【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月21日の動き) NHK 2024年8月21日 19時21分
ロシア国防省 ”モスクワ郊外などで無人機を撃墜”
ロシア国防省は21日、ウクライナの無人機による攻撃が仕掛けられたとして、この日の朝までに、モスクワ郊外で11機、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州やモスクワに隣接するカルーガ州など4つの州で34機を撃墜したと発表しました。
首都モスクワのソビャーニン市長は、人や建物の被害の情報などは入っていないとしたうえで「モスクワに対するこれまでで最大規模の攻撃の試みの1つだ」としています。
また、ロシアの航空当局は、無人機の攻撃への対応だとは説明していませんが、「民間機の飛行の安全を確保するため」として、21日の未明から朝にかけて、およそ4時間にわたってモスクワ近郊の3つの空港で運航を制限し、合わせて8機の航空機が行き先の空港を変更したとしています。
ロシア国内で無人機攻撃が相次ぐ
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まってから、ロシア国内での無人機攻撃が相次ぎ、今月14日、ロシア国防省は一晩に無人機117機を迎撃したと発表しています。
モスクワに対する攻撃もたびたび行われ、先月には、モスクワ州の上空で飛来してきた無人機1機が撃墜されたほか、モスクワでは去年7月と8月にビジネス街に相次いで無人機が飛来し、建物の一部が損壊するなどの被害が出ました。
また、去年5月にはモスクワのクレムリンを狙ったとされる無人機の攻撃があり、ロシア側は大統領を狙ったウクライナによる攻撃だと非難しましたが、ウクライナ側は関与を否定しています。
専門家 “ウクライナ側が関与した可能性”
ロシアの首都モスクワ郊外などで無人機が撃墜されたことについて、防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は「ウクライナ軍が関与したと思われるドローン攻撃はこれまでも見られている」と述べ、今回もウクライナ側が関与した可能性があると指摘しました。
そして、今回のタイミングについて「8月6日からウクライナ軍がロシア領内のクルスク州で地上越境攻撃を行っている。これに合わせた形でまたウクライナ側がモスクワおよびその周辺地域に対し大規模な攻撃を仕掛けてきているのではないか」と分析しました。
兵頭研究幹事は、クルスク州への越境攻撃によりすでに多くの地元住民が避難し、さらに今後もウクライナ側からの越境攻撃が続くことが予想される中、ロシア国内では動揺が広がり始めていると指摘しました。
そのうえで、ウクライナ側のねらいについて「ウクライナとしては地上越境攻撃に加えて空中からのドローン攻撃も行うことによって、さらにロシア国内を不安定化させていく。そして、ロシア国民に戦争を実感させ、えん戦の機運を高めていく効果をねらっているのではないか」と指摘しています。
また、ロシア側の受け止めについては「防空システムなどを使って迎撃しているとは言いながらも、過去最大級のドローン攻撃であるということは認めている。今後もこうしたドローン攻撃が増える可能性もあり、ロシア国民の間で動揺が広がることに強く警戒をしているのではないか」との見方を示しています。
プーチン大統領 ウクライナの越境攻撃を撃退する姿勢強調
一方、ロシアのプーチン大統領は20日、ロシア南部、北オセチア共和国のベスランを訪問しました。
ベスランでは2004年9月、武装グループが学校で児童や生徒など1200人以上を人質にとって立てこもり、治安部隊との銃撃戦のすえ、子どもを含む300人以上が犠牲となりました。
プーチン大統領は「以前、テロリストと戦ったのと同じように、いまはクルスク州などで罪を犯している者たちと戦わなければならない」と述べ、ウクライナの越境攻撃を、この事件になぞらえて、断固として撃退する姿勢を強調しました。
ウクライナ ロシア西部の前進誇示 ロシアも新たな集落掌握を主張
ロシア西部への越境攻撃を続けるウクライナ側は20日、ロシア領内に最大で35キロ前進し、93の集落を掌握したとしているのに対し、ロシア側はウクライナ東部ドネツク州にある集落を新たに掌握したと主張し、双方の攻防が続いています。
ウクライナのメディアは20日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃について、ウクライナ軍のシルスキー総司令官が、ロシア領内に28キロから35キロ前進し、1263平方キロメートルの領土と93の集落を掌握したと明らかにしたと伝えました。
これに対し、ロシアのベロウソフ国防相は20日、ロシア西部の州の名前をつけた「ベルゴロド」、「クルスク」、「ブリャンスク」という新たな3つの部隊を創設したと発表し、ウクライナとの国境地域の防衛強化を進める方針を示しました。
また、ロシア国防省は、ウクライナ東部ドネツク州での戦闘について「戦略的に重要な兵たん拠点である集落ノブゴロツコエを解放した」と主張しました。
ノブゴロツコエは、ロシア側の名称で、ウクライナ側はニューヨークと名付けています。
東部ドネツク州の状況について、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、SNSに投稿した動画で「総司令官から報告を受けた。困難な状況だが兵士たちは占領者を撃退するために全力を尽くしている」と述べるなど、ロシアとウクライナ双方の攻防が続いています。
