台風5号 東北を横断 北日本は13日にかけて激しい雨のおそれ NHK 2024年8月12日 22時41分
東北を横断した台風5号の影響で、岩手県では記録的な大雨になり、浸水や土砂災害が発生しました。今後も雨量が増えるおそれがあり、引き続き土砂災害に厳重に警戒し、川の増水、氾濫、低い土地の浸水、暴風に警戒が必要です。
また、東北の日本海側と北海道でも雨が強まって雨量が増える見込みで、崖や渓流、川などからは離れて過ごしてください。
気象庁によりますと、台風5号は12日朝、岩手県大船渡市付近に上陸したあと、東北を横断しました。
12日午後9時には秋田県能代市の北西およそ30キロの海上を1時間に20キロの速さで北西へ進んでいます。
中心の気圧は998ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで中心の北東側330キロ以内と南西側220キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
岩手県など東北の太平洋側では雨が降り続いているところがあり、日本海側でも秋田県を中心に発達した雨雲がかかっています。
岩手県では記録的な大雨となり、48時間に降った雨の量は岩手県久慈市下戸鎖で午後4時50分までに481.5ミリと、1978年の統計開始以降最も多くなり、平年の8月1か月分の2.6倍を超える記録的な大雨となりました。
また、▽大槌町では午後7時半までに319ミリ、▽久慈市山形で午後6時50分までに284.5ミリ、▽岩泉町で午後7時半までに250.5ミリと、いずれも気象庁が統計を取り始めてから最も多くなりました。
これまでに降った雨で、岩手県では土砂災害の危険性が非常に高くなり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があるほか、氾濫危険水位を超えている川があります。
東北横断 速度遅く雨量増加
台風は徐々に勢力を弱めながら、13日には日本海で熱帯低気圧に変わる見込みです。
台風の動きが遅いため、北日本では13日にかけて激しい雨が降るほか、14日にかけて影響が残るおそれがあります。
7月に記録的な大雨となった東北の日本海側でも、このあと雨が強まるほか、北海道でも14日にかけて大雨となる見込みです。
13日夕方までの24時間に降る雨の量は、
いずれも多いところで、
▽北海道で150ミリ、
▽東北の日本海側で120ミリ、
▽太平洋側で100ミリと予想され、
14日夕方までの24時間には、
▽北海道で120ミリ、
▽東北の日本海側で100ミリ、
▽太平洋側で80ミリの雨が降る見込みです。
また、北日本では13日にかけて風が強く、海上では波が高い状態が続く見込みです。
気象庁は東北を中心に土砂災害に厳重に警戒するとともに、川の増水や氾濫、低い土地の浸水、暴風に警戒するよう呼びかけています。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。
12日は崖や渓流、川などから離れた安全な場所で過ごすようにしてください。
大雨の警戒すべきポイント
大雨で発生の危険性が高まるのは「土砂災害」「川の氾濫」、そして「低い土地の浸水」です。警戒すべきポイントをまとめました。
【土砂災害】
まず、土砂災害です。
2019年の台風19号では、記録的な大雨により宮城県丸森町をはじめ各地で土砂災害が発生し、犠牲となる人が相次ぎました。
短時間に猛烈な雨や非常に激しい雨が降ると、山の斜面などの地中にしみこむ前に地表を雨水が流れ、表面の土を削り取って土石流が発生しやすくなります。
また、激しい雨でなくても、長時間、雨が降り続くと地中に大量の水がしみこみ、崖崩れや地すべりが起きやすくなります。
大雨となったあとは地盤が緩んでいるため、雨が弱まっても土砂災害が発生するおそれがあります。
「土砂災害警戒情報」や自治体の「避難指示」などが発表されていなくても、土砂災害が起きることがあります。
土砂災害が発生する直前には
▽斜面から小石が落ちてくる
▽斜面に亀裂ができる
▽斜面から突然水が湧き出す
