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鹿児島県警不祥事のカゲで苦しむ女性 → 性加害めぐり県警と県医師会の対応に疑問

2024-09-11 14:26:11 | 安倍、菅、岸田の関連記事
鹿児島県警不祥事のカゲで苦しむ女性 性加害めぐり県警と県医師会の対応に疑問 ハンター代表は「冒瀆だ」 東京新聞 2024年9月11日 06時00分

鹿児島県警の内部文書が漏えいした事件の陰で、一人の女性が苦しんでいる。2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員による暴行事件の「被害者」。彼女のことを、事件を巡る資料を外部に流出させた元警察官は裁判で語った。「捜査に時間がかかっているし、流れも疑問。被害者をふびんに思った」。県警の強制捜査を受けたウェブメディア「ハンター」の代表・中願寺純則さん(64)も、この暴行事件を県警の「暗部」と訴える。いったい何が起きたのか。(望月衣塑子)
◆コロナ禍、医師会が使うホテルで「性暴力」
 女性は2022年1月、強制性交等罪で県医師会の男性職員を県警中央署に告訴した。しかし、県警が関係者の聴取に踏み切ったのは10カ月たってから。その間、ある出来事が起きている。
 「同意の上での性交だった」。2022年9月、男性が所属していた県医師会の池田琢哉会長(当時)らが記者会見で発表。男性は停職3カ月の懲戒処分となり、翌10月末に依願退職した。
そもそも何があったのか。女性や弁護士によると、2021年8~9月、コロナ禍で救急患者が宿泊する療養施設などで、男性から部屋に呼び出され胸をもまれたりキスをされたりしたほか、医師会が使っていたホテルなどで計4回にわたって性暴力を受けたという。
◆県医師会の内部調査では「セクハラがあった」
 2021年9月30日に女性からメールを受け取った同僚が、女性の様子がおかしいことに気づき翌日10月1日に問いただした際、女性が「性暴力を受けた」と告白、問題が発覚した。
 男性が数年間にわたって所属していた県産婦人科医会事務局は、県の性加害サポートネットワークかごしま(通称・FLOWER)との連絡窓口。県医師会が問題を把握した2022年1月以降は、男性は事務局の勤務を解かれていた。
 県医師会の内部調査では、他の3人の女性職員や女性派遣社員への抱きつきやキスなどのセクハラやパワハラ行為があったとの報告やLINE(ライン)の履歴も提出された。
◆鹿児島県警は医師会の男性職員を書類送検
 しかし、県医師会はそれらの指摘を「数年前のことで(調査の)時間もなかった」(大西浩之副会長)として懲戒処分の対象に含めなかった。
 医師会の懲戒処分とは別に、県警の捜査は進まなかった。2023年3月、国会で立憲民主党の塩村文夏衆院議員が捜査の遅れを問題視。警察庁の渡辺国佳刑事局長は「個別事件のコメントは控える」と答弁し、一般論として「被害の届け出がなされれば、被害者の立場に立ち対応すべきで、警察が被害届の受理を渋っているのではと受け取られることのないよう、被害者の心情に配意するよう指導している」と述べるにとどめた。
3カ月後の2023年6月、県警が強制性交等の容疑で男性を書類送検した。12月に鹿児島地検が不起訴処分にした。女性は「不起訴は不当」と今年1月に鹿児島検察審査会に審査請求した。これとは別に、民事でも男性を相手に慰謝料を求め提訴している。
◆ハンター代表「被害を訴える女性を冒瀆」
 この事件を巡っては2024年4月、事件に関わる「告訴・告発事件処理簿一覧表」などを外部に流出したとして起訴された県警公安部の元巡査長藤井光樹被告(49)が公判で、こんなふうに動機を語っていた。
「時間がかかっているし、流れも疑問。被害者をふびんに思った」
「(情報を出すことで)検察が再度調査する方向になればと考えた」
