洗濯物は「裏返し」「表のまま」どっちが正解?ライオンに聞いた 読売新聞 2025/07/07 11:00
洗濯をしようとして洗濯かごの中をのぞいた時、裏返しになった家族の下着やズボンなどが放り込まれていると、モヤモヤした気持ちになるという人は少なくないようです。読売新聞が運営するユーザー投稿サイト「発言小町」にも、「妻子が洗濯物を表にして出してくれない」と悩む男性から投稿が寄せられています。でも、そもそも洗濯物は裏返しにして洗ってはいけないのでしょうか。日用品大手のライオン(東京)で洗濯分野の生活情報を研究している「お洗濯マイスター」の大貫和泉さんに尋ねました。
「表のまま出した方が片付けるのが楽」
写真はイメージです
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家事分担で洗濯を任されているトピ主の「じょにー」さん。子どもの頃に親から「洗濯物は干してくれる人のことを思って、表にして出すように」と教わったため、洗濯物はいつも表にして洗濯かごに入れています。
ところが、トピ主さんの妻と2人の幼い子どもたちは、洗濯物をすべて裏返しにして、かごに入れるそう。数年前、妻に「洗濯物は表にしてほしい」と伝えましたが、妻は「裏返しにした方が汚れが落ちる」と主張し、以降も改める様子はありません。
仕方なく、妻子の洗濯物を表にし直してから干しているトピ主さんは、「妻のことは諦めていますが、子どもたちには『表にするように』と言った方がいいのか、意見を聞かせてください」と発言小町に呼びかけました。
このトピには、150件以上のレス(反響)がありました。
洗濯物を表にして洗っているトピ主さんに共感するのは、「るん」さんです。「我が家は夫が裏で、私が表なんですよね。私が表にする理由は、乾燥機から取り出してそのまま着られるし、片付けるのが楽だから」とコメントしました。
一方、裏返しにして洗うと言うのは、「ミツキ」さん。「服や靴下の裏側の方が、皮脂や汗で汚れているし、トップスの飾りやプリントなども表のまま洗うと傷むし、表のまま干すと色あせも気になる」と説明します。
表でも裏でも気にしないといった意見もありました。「マイケルくん」さんは、「うちの夫もTシャツや靴下などが裏返しになっていますが、そのまま洗ってそのまま乾かしてそのまま畳んでいます。指摘もしませんし、何とも思いません」と冷静に答えています。
汚れが気になる面を表に
洗濯物は、表にして洗うべきなのか、それとも裏返しにして洗うべきか。ライオンの大貫さんは、洗濯をする時には汚れがより気になる面を表にした方がいいと説明します。「洗濯機の中で、洗剤液を含む水の流れが当たり、他の衣類とこすれる面の方が、汚れや臭いが落ちやすくなります。臭いの原因となる汗や皮脂、角質などは、衣類の内側に付着するので、特に臭いが気になる靴下や肌着は、裏返しにして洗濯するといいでしょう」
泥や食べ物などの汚れが表面に付着した子どもの靴下やTシャツなどは、表にして洗うのがおすすめです。
汚れや臭いを効率良く落とすコツは他にも。大貫さんは「縦型洗濯機の場合は、パルセーター(回転板)に近い位置の方が洗浄力が高いため、汚れや臭いが気になる衣類は、洗濯機の一番下に入れると良いです」とアドバイスします。
また、洗濯機に洗濯物をたくさん詰め込むと、洗濯槽内の衣類の動きが悪くなり、洗浄力が低下してしまいます。そのため、洗濯物の量は洗濯機の容量の7割程度に抑えること。洗濯槽のステンレス部分が5センチ程度見える状態が7割程度になります。
速く乾かして生乾き臭を防ぐ
トピ主さんは、洗濯物を乾かす時も表にして干しているそうですが、大貫さんは、「外干しをするのであれば、裏返しにして干した方が良い」と言います。紫外線による色あせを予防するためですが、裏返すと型崩れしやすいワイシャツなどは表のまま干すのが良いそう。
特に夏場は、洗濯した後の衣類から生乾き臭がするなどの臭いのトラブルが起こりやすいので、注意が必要です。大貫さんによると、そのような嫌な臭いは、乾きにくくて湿った状態が長く続いた洗濯物に発生しやすく、臭いの原因となっているのは、洗濯で落とし切れなかった汚れや菌です。「汚れをしっかり落とすには、汚れや臭いが気になる部分に直接洗剤を塗布してから洗ったり、できるだけこまめに洗濯をしたりすること。菌の増殖を抑えるためには、洗濯前の洗濯物を通気性の良いかごに保管し、洗濯したら速く乾かすことが大切です」
部屋干しでも外干しでも、速く乾かすためのコツがあります。「角ハンガーを使用する時には、両外側に長い衣類を干し、内側に向かって短い衣類を干す『アーチ干し』が効果的です。乾きにくい長い衣類をハンガーの両端にすれば風が当たりやすく、アーチの下部に大きな空間が生まれて、風が通りやすくなるからです」
洗い方や干し方にちょっとした工夫をするだけで、洗濯がより快適になりそうです。
