めよ、他のばあちゃんたちもフンフンって頷いているんじゃねえよ)

「そうですね、ペースメーカーの入っている人は電気はかけられませんから、他の治療法で治療しますよ」

「ほらね、ヘルスメーターが入ってたら電気はかけられんのよ」

(「ほらね」じゃないって、だからペースメーカーだって・・・。でもここで訂正しても絶対に話がややこしくなるから放っておこう)

こういう場合、「心臓に入れるのはヘルスメーターじゃなくてペースメーカーですよ」などと言ってしまうと、「ギャハハハッ・・・」という大笑いが巻き起こり、「私もボケた」だの、「私もヘルスメーターと思っちょった」だのと談論風発、大騒ぎになってしまい、肝心のBさんの話が遠くに飛んでしまうので、知らんふりしているほうがいいのです。



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夏の日差しが照りつけてきましたので、ようやく長かった梅雨も明けたようですね。しかし梅雨が明けたら明けたで今度は暑さに参ってしまいそうです。予報では今年の夏も暑そうですから、今度は熱中症への対策が必要になります。熱中症に関しては昨年2回ほど記事にしていますので、興味のある方は下にリンクを貼っておきますので見てやってください。

(関連記事)
「熱中症」(2005年7月26日)
「ハンディパック」(2005年7月30日)

暑い夏には冷房は欠かせないものになってきました。確かに暑い屋外から冷房の効いた室内に入ると気持ちの良いものです。ところがこの快適さには落とし穴があって、それが最近しばしば話題になる「冷房病」です。

冷房の中に入るという事はおそらく人間にとって「想定外の出来事」なのです。例えば最近の真夏の気温で35℃というのは珍しくありませんが、それはあくまでも百葉箱の中の温度計の数値であって、都会のビルの谷間なんかの体感温度は50℃くらいになると云われています。そこから冷房の効いた、例えば25℃くらいの温度に設定されたオフィスに入れば、一瞬のうちに25℃の温度差の空間を移動することになります。このような事態は神様が人間を作ったときには絶対に想定していなかったはずです。もちろん室内から屋外に出る場合も25℃の温度差を移動しますから、これもまた想定していなかったはずです。

これらの移動も感覚としては「涼しい~」「暑い~」と感じるだけですが、実際は体の中では大変な騒ぎになっているはずなのです。先に述べたとおり「想定外の出来事」が頻繁に起こっているわけですから、体の諸器官を調節する機能は対応に追われっぱなしになっているのです。本来、外界の温度の変化への対応は汗を出したり、皮下の毛細血管の血流量を調節することで対応していたのですが、そういう調節機能が対応する前に冷房などで温度を下げてしまうと、汗を出す機能や血管の調節機能が衰えてしまいます。この調節機能に指令を出しているのが自律神経です。自律神経もしまいには対応しきれなくなりへとへとになってしまいます。このように冷房によって体の諸器官の機能が狂ってしまった状態が「冷房病」と云われるものなのです。

冷房の中で足先や手先が冷たいだけならばまだ冷房病の初期段階です。進行してくると深部の温度が低下してきますので、胃腸や泌尿器などの内臓の障害が現れてきます。そしてしまいには倦怠感や頭痛、ふらつき、めまいなどの自律神経症状が現れてきます。こうなると末期症状です。末期になるとわずかな温度変化にも対応できなくなり、「怖くて電車に乗れない」とか「スーパーに買い物に行けない」などの深刻な事態を招くことがあるのです。さらに冷房病は一年だけの話ではなく年々進行しますし、年齢を重ねれば対応する力が低下してきますからそれだけ悪化することになります。もちろん寒い時期の冷えもより強く感じるようになってしまいます。そしてさらに冷蔵庫の普及などで冷たいものを体内に入れることが多くなったのも冷房病の増加に拍車をかけています。

それではどうすればよいのか、現代では冷房と無縁の生活を送ることは難しくなっていますから、うまい具合に付き合っていかなくてはいけないのです。そのためには対策が必要です。以下に対策法を簡単に記します。対策法に関しましてはホームページに詳しく書いていますので、興味のある方はこちらから見てみてください。

①「汗をよく出す」・・・衰退してしまった汗腺を正常に戻します。そのために汗を意識的にかかせることが必要です。具体的にはサウナや半身浴が良いです。もちろん運動で汗をかくことも必要です。

②「皮膚を鍛える」・・・足の指先や冷えている部分の皮膚をマッサージして鍛えます。

③「おなかを冷やさない」・・・腹巻が一番です。ただ夏は暑いのでシルクの腹巻をオススメしています。逆にヘソ出しルックやローライズのジーンズなどはオススメできません。

★シルクの腹巻「山口先生のつくった腹巻き」


このほか対策グッズをホームページで紹介しています。こちらからどうぞ。また詳しい話を聞きたいとか、欲しいと思われた方はメールにてお問い合わせ下さい。
メールアドレス・・・yottanko@mail.goo.ne.jp

④「体を温める食材の摂取」・・・一番のオススメは「ショウガ」です。中でも「ショウガ味噌汁」をオススメしています。作り方はとても簡単です。っていうか、味噌汁にショウガのすった物を入れるだけです。こちらを見てみてください。

⑤「服装に気をつける」・・・とにかく皮膚を過剰に露出した服装は禁忌です。また冷房内ではうなじを守ってください。襟のあるものを着るとかスカーフを活用するとか工夫してください。また下半身のひざ掛けも有効ですが、足だけでなくお腹にもかけるとより効果的です。

⑥「室温の設定と軽い体操」・・・一番大事なのは冷房で冷やしすぎないということなのですが、オフィスなどでは自分勝手に設定温度を変えるわけにはいきませんので、寒い場合にはこちらのような軽い体操をしてみてください。こういう体操によって腹圧が上昇し、体幹部の血液が末梢に流れ、末梢の温度が上昇します。

映画館やデパートなどで足先が冷たくて苦痛と感じ始めたら要注意です。冷房病はただ単に手足が冷たいという問題だけではありません。適切な対策をとって快適に夏を乗り切ってください。

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「高齢化社会」というブログを書いておられるはるこさんから、僕が以前書いた「脳を鍛える新聞の読み方」という本を紹介した記事を読んで、お母様が実践されているというコメントを頂きました。

はるこさんは僕のことを「ブログの先輩」などとおっしゃってくださいますが、僕からするとはるこさんは「人生の大先輩」なのです。はるこさんは高齢のご両親のお世話をされ、障害をもっていらっしゃる息子さんのお世話もされ、さらに自営業でお仕事もされています。そしてそのわずかな自由な時間に綴られるブログはたいへん重みがあって、ためになるのです。もちろんお会いしたことはありませんが、ブログで綴られる言葉を読めば、そのお人柄を測り知ることはできます。