 ハンター代表の中願寺氏は「情報漏えいの事件の核心は、女性への性暴力事件でのおかしな警察捜査にあるのに、この問題は今も、うやむやにされている」と指摘し、続けた。
「警察は関係者への聴取着手に、なぜ10カ月以上もかかったのか疑問だ。捜査中の2022年9月と今年6月に県医師会が開いた会見は、被害を訴える女性を冒瀆(ぼうとく)する行為だ」
◆「県医師会から性加害を闇に葬られた」
 女性は、県医師会の会見がYouTubeにアップされたままのことについても被害を訴えている。「個人が特定される」などとして削除と謝罪を求めているが、県医師会は「個人が特定されるものは出していない」として応じていない。
 女性は「県医師会から性加害を闇に葬られ、尊厳が踏みにじられ、怒りと失望でいっぱい。男性は当初、手紙などで2度、罪を認め謝罪していたことを医師会はどう受け止めているのか。男性が県警OBの父親と県警に相談し『事件にならない』と言われたとも聞く。何を信じればいいかわからない状態だ」と話す。
◆県医師会は「会見開催が必要と判断」
 医師会側はなぜ記者会見で事件に言及したのか。県医師会顧問で元県弁護士会会長の新倉哲朗弁護士は取材に、2022年9月の会見について「男性を処分するかを判断するため、双方の言い分や資料を調べた上で『合意があった』と判断した。警察が捜査しているかがよくわからなかったので捜査の動きとは関係ない」と説明。今年6月の会見は「『医師会や男性側への実害が生じている』と聞き、会見した」と話し、人権侵害ではとの指摘には「それは評価の問題だ」と反論した。
 県医師会の大西副会長は、今年6月の会見について「情報漏えい事件の報道を機に強制性交があったのではないかとの指摘が再び出始め、メディアからの取材も増えたため会見開催が必要と判断した」と話した。
◆弁護士は「同意の上の性交だった」との発表を疑問視
 女性の弁護を担当する藤村元気弁護士は、県医師会の「同意の上の性交だった」と会見で発表したことを疑問視している。「県医師会の判断は電話やメールで連絡を取っているから同意があると言わんばかりであるが、性交渉に対する同意という前提部分の理解が誤っている。婚姻ないし交際関係にあってもそれだけで常に同意があったことにはならない。県医師会の判断は性被害を受けた者は加害者との接触を断つはずという固定観念にとらわれているが、仕事上接触を断てないケースがあることを見過ごしている」
女性は今も、外で男性と似たような年齢や体格の人を見ると身体が凍り付いてしまい、県医師会や暴行を受けたホテルの近くには怖くて行けない状況が続いているという。女性は取材に、こう打ち明けた。
 「今でも夜中に男性の声が聞こえたり、顔が突然浮かんだりする。気を抜くと突如泣き出してしまう。昔は人と接することが大好きだったのにいまはなるべく人との接触を避け、部屋にこもりがちになった。性被害を受けた多くの女性たちは、声を上げられないのではなく、そんな余裕もない、生きることだけで精いっぱいの状態に追い込まれているのだと思う。裁判の場で男性がきちんと裁かれ、県医師会や県警の過ちが認められるよう強く願っている」
◆鹿児島県警「捜査は適切」
 鹿児島県警は東京新聞の取材に、女性が告訴した事件ついて「捜査は適切に行われたものと認識している」と回答した。
 鹿児島県警「情報漏えい」事件 ニュースサイト「ハンター」に捜査資料を漏らしたとして、鹿児島県警は2024年4月、県警公安課の元巡査長の男を逮捕=地方公務員法違反罪で起訴され、懲役1年執行猶予3年の判決。ハンターの事務所を家宅捜索した。元巡査長は起訴内容を認めら「警察組織を変えたかった」との動機もあったと説明した。押収データを端緒に県警は5月末に前生活安全部長の本田尚志被告=国家公務員法違反の罪で起訴=を逮捕した。
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