(読売新聞メディア局 長縄由実)
洗濯をしようとして洗濯かごの中をのぞいた時、裏返しになった家族の下着やズボンなどが放り込まれていると、モヤモヤした気持ちになるという人は少なくないようです。読売新聞が運営するユーザー投稿サイト「発言小町」にも、「妻子が洗濯物を表にして出してくれない」と悩む男性から投稿が寄せられています。でも、そもそも洗濯物は裏返しにして洗ってはいけないのでしょうか。日用品大手のライオン(東京)で洗濯分野の生活情報を研究している「お洗濯マイスター」の大貫和泉さんに尋ねました。
「表のまま出した方が片付けるのが楽」
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家事分担で洗濯を任されているトピ主の「じょにー」さん。子どもの頃に親から「洗濯物は干してくれる人のことを思って、表にして出すように」と教わったため、洗濯物はいつも表にして洗濯かごに入れています。
ところが、トピ主さんの妻と2人の幼い子どもたちは、洗濯物をすべて裏返しにして、かごに入れるそう。数年前、妻に「洗濯物は表にしてほしい」と伝えましたが、妻は「裏返しにした方が汚れが落ちる」と主張し、以降も改める様子はありません。
仕方なく、妻子の洗濯物を表にし直してから干しているトピ主さんは、「妻のことは諦めていますが、子どもたちには『表にするように』と言った方がいいのか、意見を聞かせてください」と発言小町に呼びかけました。
このトピには、150件以上のレス(反響)がありました。
洗濯物を表にして洗っているトピ主さんに共感するのは、「るん」さんです。「我が家は夫が裏で、私が表なんですよね。私が表にする理由は、乾燥機から取り出してそのまま着られるし、片付けるのが楽だから」とコメントしました。
一方、裏返しにして洗うと言うのは、「ミツキ」さん。「服や靴下の裏側の方が、皮脂や汗で汚れているし、トップスの飾りやプリントなども表のまま洗うと傷むし、表のまま干すと色あせも気になる」と説明します。
表でも裏でも気にしないといった意見もありました。「マイケルくん」さんは、「うちの夫もTシャツや靴下などが裏返しになっていますが、そのまま洗ってそのまま乾かしてそのまま畳んでいます。指摘もしませんし、何とも思いません」と冷静に答えています。
汚れが気になる面を表に
洗濯物は、表にして洗うべきなのか、それとも裏返しにして洗うべきか。ライオンの大貫さんは、洗濯をする時には汚れがより気になる面を表にした方がいいと説明します。「洗濯機の中で、洗剤液を含む水の流れが当たり、他の衣類とこすれる面の方が、汚れや臭いが落ちやすくなります。臭いの原因となる汗や皮脂、角質などは、衣類の内側に付着するので、特に臭いが気になる靴下や肌着は、裏返しにして洗濯するといいでしょう」
泥や食べ物などの汚れが表面に付着した子どもの靴下やTシャツなどは、表にして洗うのがおすすめです。
汚れや臭いを効率良く落とすコツは他にも。大貫さんは「縦型洗濯機の場合は、パルセーター(回転板)に近い位置の方が洗浄力が高いため、汚れや臭いが気になる衣類は、洗濯機の一番下に入れると良いです」とアドバイスします。
また、洗濯機に洗濯物をたくさん詰め込むと、洗濯槽内の衣類の動きが悪くなり、洗浄力が低下してしまいます。そのため、洗濯物の量は洗濯機の容量の7割程度に抑えること。洗濯槽のステンレス部分が5センチ程度見える状態が7割程度になります。
速く乾かして生乾き臭を防ぐ
トピ主さんは、洗濯物を乾かす時も表にして干しているそうですが、大貫さんは、「外干しをするのであれば、裏返しにして干した方が良い」と言います。紫外線による色あせを予防するためですが、裏返すと型崩れしやすいワイシャツなどは表のまま干すのが良いそう。
特に夏場は、洗濯した後の衣類から生乾き臭がするなどの臭いのトラブルが起こりやすいので、注意が必要です。大貫さんによると、そのような嫌な臭いは、乾きにくくて湿った状態が長く続いた洗濯物に発生しやすく、臭いの原因となっているのは、洗濯で落とし切れなかった汚れや菌です。「汚れをしっかり落とすには、汚れや臭いが気になる部分に直接洗剤を塗布してから洗ったり、できるだけこまめに洗濯をしたりすること。菌の増殖を抑えるためには、洗濯前の洗濯物を通気性の良いかごに保管し、洗濯したら速く乾かすことが大切です」
部屋干しでも外干しでも、速く乾かすためのコツがあります。「角ハンガーを使用する時には、両外側に長い衣類を干し、内側に向かって短い衣類を干す『アーチ干し』が効果的です。乾きにくい長い衣類をハンガーの両端にすれば風が当たりやすく、アーチの下部に大きな空間が生まれて、風が通りやすくなるからです」
洗い方や干し方にちょっとした工夫をするだけで、洗濯がより快適になりそうです。
(読売新聞メディア局 長縄由実)