【詳細】イスラエル・パレスチナ・中東情勢(5月15日)NHK 2024年5月15日 20時55分
イスラエル軍はパレスチナのガザ地区各地で激しい攻撃を続けていて、中部ヌセイラトでは空爆で子どもを含む少なくとも40人が死亡したと報じられています。こうした中、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止などに向けた交渉について、仲介しているカタールの首相は「ほぼ行き詰まっている」と述べ、合意にはほど遠いという見方を示しました。
イスラエル軍 “国連施設でハマス戦闘員の活動確認” 調査要求
イスラエル軍は14日、ラファ東部にあるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の施設でハマスの戦闘員の活動が確認されたとして、数日前に施設内を撮影したという上空からの映像を公開しました。
そして、国連の車両のそばに複数の戦闘員が確認できるほか、戦闘員が銃で住民を威嚇していると主張し、国連に対して緊急に調査するよう求めたとしています。
UNRWAをめぐっては、一部の職員が去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとされる疑惑を受け、一部の国が資金の拠出を停止する事態となりました。
ラファでは13日に国連の車両が攻撃を受けて職員2人が死傷し、ハマスはイスラエル軍による銃撃だと主張しています。
一方、イスラエル軍は詳細を調査中だとしていますが、今回の映像の公開を通じてUNRWAを改めてけん制するとともに、ラファへの攻撃を正当化する狙いもあるものとみられます。
イスラエル軍による空爆激化 子ども含む40人死亡
イスラエル軍は15日にかけて、ガザ地区の南部ラファや北部ジャバリアでハマスに対する地上作戦を続け、多数の戦闘員を殺害したとする一方、イスラエルの兵士にも死者が出ていることを明らかにしました。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、中部ヌセイラトではラファから避難した家族がいた3階建ての住宅が、空爆で跡形もなく壊れるなど、子どもを含む少なくとも40人が亡くなったとして、がれきの中から行方不明者を捜索する人たちの様子を伝えています。
ガザ地区の保健当局は、14日までに確認された死者は3万5173人に上ったとしています。
国連は5月6日以降、ラファから45万人近く、ガザ地区北部から10万人以上が避難を強いられたと推計しています。
仲介のカタール首相“交渉行き詰まっている”
戦闘の休止と人質解放に向けたイスラエルとハマスの交渉を仲介しているカタールのムハンマド首相は14日、交渉について「ほぼ行き詰まっている」と述べました。
そして、
▽ハマス側は、停戦が実現したあとに人質を解放するとしているのに対し、
▽イスラエル側は、人質の解放とともに戦闘の継続を求めているとして「共通点がなければ、成果をあげることはできない」と指摘しました。
さらにムハンマド首相は、多くの人が身を寄せていたラファをイスラエル軍が攻撃したことも交渉の機運を後退させたとして、合意にはほど遠いという見方を示しました。
赤十字国際委員会 南部ラファに病院開設
ガザ地区で医療支援を行っているICRC=赤十字国際委員会は、イスラエル軍が地上作戦を進めている南部ラファに5月9日、60床を備えた病院を開設したと発表しました。
野外のテントに設置されたこの病院は、ICRCの医師や人道支援の専門家などで運営され、1日あたりおよそ200人の診療が可能だということです。
救急科や産婦人科などが置かれているほか、多数の負傷者が発生した際のトリアージなどの対応もできるということです。
WHO=世界保健機関によりますとガザ地区にある病院のうち、稼働しているのは3分の1にとどまるということで、ICRCは声明で、「需要の高まりや稼働する施設の減少もあって、ガザ地区の人たちは必要な医療を受けるのに苦労している」と訴えるとともに、患者や医療関係者を攻撃の対象としないよう求めました。
病院は各国の赤十字社と連携して開設され、日本赤十字社からは手術室などが提供されたということです。
イスラエル軍はパレスチナのガザ地区各地で激しい攻撃を続けていて、中部ヌセイラトでは空爆で子どもを含む少なくとも40人が死亡したと報じられています。こうした中、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止などに向けた交渉について、仲介しているカタールの首相は「ほぼ行き詰まっている」と述べ、合意にはほど遠いという見方を示しました。
イスラエル軍 “国連施設でハマス戦闘員の活動確認” 調査要求
イスラエル軍は14日、ラファ東部にあるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の施設でハマスの戦闘員の活動が確認されたとして、数日前に施設内を撮影したという上空からの映像を公開しました。
そして、国連の車両のそばに複数の戦闘員が確認できるほか、戦闘員が銃で住民を威嚇していると主張し、国連に対して緊急に調査するよう求めたとしています。
UNRWAをめぐっては、一部の職員が去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとされる疑惑を受け、一部の国が資金の拠出を停止する事態となりました。
ラファでは13日に国連の車両が攻撃を受けて職員2人が死傷し、ハマスはイスラエル軍による銃撃だと主張しています。
一方、イスラエル軍は詳細を調査中だとしていますが、今回の映像の公開を通じてUNRWAを改めてけん制するとともに、ラファへの攻撃を正当化する狙いもあるものとみられます。
イスラエル軍による空爆激化 子ども含む40人死亡
イスラエル軍は15日にかけて、ガザ地区の南部ラファや北部ジャバリアでハマスに対する地上作戦を続け、多数の戦闘員を殺害したとする一方、イスラエルの兵士にも死者が出ていることを明らかにしました。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、中部ヌセイラトではラファから避難した家族がいた3階建ての住宅が、空爆で跡形もなく壊れるなど、子どもを含む少なくとも40人が亡くなったとして、がれきの中から行方不明者を捜索する人たちの様子を伝えています。
ガザ地区の保健当局は、14日までに確認された死者は3万5173人に上ったとしています。
国連は5月6日以降、ラファから45万人近く、ガザ地区北部から10万人以上が避難を強いられたと推計しています。
仲介のカタール首相“交渉行き詰まっている”
戦闘の休止と人質解放に向けたイスラエルとハマスの交渉を仲介しているカタールのムハンマド首相は14日、交渉について「ほぼ行き詰まっている」と述べました。
そして、
▽ハマス側は、停戦が実現したあとに人質を解放するとしているのに対し、
▽イスラエル側は、人質の解放とともに戦闘の継続を求めているとして「共通点がなければ、成果をあげることはできない」と指摘しました。
さらにムハンマド首相は、多くの人が身を寄せていたラファをイスラエル軍が攻撃したことも交渉の機運を後退させたとして、合意にはほど遠いという見方を示しました。
赤十字国際委員会 南部ラファに病院開設
ガザ地区で医療支援を行っているICRC=赤十字国際委員会は、イスラエル軍が地上作戦を進めている南部ラファに5月9日、60床を備えた病院を開設したと発表しました。
野外のテントに設置されたこの病院は、ICRCの医師や人道支援の専門家などで運営され、1日あたりおよそ200人の診療が可能だということです。
救急科や産婦人科などが置かれているほか、多数の負傷者が発生した際のトリアージなどの対応もできるということです。
WHO=世界保健機関によりますとガザ地区にある病院のうち、稼働しているのは3分の1にとどまるということで、ICRCは声明で、「需要の高まりや稼働する施設の減少もあって、ガザ地区の人たちは必要な医療を受けるのに苦労している」と訴えるとともに、患者や医療関係者を攻撃の対象としないよう求めました。
病院は各国の赤十字社と連携して開設され、日本赤十字社からは手術室などが提供されたということです。