ロシア国防省 ”モスクワ郊外などで無人機を撃墜”
ロシア国防省は21日、ウクライナの無人機による攻撃が仕掛けられたとして、この日の朝までに、モスクワ郊外で11機、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州やモスクワに隣接するカルーガ州など4つの州で34機を撃墜したと発表しました。
首都モスクワのソビャーニン市長は、人や建物の被害の情報などは入っていないとしたうえで「モスクワに対するこれまでで最大規模の攻撃の試みの1つだ」としています。
また、ロシアの航空当局は、無人機の攻撃への対応だとは説明していませんが、「民間機の飛行の安全を確保するため」として、21日の未明から朝にかけて、およそ4時間にわたってモスクワ近郊の3つの空港で運航を制限し、合わせて8機の航空機が行き先の空港を変更したとしています。
ロシア国内で無人機攻撃が相次ぐ
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まってから、ロシア国内での無人機攻撃が相次ぎ、今月14日、ロシア国防省は一晩に無人機117機を迎撃したと発表しています。
モスクワに対する攻撃もたびたび行われ、先月には、モスクワ州の上空で飛来してきた無人機1機が撃墜されたほか、モスクワでは去年7月と8月にビジネス街に相次いで無人機が飛来し、建物の一部が損壊するなどの被害が出ました。
また、去年5月にはモスクワのクレムリンを狙ったとされる無人機の攻撃があり、ロシア側は大統領を狙ったウクライナによる攻撃だと非難しましたが、ウクライナ側は関与を否定しています。
専門家 “ウクライナ側が関与した可能性”
ロシアの首都モスクワ郊外などで無人機が撃墜されたことについて、防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は「ウクライナ軍が関与したと思われるドローン攻撃はこれまでも見られている」と述べ、今回もウクライナ側が関与した可能性があると指摘しました。
そして、今回のタイミングについて「8月6日からウクライナ軍がロシア領内のクルスク州で地上越境攻撃を行っている。これに合わせた形でまたウクライナ側がモスクワおよびその周辺地域に対し大規模な攻撃を仕掛けてきているのではないか」と分析しました。
兵頭研究幹事は、クルスク州への越境攻撃によりすでに多くの地元住民が避難し、さらに今後もウクライナ側からの越境攻撃が続くことが予想される中、ロシア国内では動揺が広がり始めていると指摘しました。
そのうえで、ウクライナ側のねらいについて「ウクライナとしては地上越境攻撃に加えて空中からのドローン攻撃も行うことによって、さらにロシア国内を不安定化させていく。そして、ロシア国民に戦争を実感させ、えん戦の機運を高めていく効果をねらっているのではないか」と指摘しています。
また、ロシア側の受け止めについては「防空システムなどを使って迎撃しているとは言いながらも、過去最大級のドローン攻撃であるということは認めている。今後もこうしたドローン攻撃が増える可能性もあり、ロシア国民の間で動揺が広がることに強く警戒をしているのではないか」との見方を示しています。
プーチン大統領 ウクライナの越境攻撃を撃退する姿勢強調
一方、ロシアのプーチン大統領は20日、ロシア南部、北オセチア共和国のベスランを訪問しました。
ベスランでは2004年9月、武装グループが学校で児童や生徒など1200人以上を人質にとって立てこもり、治安部隊との銃撃戦のすえ、子どもを含む300人以上が犠牲となりました。
プーチン大統領は「以前、テロリストと戦ったのと同じように、いまはクルスク州などで罪を犯している者たちと戦わなければならない」と述べ、ウクライナの越境攻撃を、この事件になぞらえて、断固として撃退する姿勢を強調しました。
ウクライナ ロシア西部の前進誇示 ロシアも新たな集落掌握を主張
ロシア西部への越境攻撃を続けるウクライナ側は20日、ロシア領内に最大で35キロ前進し、93の集落を掌握したとしているのに対し、ロシア側はウクライナ東部ドネツク州にある集落を新たに掌握したと主張し、双方の攻防が続いています。
ウクライナのメディアは20日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃について、ウクライナ軍のシルスキー総司令官が、ロシア領内に28キロから35キロ前進し、1263平方キロメートルの領土と93の集落を掌握したと明らかにしたと伝えました。
これに対し、ロシアのベロウソフ国防相は20日、ロシア西部の州の名前をつけた「ベルゴロド」、「クルスク」、「ブリャンスク」という新たな3つの部隊を創設したと発表し、ウクライナとの国境地域の防衛強化を進める方針を示しました。
また、ロシア国防省は、ウクライナ東部ドネツク州での戦闘について「戦略的に重要な兵たん拠点である集落ノブゴロツコエを解放した」と主張しました。
ノブゴロツコエは、ロシア側の名称で、ウクライナ側はニューヨークと名付けています。
東部ドネツク州の状況について、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、SNSに投稿した動画で「総司令官から報告を受けた。困難な状況だが兵士たちは占領者を撃退するために全力を尽くしている」と述べるなど、ロシアとウクライナ双方の攻防が続いています。