公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

スポーツ扱いしてくれないのか

2005-12-10 00:01:11 | 公営競技論

浜松オートレースの一連の存廃騒動を通じて、オートレース以上の赤字事業があることやムダ開発がなされている浜松市の現状が明るみになっているわけで、まさに今お騒がせ中の耐震計算偽造問題と同じく、叩けば叩くほど「埃」が出てくるわけであるが、それでも多くの市民はオートレースだけは「やめてしまえ!」ということになってしまう。

最近になって、

「オートレースは100円で1日遊べるところ」

と言う意見も出始めているけど、もともとそんなものは「分かりきった」こと。

しかしながら、これまで公営競技界はその「分かりきった」ことに対してはっきりいって「背いてきた」。ただカネがうごめくだけのところという意識しかいまだ植えつけていない。となればこういった「危機的状況」に立ったときに誰からも協力を求められない。

また西宮競輪の話になってしまうが、この西宮ってところは知っての通り、野球場をそのまま使用して競輪場としたところである。「西宮球場」は5万人収容という大球場であるが、その器の大きさがゆえに、競輪場としては実に「ゆったりとした気持ち」で観戦できた競輪場でもあった。

私は最初に行ったときの他、数回ほどただ「見ている」だけだったことがある。もちろん、カネは小銭だけしか持って行っていない。そしてレースの合間には2階席に行って「昼寝」ができた。ま、「客が入っていない」からそんなことができたんだが、西宮は「50円」で入れたから50円でヒマ潰しができるし、はたまた昼寝もできる。そんでもってレースも見れる。これほど「安くて」「心休まる」レジャーなど他にどこ探したって「ない」わけである。

大村競艇が今年の女子王座決定戦の際、売り上げのことなど一切触れずに、

「ただ見に来てくれるだけでいいんです!」

「サッカー、野球、バレーボールetc・・・一回見るためにどれくらいかかりますか?高いですよね!競艇は100円!100円で「見れるんです」!100円で女子のトップレーサーの走りが見れるんです!」

と宣伝したところなんと、あまり気にしていなかった売り上げも目標よりも10億円アップ。その上最終日の入場者数はなんと2万人を越えた。

この宣伝の仕方、全国モーターボート連合会競走会がやるわけがない。全モ連は逆に、

「SGや特別G1戦は朝7時から買えます!」

とただ「買ってください」だけしか言わないわけだから。

しかし大村市は全モ連の動きに背こうとも、

「競輪がオリンピック種目になりました。競艇だって本当はオリンピック種目に採用してもらいたいほどの「素晴らしいスポーツ」なんです!」

と「ダメ」を押した。しかしながら、今民間委託がどうのこうのとかいう議論になっているが、大村競艇は市の職員がそんな宣伝をしてしかも「成功」させているんだぜ。

確かに野球やサッカーあたりは入場料で儲けなければならないから必然的に「高くなる」。一番安い席でも1500円ぐらい。しかもそんな席は非常に見難い場所。

これではただ疲れに行っているようなものである。

西宮競輪場は大概が死角になって見難く、確かに、

「こんなところ競輪やるとことちゃうやないか!」

という向きもあった。しかし2階席に行けば話は別であり、ほとんど全貌できた。その見晴らしというのは他の競輪場では「味わえない」ものだった。

しかも「50円」だからなぁ。いまどきいろんなレジャー施設において50円で入れるところなどどこ探したってなかろう。

さらに、別に弁当持込禁止なんてこともない。そういやサッカーを見に行ったとき、国立競技場ではペットボトルでさえ「没収」された。東京ドームもそうだった。公営競技場ではそんな制約などは一切ない。

ということは、公営競技場ってのはまさしく「娯楽の殿堂」ではないか。

そして、

「ちょっと運試しに賭けてみるわ」

といって「打つ」こともできるわけであり、こんな「贅沢な」遊びは他にないし、また「守り増やしていかねばならない」大切な財産ではないのか?

それを他の公営事業が赤字にもかかわらず税金をムダ使いし放題しているくせして、公営競技には1円も税金は投入できないなどというのはもってのほか。

ということならば、公営競技ってのは民間企業体よりも厳しい経営姿勢が求められているわけだが、当の主催者は果たしてどれだけこれまでそういった姿勢を打ち出すことができたのか?それだけ厳しい事業ならばそれなりの態度を示すべきではないのか。

競輪については漸く西宮・甲子園の廃止によって目覚めた施行者が増えるようになり、防府競輪なんか、1日の売り上げが1000万円レベル程度になることがあるというのに「黒」らしい。もちろん、民間委託などしていない。

やはり公営競技の基本ってのは「見てもらう」ことではないのか。ただ売り上げだけに固執するとなると既存の客に「おんぶにだっこ」の姿勢しか打ち出せず、やたらと場外発売を増やして結果的に客の財布を疲弊させるだけ。結局10年前と比較して発売回数・日数はどの競技も3倍ぐらいになっているにもかかわらず売り上げは「きれいに」反比例しているのである。

ま、見てもらうだけでは・・・という考えになっていることも否めまい。競輪選手のだらしなさを何回か言っているが、競艇だって一般戦の前半のレースなど「見るに耐えない」し、オートレースとて同じ。競馬もそうか。

ということは、より質の高いレースを提供せねばならないのは当然の話であり、それに合致しない連中をオミットせざるを得ないのはもう何度も言っていること。しかも、そんな連中に支払う賞金総額の売り上げに対する比率は年々高くなる一方。

見たくもない選手がのうのうと現役でいられるという「不思議な世界」公営競技。

「買ってください」と宣伝したところで売り上げは落ちる一方の公営競技。

ダメだとわかっていてもそれに固執するから「知らない人間」から、

「あんなところ行っちゃダメよ!」

と釘を刺される。

そうではなくて、逆にしらない人間を引っ張りこめるようにしないとな。ということは、まず、

「買う以前に先に見に来てください!」

という姿勢が今こそ何よりも求められている。

また、それが本当に浸透すれば公営競技を逆に「保護しようという」働きだって生まれてくるはず?

「公営競技潰すのか!許せん!それなら他のデタラメ3セク事業はどうするのか!」

「もし潰したら市長以下市会議員も全員選挙で「落とすからな!」」

というようになるよう努めてもらいたいね。


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