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普天間飛行場の補修に、日本側が2013年度以降217億円負担 → 米軍「辺野古基地できても返さない」

2024-08-13 12:44:28 | 安倍、菅、岸田の関連記事


©東京新聞


沖縄国際大の前泊博盛教授 ©東京新聞



<独自>普天間飛行場の補修に217億円 辺野古移設の裏で10年以上も税金投入 「居座るつもりか」沖縄の怒りに米軍は… 東京新聞 2024年8月13日 06時00分

沖縄県名護市辺野古(へのこ)への移設に伴い、返還されることになっている宜野湾(ぎのわん)市の米軍普天間(ふてんま)飛行場で、2013年度以降、日本側が217億円の補修費を負担していることが分かった。

住宅街に囲まれ、「世界一危険な米軍基地」と言われる普天間飛行場の危険性除去のため、日米両政府が基地返還に合意して28年。辺野古移設は難工事が予想され、いまだ返還の見通しは立っていない。
返還が遠のけば、さらなる負担増の恐れもある。普天間返還はポーズなのか。米軍が本音をのぞかせた。(中沢誠)
◆20年前にヘリ墜落、危険と隣り合わせ今も
基地問題に詳しい、沖縄国際大学の前泊博盛教授の研究室からは、隣接する普天間飛行場が一望できる。
ちょうど20年前の8月13日、飛行場を飛び立った米海兵隊の大型輸送ヘリが、この大学の校舎に激突し、炎上。乗員の米兵3人が負傷した。学生や住民に被害はなかったが、飛散した部品が周辺の住宅に突き刺さるなどした。
今も米軍のヘリやオスプレイが頻繁に飛び立ち、危険と隣り合わせにある状況は当時から何も変わっていない。
かさ上げされた滑走路、戦闘機のオーバーラン防止の設備、足場が組まれた隊舎。
前泊氏によると、毎日のように研究室から基地をながめていると、あちこちで工事が進められている様子がよく分かるという。
前泊氏は「日本側の補修工事だけでなく、米軍も独自に滑走路工事など行っており、施設増強が進んでいる」と指摘する。
米軍普天間飛行場 沖縄県宜野湾市の中心部にある米海兵隊の基地。長さ約2800㍍の滑走路を備える。米軍が太平洋戦争末期の沖縄戦で土地を接収し、建設した。周りに住宅や学校が密集し、たびたび危険性が指摘されてきた。1995年の米兵による少女暴行事件を機に、翌96年、日米両政府が返還に合意。当時、返還は「5~7年以内」としていた。日本政府は1999年に移設先を名護市辺野古にすると閣議決定したが、沖縄での基地負担のたらい回しに県民は反発している。

◆返還時期示しながら基地「延命」
いずれは日本に返還される普天間飛行場で、どれほどの補修工事が行われているのだろうか。確認しようと東京新聞は、防衛省沖縄防衛局に情報公開請求を行った。
開示されたのは、沖縄防衛局が発注した補修工事の契約名や受注業者、契約額などを記した「普天間飛行場における契約記録一覧」。
開示文書によると、補修工事は2013年から始まっていた。
実は、この年、日米両政府は「早ければ2022年度に普天間返還が可能」との見通しを示していた。
つまり両政府は「早ければ2022年度返還」と打ち出しながら、一方で、基地の延命のための工事に乗り出していたことになる。
沖縄防衛局が発注した事業は、2023年度末までに、格納庫や隊舎、倉庫の改修など18施設で計149件に上り、契約総額は200億円を超えていた。◆「必要最小限の補修」と言うが…
普天間飛行場の補修工事は、米国側からの要望だった。
防衛省は、「2012年4月の日米安全保障協議委員会の共同発表を踏まえ、普天間飛行場が移設されるまでの間、安全な運用の維持などを図るため、必要最小限の補修として、2013年度から実施している」と説明する。
防衛省は、「必要最小限の補修」と説明するが、開示文書によると、契約額が億単位の工事が並び、完成まで数年がかりの大規模工事も目立つ。40億円以上をかけた雨水排水施設では、「改修」としながら巨大な調整池を基地内に造成していた。
前泊氏は「普天間返還が決まった後に、数百億円をかけて毎年のように施設建設を行う、その矛盾を日本政府はどう説明するのか」と疑問を投げかける。
◆滑走路は米軍が改修
普天間飛行場では、日本側で発注している工事とは別に、米軍も独自に滑走路の補修工事を行っていた。防衛省によると、2017年度に実施されたという。費用は米軍の負担だが、金額は明らかにしていない。
前泊氏が研究室から見えた滑走路のかさ上げは、米軍側で実施したと思われる。
米海兵隊太平洋基地は、東京新聞の取材に「普天間では、運用と即応性を支える施設を確保するために補修が必要だ。任務遂行能力を維持できるよう、返還されるまで維持管理されなければならない」と答えた。
◆返還遅れれば、さらなる負担増も
防衛省によると、2023年度末までに発注済み18施設のうち12施設は補修を終え、6施設は工事中だという。費用は、米軍再編関係経費(思いやり予算)から日本側が全額負担している。
補修は全体で24施設を予定しており、残りの6施設は今後着手する。防衛省は、最終的な負担額について「確定的に申し上げるのは困難」とする。
ただし、24施設で補修が終わる確約はない。
そもそも当初の計画では、補修は5施設だけだった。2016年になって19施設が追加され、日本の負担額は大きく膨らんだ。
普天間返還が遅れれば、米国側から新たに補修を迫られる可能性もある。
◆当初は「5~7年以内に返還」
今、沖縄をはじめ各地で米兵による性暴力事件が相次いで発覚しているが、普天間飛行場が返還に向けて動き出したのも米兵による性暴力事件だった。
1995年に少女への性暴力事件が発生。すると県民の反基地感情が一気に高まり、翌1996年、普天間返還に日米両政府が合意した。
1996年の返還合意の際には、返還は「5~7年以内」と表明していた。その後、「早ければ2022年度」と軌道修正が図られたものの、実現しないまま今に至る。
◆辺野古移設が「唯一の解決策」なのか
政府は「世界一危険な普天間基地の危険性除去」を理由に、辺野古で新基地建設を推し進めているが、20年以上も普天間の危険性は放置されたままだ。
移設先の辺野古では、埋め立て海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省は工費の膨張や工期の延長を余儀なくされた。しかも、軟弱地盤を固める改良工事は難工事が予想され、計画通り新基地建設が進むのか先行きは不透明だ。
政府が「唯一の解決策」と辺野古移設にこだわる限り、普天間返還は遠のくばかり。政府の主張する「唯一の解決策」は、本当に実現できるのだろうか。
辺野古新基地建設 普天間飛行場の移設先として当時の沖縄県知事が2013年、辺野古沿岸部の埋め立てを承認。埋め立て海域に軟弱地盤が見つかったため、防衛省は2020年、県に設計変更を申請した。玉城デニー知事は承認せず、法廷闘争に。2023年12月、国が「代執行」で県の同意なしに変更を承認した。計画では、海底に約7万本の砂ぐいなどを打ち込んで地盤を固める。工費は当初の2.7倍の9300億円に膨れ、工期は今後9年3カ月かかると見込む。工事が順調に進んだとしても、普天間返還は2030年代半ば以降となる。