認知症の進行を抑えるには薬よりも音読を毎日するほうが良いということで、はるこさんのお母様は続けられているようです。現在は背中に痛みが出て動くこともままならないご様子ですが、回復されることをお祈りいたしております。

はるこさんはブログの中で「老いとの闘いは大変だ」と締めくくっておられます。何故、「老い」との闘いは大変なのか、それは「老い=老化」が「未知との遭遇」だからだと思うのです。例えば「○○遊園地のジェットコースターはむちゃくちゃ怖い」とか「失神しそうになった」とか聞いたとしても、実際に乗ってみなくては本当の怖さというのはわかりませんよね。「老化」もそれに似たようなところがあるように思うのです。

仕事柄、人よりは老化と闘っている人たちと出会う機会は多いと思います。ですから体の諸機関が老化によってどのように変化していくかは理屈としてはわかっています。ところがわかっていることと実際に自分の体に起こって体験するのとは別です。患者さんは「自分の体がこんな風になるなんて思ってもみなかった」とおっしゃいますが、思っても見なかったことが起こるのが「老化」だと思っています。ですから「未知との遭遇」なのです。

全ての人に同じように老化が訪れるのであれば対処も簡単だと思います。例えば五十肩という疾患があります。50歳前後に多く発症し、突然腕が上がらなくなり、激しい痛みを伴います。原因は肩の筋肉の老化です。しかし全ての人が50歳くらいになったら発症するかといえば、そんなことはありません。むしろ発症する人のほうが少ないはずです。発症するときも45歳位で発症する人もいれば、70歳位で発症する人もいます。目に起こる白内障も人によって発症年齢がずいぶん違います。このように老化はみんな違うのです。だから厄介なのです。

前の治療院のときに「はめまら」という言葉を患者さんによく聞かされました。男は「はめまら」の順にダメになっていくそうです。「」とは「」のことです。現在、歯周病や歯槽膿漏が増えていると聞きますが、僕にもその兆候は以前からあります。これは厄介な病気ですから、いつ大変なことになるかとビクビクしています。次に「」は「」のことで、目は以前からド近眼ですから決していい状態ではありませんが、ここでいうダメになるというのは白内障などの老化による変化をさしていると思います。春に眼科に行ったときにもお医者さんに「年齢による目の調節機能の低下が起きている」と言われましたからそろそろです。最後の「まら」は「マラ」のことです。これに関しては詳しいコメントは避けますが、確実に衰えていることは事実です。しかし衰えているからといって使わなくなると前立腺肥大の発症が早くなるそうですから、頑張って適度に使わなくてはいけません。但し自宅外での使用は紛争の元になりますから、極力自宅で使用するようにしなくてはいけません。

話がそれてしまいましたが、老化は避けられない現実ですから、現実として受け止めて行かなくてはいけません。どのような形でやってくるかはわかりませんが、必ず何らかの形でやってくるのです。要は実際の年齢以上に年を取らないようにしていくことが重要だと思うのです。「脳年齢」という言葉が流行りましたが、脳年齢も実際の年齢よりも低いほうがいいわけです。このように言うと「精神年齢は低いんだけどね」とよくおっしゃいますが、精神年齢も低いほうがいいと思います。精神年齢は気持ちの持ち方ですが、脳年齢を低く保つには訓練が必要なようです。そのひとつが「音読」なのです。

それから体力、特に筋力を落とさないようにすることが重要です。患者さんの多くは骨のことばかりおっしゃるのですが、骨ははっきり言ってどうでもいいのです。少々ずれていようが、骨粗しょう症だろうが、筋肉の問題に比べれは小さな問題だと思っています。世の中便利になって筋力のない人が増えてきました。体を支えているのは骨ではなくて筋肉です。ですから筋肉を鍛えなくてはいけません。一番簡単なことは歩くことです。とにかく歩くことです。歩いて筋肉を動かせば、その刺激が骨に伝わり骨も丈夫になります。老化で一番恐ろしいのは筋力の低下だと思っています。これだけは薬を飲もうが、最新の医療器械で治療しようが、筋力アップはできません。自分が努力するしかないのです。トレーニングジムなどで筋力トレーニングをするのもいいことですが、歩くことも同時にやらなくてはいけません。そしてなるべく早い年齢から始めたほうがいいと思います。



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「楽して痩せたい」

これはダイエットを考えたことのある方ならば誰しも一度は思ったことだと思います。ダイエットの永遠のテーマかもしれません。
「食事制限はイヤ」「好きなものを我慢するのはイヤ」「運動をする暇なんてない」「ウォーキングなんてやってらんない」「ダイエットにお金をかけたくない」などと考えることはみんなだいたい同じです。
このようなダイエットを試みる者たちの心理をうまく突いて大ヒットしたのがEMSです。一時期おなかに巻くベルトみたいなEMSマシーンが流行りましたね。あれです。今でも通販番組では盛んにやっています。

EMSとは「Electrical Muscle Stimulation」のことで日本語では「電気的筋肉刺激」となります。EMS理論は今から40年位前に開発され、ミュンヘンオリンピックで選手の筋肉トレーニングに採用されてヒットしたと言われています。現在では筋肉トレーニング以外にも、医療用のリハビリテーションやダイエットの補助に使われています。
年をとると筋力が低下し、基礎代謝量も低下します。しかし、食べる量はさほど減らないのでおなか周りに余計な脂肪が付く人が増えます。いわゆる「中年太り」というやつです。こうなったらアンチエイジング(老化予防)の意味からも筋肉を鍛えることが必要になってきます。
人間が体を動かすときには脳から筋肉へ電気信号が伝わり、その信号によって筋肉は収縮運動します。EMSとはその脳からの電気信号と同じものを筋肉に伝え、運動させ、筋力をアップさせて、基礎代謝量をアップさせようという理論なのです。
ですから電気ならば何でもいいというわけではありません。肩こりに使っている低周波治療器をおなかに当てれば筋肉は収縮しますが、これはEMS信号とは異なります。EMS専用に開発されたものを使用しないと効果は得られないのです。ディスカウントショップなどで売っている安物は単なる低周波ですから、理科の実験でカエルの足を動かした電気信号と同じようなものなのです。あのおなかに巻く奴も同じですね。あれもEMSとは言えません。



この機械は通販でも盛んに宣伝されていたのでご存知の方も多いでしょうが、大ヒット商品となった「ツインビート」というものです。これなどはEMS専用に開発されたものですから、EMSを行うのならば最低でもこれくらいの機械は必要です。



