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売買とは「買売」が基本である(最終更新:2009-10-07 04:55:45)

2018-08-21 21:19:54 | 政治経済問題

宋文洲さんの、「やっぱり変だよ、日本の営業」という本に、

『中国では、「ばいばい」とは「買売」という』

と書かれてあった。つまり、日本では「売買」というからには、まずは売りありき。だが、中国では買いのほうが売りよりも先に立つ、ということ。

ユダヤ人と並んで、華僑が商売上手と言われる所以は、まさにこの意味にあるかもしれない。

ところで、民主党の内需主導策に対し、中国経済がこれから伸びるから、やはりそれを無視できない、として、なおも外需主導を唱える経済学者、経済評論家は少なくない。大企業の多くもやはり、外需の復調を願っている。

ま、決して間違ってないだろうけどね。しかしながら、中国は上述の通り、「買売」思想が基本。アメリカならば「売買」でも十分通用しただろうが、中国ではそれでは通用しないのではないだろうか。

アメリカでは、消費者金融が急速に発達したことにより、中低所得者層が借金をしてまで消費に走る、といった動向が少なからず見られた。しかし、中国ではそうはいくまい。

確かに、中国、インドは10億人規模の人口を抱えている、という点においては、格好の市場ターゲットといえる。

しかし、インドはカースト制度がいまだ根強く残っていて、まだまだ市場開拓できるほどの経済トレンドになっているとはいいがたい。ま、中国の場合は、貧しいとされている農村部でも車社会になりつつあるとはいえ、他の消費財に伝播するとは言いがたい状況だろう。

外需に依存する、ということであるならば、とことん中国というものを見据えねばなるまい。しかし果たして、13億人もの人口のトレンドをくまなく見渡すことなど、果たしてできるものであろうか。

そういえば、こんな話がある。

http://asyura2.com/09/hasan65/msg/273.html

トヨタは、プリウスは確かに絶好調だが、レクサスは極度の不振に喘いでいるとか。しかも、中国政府は、レクサスを一時的に輸入ストップした。この事例について、明らかにマーケティングの失敗ではないか、という声が上がっている。

外国へのマーケティング戦略というのは、信用リスクや為替リスクといった要因に加え、カントリーリスクなどの要因が複雑に絡み合い、慎重に対処しないことには、大きな落とし穴に嵌りかねない。

そういえば、アメリカは日本製品が上陸するたびに、輸入自由化要求や国内では、過度な関税をかけまくり、結果、こうした制裁の煽りを受けて潰れていった日本企業は少なくない。だが、アメリカのほうも、輸入品に対する制裁処置を発動するだけで、国内の製造業を発展させる努力を明らかに怠った。

結果、今アメリカにおける産業別売り上げ高に占める製造業の割合は、せいぜい13%程度しかない。それもそのはず。セーフガードを発動したところで、国内製の製品は消費者ニーズをつかめず、消費者が買うのはやっぱり外国製。そんな状況なのに、アメリカ製製品が海外で売れるはずがない。ビッグスリーと言われた自動車メーカーの破綻は、アメリカ製造業の破綻をものの見事に示している。

民主党が内需主導と謳っている背景が果たしてこうしたところにあるのかどうか分からないが、マーケティングという側面に立てば、日本国内をまだまだ開拓できているとは言いがたい。とりわけ、高齢者層については。

貯蓄が1500兆円にも上るといわれる日本。それはつまり、消費したくても消費するものがない、という話に繋がっていくのかも。にもかかわらず、日本はこれから人口減少社会に突入するから、もはや市場は飽和状態である、という大企業を中心とした主張には疑問を感じる。

しかも、本来ならば喜ぶべきはずの「円高ドル安」状況を、自公政府も、はたまた大企業も、それと相反する考え方になってしまうのは一体どうしてなのか?

それはつまり、「買売」という考え方に立ってないからではないか。買う、という側面に立てば、輸入品は買いやすくなるわけだから、輸入品で恩恵を受ける業界は潤うはずだし、ひいてはやがて、輸出への回復にも繋がっていくという見方もできるはずだが。とりわけ、資源が著しく乏しい日本では、円高ドル安はむしろ好機と見るのがスジ。

もしそうした見方に立てなければ、日本もやがて、悪い意味で、「アメリカ化」していくことになるかもしれない。しかしながら、日本の製造業、とりわけパーツについてはまだまだ世界を席巻する企業がたくさんある。ネジ一本で世界をリードする中小企業が存在する国なんて、はっきりいって日本ぐらいなものである。

ま、宋さんの本でも痛烈に述べられていたが、日本企業の営業の仕方にも問題があるかもしれない。日本の製造技術は世界でトップクラスなのだから買いなさい、ではもはや通用しまい。本気で中国市場を席巻したいという意欲が経営者の中にあるのならば、まずは中国で何を「買えるか」を考えてみないとね。


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