◆米軍「辺野古基地できても返さない」
「辺野古基地ができても普天間は返さないよ」
米軍との懇談の席で、こう豪語する米軍司令官は何人もいたと前泊氏は明かす。
東京新聞が、米海兵隊に普天間返還の見解を問うと、日本政府の主張をなぞったような回答が返ってきた。
「日米両政府は、辺野古の代替措置が、沖縄における米海兵隊の運用航空能力を維持する唯一の実行可能な解決策であると合意している」
ただ、前泊氏の証言を裏付けるように、米軍が本音をのぞかせたことがある。
2023年11月、沖縄に駐留する米軍が、報道機関向けに開いた説明会でのことだ。
米軍幹部は、辺野古の新基地の完成を「早くても2037年になる」との見通しを示し、滑走路が普天間飛行場より短い点を「ネガティブなポイント」と発言。
辺野古移設を「最悪なシナリオ」と呼び、「軍事的な観点からは普天間にいた方がいい」と語っていた。
◆「延命どころか基地強化だ」
「たまげたなあ、200億とは。これじゃあ基地の延命どころか強化だ。米軍は、もう普天間を返さないつもりなんじゃないか」
沖縄防衛局から開示された普天間飛行場の補修工事一覧を示すと、宜野湾市の桃原(とうばる)功市議は驚きの声を上げた。長年、基地問題を追及してきた地元のベテラン市議でさえ、大規模な補修工事の全貌をつかめていなかった。
桃原市議は「なかなか辺野古に基地ができないから、普天間の補修が必要だというのは、ゆがんだ発想でしかない。『辺野古が唯一の選択肢』というのは政府の主張であって、そもそも辺野古移設は県民の総意ではない」と訴える。
◆「ただちに普天間の運用停止を」
普天間飛行場の周辺住民にとっては、200億円以上かけた基地の延命に「辺野古に新基地ができても、米軍は普天間に居座るつもりでは」との疑念はぬぐえない。
防衛省沖縄防衛局は、補修工事について「普天間飛行場が移設されるまでの間、安全な運用の維持などを図るため、老朽化が進んでいる施設や設備について、必要最小限の補修を実施するものであり、普天間飛行場の固定化につながるものではない」と主張する。
普天間飛行場のそばで暮らす高橋年男さん(71)は「アメリカの安全基準からも逸脱した危険で違法な運用が続いている。危険性の除去というなら、すぐに返還できないにしても、ただちに普天間の運用停止でしょ。危険な基地をなぜ強化するのか」と憤る。
◆基地問題の専門家はどう見る
「普天間・辺野古 歪められた二〇年」の著書がある宮城大蔵・中央大法学部教授(日本外交)の話 本来の目的は普天間飛行場の速やかな危険性除去だったはずなのに、今や辺野古を巡る国と沖縄県の対立にすり替わっている。目指すべき目的が不明瞭になっていることが、辺野古にも普天間にもお金を投じる不合理な事態を招いている。辺野古移設に巨費を投じても使い物になるか疑わしい。政府は「危険性除去」という原点に立ち返り、改めて普天間返還への合理的な道筋を追求すべきだ。
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