こんな感じで使用します。おなかがぷるんぷるん揺れます。大体30分くらい継続して使用します。



この機械は「スーパーテクトロン」といって本来は医療用に使っていますが、強力なEMSマシーンでもあります。先ほどの「ツインビート」は低周波ですが、こちらは高周波です。違いは高周波のほうがより深い部分の筋肉を刺激することができます。



やはり同じように使用します。使用する部位はおなかだけに限らず太ももやお尻、二の腕などにも使います。

それではこのEMSマシーンを使えば即座に体重が減るのか?、答えはノーです。運動をしてもすぐに体重が落ちないのと同じことです。原理は筋力をアップさせて基礎代謝量を増やし、それにより日々のカロリー消費が増えるので痩せるということですから、やはり最低でも3ケ月は続けないと効果は出てこないと思います。
「そんな悠長なことは言ってられない」という方には向きませんね。でもどんなダイエットでも3ヶ月の周期で考えていかないと失敗します。
初めてダイエットをするとすぐに2、3キロ減ったという経験をお持ちの方は多いと思います。どんなダイエットをしても最初は筋肉が落ちます。脂肪よりも筋肉の方が落ちやすいのですぐに2、3キロは落ちるのです。ところが継続していくとだんだん減らなくなったり、逆に増えたりします。そして挫折します。
またこのようなことを何回も続けていると最初からまったく体重が落ちなくなってきます。こうなると「魔のダイエットスパイラル」にはまったことになります。

ダイエットとは「余分な脂肪組織を落とすこと」です。「体重を減らすこと」ではありません。ここを勘違いしている人が多いのです。ですからダイエットを開始して2週間で3キロ減ったとしても、それはほとんどが筋肉で脂肪組織ではありません。脂肪組織は筋肉が落ちたあとに減り始めます。ですから「1週間で5キロ落ちるダイエット」なんてありえないのです。たとえ落ちたとしても筋肉がほとんどなのでダイエットとはいえないのです。
何回もダイエットに失敗すると、最初に落ちていた筋肉がなくなっているので最初から体重が減らなくなります。さらに筋肉がなくなっているので基礎代謝量も落ちていますからますます痩せにくい体になります。
リバウンドというのは「体重が減った減った!」と喜んでいたのが実は筋肉であり、肝心の脂肪が落ちずに基礎代謝量が落ちているので、すぐに前以上の体重に戻ってしまうことをいいます。ですからダイエットでは筋肉を落とさないようにしなくてはいけないのです。そこで登場するのがEMSです。EMSで筋肉の減少を防ぐと、より効果的なダイエットができるのです。しかしあくまでもEMSはダイエットの補助です。



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 「OL・A子さんが風邪をひきました」
週末に友達と一泊でスキーに行き、一昨日(月曜日)は体がだるく、昨日(火曜日)は朝から熱っぽくて、会社から帰って熱を測ってみたら37度5分。少し熱がありました。そして今日(水曜日)は会社を休んで、医者にかかりました。
今のマンションに引っ越してきて病気になったことがなかったので、どこに病院があるのかわからず調べてみるとすぐ近くにB医院という内科があることがわかり、電話で問い合わせてみると受付の人の感じも良く、「すぐにいらっしゃい」と言われ行きました。かなり年季の入った建物でドアを開けて入っても待合室には誰もいません。ちょっと不安になりましたが診察を受けました。熱は相変わらず37度6分。頭の毛は真っ白のおじいちゃん先生が聴診やのどを診察してくださり、診断はやはり風邪、処方箋をもらい近くの薬局で薬を買って帰宅。その日はその薬を飲んでおとなしく寝ていました。
翌日(木曜日)、朝、熱を測ると38度5分。昨日よりも上がっています。首筋や腰も重く痛みます。仕事の段取りのために同僚のC子に電話をすると、Dクリニックという病院が良いという。電車で行かなくてはいけませんが、早く良くならないと会社にも迷惑をかけるので、厚着をして行きました。昨日の病院とは対照的に白い壁の瀟洒な建物。中に入ると子供連れやらお年寄りやらが座る場所もないほど。一時間ほど待ってようやく診察を受けましたが、診断はやはり風邪。処方箋をもらい近所の薬局で薬を買い、家に戻ったときにはフラフラしてベッドに倒れこみました。
結局、金曜日まで仕事を休み、土・日も家で寝て過ごし、日曜日には熱が下がったので月曜日には出社しました。
最初のB医院と、あとのDクリニックとでは、ずいぶん薬の量が違っていたので、A子さんは家に戻って薬局でもらった薬の説明書きを見てみました。するとB医院では処方されていない抗生物質がDクリニックでは処方されていました。他の薬の内容はほぼ同じでした。
A子さんは思いました。「おじいちゃん先生だから抗生物質を出さなかったに違いないわね。もっと早く抗生物質を飲んでいれば風邪も早く治ったかもしれないのに、まったく!」


最後のA子さんの言葉にはみっつの間違いがあります。

まずひとつめは風邪は正式には「急性上気道炎」といいます。程度にもよりますが、薬を飲もうが飲むまいが直るのに一週間程度かかるものなのです。風邪薬というのは風邪を治しているわけではなく、風邪の諸症状を緩和するだけなのです。風邪はほとんどがカゼウィルスの感染によるものですから、今のところそのウィルスを退治する薬はないのです。ですから、火曜日頃に発症して、月曜日には治癒しているのですから、別に特別に治りが悪いわけではありません。

ふたつめは最初のB病院の先生が抗生物質を出さなかったのは、おじいちゃん先生だからではなく、必要ないからです。ではDクリニックの先生は何故抗生物質を出したのか。それは患者が喜ぶからと儲かるからです。現にA子さんも抗生物質を処方したほうが良い医者と思いました。

みっつめは風邪が良くなったのは抗生物質を飲んだからではなく、おとなしく3日間ほど寝ていたからです。風邪薬の「後藤散」のCMに風邪をひいたときには「1に休養、2に栄養、3、4がなくて、後藤散」というのがありました。これは真実です。熱が出たり、咳がでたり、鼻水が止まらないのは、たいへんつらいものですが、これは体がカゼウィルスと戦っている結果なのです。
最近は低い熱では解熱剤は処方されなくなりましたが、これはすこし熱があったほうが免疫機能はウィルスなどと戦いやすいからで、下手に熱を下げると免疫機能の邪魔をすることになるからなのです。
風邪をひいたときに大切なのは、薬を飲むことよりも体が風邪と戦いやすい環境を作ってあげることなのです。それが休養と栄養なのです。薬は一番最後でいいのです。

