【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月5日の動き) NHK 2024年8月5日 18時44分
ゼレンスキー大統領 アメリカ製F16戦闘機到着を明らかに
ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、アメリカ製のF16戦闘機が到着したと明らかにし「ウクライナに勝利と平和をもたらす成果を出してほしい」として戦況を好転させたいという考えを示しました。
また、ウクライナ軍のシルスキー総司令官もSNSで「ウクライナの都市を攻撃するロシアの犯罪者のミサイルや航空機の撃墜が増えるだろう」と強調しました。
ウクライナにはあわせて79機のF16が供与される予定で、イギリスの経済誌「エコノミスト」は4日、ウクライナは最初の10機を受け取ったと伝えています。
そのうえで専門家の分析として、ウクライナ軍の士気を高めるのに役立つことや、NATO=北大西洋条約機構の戦略データシステムとつなげることができ、探知能力の改善につながるなどのメリットを指摘する一方、供与される数が少ないことや、兵士が運用経験を積むには時間がかかるなどの課題も伝えています。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「より広い範囲の防空部隊への統合を成功させるためには、ウクライナはかなりの数のF16が必要となる」と指摘し、航空戦力として十分に活用するためには欧米側からさらなるF16の供与が必要だと指摘しました。
また「欧米側が供与する長い射程の兵器でロシアの後方地域やウクライナにあるロシアの占領地域の防空施設を標的にしていく必要がある」としてF16の運用に向けてはロシア側の地対空ミサイルシステムなどをさらに破壊する必要があると分析しています。
F16戦闘機の供与 各国の状況は
ウクライナは、航空戦力を強化し、ロシア軍による空からの攻撃を防ぐためだとして、F16戦闘機の供与を各国に求めてきました。
開発国アメリカのバイデン政権は当初、配備に時間がかかることなどを理由に認めてきませんでしたが、去年5月のG7広島サミットの場で、ヨーロッパの同盟国による供与を認める方針を表明しました。
これまでに
▽オランダが24機、
▽デンマークが19機、
▽ノルウェーが6機、
▽ベルギーが2028年までに30機の供与を表明し、あわせて79機が供与される予定です。
また、各国の支援のもと、ウクライナ軍のパイロットの訓練が去年の夏以降、デンマークやアメリカなどで行われてきました。
アメリカ国防総省の高官は、過去に、機体の供与や訓練も含め、F16戦闘機が実戦配備されるまでにはおよそ1年半かかるという見通しを示していましたが、短縮した形です。
一方、ゼレンスキー大統領は7月9日、「ロシアは毎日、航空機300機をウクライナに対して使用している」と述べ、これに対抗するためウクライナにはF16戦闘機が128機必要だと訴えています。
F16戦闘機の供与 戦況への影響は
ウクライナへのF16戦闘機の供与についてアメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所は、ことし6月、戦況への影響や課題をまとめた報告書を発表し、「ウクライナは戦争と交渉のテーブルで大きな影響力を得ることができる」としています。
それによりますと、F16戦闘機によって去年の夏のウクライナの反転攻勢で障害となったロシア軍のヘリコプターと地上部隊との連携をより効果的に妨害できるとしています。
また、ロシア軍の航空部隊による東部ハルキウ州への滑空爆弾を使った攻撃を抑えることが期待されるとしたほか、ロシアの無人機やミサイルの探知や排除に、効果を発揮し、ウクライナの防空能力を高めると指摘しています。
その上でF16戦闘機は、欧米諸国の多種多様な兵器を搭載でき、黒海でのロシア軍の艦隊の活動をけん制することもできるとしています。
一方で課題のひとつとしてあげられているのが、パイロットの訓練期間です。
アメリカ空軍の戦闘機のパイロット訓練では、戦闘任務に適していると認定を受けるまでに3年から4年が必要で、戦術的な編隊飛行が可能となるにはさらに時間が必要だということです。
すでに基本的な操縦技術を持つウクライナ空軍のパイロットでも機体の構造が異なるため、習熟には時間がかかることから、「F16戦闘機が戦場で大きな影響を与えるかどうかを判断するのは来年まで難しい」としています。
さらに、ウクライナが戦場で優位に立つためには、これまでに供与が予定されている数の倍以上にあたる、少なくとも216機のF16戦闘機が必要だと指摘しています。