▽「山鳴り」や「地響き」などの異常がみられることがあります。
こうした現象に気がついた場合には直ちに安全を確保してください。
斜面や渓流などには近づかず、離れた頑丈な建物の高い場所に早めに避難するのが最も安全です。
ただ、周辺が浸水するなど外への避難がかえって危険な場合は
▽建物の2階以上に避難したり
▽斜面と離れた側の部屋に移動したりするなど
少しでも安全性を高める行動を取るようにしてください。
【川の氾濫】
次に川の氾濫です。
「中小河川」では、短時間の激しい雨でも水位が急激に上昇し、氾濫の危険性が高まることがあります。
2016年の台風10号では、大雨により岩手県岩泉町で小本川の水位が数時間で上昇して氾濫し、高齢者グループホームで入所者9人全員が死亡しました。
一方、「大河川」では、流域の広い範囲で雨が降り続くと、氾濫の危険性が高まります。
2019年の台風19号の際には、福島県を流れる阿武隈川で記録的な大雨が降ったことで堤防が決壊し、大規模な浸水被害につながりました。
いずれの川でも、自分のいる地域で雨が降っていなくても、上流で降った雨によって氾濫が発生することもあります。
気象情報のほか、川の水位の情報や自治体の避難情報を確認し、早めの避難を心がけてください。
すでに氾濫が発生し、安全に避難することが難しくなった時には、近くの頑丈な建物や、自宅の高い場所に移動するなど、少しでも安全性を高める行動を取るようにしてください。
また、大雨となっている中で川の様子を見に行くことも危険なので、控えるようにしてください。
【低い土地の浸水】
低い土地の浸水です。短時間に猛烈な雨や激しい雨が降ると、低い土地では降った雨が排水できなくなり、浸水が発生することがあります。
浸水が始まる前の早めの避難が大切です。
ただ、浸水が始まっている中での移動は危険です。
外に避難するのが難しい場合は、自分のいる建物の高い階に移動するなど身を守る行動を取ってください。
線路や道路などの下を通る「アンダーパス」は大雨で冠水しやすく、気付かずに車が入り込み乗っていた人が死亡する事故もたびたび起きています。
大雨の中で車の運転はなるべく控えてください。
東北を横断した台風5号の影響で、岩手県では記録的な大雨になり、浸水や土砂災害が発生しました。今後も雨量が増えるおそれがあり、引き続き土砂災害に厳重に警戒し、川の増水、氾濫、低い土地の浸水、暴風に警戒が必要です。
また、東北の日本海側と北海道でも雨が強まって雨量が増える見込みで、崖や渓流、川などからは離れて過ごしてください。
気象庁によりますと、台風5号は12日朝、岩手県大船渡市付近に上陸したあと、東北を横断しました。
12日午後9時には秋田県能代市の北西およそ30キロの海上を1時間に20キロの速さで北西へ進んでいます。
中心の気圧は998ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで中心の北東側330キロ以内と南西側220キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
岩手県など東北の太平洋側では雨が降り続いているところがあり、日本海側でも秋田県を中心に発達した雨雲がかかっています。
岩手県では記録的な大雨となり、48時間に降った雨の量は岩手県久慈市下戸鎖で午後4時50分までに481.5ミリと、1978年の統計開始以降最も多くなり、平年の8月1か月分の2.6倍を超える記録的な大雨となりました。
また、▽大槌町では午後7時半までに319ミリ、▽久慈市山形で午後6時50分までに284.5ミリ、▽岩泉町で午後7時半までに250.5ミリと、いずれも気象庁が統計を取り始めてから最も多くなりました。
これまでに降った雨で、岩手県では土砂災害の危険性が非常に高くなり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があるほか、氾濫危険水位を超えている川があります。
東北横断 速度遅く雨量増加
台風は徐々に勢力を弱めながら、13日には日本海で熱帯低気圧に変わる見込みです。
台風の動きが遅いため、北日本では13日にかけて激しい雨が降るほか、14日にかけて影響が残るおそれがあります。