それではそもそも抗生物質とは何なのか。抗生物質の定義は「微生物が産生する物質のうち、他の微生物の発育を阻害する物質」となっています。最初の抗生物質は青カビから発見されたペニシリンで、ペニシリンのおかげで人類は結核を克服することができました。最近では化学的に合成された抗生物質も多く使われています。
ところがこの抗生物質が発育を阻害できる微生物は細胞膜を持っているものに限られるため、細胞膜を持っている細菌には効きますが、細胞膜を持たないウィルスには全く無効なのです。

それでは何故、風邪やインフルエンザには全く無効の抗生物質を医者は処方するのか。その根拠は一応こういうことです。
①、風邪を引くと抵抗力が落ちるために細菌感染を起こしやすくなるため、それを予防する目的で処方。
②、風邪と併発しやすい細菌性の中耳炎や肺炎にかかっている可能性があるために処方。
③、風邪の治りかけには黄色い痰や鼻水が出るので、これは細菌感染の兆候なので処方。
④、抗生物質には風邪やインフルエンザの症状を和らげる効果があるので処方。

現在ではこれらのことは全くの間違いであることがわかっています。実際はこんなことはずっと前からわかっていることで、結局は薬価の高い抗生物質を処方したほうが儲かるからであり、A子さんのように無知な患者があまりにも多いため、抗生物質を処方しないと「ダメな先生」の烙印を押される可能性があるからなのです。実際、「風邪くらいだったら、薬なんか飲まず、体を暖かくし寝ていれば治ります」と患者の体と懐のことを真剣に考えて薬を処方しなかった病院が潰れたという笑えない話もあります。

ただ僕がここで言いたいことは「医者が儲けているのがけしからん」ということではなくて、抗生物質濫用による害です。風邪やインフルエンザに対する抗生物質の投与が無益であるだけならばかまいません。ところが無益である上に有害なのです。ですから多くの日本人が高いお金を払って毒をいただき、それを有難がって服用しているのです。ここではっきりと申し上げます。バカです。大バカです。暴論と思われるならば非難はいくらでも受けます。でもこのことは知っておいてください。不必要な抗生物質は毒でしかありません。それでも口に入れている人はバカです。

現在使われている抗生物質の多くにはすでに耐性菌というその抗生物質の効かない細菌が発生しています。そしてその耐性菌に対して抗生物質を開発し、そしてその抗生物質にも耐性菌が登場するというイタチゴッコを繰り返しています。このあたりはパソコンの世界にも似ています。そして、さらに怖いことが起こっています。

今後医療の世界では「免疫力」というのがトピックになると思っています。免疫力とは「自分で自分の体を守る力」のことです。免疫に大きく関わっている臓器が小腸です。テレビのCMでも「腸内環境」という言葉がしばしば登場しますが、腸内環境を正常に保つのに重要な働きをしているのが腸内細菌です。腸内細菌があるおかげで悪玉菌が繁殖できる余地がなくなっているのです。
ところが抗生物質を体内に入れれば悪玉菌も死んでしまいますが、この体を守っている善玉菌も死んでしまいます。そしてその時に抗生物質に耐性を持つ菌が体内にあったとしたら、体の中はその耐性菌のパラダイスになってしまいます。他に邪魔をするものは全部死んでいますから繁殖し放題になります。院内感染で亡くなるのはこういうメカニズムです。

また「乳酸菌」や「ビフィズス菌」と聞くと、何だか体に良さそうという印象があります。どういう風に体に良いかというと、免疫を主につかさどる免疫細胞は主に小腸に存在しているのですが、その免疫細胞が活発に働くのに必要なのが乳酸菌やビフィズス菌なのです。しかし体にいいからといってたくさん摂取しても抗生物質を飲んでしまえば、これらも細菌ですからすべて死滅してしまいます。抗生物質は免疫という人間がもつ病気を治そうという仕組みの邪魔をしかねないものなのです。

僕は子供にはよほどのことがない限り抗生物質は投与すべきではないと思っています。成長期というのは体を作る時期です。免疫機能も例外ではありません。ところが子供への不必要な抗生物質の投与は免疫機能の強化の邪魔をしているのです。子供の健全な成長を妨げることになるのです。つまり子供の病気を治したい一心で与えているものが、実は子供の健康を損なっているのです。僕は風邪やインフルエンザとわかっている子供に抗生物質を投与する医者は「人殺し」だと思っています。訳もわからずに抗生物質の処方を強要する親は「子殺し」だと思っています。「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、冗談で言っているわけではありません。

現在のところ風邪やインフルエンザなどの原因となっているウィルスを死滅させる薬というのはありません。すべての風邪薬は諸症状の緩和が目的であり、抗生物質は何度も言いますように全く無効です。「タミフル」というこれまた魔法の薬のように喧伝された薬がありますが、これとてウィルスを死滅させるものではありません。ウィルスの増殖を遅らせるだけですから症状は軽くなりますが、ウィルス自体は残ります。

風邪を引いた、あるいは子供が熱を出したといってジタバタする人が多すぎます。薬を飲んで3日で治った風邪は、薬を飲まなくても3日で治ると思っています。ただ治る過程で少しでも楽に過ごすために風邪薬を飲むのはかまわないと思います。ただ風邪が治らないからといって、それは薬のせいではありません。治る時期が来ていないだけの話ですから、安静第一で暖かくして寝ているのが一番なのです。抗生物質を飲んだり飲ませたりするのは何度も言いますがバカです。

抗生物質は風邪には無効なばかりか、病気を治そうとする免疫力を落とすことになるのです。すべての治療は人間に正常な免疫力が備わっていることを前提に行われています。ですから免疫力を落としてはいけないのです。同じ物を食べてもO-157に感染したり、しなかったり、あるいは同じ病気にかかっても治りが良かったり、悪かったりと個人差が出るのは免疫力の差なのです。ですから普段から免疫力を落とすようなことは極力避けなければいけないのです。

抗生物質は人間の寿命を伸ばすのに大きな役割を果たしました。今でも結核や細菌性の肺炎などに罹患した場合には必要だと思っています。でも決して魔法の薬ではありません。薬は薬でない場合には毒になるということをもっと真剣に考えるべきです。そうすれば医療費も削減できるはずです。

(参考)
「いきいき免疫健康館」



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新聞屋のおばちゃんにいただいた本です。松嶋菜々子のCMで大ブレイクしたニンテンドーDSのソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(以下「脳トレ」)の作者、川島隆太・東北大学教授の本です。