そして「ウクライナが領内で制空権を確立し、勝利の可能性を大幅に高めるためには必要な装備を供与すべきだ」として欧米諸国が継続して支援する重要性を強調しています。
ゼレンスキー大統領 アメリカ製F16戦闘機到着を明らかに
ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、アメリカ製のF16戦闘機が到着したと明らかにし「ウクライナに勝利と平和をもたらす成果を出してほしい」として戦況を好転させたいという考えを示しました。
また、ウクライナ軍のシルスキー総司令官もSNSで「ウクライナの都市を攻撃するロシアの犯罪者のミサイルや航空機の撃墜が増えるだろう」と強調しました。
ウクライナにはあわせて79機のF16が供与される予定で、イギリスの経済誌「エコノミスト」は4日、ウクライナは最初の10機を受け取ったと伝えています。
そのうえで専門家の分析として、ウクライナ軍の士気を高めるのに役立つことや、NATO=北大西洋条約機構の戦略データシステムとつなげることができ、探知能力の改善につながるなどのメリットを指摘する一方、供与される数が少ないことや、兵士が運用経験を積むには時間がかかるなどの課題も伝えています。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「より広い範囲の防空部隊への統合を成功させるためには、ウクライナはかなりの数のF16が必要となる」と指摘し、航空戦力として十分に活用するためには欧米側からさらなるF16の供与が必要だと指摘しました。
また「欧米側が供与する長い射程の兵器でロシアの後方地域やウクライナにあるロシアの占領地域の防空施設を標的にしていく必要がある」としてF16の運用に向けてはロシア側の地対空ミサイルシステムなどをさらに破壊する必要があると分析しています。
F16戦闘機の供与 各国の状況は
ウクライナは、航空戦力を強化し、ロシア軍による空からの攻撃を防ぐためだとして、F16戦闘機の供与を各国に求めてきました。
開発国アメリカのバイデン政権は当初、配備に時間がかかることなどを理由に認めてきませんでしたが、去年5月のG7広島サミットの場で、ヨーロッパの同盟国による供与を認める方針を表明しました。
これまでに
▽オランダが24機、
▽デンマークが19機、
▽ノルウェーが6機、
▽ベルギーが2028年までに30機の供与を表明し、あわせて79機が供与される予定です。
また、各国の支援のもと、ウクライナ軍のパイロットの訓練が去年の夏以降、デンマークやアメリカなどで行われてきました。
アメリカ国防総省の高官は、過去に、機体の供与や訓練も含め、F16戦闘機が実戦配備されるまでにはおよそ1年半かかるという見通しを示していましたが、短縮した形です。
一方、ゼレンスキー大統領は7月9日、「ロシアは毎日、航空機300機をウクライナに対して使用している」と述べ、これに対抗するためウクライナにはF16戦闘機が128機必要だと訴えています。
F16戦闘機の供与 戦況への影響は
ウクライナへのF16戦闘機の供与についてアメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所は、ことし6月、戦況への影響や課題をまとめた報告書を発表し、「ウクライナは戦争と交渉のテーブルで大きな影響力を得ることができる」としています。
それによりますと、F16戦闘機によって去年の夏のウクライナの反転攻勢で障害となったロシア軍のヘリコプターと地上部隊との連携をより効果的に妨害できるとしています。
また、ロシア軍の航空部隊による東部ハルキウ州への滑空爆弾を使った攻撃を抑えることが期待されるとしたほか、ロシアの無人機やミサイルの探知や排除に、効果を発揮し、ウクライナの防空能力を高めると指摘しています。
その上でF16戦闘機は、欧米諸国の多種多様な兵器を搭載でき、黒海でのロシア軍の艦隊の活動をけん制することもできるとしています。
一方で課題のひとつとしてあげられているのが、パイロットの訓練期間です。
アメリカ空軍の戦闘機のパイロット訓練では、戦闘任務に適していると認定を受けるまでに3年から4年が必要で、戦術的な編隊飛行が可能となるにはさらに時間が必要だということです。
すでに基本的な操縦技術を持つウクライナ空軍のパイロットでも機体の構造が異なるため、習熟には時間がかかることから、「F16戦闘機が戦場で大きな影響を与えるかどうかを判断するのは来年まで難しい」としています。
さらに、ウクライナが戦場で優位に立つためには、これまでに供与が予定されている数の倍以上にあたる、少なくとも216機のF16戦闘機が必要だと指摘しています。
そして「ウクライナが領内で制空権を確立し、勝利の可能性を大幅に高めるためには必要な装備を供与すべきだ」として欧米諸国が継続して支援する重要性を強調しています。