公営競技はどこへ行く

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造船、繊維・・・ → 「高偏差値大学」ばかり採用して左前になった企業はごまんとある → IT化が進み「低偏差値大学出身者」でもそれなりに対応できるようになった

2022-10-11 07:39:49 | 大学受験
但し、将来の幹部候補ということになると、高偏差値大学出身者のほうが候補になりうる人物は多いと思う。

造船、繊維、映画といった業界は、かつてはこぞって高偏差値大学出身者を採用した。

ところが、こういった業界は、時代の変革の波に対応できなかった企業が多く、既に消えた会社も少なくない。

なぜそうなってしまったかというと、要するに、プライドだけが高く、その企業によからぬ事態が起きても、誰も責任を取ろうとしなかった企業が少なくない。

対して、1970年代から80年代にかけて、スーパーや証券といった、かつては高卒が主力だった業界は瞬く間に急成長したが、これは、高卒や、「低偏差値大学出身者」が縁の下の力持ちとなって下支えした結果、企業に活力が生まれ、結果、業績が上昇した、という企業が多かった。

そして今、日本の産業界は総じて衰退基調にあり、「国際競争力のある企業」は昭和の時代と比較すると随分減ったが、それでも、成長している企業は成長している。

そうした企業は、だいたい、中堅あたりの規模の企業が目立つ。

こうした規模の企業は、高学歴大学出身者を採用するのは至難の業。

しかし、進行を続けるIT化にうまく乗り、結果、低偏差値大学出身者でもスキルアップが可能な企業体制にもっていけている企業は、それなりに業績も上がっている。

一方、大企業は意外とIT化の波に乗り切れていない会社が多く、それゆえに、企業変革ができていないところが少なくない。

時価総額の「高止まり基調」だけで何とか持っているような企業も少なくなく、株価が吹っ飛んだら「ヤバくなる」企業も出てくると思う。

高偏差値大学出身者を優先して採用する意味とは、要するに、計算力の高さと読解力の深さ、そして、プレゼンテーション力の高さ、といった点が挙げられるが、それは幹部候補としては重要だが、新入社員から何年か経った「若手時代」は、さして重要とはいえない。なぜなら、計算は今はコンピューターがやってくれるし、読解力の深さが本格的に求められるのは中間管理職に就いてから。プレゼンテーション力の高さも同様で、若手時代はむしろ、元気がある、とか、上司や客に好かれている、といった要素のほうが重要だ。

しかも、今は、時代の流れがすごく早く、10年前に覚えたことが平気で陳腐化する時代だ。

つまり、「常に探究心を持っていない」人物は淘汰される。

変革が不十分な企業は、探究心のない社員が多いと思われる。こういった企業は将来的にヤバい。




今年6月、ある新卒向け就活情報サイトの記事が大炎上しました。

「【行く意味ある?】Fランク大学一覧」というタイトルで、内容は一部の大学出身者を差別するもの。

 また、一覧の中には音大や美大、体育大学なども掲載されており、信ぴょう性にも欠ける内容ゆえか、多くの批判を集め、最終的には削除されてしまいました。

 さて、この問題記事のタイトルにもなった「Fランク大学」とは、予備校大手の河合塾が合否判定不能な大学を「Border Free」と分類したことに由来し、低偏差値の大学を意味します。

 実際にこうした大学の出身者は、社会に出て十分に活躍しているのでしょうか? 今回は、企業の経営者・人事部門の関係者に「Fランク大学出身者の評価」についてヒアリング。彼ら彼女らの「入社後」と「企業側の評価」について紹介していきましょう。

大手企業はFランク大学を敬遠する

 今回、新卒を毎年10人以上定期採用している大手企業・中堅企業38社に調査したところ、うち11社は「Fランク大学出身者はいません」「取引先の関係者など特別枠を除く一般採用ではゼロ」ということでした。11社はいずれも大手の上場企業でした。

「当社の新卒採用は、建前でなく学歴不問です。ただ、結果的に、低偏差値の大学の出身者は1人もいません。そうした大学にも魅力ある学生がいるようですが、学力を必要とする入社試験を実施していることから、内定には至らないのでしょう」(通信)

「以前、Fランク大学出身者を採用したことがあります。しかし、配属した営業部門での成績が極端に悪く、部門長から『なんでアホを押しつけるんだ。ちゃんと人事部門で面倒を見ろよ!』と猛烈な抗議を受けました。それ以来、敬遠しています」(電機)

 就活でよく話題になるのが、学歴によって一部の大学生を排除する「学歴フィルター」。その真偽は不明ですが、採用市場で有利な立場にある大手企業は、あえて低偏差値の大学から採用する必要がないと判断しているようです。

 Fランク大学出身者がいると回答した会社も、本当は採用したくないが、やむなく採用しているという様子でした。

「わが社は知名度が低く、新卒採用では苦戦しています。一定数の新人を確保しようと思うと、若干名のFランク大学生を採用することになります。社長は『無理して数合わせをしなくて良いよ』と言ってくれますが、事業部門からは『とにかく人手を確保して欲しい』という強い要望があり、悩ましいところです」(IT)