それにしてもあのソフト一本の力でニンテンドーDSの本体はずっと売り切れ状態が続いています。恐るべしです。この先生も一気に時の人となってしまいました。

詳しい内容やトレーニングの仕方については本を買っていただくとして、読んだ中で気になった脳に関することを少し書いてみたいと思います。

①「何故脳は鍛えなくてはいけないのか
以前、ナイナイの岡村がテレビの中で「男は30歳になると走り出す」と言っていました。これは30歳になると体力の衰えを実感するからなのですね。実感すると「どうにかしなくちゃ」ということで走り出すのですね。これと同じように脳も衰えるのだそうです。ただ体力よりも実感しにくいので普通の人は何もせずにいるのだそうです。
普通の人の体の使い方は体力を維持していくには少し足りないレベルにとどまっていて、それは脳にも当てはまるのだそうです。そして脳を使わなくなり、機能が低下することが「認知症」の入り口になっているそうです。
しかし、体と同様に脳も鍛えられるそうです。この本には新聞を使った脳の鍛え方が書いてあるのです。内容はニンテンドーDSの「脳トレ」と似ています。

②「鍛える場所は脳の前頭前野
脳はその働きによって大きく四つに分けられ、その中で鍛えるのは前頭葉にある「前頭前野」だそうです。ここは「脳の司令塔」と呼ばれ、この部分をよく使う生活を心がけていると、脳の働きは維持・向上していくことがわかっているそうです。

③「脳の老化現象は前頭前野の衰えによる
脳の老化で一番最初に感じるのは記憶のトラブルだそうです。まずは「長期記憶の読み出しが落ちる」のだそうです。具体的にはよく知ってるはずの固有名詞がとっさに出てこずに、会話中に「あれ・それ・これ」という指示代名詞が異様に増えることを指します。
次にほぼ同じ時期に出現するのが「短期記憶の取り込み障害」だそうです。具体的には台所に行って冷蔵庫を開けたのに、「あれっ?、何を取りに来たんだっけ?」となることを指すそうです。
さらに年を取ってくると、涙もろくなったり、怒りっぽくなったりします。これは年齢を重ねて感性が豊かになったのではなく、前頭前野が老化して情動の抑制力が落ちたせいだそうです。
家でドラマなどを見ていると、突然横で「ブッ~」という音がするので、何事かと思い見てみると妻が目の周りをグシャグシャにして鼻をかんでいます。最近涙もろくなったなと思っていましたが、これは老化だったのですね。
お酒を飲んで陽気になったり、泣き上戸になるのも、アルコールのせいで前頭前野が働かなくなるせいだそうです。

④「前頭前野を活性化させる三原則
まずは「読み、書き、計算をする」ことだそうです。「脳トレ」にもありますね。ふたつめは「コミュニケーションする」だそうです。こう考えるとお年寄りの一人暮らしというのは良いことではないですね。みっつめは「手指を使って何かをつくる」ことだそうです。ただこれは料理や手芸のように明確な目的をもってやらなくてはいけないそうです。

⑤「前頭前野が癒されて働くのをやめてしまうもの
テレビ、ゲーム、まんが」だそうです。「脳トレ」はいいのだろうかと思ってしまいましたが、前頭前野を使うというのはすごく疲れるそうです。テレビを一日中見ていられるのは前頭前野を使っていないからだそうです。パソコンも頭を使っているように見えますが、前頭前野は使っていないかもしれませんね。

⑥「認知症には薬よりも音読
認知症の方には難しい文章は無理なので簡単な文章を音読させてみたそうです。そうしたらかなりの効果・改善が見られたそうです。

以上かいつまんで、面白そうなところを書き出してみました。今年はどうも「」というのが重要なキーワードになるような気がします。「これを食べたらあれに効く」タイプの健康番組には視聴者はそろそろ飽きてきたでしょうから、今年は「脳を鍛える」をテーマにしたものが増えるように思います。

この本は中央公論新社からでています。定価は880円+税です。

ちなみにこれがニンテンドーDSのソフトの通称「脳トレ」と「もっと脳トレ」です。子供に「写真を撮らせてくれ」と言ったら、「オークションに出品するのか?」と不安そうな顔をされました。



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 「OL・A子さんの一日」
朝はまず朝シャンから。濡れた髪をドライヤーで乾かしていると、だんだん目が覚めてくる。朝食はパンをトースターで焼き、昨日の夜作ったスープの残りを電子レンジでチン。ガスの元栓、電気のスイッチを確認していざ出勤。おっと携帯電話を忘れるところだった。充電器から外し、ポケットに放り込んで、今度は本当に出勤。
電車の中ではiPodでお気に入りの音楽を聴きながら、新聞に目を通す。
会社に到着すると、まずパソコンのスイッチをON。メールのチェックを済ませてから仕事開始。でも一日中パソコンをやっていると肩が凝る。しばらくしてからトイレに行ったついでに軽く体操をしてみる。午後から課長にコピーを頼まれて、一時間くらいコピー機の前で立ちっぱなし、足がむくんでくるのがわかる。
この日は定時に退社できたのでちょっと寄り道。お気に入りの場所で写真を撮る。最近デジカメで写真を撮ってはブログで公開したりしている。アクセス数も増えてきてだんだん面白くなってきた。
夕食は軽く外で済ませて家に帰るとノートパソコンの電源をON。ブログを開いてみるとコメントが入ってる入ってる。早速返事を書かなくちゃ。最近冷えるので早めに電気毛布のスイッチをONにしておく。9時から11時まではコタツに入って、テレビにかじりつきドラマ三昧。テレビが済んだら明日も仕事だ、お風呂に入って早く寝よう


赤い字で示した電化製品はすべて電磁波を発生させるものです。このほかコンセントやタップなどからも電磁波は発生しています。現代人の生活は電磁波に囲まれているといっても過言ではありません。電磁波とは電気の流れる場所やその周りから発生する電気と磁気の波のことで、使い方によっては非常に有用なものでもあります。人体や食品などの深い部分に熱を加えようと思えば電磁波に勝るものはなく、電子レンジが焦げ目をつけずに食品を加熱できるのは電磁波のおかげです。また医療現場でも電磁波は多く使われています。

ところが電磁波は人間の健康に害を及ぼす可能性も秘めているのです。高電線や高圧線の近くに住む人たちには、ガンや白血病の発生率が高いと以前からいわれています。

先日WHO(世界保健機関)は電磁波対策の国際基準案の原案を今秋にも公表し、加盟各国に勧告するとしました。原案では「電磁波による健康被害の有無は現時点では断言できない」としていますが、科学的証明を待たずに被害防止策を進める予防原則の考え方に立ち、対策先行への転換を促すのを目的としているようです。

こういった問題ではドイツやスウェーデンが最も「疑わしきを罰する」立場に立つようです。ドイツが原子力発電を全廃したことからもわかります。全く反対なのが日本です。「疑わしきは罰しない」の原則です。科学的に証明されない限り具体的な電磁波対策はとらないものと思われます。どちらが良いとは言いかねますが、健康被害に関することですから、慎重な立場をとるほうが無難だと思われます。