7月に記録的な大雨となった東北の日本海側でも、このあと雨が強まるほか、北海道でも14日にかけて大雨となる見込みです。
13日夕方までの24時間に降る雨の量は、
いずれも多いところで、
▽北海道で150ミリ、
▽東北の日本海側で120ミリ、
▽太平洋側で100ミリと予想され、
14日夕方までの24時間には、
▽北海道で120ミリ、
▽東北の日本海側で100ミリ、
▽太平洋側で80ミリの雨が降る見込みです。
また、北日本では13日にかけて風が強く、海上では波が高い状態が続く見込みです。
気象庁は東北を中心に土砂災害に厳重に警戒するとともに、川の増水や氾濫、低い土地の浸水、暴風に警戒するよう呼びかけています。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。
12日は崖や渓流、川などから離れた安全な場所で過ごすようにしてください。
大雨の警戒すべきポイント
大雨で発生の危険性が高まるのは「土砂災害」「川の氾濫」、そして「低い土地の浸水」です。警戒すべきポイントをまとめました。
【土砂災害】
まず、土砂災害です。
2019年の台風19号では、記録的な大雨により宮城県丸森町をはじめ各地で土砂災害が発生し、犠牲となる人が相次ぎました。
短時間に猛烈な雨や非常に激しい雨が降ると、山の斜面などの地中にしみこむ前に地表を雨水が流れ、表面の土を削り取って土石流が発生しやすくなります。
また、激しい雨でなくても、長時間、雨が降り続くと地中に大量の水がしみこみ、崖崩れや地すべりが起きやすくなります。
大雨となったあとは地盤が緩んでいるため、雨が弱まっても土砂災害が発生するおそれがあります。
「土砂災害警戒情報」や自治体の「避難指示」などが発表されていなくても、土砂災害が起きることがあります。
土砂災害が発生する直前には
▽斜面から小石が落ちてくる
▽斜面に亀裂ができる
▽斜面から突然水が湧き出す
▽「山鳴り」や「地響き」などの異常がみられることがあります。
こうした現象に気がついた場合には直ちに安全を確保してください。
斜面や渓流などには近づかず、離れた頑丈な建物の高い場所に早めに避難するのが最も安全です。
ただ、周辺が浸水するなど外への避難がかえって危険な場合は
▽建物の2階以上に避難したり
▽斜面と離れた側の部屋に移動したりするなど
少しでも安全性を高める行動を取るようにしてください。
【川の氾濫】
次に川の氾濫です。
「中小河川」では、短時間の激しい雨でも水位が急激に上昇し、氾濫の危険性が高まることがあります。
2016年の台風10号では、大雨により岩手県岩泉町で小本川の水位が数時間で上昇して氾濫し、高齢者グループホームで入所者9人全員が死亡しました。
一方、「大河川」では、流域の広い範囲で雨が降り続くと、氾濫の危険性が高まります。
2019年の台風19号の際には、福島県を流れる阿武隈川で記録的な大雨が降ったことで堤防が決壊し、大規模な浸水被害につながりました。
いずれの川でも、自分のいる地域で雨が降っていなくても、上流で降った雨によって氾濫が発生することもあります。
気象情報のほか、川の水位の情報や自治体の避難情報を確認し、早めの避難を心がけてください。
すでに氾濫が発生し、安全に避難することが難しくなった時には、近くの頑丈な建物や、自宅の高い場所に移動するなど、少しでも安全性を高める行動を取るようにしてください。
また、大雨となっている中で川の様子を見に行くことも危険なので、控えるようにしてください。
【低い土地の浸水】
低い土地の浸水です。短時間に猛烈な雨や激しい雨が降ると、低い土地では降った雨が排水できなくなり、浸水が発生することがあります。
浸水が始まる前の早めの避難が大切です。
ただ、浸水が始まっている中での移動は危険です。
外に避難するのが難しい場合は、自分のいる建物の高い階に移動するなど身を守る行動を取ってください。
線路や道路などの下を通る「アンダーパス」は大雨で冠水しやすく、気付かずに車が入り込み乗っていた人が死亡する事故もたびたび起きています。
大雨の中で車の運転はなるべく控えてください。