「入社後の仕事ぶり」は評価が分かれる
 では、Fランク大学出身者は入社してから活躍しているのでしょうか。まず、「仕事の役に立たない」という意見を紹介します。

「Fランク大学出身者は、トラブルを起こすとかではないんですが、とにかく仕事ができません。仕事を覚えるのが遅いし、覚えてもすぐ忘れちゃうし、なかなか応用が効かない。基本的な読み書きが不自由なレベルだと、業務に支障が出て、会社ではちょっと厳しいですね」(住宅)

「まず、絶対的に仕事のパフォーマンスが低いですね。あと、子どもの頃から学業で失敗し続けてきたせいか自信喪失気味で、主体的に行動しないという問題点もあります。優れた人材を選ぶのに偏差値は無意味ですが、劣った人材を足切りするには偏差値は有効だと思います」(小売)

 一方、ヒアリングした経営者・人事部門関係者の半数近くから、「戦力になっている」「意外と役立っていますよ」という好意的な意見も聞かれました。

「Fランク大学出身者は、自分に能力が足りないことを自覚し、弱点を補おうと着実に努力します。結果的に、『俺たちは優秀だ』とふんぞり返っている有名大学の出身者よりもよく伸びます。もちろん、目を見張るような仕事をするわけではありませんが、十分に戦力になっていますよ」(物流)

「偏差値と仕事ぶりは、まったく関係ありません。大学入試の時点の学力よりも、入った後にいかに努力するかです。こちらの期待値も低いので、予想に反してグングン成長し活躍してくれると、採用した人事としては嬉しいですね」(サービス)

 事前に予想されたことですが、入社後の仕事ぶりは評価が大きく分かれました。

職場のほかのメンバーに良い影響も
 企業の経営者・人事部門関係者は、賛否両論あるFランク大学出身者とどう向き合おうとしているのでしょうか。

「できれば採用したくない」という声が多い中、その存在を高く評価する意見もありました。

「入社2年目のFランク大学出身者が書いた手書きの文書を見たお客様から、『ふ』『ね』といった難しい平仮名の形が一定せず、濁点の位置もまちまちだと指摘されました。お客様は『いまは手書きをしませんからね』と笑っていましたけどね」

 これは、ある住宅メーカーの人事部長のコメントです。しかし同時に人事部長は、“平仮名をちゃんと書けない彼”のことを評価もしていました。

「平仮名事件は社内で問題になり、私もずいぶん心配しました。しかし、その後この社員は、『まずは平仮名から教えてください!』とお客様の懐に飛び込んでいって関係づくりをし、素晴らしい営業成績を上げるようになりました。優等生ばかりでなく、こういうタイプの社員も必要なのだと痛感しました」

 また、職場のほかのメンバーに対して良い影響を与えているという指摘もありました。

「Fランク大学出身者には『22年間の遅れを取り戻すために、とにかく学べ』と言っています。彼らが懸命に学ぶと、周囲のメンバーが刺激されて『あいつに負けていられない』と学習するようになります。当社は学習する組織になることを目指しており、良い起爆剤になっています」(素材)

「当社では、優秀な人材だけを集めた職場よりも、優秀な人材と、優秀ではないけど頑張る人が混じり合っている職場の方が、断然パフォーマンスが良好です。お互いが補完し、刺激し合うということですかね」(金融)

 アリの集団で、働きアリが全体の2割、普通のアリが6割、働かないアリが2割になるという性質を「働きアリの法則」と言い、人間の組織にも当てはまると言われます。Fランク大学出身者も含めて多様な組織が、強い生命力を持つのでしょう。

Fラン大学出身者への批判は的外れ
 ところで、企業側の声だけを拾うのは片手落ちなので、今回、大手企業で働いているFラン大学出身者4人に話を聞いてみました。

「能力が劣るのは、紛れもない事実」「私のような低学歴の人間を雇ってくれて、会社には感謝しています」という謙虚なコメントが多かったのですが、エネルギー会社に中途入社した中川正志さん(仮名)は、低偏差値の大学出身者を蔑視する会社の姿勢を疑問視していました。

 中川さんは、Fランク大学出身者を批判する人には「俺たちのような優秀な人材の集まりに無能なお前たちが仲間入りし、美味しい思いをするのは許せん」という歪んだ意識があるとし、経営者・人事部門を次のように糾弾します。

「そんなに低偏差値の大学出身者が邪魔者だというなら、採用しなければ良いじゃないですか。働きが悪いというなら、給料を下げれば済む話じゃないですか。そういうことをせずに、ああだこうだ言っている人の気が知れません」

 たしかに、多くの日本企業は、新卒一括採用の仕組みを変えず、事業部門の要望に応じて数合わせで新人を採用しています。また、年功序列賃金にこだわり、業績・能力などを公正に評価する仕組みに変革できていません。こうした制度の歪みがFランク大学という問題に反映されています。

 Fランク大学出身者について考えると、過去の制度・習慣にしがみつき、なかなか変革を進めることができない「日本企業の問題」に行き着くのです。

(日沖 健)
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