また科学的な証明というものにどれだけの信頼性があるのかがわかりません。どのように証明されれば人体に有害と考えるかなんて基準は国や研究者によってもまちまちだと思います。日本の場合にはこの科学的証明に頼るばかりに対策が後手に回るケースが多いように思います。アスベストの問題などその典型例です。WHOがアスベストの発がん性を指摘したのが1972年、政府がアスベストの使用を禁止したのは昨年です。33年もたってようやく対策がとられたのです。「死人が沢山発生=科学的証明」なのです。死者が多数出なければ具体的な対策をとらないのです。このように政府があてにならないのならば自分で対策をとるしかないと考えます。

電磁波の害はガンや白血病のような重い病気だけではないと言われています。もっと身近な害として「血液の流れが悪くなる」と言われています。具体的には電磁波を浴びると赤血球同士がくっついて大きくなってしまい、細い末梢血管に入ることができなくなると言われています。もともと末梢血管の直径よりも赤血球の直径のほうが大きいのですが、血圧を加えることにより末梢まで赤血球が流れていたのです。ところが赤血球がくっついて大きくなってしまうと、血圧を加えたくらいでは末梢まで赤血球は行くことができなくなってしまいます。いわゆる血液循環が悪い状態になってしまうのです。手先や足先が冷える原因の一因にもなっています。

この赤血球がくっついた状態がいわゆるドロドロ血液の状態なのです。静電気を体に帯電しても同様のことが起こります。冷え症と訴える人たちに詳しく話を聞くと、静電気を強く感じるという人が非常に多いのに驚きます。しかし、これらのことは科学的には何の証明もなされていませんし、本格的な研究もなされていないと思います。静電気は感じることができますが、電磁波は感じるということは不可能です。だから余計に怖いと思うのです。

それではどうすればよいのか。一番良いのは電化製品を使用しないことですが、僕自身もこの記事はパソコンを使って書いています。このように現代人の生活で電化製品を使わないというのは不可能です。ですから体から遠ざけて使用するというのがまず最初の対策になると思います。とくにドライヤー、電気カミソリ、携帯電話など体に近い位置で使用するものは要注意です。使用時間を短くするように工夫したり、携帯電話はなるべくバッグなどに入れて持ち歩いたほうがいいと思います。特に妊婦さんは気をつけたほうが良いと思います。また流行のIHクッキングヒーターなども強い電磁波を発生させるようですから、あまり長時間そばにいることは避けたほうが無難です。根本的な対策にはなりませんが、このことを知っているのと知らないのとでは大違いだと思うのです。

それから僕のところは院内に写真のようなマイナスイオン発生器を4台設置しています。医療機器には電磁波を発生させるものが少なくありません。体を良くするために使用しているものが、一方では健康を損なう恐れのあるものを発生させていては本末転倒になりかねません。そこで電磁波や静電気を中和させる効果のあるマイナスイオンを院内に放出しているのです。一時期マイナスイオン付の電化製品が流行りましたが、こういう目的だったのです。ドライヤーは電化製品の中でももっとも強い電磁波を発生させるもののひとつなので、マイナスイオンのついたものが多く発売されました。日本人は飽きっぽいので一時期ほど騒がれなくなりましたが、できればマイナスイオンを放出させるもののほうが良いと考えます。

    

それからトルマリンという鉱石はマイナスイオンを発生することがわかっていますので、長時間パソコンの前に座っている人たちや、携帯電話を頻繁に使う方には、トルマリンの入ったプレスレットやカードをオススメしています。

    

あまり神経質になるのも考え物だとは思うのですが、電磁波は「目に見えないもの」、「感じることのできないもの」、「害があるにしても実感しにくいもの」ですから、知識として知っておいてもらいたいと思い、ここに書いた次第です。とくに妊婦さんや成長中の子供たちへの影響は考えていかなくてはいけない課題だと思っています。



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連日真冬のような寒さが続いています。冷え症の方たちにはつらい季節です。女性に多い冷え症ですが、ほとんどの方は体質だからとあきらめていらっしゃいます。もちろん体質的な要因は否定しませんが、それ以上に冷え症を悪化させる生活習慣が関わっていることをご存知の方は少ないようです。冷え症のメカニズム、治療法、対策法を研究している世界で唯一の機関が「全国冷え症研究所」です。当院はその山口分室です。

「冷え」という概念は日本人の生活に深く根付いています。「寝冷え」だとか「おなかが冷えた」とか「冷えると風邪引くよ」などと日常的に使っています。東洋医学ではこの「冷え」という概念を非常に重視し、体に悪影響を与える重要な要因と考えています。ところが、「じゃあ、具体的に『冷え』って何なの?」ということになると言葉に詰まってしまいます。東洋医学でいう「冷え」も漠然とした考え方でイマイチ捉えどころがありません。

それでは西洋医学ではどうかというと、お医者さんも「冷え」ということを日常の診療で使われます。ところがその「冷え」を説明できるかといえば、ほとんどの医師の方は説明できないと思います。辞書には「冷え性=末梢の血液の循環が悪くなったせいで手足の先などが冷える状態」と書いてあります。お医者さんたちの見解も似たようなものです。それでは何故循環が悪くなるのかまでは書いてありません。実はそこが問題なのです。しかし、そのことを専門に研究する機関は今までありませんでしたし、冷え症専門のお医者さんというのもいらっしゃいません。これほど国民的な症候なのにです。そこで設立されたのが「全国冷え症研究所」で、設立されたのが山口勝利先生です。

結論から先に言いますと、「冷え=内臓温度の低下」ということがわかりました。要するにおなかの温度が下がっているのです。実はこれが大問題なのです。全国冷え症研究所では「冷え=冷え症」ではありません。冷え症は「冷え」によって引き起こされるひとつの症候に過ぎないのです。むしろ手足の先が冷たいというだけでとどまっているうちはまだ良いといえます。内臓温度が下がるとどのようなことが起こるのか簡単に書いてみます。詳しくは当院のHPか冷え症の本を参考にされてください。

①、「内臓温度が低下すると基礎代謝が低下します」、ということは太りやすくなります。

②、「内臓温度が低下すると免疫力が低下します」、ということは感染症(風邪など)に罹りやすくなったり、アレルギー性疾患になりやすくなります。

③、「内臓温度が低下すると自律神経が乱れます」、ということは痛みやこりを強く感じるようになります。またむくみ易くなったり、めまいやふらふらが起こります。

④、「内臓温度が低下すると内臓の働きが低下します」、ということは便秘や下痢を起こしたり、それこそ重大な病気を引き起こしてしまいます。

⑤、「内臓温度が低下するとうつ傾向になります」、ということは気力が低下したり、イライラしてキレやすくなります。

以上、簡単に書きましたが、「冷え」とは想像以上に恐ろしいものなのです。ところが最近は「冷え」を増長させるような生活習慣がはびこっています。これを改善するだけでずいぶん冷え症は改善されるのです。

