「どうして熱中症で倒れる前に水分を取ったり、体を冷やしたり、休めたりしなかったのだろう」と誰もが思うのではないかと思います。僕もそう思います
。
ところが熱中症の恐ろしいところは、熱中症になってしまうと「暑い」「のどが渇いた」という体の感覚が消失してしまうところにあるのです。ですから倒れてしまうまで熱中症にかかってしまったことに気がつかないことがよくあるのです
。
これを予防するにはのどが渇いていなくてもマメに水分補給をすること、後頭部を濡れたタオルやアイスノンなどの冷たいものでマメに冷やしてあげることです。そして気分が悪くなって倒れてしまったら救急車を呼ぶことが重要ですが、救急車が来るまでに脇の下と太ももの付け根の部分を冷やしてあげることです。冷たい缶ジュースやペットボトル、アイスノンや氷嚢、何でもいいですからとにかく冷やしてあげることです
。
それから長時間屋外にいなければならないときには、それ以前に暑さに体を慣らしておくことも重要です。しかし熱中症は屋内でも起こりますから水分補給と冷却は怠ることのないようにしなくてはいけません。
昔は部活などで「水を飲むとバテる」という何の根拠もない理由から水を飲ませない指導者がいましたが(現在でもこの化石のような人類がたまにいます)、これなどはもってのほかです。熱中症にかかってからでは手遅れなので、かからないような工夫が必要です。