岸和田の全日本選抜が終了。これで今年の競輪G1開催は全て終了した。
S級戦のみならず、記念でさえ大量欠場が頻発していたことから4月より、G1開催前の間隔は必ず1週間は開けるようにとの申し合わせが行なわれた。これにより、当初12月1日~4日までの日程だった全日本選抜は3日~6日の日程、つまり「平日決勝」に改められた。
これにはテレビ中継の確保の絡みもあると考えられたわけだが、はっきりいえることは、平日決勝では爆発的な売り上げの伸びは考えにくいということだ。
まだまだ記念あたりだと平日決勝でも売り上げが伸びるかもしれないが、なかなか日曜をファイナルに持ってこなかったオートレースでさえ今や日・祝日をファイナルに持ってきており、とりわけ優勝戦当日は大勢のファンで埋まるようになった。競艇は98年からSGについては日曜優勝戦日を貫いている。
しかし競輪の場合、来年はG1の平日決勝が非常に目立つ。確かに昔は、
「土日は人が来るから予選でも稼げるし、平日決勝だと客はムリをしてでも買ってくれる。」
という格言めいたものはあった。また、記念が概ね火曜決勝でありながらも好調な売れ行きなことからビッグ開催もそれに倣ったんだろう。さらに地上波テレビ中継も平日ならば確保しやすい。
だが、やはり客を本場へ呼び込まねばどうにもなるまい。競輪界はこの日程の取り扱いについて毎年のようにコロコロと変えているが、はっきり言えることは、平日決勝では客は本場には今「来づらい」状況にあるということだ。とりわけ人減らしが急速に進んで業務量が急増しているサラリーマン族は有給休暇も今や取りにくい状況になっている。
それと最後のG1が「全日本選抜」というのも、どうもパッとしない。
多くのファンは締めのG1は「競輪祭」だという認識があろう。私もそんな認識がある。ひょっとすると多くのファンは競輪祭を11月に戻してくれ、と願っているのかもしれない。
しかし、競輪祭を11月に戻しても今や「一緒」だろう。
競輪祭は当初毎年開催というわけではなく、5年に一回の開催という時期もあった。それを昭和38年から毎年開催するようにしたわけだが、実はしばらくの間、競輪祭の1つ前の特別競輪といえば「日本選手権競輪」と相場が決まっていた。
それどころか、日本選手権は締めの特別競輪として「長らく」10月の終わりから11月はじめまでとほとんど「固定」されていたのである。
ところが秩父宮妃杯競輪が「選手のチンチロリン大会」が発覚したことにより宮妃さまの逆鱗に触れて廃止された。そのため2月に開催されていた同大会がなくなればほぼ半年の間、特別競輪の開催がなくなるという事態を防ぐため、1972年に日本選手権を3月に移行したのである。
それ以来、日本選手権競輪は3月開催となっているが、3月開催というのは寒さがまだ和らぐ時期ではないので、選手は一番体調を崩しやすい時期。したがって一番盛り上がりに欠ける時期ともいえる。
役所の年度末が3月にあたることから、競輪関係団体としては都合がいいのかもしれないが、客にとってそんなことは「関係ない」わけだろ。
もし日本選手権が昔のように締めの特別競輪ということとなれば、選手だってG1では最も賞金の高い大会だから気合いの入れ方も違ってくるだろうし、客とて一緒ではないだろうか。
また、12月開催というのも問題。今年の全日本選抜は急激に訪れた寒波や雨に祟られっぱなしだった。だいたい今の時期というのは本格的に冬の季節が到来する時期でもあり、気候も安定しない時期だ。そこに特別競輪を持ってきてもどうにもならんわけだろ。
前々から言っている日程というのは、2月競輪祭、5月オールスター、6月宮杯、8月寛仁親王牌、10月全日本選抜、11月日本選手権であり、どうせなら、宮杯を10月にして全日本選抜を「廃止」し、6月には「ワールドグランプリ」をG1に持ってきたほうがよかろう。また、トラックのワールドシーズンも冬季に移行したことだし、今の日程では少々ムリがあるのではないか。
5月にオールスター?と言われるかもしれないが、もともとオールスターも5月の開催。白鳥伸雄の胴上げ優勝が語り継がれている65年の大会の決勝日は5月5日であった。
それが秩父宮妃杯競輪の廃止を境に崩れてしまって今日に至っているのである。
今や4日間制G1では150億円をちょい越しするのが精一杯。確かに記念の場外が拡大されてG1の「ありがたみ」が失われていることが根っことして考えられるわけだが、一方でもし日程を大幅に変更できるようなことがあれば多少はその効果もでるかもしれないということも考えられるはず。
そろそろ大きな「メス」を入れてもらいたいものだね。
もっとも、一番の問題は選手の走りがあまりにも「だらしがない」こと。ま、何度も同じことを言うのはやめておこう。