写真は山口先生の著書です。左側が最初の本で『冷え症治してキレイにやせる』です。この本は冷え症治療のバイブルと呼ばれています。それまでの冷え症の概念を根底から覆すものでした。そして右側が最新刊の『冷えた女は、ブスになる。』です。最初の本をさらに進化させた内容になっています。二冊とも題名がどうにかならなかったものかと思いますが、これくらいセンセーショナルな題名をつけないと売れないのだと思います。

少子化が問題になっていますが、この「冷え」の問題抜きには語れないのではないかとさえ思います。最近の女性の服装、とくに女子高生や若い女性の服装はわざわざ体を冷やすものばかりのように思います。ここをどうにかしないと少子化は止まらないのではないかと思います。

当院のホームページにもう少し詳しく冷え症に関して書いてありますので、興味のある方はこちらからどうぞ。



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最近、パソコンを使って仕事をする人が増えたせいか、ある特徴的な肩こりが増えています。その特徴とは

①、普通の肩こりは背骨から肩に向かって5cmくらい外側のあたりがこることが多いのですが、この場合には背骨のすぐ両脇に強いこりが認められる。
②、頭を後ろに倒すことが痛いことが多い。うがいなどがやりにくい。
③、利き腕の上腕部に鈍痛があり、就寝時やその腕を下にして横向きに寝たときなどに増悪する。時に腕や手のしびれを感じる。
④、頭痛や頭重がなかなか直らない。
⑤、本来肩こりは女性に多い症状ですが、この場合には男性に多い。
⑥、レントゲン検査などでも明らかな異常が見当たらない。

などです。

ここ4、5年のうちに急速に増えたように感じます。そして仕事内容や生活習慣などを聞いてみて共通していたのがパソコンでした。それもCADを使ったり、事務仕事でドラッグ・ドロップを一日中やっていたりと、マウスを使う人、それもマウスの細かい動きを要求される仕事などをやっている人に多く見受けられました。

どうしてもマウスを使う腕を中途半端な位置に上げっぱなしになりますし、それを長時間行うので腕を挙げる筋肉に負担がかかります。しかも体の姿勢もずっと長時間同じままです。これを毎日繰り返しているせいで起こっていると考えられます。特徴的な症状ですので、僕はこれを「マウス肩」と名づけました。医学書などには載っていませんから悪しからず。

対処法としては長時間同じ格好でいずに時には体を動かす、肘のところに台を置く、なるべく運動をする、マッサージをする、患部を温めるなどいろいろありますが、決定打となるものはなかなかありません。当院ではマッサージや低周波、超音波、鍼灸などで治療をしますが、普通の肩こりよりも厄介です。とくに上腕部の痛みが出てきたらとくに厄介です。

この症状はこれからも増えていきそうな気配です。長時間パソコンで作業される方は気をつけてください。



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それにしても、バリバリに乾いてきましたね。連日、乾燥注意報が出ているように非常に空気が乾燥しています。天気予報が注意を促しているのは火災の予防が主ですが、ここでは乾燥が人体に与える悪影響についてちょっと述べてみたいと思います。

空気が乾燥してくると風邪ウィルスやインフルエンザウィルスの活動が活発になります。やつらは低温・乾燥を非常に好むのです。風邪やインフルエンザの流行時期が毎年一定しているのもこのためです。

また空気が乾燥してくると皮膚や粘膜も乾燥しがちになるので、ハンドクリームをつけてもつけても皮膚がカサカサになったり、かゆみや痛みが出たりします。とくにアトピー性皮膚炎を患っている子供さんたちにとってもつらい時期です。普段から乾燥している肌がますます乾燥し、かゆみや痛みも悪化します。

インフルエンザの予防接種を受けるのもいいのですが、風邪は予防してくれませんし、接種したウィルスと違うものが来れば効果はありません。つまり不十分なのです。そこで家でできる対策としては手洗いやうがいは当然のこととして、加湿器を設置することをオススメします。これをまず寝室や子供部屋は必須、できれば居間にも設置すると良いと思います。別に僕は電気屋の手先でも何でもないのですが、室内の湿度を50%以上に保つことをオススメいたします。

写真のものは当院で使っているものですが、これは20畳くらいの広さをカバーしてくれますが高価です。この加湿器は気化式といって洗濯物が乾く要領で湿度を保ってくれるので、噴出し口の温度が高くなりません。安全です。普通のスチームファン式やハイブリッド式のものは噴出し口の温度が高くなります。家庭の寝室なんかで使う場合にはスチームファン式でもハイブリッド式でも良いと思います。ハイブリッド式はスチームファン式と気化式の中間みたいなものですから、子供部屋はこちらのほうが良いかと思います。

「うちの居間は20畳くらいあるから」とおっしゃられる方は、写真のもののような高機能のものが良いと思います。

「昔はそんなもの必要なかったぞ」と言われる方もいらっしゃいます。たしかにそうです。ただ現在の住宅は気密性が高く、また暖房にファンヒーターやエアコンを使われる方が増えました。早い話が昔は隙間風の入る家で、やかんでお湯を沸かしながら暖房し、洗濯物も乾燥機など使わずに部屋の中に干したりしていたので必要がなかったのです。現在は乾燥することはあっても加湿をすることが全くなくなってしまったのです。ですから加湿器が必要なのです。騙すつもりはありませんが、加湿器を使われていない方は騙されたと思って是非使ってください。



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2002年12月1日より禁煙いたしました。前の日までタバコを止めようなんてこれっぽっちも思っていなかったのに、突然禁煙いたしました。「子供の前では吸わないで」と言われても、「タバコの煙くらいでどうにかなる軟(やわ)な子供ならいらない」なんて言っていたのに、禁煙いたしました。そしてそれ以来一本も吸っていません。

その日は妻と子供と4人で山口市の東鳳翩(ひがしほうべん)山という山に登山に行きました。12月といっても日差しは柔らかく、暖かで、絶好の陽だまりハイキングでした

登山開始から一時間あまり、テーブルやベンチのある場所で休憩することにしました。南側に開けた場所で男性がひとり景色を眺めていました。僕はベンチの端っこに腰掛けてタバコに火をつけ、傍らで遊んでいる子供たちを見つめていました。
と、その時、景色を眺めていた男性が僕のところにやってきていきなり、
「あんた!、タバコ吸うんか、わしゃ、あんたがタバコを吸わんと思うたから、ここで昼飯を食べようと思うたのに、あんた、タバコ吸うんか・・・」
と、ほとんど言いがかりのようにまくし立てたのです。僕は何も言えず、とりあえずタバコの火を消し、男性がいた方を振り返りました。そこにはいつの間にか女性が2人いて、昼食の支度をしているようでした。そして、男性はさらに続けました。
「休みの日に子供を連れて山登りをするぐらいやから、わしゃ、あんたが子煩悩な父親だと思うた。そんな父親が子供の前でタバコを吸うわけがない。そう思うて、ここで昼飯を食べようと思うたのに、あんたがタバコを吸い始めたからびっくりした・・・」
僕は何も言い返すことができず、「はぁ~」とか「スミマセン」とか言うばかりでその男性の話を聞いていました

僕が黙って聞いているものだから、その男性の話はどんどんエスカレートしていって、「夫がタバコを吸う家の女性は10年早く老ける」だの、「父親がタバコを吸うと、子供が絶対に吸うようになり非行に走る」だの、言いたい放題、妻と子供の目の前で15分位説教を受けたのでした。その男性は別れるときに、自分の名前と山口市内で小児科医をやっていること、毎週山に登っては禁煙の啓蒙活動をやっていることなどを告げたのでした。

山登りの帰り、いつもならば車に乗るなりタバコに火をつけていたのが、何となく火をつけづらく、長男が「お父さん、タバコやめるん?」、と聞いてきたのをきっかけに、ついつい「止める」と言ってしまったのです。僕の性分として人に説教されて止めるというのはありえなかったのですが、この時は「止める」と言ってしまいました。

その後の車の中は、僕がタバコを吸ったらどうするかということで盛り上がってしまいました。結局、一本吸ったら妻と子供に1000円ずつの罰金。ですから一本吸うと3000円の出費ということになり、吸ったのに吸っていないという嘘は絶対につかないと約束させられました。きっと子供たちは僕がタバコを吸い、いくらかお小遣いが入ると皮算用していたに違いないのです。そうはいきません。それ以来僕は一本もタバコを吸っていません。その日のうちに買い置きのタバコを全部捨てました。

ではすんなりと禁煙できたのかといえば、そうではありません。他の方たちと同様に苦しみましたよ。タバコはすごく吸いたくなりました。そりゃあ、高校二年から25年くらい続けてきた習慣ですから、そう簡単には止められません。そこで何をしたかといえば、車に乗っているときにはアメを舐め、タバコがどうしても吸いたいときには禁煙草(写真)を吸っていました。またニコチンによる禁断症状を抑えるためにニコレットも噛みました。

禁煙草(写真)は韓国の商品で、形はタバコと全く同じで火をつけて煙を吸います。ただ中の葉っぱがタバコではなく、杜仲の葉っぱで、ニコチンやタールを全く含んでいないとのことでした。吸った感じはタバコと同じでした。ただ匂いが少しきついので家族には「これならタバコのほうがまだまし」と不評でした。それと一本が約90円と高く、タバコのように次から次へと吸うというわけにはいきませんでした。結局この禁煙草を3箱買いました。ですから最初はタバコを吸っているときよりも出費が多くなりました

それとアメを舐め始めたおかげで太り始めました。「タバコを止めると太る」というのは口が寂しいので食べものをついつい口に入れてしまうので太るのだなとわかりました。そこでその翌年は「ストイックな一年にする」と決め、禁煙とダイエットに取り組みました。ダイエットのほうは一年間で15kg落としました。

よくタバコをやめた人が「タバコの煙が大嫌いになる」と言っていたので、僕もそんな風になると思っていたのですが、そんなことはありません。タバコを吸おうと思えば今でもすぐに吸えると思います。食事の後には今でもたまに「吸いたい」と思うことがあります。早くタバコが大嫌いになって欲しいのですが、なかなかなりそうにありません。

でも禁煙をしておいて良かったと思っています。今は喫煙者にとってはとてもつらい時代になってしまいました。たまに東京なんかに行くと、タバコの吸える場所なんてほとんどありません。タバコを吸う場所を探すだけで疲れてしまいそうです。田舎はそれでも「自分の車の中」というのがあるので楽だと思います。都会の喫煙者は大変だと思います。これからますます大変になるでしょうから、タバコはもう早いうちに止めておいたほうがいいように思います。世の中の趨勢は止められそうにもありません。

僕がタバコを止めて良かったと思うのは、実は健康に関してではありません。実は今でも世の中でいうほどタバコが体に悪いものだとは思えないのです。それではタバコを止めてよかったと思うのは何かといえば、持ち物が減ったことです。タバコを吸うときにはタバコ、予備のタバコ、ライター、携帯用の灰皿とこれだけのものを出かけるときに持ち歩かなくてはいけませんでした。タバコをやめたおかげでこれらの荷物が全てなくなったのです。小さなものですが持たないでよいとなると楽です。以前は夏でも胸にポケットのある服を着ていましたが、今はその必要がなくなりました。持たないでよいということは忘れることもないということなので、このことが一番良かったと思えることです。でも自分のことはともかく、タバコを吸わない家族がいるのならばやっぱり吸わないほうがいいと思います。

話はコロッと変わりますが、「サラダ記念日」という俵万智さんの短歌があります。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

この「サラダ記念日」が一世を風靡したのが1987年です。もう18年も前の話なのです。そこで僕も一首ひねってみました。

 「あんたタバコ吸うんか」と見知らぬおっさんが言ったせいで十二月一日は禁煙記念日

お後がよろしいようで・・・

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ブログのカテゴリーを見て、唖然としました。整骨院のブログだからということで「体・健康」というカテゴリーを作り、それをメインにして、あいだに他のカテゴリーのことも書こうと思っていました。ところが事態は全く逆の方向に行ってしまっているでありませんか。そんなわけで昨日山でこけて、打撲で足が痛いので応急処置について簡単に書いてみたいと思います。

怪我、それほどの大怪我ではなく捻挫や打撲の場合にどうするか。ほとんどの人は「冷やす」と言います。間違いではありません。じゃあどうやって冷やすのかといえば、冷シップを貼るといいます。これも間違いではないのですが、一番大切なことではありません。

一番大切なのは「固定」です。捻挫で関節を動かすと痛いのならばその関節が動かないようにします。打撲で近くの関節を動かすと痛いとします。その場合にもその関節を固定して動かないようにします。適切な固定を施した上で冷やすのです。捻挫とか打撲と言うと軽い怪我と思われがちですが、急性期に適切な固定をしておかないと後々痛みが残ることがあります。そうなってからでは遅いので、とりあえずは固定と安静が一番大切なのです。



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